ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

中国は沖縄に独立宣言をさせる~恵隆之介氏

2012-10-31 08:57:44 | 国際関係
 惠隆之介氏が語る「沖縄本島では『弾を撃たない戦争』が既に始まっている!」。視聴をお勧めしたい。
 惠氏によると、沖縄の仲井真知事は中国の帰化人(元は蔡姓)。稲嶺前知事も(毛姓)。沖縄を取れば尖閣は付録で付いてくる。中国は沖縄に独立宣言をさせる。観光客と称して工作員を多数送り込み、親日派の首長を確保して発言を封じる。その時、わが国は何をできるか。内政干渉になるからと米国も手を出せない・・・・
 惠氏は沖縄出身、元海上自衛官で、作家、拓殖大学客員教授。
http://youtu.be/xuDJrJgn6Ho
http://www.youtube.com/watch?v=xuDJrJgn6Ho&feature=youtu.be

 沖縄の独立は、中国による直接的な侵攻・略奪ではない。沖縄県民の意思として行われるよう工作される。武力による戦争ではなく、諜報戦が行われている。独立宣言は、日本の国内法では非合法的な仕方であっても、中国は即座に沖縄独立に支持を表明するだろう。その途端に国際問題になる。今日、国際社会は、民族自決の検束によって独立運動を容認し、本国の武力介入に反対する傾向がある。中国は国連安全保障理事会の常任理事国であり、わが国は敵国条項の対象である。非常に厳しい展開となるだろう。
 もし沖縄が事実上、中国の支配下に入ったら、日本は窮地に陥る。シーレーンの防衛が困難になり、のど元に手をかけられた状態になる。中国による日本支配、日本併合へと進みかねない。

 ところで、作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏は、琉球独立運動を煽動している。佐藤氏は、琉球新報に連載している「ウチナー評論」第248回(平成24年10月27日号)で、沖縄の現状は「民族紛争の初期段階」、ここで重要なのは「独自言語の回復」。それは「共通の歴史の記憶を呼び起こすから」と述べ、オスプレイの沖縄からの撤去、日米地位協定の抜本的改定、米軍基地の辺野古移設阻止が「焦眉の課題」と説く。独自言語等による文化の振興で、沖縄の「東京の中央政府」及び米国政府への交渉力が増すという。
 佐藤氏は、昨年交通事故で亡くなった言語学者・東京外国語大名誉教授の半田一郎氏に見出されて琉球語を学習した。だが、言語・文化への理解は、分離・独立の煽動ではなく、多様性の共存に生かすべきである。佐藤氏の外交センスは巷間称えられるような優れたものではない。佐藤氏は沖縄を中国に盗らせるつもりか。そしてチベット・ウイグルにするつもりか。

 中国による沖縄支配を防ぐには、どうすればよいか。私は沖縄県民の中国に対する意識の改革が最重要の課題であると思う。本土への不満と中国への幻想が結びついたとき、沖縄はチベットやウイグルと同じ道に迷い込む。次に重要な課題として、わが国は、中国の諜報活動から沖縄及び日本を防衛するため、刑法の通牒利敵条項の復活、スパイ防止法の制定、憲法改正と日米安保の攻守同盟化が不可欠である。

関連掲示
・拙稿「中国で沖縄工作が公言~石平氏」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/a3ac2550ec7308d805acfe732eb25d4a
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尖閣:中国海軍の示威に屈するな

2012-10-29 09:41:23 | 尖閣
 10月16日、中国海軍の艦艇が初めて日本西端の接続水域を通過した。与那国島-西表島間の海域で、与那国島の南南東約49キロ付近と伝えられる。尖閣国有化に対抗し、侵攻・略奪をもくろむ中国政府が、武力による示威行動を行ったものと受け止め、警戒したい。
 中国の指導層には、好戦的な意見と慎重な意見があるのだろうが、好戦的な部分に注目すると、中国共産党機関紙「人民日報」は、7月13日の記事で、わが国政府の尖閣国有化方針を非難し、「国と国との関係は子供の遊びではない」「(挑発が)度を越せば、釣魚島問題を制御できなくなる危険性がある」「日本の政治家たちはその覚悟があるのか」「国の核心的利益について、中国は半歩でも退くことはない」などと、強硬な論を張り、武力行使も辞さない姿勢を示した。
 9月に入ると、人民解放軍から、自衛隊が尖閣諸島に出動した場合、軍事行動を辞さないとする発言が相次いだ。読売新聞9月21日号が伝えるところでは、中国系香港紙「文匯報」によると、北京で同月15日、将軍5人の座談会が開かれ、徐光裕少将(軍防化指揮工程学院の元副院長)は「海上自衛隊が釣魚島(尖閣諸島の中国名)の12カイリ内に入るか、中国の民間船舶を攻撃すれば、断固として軍事行動を取る」と述べ、他の4人も主戦論を展開したという。また軍関係の研究機関・中国政策科学研究会の彭光謙少将は同月14日のシンポジウムで、「自衛隊が釣魚島に上陸すれば、一線を越えたことになる。軍はいつでも使命を履行できる」と述べたという。
 対外的には、強硬な発言をすることで日本人を威嚇し、領土を守る意思を挫こうとするものだろう。また国内的には、政権内での軍の発言力を強め、政府中枢に圧力をかける意図もあるだろう。今回の中国海軍艦艇の接続水域通過による武力による示威行動は、こうした好戦的な部分が具体的な形を取ってきたものと理解し、尖閣防衛の体制整備を急がねばならない。現状では、わが国独自の防衛体制整備ができておらず、米軍の協力に頼らざるを得ない。
 こうしたなか、10月22日陸上自衛隊と在沖縄米海兵隊による沖縄県の無人島を使った離島奪還訓練が予定されていた。しかし、実施直前にオバマ政権は統合演習の中止を決めた。中国を刺激しないためという理由らしい。相手を刺激しないために訓練を取りやめるというのは、誤ったメッセージを発することになる。そのためか分からぬが、24日中国海洋調査船が尖閣周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)において事前通報とは異なる範囲で調査活動を行った。25日には中国の海洋監視船「海監」4隻が尖閣沖の日本領海に侵入した。28日にも侵入を繰り返した。日本の接続水域内での中国公船の航行は8日連続となった。中国は尖閣周辺の海域を自国の領海や管轄区域のように振る舞う行動を常態化させ、わが国を屈服させようと狙っているものだろう。こうした中国の圧力に屈せず、自らの領土を守り抜く意思を強くし、尖閣防衛のための具体的措置を早急に進めるべきである。米国頼みの状態を続けていれば、中国には攻め取られ、米国には裏切られという最悪の事態に立ち至るだろう。
 以下は関連する報道記事。

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●読売新聞 平成24年9月21日

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120920-OYT1T00290.htm
自衛隊が尖閣行けば…中国5将軍「軍事行動だ」

 【北京=竹内誠一郎】中国人民解放軍内で、日本の自衛隊が尖閣諸島に出動した場合、軍事行動を辞さないとする発言が相次いでいる。
 強硬姿勢を示して日本をけん制する一方、危機を強調することで政権内での軍の発言力を強める政治的意図もあるとみられる。
 中国系香港紙「文匯報」によると、北京で15日、将軍5人の座談会が開かれ、徐光裕少将(軍防化指揮工程学院の元副院長)は「海上自衛隊が釣魚島(尖閣諸島の中国名)の12カイリ内に入るか、中国の民間船舶を攻撃すれば、断固として軍事行動を取る」と述べた。他の4人も主戦論を展開した。
 軍関係の研究機関・中国政策科学研究会の彭光謙少将は14日のシンポジウムで、「自衛隊が釣魚島に上陸すれば、一線を越えたことになる。軍はいつでも使命を履行できる」と述べた。
(2012年9月21日07時57分 読売新聞)

●産経新聞 平成24年10月17日

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121017/plc12101701300000-n1.htm
中国軍艦接続水域を通過 日本への示威行動 米軍に「二正面作戦」迫る
2012.10.17 01:30

 中国海軍艦艇が16日、初めて与那国島-西表島間の海域を通過した。これまで中国艦艇の太平洋への出入り口となってきたのは沖縄本島-宮古島間だったが、今回はより狭い海域の接続水域を航行。沖縄県・尖閣諸島にも接近し、尖閣国有化に対抗する示威行動といえる。南シナ海から尖閣付近へと針路をとり、米軍に「二正面作戦」を迫るという中国側の周到な狙いも透けてみえる。
 今回の7隻は中国を出港後、今月4日に沖縄本島-宮古島間を通り、太平洋に抜けた。その際、ある自衛隊幹部は「米軍空母への牽制(けんせい)だ」と明言していた。
 米第7艦隊は2日、横須賀(神奈川県)を拠点とする空母「ジョージ・ワシントン」に加え、米本土を母港とする「ジョン・C・ステニス」の2つの空母部隊を西太平洋に展開させる異例の態勢を公表した。これに対抗するため、7隻は派遣されたとみられる。
 7隻は16日、フィリピン沖の南シナ海からルソン海峡を通過。太平洋に入り北上した後、尖閣方面に向かいかけた。南シナ海、太平洋、東シナ海という広大な海域を縦横無尽に動き回れることを誇示したわけだ。
 米軍は戦力の分散を余儀なくされた。セシル・ヘイニー米太平洋艦隊司令官は都内で記者団に「中国は海上能力を使う際には『透明性』を伴うべきだ」と警戒感を示した。
 こうした米中の応酬を新たな「角逐」の始まりとみる防衛省幹部もいる。2008年から中国海軍は遠洋訓練を活発化させてきたが、それにとどまらず、今後は米海軍への牽制を「常態化」させるというのだ。
 「台風を避けるためで、尖閣に近づく意図はない」。防衛省関係者によると中国側はそう説明したという。だが、台風避難の名目で尖閣に不法上陸し、「人道的観点」から上陸を正当化するのは中国の尖閣奪取シナリオの一つだ。政府高官は「これも『世論戦』の一環だ」と指摘した。(半沢尚久、千葉倫之)
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人権17~新憲法案の条文

2012-10-28 08:37:54 | 人権
●憲法の改正が必要

 わが国において、現行憲法は人権に関して、先に書いたように欠陥を持つ。その改善は、日本人が自らの意思と思想をもって行うべきことであり、また為さねばならないことである。現行憲法は、国民に基本的人権を保障しているので、多くの人は漠然とこの憲法は人間の尊厳や個人の人格を認め、家族を尊重するものと思っているようである。実際はそうではない。現行憲法には、人間の尊厳も個人の人格も家族の尊重も規定されていない。これらの規定を欠いては本来、人権を憲法に規定することはできない。私は、この点でも現行憲法は欠陥憲法と考えている。日本人の手で新たな憲法をつくる時には、普遍的権利と特殊的権利、人権の狭義と広義を区別し、「人間の権利」と「国民の権利」の関係を明確にしたうえで、条文に人間の尊厳、個人の人格、家族の尊重を盛り込みたいと思う。これを実行するには、単に生命的価値を至高のものとするのではなく、文化的価値、特に精神的価値を上位に置く思想をしっかり打ち立てる必要がある。
 平成18年に発表した新憲法のほそかわ私案は、人権という概念を使っていない。権利と義務については、第2章「国民の権利と義務」に定めているが、ここに定めるのは題名の通り、日本国民の権利義務である。人間一般の権利義務ではない。必ずしも人権という普遍的と特殊的、狭義と広義等が整理されていない概念を用いなくとも、国民の権利義務の規定はできる。そのように考えてのことである。人権についてしっかり整理をし、「人間の権利」と「国民の権利」を明確に定義した上で、新憲法の条文に人権を用いたいと思う。18年版のほそかわ私案は、まだその取り組みが進んでいない段階のものだが、基本的な考え方はそこに表してある。
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion08h.htm
 ほそかわ私案ではまず国民の権利について、次のように定めている。

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(重要な基本的権利の享有)
第ニ十一条 すべての国民は、人格を有する者として尊重される。
2 この憲法は、国民に対し、国民が自らまた相互に人格を形成し、成長させ、発展させることができるように、自由及び権利を保障する。
3 この憲法が国民に保障する重要な基本的権利は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。
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 次に国民の義務について、次のように定める。

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(国民の義務)
第ニ十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、保持しなければならない。国民は、これを濫用してはならないのであって、自他の人格を認め合い、互いの自由と権利を尊重しなければならない。
2 国民は自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚しなければならない。自由の享受、権利の行使には、公共の利益の実現のために努力する責任を負う。
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 これら第21条・第22条は、人格と自由及び権利について定めるものである。次に個人と家族について次のように定める。

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(個人の尊重等)
第ニ十三条 すべて国民は、家族・社会・国家の一員である個人として尊重される。
2 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の利益に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
3 前2項の権利は、公共の利益の実現のために、法律をもって制限される場合がある。ただし、第十九条に定める非常事態においては、この限りではない。

(家庭の運営と保護)
第三十九条 家庭は、社会を構成する自然かつ最も基本的な単位である。何人も、各自、その属する家庭の運営に責任を負う。
2 親は、子に対する扶養および教育の義務を負う。子は親に対する孝養に努めるものとする。
3 政府は、家庭を尊重し、家族・母性・子供を保護するものとする。
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 上記のように新憲法に定めたいと思う。次に、いわゆる人格権について述べると、現行憲法は、人格という概念がなく、また人格という用語も使われていない。自由と権利を保有する主体としての人格的存在である個人の基礎付けができていないまま、自由と権利を保障するという内容になっている。名誉及びプライバシーの保護についての規定もない。その規定を設けるには、新憲法には、人格という概念を用いなければならない。私は、人格を用いて、次のような条文を盛り込みたいと思う。

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(人格権)
第三十四条 国民は、その人格、名誉及び信用を尊重される権利を有する。
2 何人も、自己の私事について、みだりに干渉されない権利を有する。
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 この条文について補足すると、人はそれぞれ人格を持ち、人格を成長・発展させる自由と権利を有する。ここで家庭は、相互の人格の形成・発展の場として尊重されねばならない。子供の両親または保護者は、子供の心身の健やかな成長と、人格の健全な発展を促す義務を負う。地域社会もまた相互の人格の交流・発展の場として、その活動の振興を図らねばならない。政府は、国民の子供の人格形成のため、教育を施す義務を負う。また、国民の人格の発展を促す環境を整備する責務を負う。こうしたことを、新憲法の条項に定めることとして、人格権については最低、上記のような規定が必要と思う。
 人格権は個人の人格的利益を保護するための権利である。現行憲法第13条に定める幸福追求の権利から導かれる基本的人権の一つと理解される。幸福追求権は、個人の人格的生存に不可欠な利益を内容とする権利の総体を言うとされる。憲法第13条は、第14条に列挙されていない新しい人権の根拠となる包括的な権利であり、これによって根拠づけられる個々の権利は、裁判上の救済を受けることのできる具体的権利であるとされる。
 幸福追求権には、人格的利益説と一般行為の自由説とがあるとされる。人格的利益説は、「個人の人格的生存に不可欠な利益」のみが幸福追求権として保護されるとする。一般行為の自由説では、「あらゆる生活領域に関する行為」が保護されるべきとする。前者は保護範囲が狭く、後者は広い。一般的行為の自由にまで範囲を拡大すると、人の行為のほとんどが憲法で保障される権利となり、人権の範囲が拡大しすぎてしまう。これを「人権のインフレ化」と呼ぶ。何でも人権だとすると、権利をめぐる争いが多くなる。そこで主張されたのが人格的利益説である。人格的利益説は通説となっており、裁判の判例で取られている説である。
 私は、これらの説は、人格についての根本的な考察を欠いていると思う。そこには、人格の成長と発展、文化的価値、特に精神的価値を踏まえた人間観がない。そのため、利益を中心とした権利論となっている。これを新しい人間観によって基礎づけなければならないと私は考える。それをしないと、人格という用語を使いながら、憲法が個人の利己的欲望の追求を助長することになってしまうと考える。

 次回に続く。
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石原慎太郎氏の国政復帰を歓迎する

2012-10-26 13:37:56 | 時事
 10月25日、石原慎太郎氏は都知事を辞任し、国政復帰を目指すことを発表した。私は、石原氏は言動や考え方に一部問題があるが、日本を愛し、国家の再建への熱意において、現代日本有数の政治家であると評価しており、東京都知事で終わるべき人材ではないと考えてきたので、今回の発表を歓迎する。
 昨年3月、石原氏は、第4期目となる都知事選挙には出ずに、平沼赳夫氏らによる「たちあがれ日本」と合流して、国政に復帰することを考えていたようである。しかし、石原氏は、都知事選に立候補することを決めた。そして、3月11日東京都知事選挙に出馬することを表明した直後に、大震災が起こった。私は、石原氏が大震災復興の特命担当大臣となって辣腕を振るうことを期待したが、東京から日本の復興を進める、首都の防災を強化するということも重大な課題であり、石原氏にはその方面で活躍してもらいたいと考えた。
 首都の防災機能を強化し、東京をしっかりさせることで、日本を復興させる。「東京が日本を救う」というのが、第4期の石原氏のテーマだった。そして、石原氏は、東京都知事の立場だからこそできる仕方で、それに取り組んできたと思う。しかし、大震災で最悪の醜態をさらした政府は、野田政権に替わった後も、迷走を続けている。中央政府のあり方が是正されないと、日本は衰退・崩壊に向かうのみである。
 こうしたなか、石原氏は本年1月27日「東京も大事だが、東京よりも国家が大事だ」と述べ、国政復帰に意欲を示した。2月3日には石原新党の基本政策の草案が発表された。憲法改正、「南西防衛戦略」推進、男系存続のための皇室典範改正、100兆円規模の政府紙幣発行、国の財政の複式簿記化、平成版教育勅語起草等、注目すべき政策が掲げられた。
 石原氏は4月17日都が尖閣諸島を購入する計画を発表した。国内ではわずかの間に有志によって10億円を超える募金が集まった。一方、中国では、この動きに激しい反発が起こった。野田政権は7月になって、尖閣の国有化方針を発表した。9月11日、政府は地権者と売買契約を締結した。石原氏は、来年に向けて尖閣購入を進めるつもりだった。石原氏の都の購入による尖閣防衛の強化は、政府に妨害された。逆にこれによって、石原氏は、国政復帰による国家再建の取り組みの方に、舵を切り直すことになったのだろう。息子の伸晃氏が自民党総裁選に敗れ、息子を総理大臣になどという私情を入れる余地が無くなった。保守系リベラルの伸晃氏では、もともと日本再建のエンジンにはなれない。
 高齢の慎太郎氏が国政に復帰するとすれば、次の衆議院選挙しかない。野田首相は「近いうちに解散」という文言を「しかるべき時に」などと言い換えて、解散を先延ばしにしている。年内解散になるか、年明け解散になるか、さらに先に延ばすか、野田氏の判断は分からないが、石原氏が新党を作って、自ら衆院選に出るなら、今このタイミングだろう。国政に出ると表明すると同時に、都知事を辞任するのは当然である。次の都知事は、右腕・猪瀬直樹氏に委ねられる。中央の石原氏と都政の猪瀬氏が連携すれば、国も都も今よりまともな方向に動く可能性がある。
 これまでの弱小老齢政党の「たちあがれ日本」では、ほとんど何もできない。今後、石原新党がどういう理念、政策を掲げ、またどういう政治家や人材が集まるか、石原氏の指導力と国民的人気が政党という形にどのような活力を生むかに、注目したい。
 石原氏に対し、私が要望したいのは、1点は、橋下徹氏については、人物と政策を見極め、過剰な期待を捨てられよ。2点は、総選挙後、第1党となると見られる自民党の総裁・安倍晋三氏の理念と政策をよく理解し、連携の道を探られよ。3点は、青年の志をもって、真の日本精神を学ばれよ。以上である。
 読者の参考にここ2年半ほどの間に、石原氏に関して書いた拙稿から抜粋する。

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●拙稿「『たちあがれ日本』の志やよし」 20100411
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/885016131196d183b660ce12de740757

 保守系の新しい政党が立ち上がった。名称は「たちあがれ日本」。平沼赳夫氏が代表、与謝野馨氏が共同代表に就いた。
 結党趣旨として、「打倒民主党」「日本復活」「政界再編」の3点を使命として掲げる。綱領は、自主憲法制定、信頼される行政の実現、財源に裏打ちされた持続可能な社会保障制度と経済成長力強化などを掲げている。政策では「消費税収」による社会保障制度の強化を示し、外国人参政権、選択的夫婦別姓に「断固反対を貫く」としているという。
 自主憲法制定、外国人参政権反対、選択的夫婦別姓導入反対は、日本を愛し、日本を守りたいと思うにとっては、共通の思いだろう。経済政策・社会保障政策は、財源の裏づけや経済成長政策のないバラマキ型の民主党の政策への対抗軸を打ち出すものだろう。(略)
 発起人の一人で、「応援団長」を自称する東京都知事の石原慎太郎氏は、記者団の質問に答えて、次のように述べたと報じられる。

--知事を新党結成への協力に突き動かしているのは国を憂う気持ちなのか
 「国を憂うのは誰だって憂うものですからね。今度の(新党を結成するメンバーも)老人たちだって。みんな老人。じゃ若い奴は何してんだ? みんな腰抜けじゃないか、言わせれば。君(記者)だって戦争の体験ないだろ。僕なんか戦争の経験、体験あるけどその人間たちはこれは本当にこのまま死ねないよ。そういう気分になってるよ」「大体だな、大学生の入学式に親がついてくるバカな時代になっちゃった。何だ、この様は本当に。みんなで考えたらいいよ」

 石原氏はまた、「年寄りだとバカにするかもしれないが、30、40、50代で我々と同じようにこの国を憂える人間がどれだけいるんだ。若い候補者を立てて参院選を戦う」と語ったという。
 現在の時点で「たちあがれ日本」は、70歳前後のシルバー議員ばかりである。その点を揶揄する見方もある。しかし、わが師・大塚寛一先生は「青年は歳にあらず。心にあり」と説き、国家社会を思う者はみな青年であるという旨を述べておられる。
 私は、保守系新党に立ち上がった「心の青年たち」の志に、日本を憂える若者や中壮年が、どう応えるかだと思う。政党としての「たちあがれ日本」がどのように活動していくか、注目したい。(略)

●拙稿「大震災から1ヶ月、統一地方選」 20110412
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/ee3a83a416bba76fc726dcd59b6f8c30

 東日本大震災から昨日で1ヶ月が過ぎた。わが国は戦後最低の内閣の時に、戦後最悪の大災害に遭遇した。地震と津波による人的物的被害は甚大で、さらに原発事故が発生し、未だ収束していない。被害は、震災発生後の政府の失態によって拡大した。自衛隊・消防・警察・企業・自治体・米軍等の懸命の努力により、救助・救援・復旧が進められている。しかし、未だわが国政府から復興のビジョンは示されていない。また数十兆円から100兆円を要すると見られる復興のための財源調達も、方法が示されていない。政府は福島第1原発事故をチェルノブイリと同じレベル7に引き上げたが、その解決の目処も立っていない。(略)
 東京都知事選挙は、石原慎太郎氏が圧勝した。石原氏は言動や考え方に一部問題があるが、日本を愛し、国家の再建や国防・防災の整備への熱意において、現代日本有数の政治家である。私としては、国政に復帰し、大震災復興の特命担当大臣として、辣腕を振るうことを期待したが、本人が都知事を選択した以上やむをえない。東京から日本の復興を進める、首都の防災を強化するということも重大な課題であり、石原氏にはその方面で活躍してもらいたい。(略)

●拙稿「日本復興の提言~石原慎太郎氏」 20110502
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/9c3bed4c4bd48d6191419836dd8b1735

 石原慎太郎氏は、東日本大震災当日、東京都知事選挙に出馬することを表明した。表明の直後に地震が起こった。石原氏は選挙で圧勝し、四期目に入った。首都の防災機能を強化し、東京をしっかりさせることで、日本を復興させる。「東京が日本を救う」というのが、今期石原氏のテーマである。石原氏は、本日の産経新聞「日本よ」に、大震災からの復興について意見を書いている。政治家による提言として、下記転載する。(略)

●拙稿「石原新党の基本政策案が発表」 20120204
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/ea7c0d267822f215099f10b36974e5fe

 本年1月から石原慎太郎都知事を中心とした新党結成の動きが報じられてきたが、2月3日新党の基本政策の草案が発表された。報道によると、憲法改正、「南西防衛戦略」推進、男系存続のための皇室典範改正、100兆円規模の政府紙幣発行、国の財政の複式簿記化、平成版教育勅語起草等、注目すべき政策を掲げている。
 新党構想は、石原氏とたちあがれ日本・平沼赳夫氏らによるもの。石原氏は、たち上がれ日本の党名を発案し、同党の応援団長を自称しており、もともと同志的なつながりがある。石原氏は1月27日「東京も大事だが、東京よりも国家が大事だ」と述べ、国政復帰に意欲を示している。戦後保守合同に尽力した三木武吉の名を挙げ、平成の保守合同を目指すつもりのようだ。自民党・民主党・国民新党等からどれくらいの議員が合流するか、注目される。
 焦点は、橋下徹大阪市長との連携が、どの程度のものになるか。橋下氏の大阪維新の会は次の衆議院選挙に300名の候補を立て、一気に国政への進出を計画している。橋下氏のリーダーシップへの世論の期待は大きいが、大阪維新の会が大阪以外でどれくらいの発展力を示し得るかは、未知数である。もし石原都知事・橋下大阪市長・大村秀章愛知県知事が手を握れば、東京・大阪・愛知の三大都市圏は日本の有権者の約3割を占めるから、一大旋風を巻き起こし、国政の流れを変える可能性を秘めている。今後の動向を見守りたい。(略)
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尖閣:中国の無法を糾弾すべし

2012-10-25 09:23:12 | 尖閣
 尖閣諸島をめぐる問題について、わが国の同盟国である米国でどういう見方がされているか。産経新聞の古森義久記者は、精力的に取材と報告を続けている。10月18日の記事では、米国の中国研究の権威でジョージ・ワシントン大学教授であるロバート・サター氏の見解を伝えている。
 古森氏によると、サター氏は、「米国やその他の中国周辺諸国にとって今回の事件の最大の教訓は、中国側が日本の尖閣国有化という平和的で、さほど重大でもない措置に対し、それを侮辱とみなし、無法で異常な行動を爆発させたという、中国の国家としての予測不可能性です。全国百二十余の都市での反日のデモや暴動の組織と扇動、そして貿易面での報復措置など中国政府の行動はみな暴力的で違法だという基本を認識すべきです」と語っている。
 サター氏は「21世紀の主要国が取る行動とは思えません」と中国を批判し、「世界でも最重要な地域の中心となる世界第2の大国が公式には『平和的発展』を唱えながら、これほど無法な暴力行動に出たことは、南シナ海でのフィリピンへの軍事的威嚇と合わせて、各国の中国への信頼を喪失させ、中期、長期の対中姿勢にも重要な変化をもたらすでしょう」と予測する。
 サター氏の見解の要は、中国の対日行動について「核心は違法だ」ということにある。その見解を受けて、古森氏は「日本は今回の対立では、あくまでも中国のこの無法を糾弾すべきなのである」と書いている。
 全くその通りで、尖閣諸島を東京都が買おうが、政府が買おうが、日本の国内問題であり、国内法に基づいて行われている合法的な契約行為である。これに対し、中国政府が日本政府を批判するのは、内政干渉である。もともと日本国籍の人間が所有していた土地であり、それを政府が賃借していたのである。そうした土地を最終的に政府が購入して国有地としただけである。ところが、中国政府は、反日デモや暴動を組織化して扇動し、貿易等で報復措置を打ってきた。サター氏が明確に指摘するように、「中国政府の行動はみな暴力的で違法」である。わが国とともに、米国や東アジア・東南アジア諸国は、この点の認識をしっかり共有すべきである。それが、「暴力的で違法」な中国政府に共同して対抗し、アジア太平洋の平和を守ることにつながる。そのために、わが国政府は、尖閣問題について、わが国は歴史的にも国際法上からも我が国の固有の領土であり、民間人から政府が購入し、国有化することに、一切問題のないことを明確に、国際社会に発信していくべきである。
 以下は古森氏による記事。

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●産経新聞 平成24年10月18日

http://sankei.jp.msn.com/world/news/121018/amr12101803070000-n1.htm
【あめりかノート】
中国の無法を糾弾せよ ワシントン駐在編集特別委員・古森義久
2012.10.18 03:07

 尖閣問題での中国の対日威嚇に対し日本側の一部には、あたかも日本が悪いかのような倒錯した議論がある。日本政府が尖閣諸島の国有化という措置をとったことに中国政府は暴力的な反日デモをあおり、大規模な暴動や略奪を許して、威圧してきた。その結果、日中関係が険悪となった。この流れに対し、国有化措置が反日デモの原因だから、その措置を反省し、再考すべきだという自虐的な主張が日本側で聞かれるのだ。
 日本の措置は平和的かつ合法だった。中国の反発は暴力的かつ違法だった。この2つを同次元におき、前者を不当な原因であるかのように論じるのは、奇妙である。この点をいぶかっていたら、米国の中国研究の権威、ロバート・サター氏から的を射た論評を聞き、うなずかされた。
 「米国やその他の中国周辺諸国にとって今回の事件の最大の教訓は、中国側が日本の尖閣国有化という平和的で、さほど重大でもない措置に対し、それを侮辱とみなし、無法で異常な行動を爆発させたという、中国の国家としての予測不可能性です。全国百二十余の都市での反日のデモや暴動の組織と扇動、そして貿易面での報復措置など中国政府の行動はみな暴力的で違法だという基本を認識すべきです」
 サター氏といえば、1970年代から米国政府の国務省、中央情報局(CIA)、議会調査局、国家情報会議などの諸機関で中国研究を専門とし、対中政策の形成にかかわってきた長老的なチャイナ・ウオッチャーである。2001年からはジョージタウン大学教授、昨年からはジョージワシントン大学の教授となった。政治的には民主党系であり、中国への対応も中道と評される。
サター氏によれば、日本の尖閣国有化は明白に東京都の購入で起きうる中国にとってのより刺激的な変化を防ぐための抑制措置だった。中国政府も当然、知っていた。
 「中国当局は日本に対し法律や国際規範の枠内での、強固で効果のある抗議をぶつけられたのに、一気に違法で暴力的な行動に走ったことは関係諸国に中国の予測不可能性と無法性とを衝撃的に印象づけ、中国のレッドライン(これ以上は許容できないという一線)の位置を全く不明にさせました」
 確かに中国の行動は無法である。広大な国土の多数の都市で同時に大規模な人間集団が日系の施設を襲い、略奪を働く。政府がその暴力を仕掛け、仕切る。サター氏は「21世紀の主要国が取る行動とは思えません」とも批判する。そして各国の反応について述べるのだった。
 「世界でも最重要な地域の中心となる世界第2の大国が公式には『平和的発展』を唱えながら、これほど無法な暴力行動に出たことは、南シナ海でのフィリピンへの軍事的威嚇と合わせて、各国の中国への信頼を喪失させ、中期、長期の対中姿勢にも重要な変化をもたらすでしょう」
 サター氏は中国の対日行動について「核心は違法だという点です」と繰り返した。確かに日本ビジネスの破壊や略奪は中国の国内法でも違法である。しかも日本側の適法で非暴力の措置に暴力で応じる前例は05年にもあった。日本の国連安保理常任理事国入りへの動きに対する反日暴動だった。当時の小泉純一郎首相の靖国参拝への反対は後からつけた「理由」だった。だから日本は今回の対立では、あくまでも中国のこの無法を糾弾すべきなのである。(ワシントン駐在編集特別委員)
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尖閣:まだ発信力が足りない

2012-10-24 08:44:04 | 尖閣
 10月22日、尖閣諸島をめぐり、西欧や東南アジア諸国には、日本の主張を伝える報道が出てきていることを紹介したが、わが国の外交当局は、ようやく中国政府の虚偽宣伝に対抗して、発言するようになってきたので、その効果だろう。
 9月27日、中国の楊潔チ外相と李保東国連大使が、国連総会の一般討論の場で尖閣諸島の領有権を主張し、日本が尖閣諸島を「盗んだ」と非難した。日本の国連代表部の児玉和夫次席大使は、同演説に反論する答弁権を行使し、日本の尖閣諸島領有の歴史を詳細に説明した上で「日本の固有の領土」であることを主張した。李国連大使が激しく反論すると、日本は2度目の答弁権行使で、「歴史的事実と国際法に基づき、尖閣諸島は日本の固有の領土だ」と主張した。
 尖閣を巡り、ニューヨーク・タイムズ(電子版)のオピニオン欄に9月19日「日本が不法に編入した」との台湾の研究者の投稿が掲載された。同紙コラムニストのニコラス・クリストフ氏が「日本の学者は反論を」と促すと、10月2日ニューヨークの日本総領事館は、川村泰久首席領事名で「重要な誤りがある」との反論を投稿した。「尖閣諸島は日本固有の領土。歴史的にも国際法上も疑いがない事実だ」と述べ、過去に「中国が尖閣諸島を日本領と認める数々の証拠がある」とした。
 9月13日、中国の李保東国連大使は尖閣の周辺海域を中国の「領海」とした海図を潘基文事務総長に提出した。これに対し、日本の国連代表部は反論書簡を事務総長宛てに出した。国連は同月26日までに、この海図を公表するとともに、日本側の反論文書を公表した。反論文書は中国の海図等の提出について「まったく受け入れられず、法的にも無効」とし、「歴史的事実に照らし、国際法に基づく日本固有の領土であることは疑いがない」と主張しているという。
 私は、こうしたわが国の外交当局の反論を評価するが、発信力がまだまだ足りないと思う。単に同じ主張を繰り返すのではなく、中国の主張を虚偽と暴き、日本の主張の正当性を示す資料を駆使して、積極的に発信しなければいけない。
 産経新聞論説委員の石川水穂氏は、発信力不足を指摘する記事を同紙に書き、その中で「米国を舞台とする中国の反日虚偽宣伝は常套手段である」と指摘している。石川氏は、「ずいぶん昔の話になるが、米国の雑誌『ライフ』の1937(昭和12)年10月4日号に載った、中国・上海で線路に取り残された赤ん坊が泣き叫ぶ写真は、反日世論を一気に高めたが、中国系米国人の創作写真だった」と書いている。南京事件についても、中国(当時は中華民国)は米国を中心に虚偽宣伝をし、東京裁判で日本断罪の材料に使われるに至った。
 石川氏は「97(平成9)年、旧日本軍が虐殺したとする根拠不明の残酷な写真を数多く載せた中国系米国人、アイリス・チャン氏の著書『ザ・レイプ・オブ・南京』が米国でベストセラーになり、カリフォルニア州議会の対日非難決議につながったとされるが、日本の在米公館は有効な反論を加えなかった」とも指摘している。
 氏の指摘の通りで「ザ・レイプ・オブ・南京」が発刊されたとき、わが国の政府は、反論をせず、訂正要求もしなかった。それどころか虐殺があったということを前提にした釈明をするような外交を行ってきた。また、平成19年(2007)、南京事件を題材にした映画がハリウッドを中心に7本制作され、世界各地で上映されている。これに対しても、わが国政府は有効な対抗措置を取ってこなかった。
 石川氏は「中国の虚偽宣伝に対し、日本は史実を踏まえた正確な情報を積極的に発信すべきである」と主張している。同感である。わが国は「史実を踏まえた正確な情報を積極的に発信」しさえすれば、確実に国際社会で理解者を増やしていくことができる。尖閣諸島についても南京事件についても、慰安婦問題についても、同じである。敢然と虚偽を否定し、堂々と事実を発信することが、日本の領土を守り、日本人の誇りを守るために、今こそ必要である。
 以下は、石川氏の記事。

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●産経新聞 平成24年10月13日

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121013/plc12101303140005-n1.htm
【土・日曜日に書く】
論説委員・石川水穂 尖閣で発信力まだ足りない
2012.10.13 03:14

◆NY紙の問題記者に反論
 尖閣諸島をめぐり、日中両国の言論戦が激しさを増している。
 国連総会で、中国の楊潔●外相らが「日本が盗んだ」「強盗」などの表現で日本を非難したのに対し、日本の国連代表部は反論の答弁権を2度行使し、尖閣諸島が歴史的にも国際法的にも日本固有の領土であることを訴えた。
 米紙ニューヨーク・タイムズのニコラス・クリストフ記者が「中国(の主張)に分がある」と書いたコラム記事に、在ニューヨーク日本総領事館は「重大な誤りがある」と反論した。
 クリストフ氏は1989(平成元)年の天安門事件報道でピュリツァー賞を受賞した経歴を持つが、日本には偏見とも思える記事を書くことでも知られる。
 氏が東京特派員だった平成9年1月、「日本兵が中国人少年の人肉を食べた」という話を載せた。取材源とされた三重県の元兵士が電話でこの話を否定したので、それを確かめるため自宅へ行くと、なぜか会ってもらえず、いったん取材を打ち切ったことがある。
 また、中国が尖閣周辺海域を自国の「領海」とする海図を国連の潘基文事務総長に提出したのに対し、日本の国連代表部は反論書簡を事務総長宛てに出した。
 以前は外国の不当な主張に沈黙しがちだった日本の外交当局も、最近は節目節目で反論するようになったが、まだ発信力が足りないように思われる。
 中国と台湾が唐突に尖閣諸島の領有権を主張し始めたのは68(昭和43)年、当時の国連アジア極東経済委員会(エカフェ)が「付近の海底は石油資源埋蔵の可能性が高い」と発表してからだ。
 2年後の昭和45年9月、台湾紙の探訪団が尖閣諸島の魚釣島に上陸し、青天白日満地紅旗をたてる事件が起きた。当時の琉球政府はただちに「尖閣は沖縄の領土である」との公式見解を発表し、琉球警察も魚釣島に八重山署員を派遣し、旗を撤去した。
 これに先立つ同年7月、石垣市は同島に「八重山尖閣群島 魚釣島」との標柱をたてた。当時の沖縄は米国の施政権下にあったが、主権意識は強かった。

◆人民日報も「日本領」
 日本政府が尖閣諸島を日本領とする公式見解を発表したのは、その2年後の昭和47年3月だ。
 これを報じた同月9日付本紙は外務省筋の話として、(1)台湾の国防研究院と中国地学研究所が出版した「世界地図集第一冊東亜諸国」(1965年10月版)(2)台湾の国定教科書「国民中学地理科教科書第四冊」(70年1月版)(3)中国・北京の地図出版社が発行した「世界地図集」(58年11月版)-の3点の地図を掲載し、いずれも尖閣諸島が日本領に入っていた事実を指摘した。
 現在、北京の人民教育出版社や上海教育出版社が発行している中学1年用の地理教科書は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)」を「台湾省」の一部と書いているが、これを否定する有力な反証になる。
 また、中国共産党機関紙の人民日報は53(昭和28)年1月8日付で「琉球諸島はわが国の台湾東北部と日本の九州島西南部の間の海上にあり、尖閣諸島、先島諸島、大東諸島、沖縄諸島、大島諸島、トカラ諸島、大隅諸島など7つの島嶼(とうしょ)」から成ると書いた。
 沖縄返還前の71(昭和46)年4月9日、米国務省のチャールズ・ブレイ広報官が「米国は来年、尖閣諸島を含む南西諸島の施政権を日本に返還する」と明確に述べた発言なども、日本の主張を補強する材料の一つとしておさえておく必要があるだろう。

◆反日虚偽宣伝は常套手段
 中国の英字紙、チャイナ・デーリーは先月末、米紙のワシントン・ポストとニューヨーク・タイムズに「釣魚島は中国に帰属している」「日本が横取りした」との広告を掲載した。
 米国を舞台とする中国の反日虚偽宣伝は常套(じょうとう)手段である。
 97(平成9)年、旧日本軍が虐殺したとする根拠不明の残酷な写真を数多く載せた中国系米国人、アイリス・チャン氏の著書「ザ・レイプ・オブ・南京」が米国でベストセラーになり、カリフォルニア州議会の対日非難決議につながったとされるが、日本の在米公館は有効な反論を加えなかった。
 ずいぶん昔の話になるが、米国の雑誌「ライフ」の37(昭和12)年10月4日号に載った、中国・上海で線路に取り残された赤ん坊が泣き叫ぶ写真は、反日世論を一気に高めたが、中国系米国人の創作写真だった。
 玄葉光一郎外相は尖閣諸島の領有権問題は存在しないとしつつ、国際社会への発信を強化したい考えを示している。中国の虚偽宣伝に対し、日本は史実を踏まえた正確な情報を積極的に発信すべきである。(いしかわ みずほ)

●=簾の广を厂に、兼を虎に
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尖閣:海外で日本の主張を報道

2012-10-22 09:27:03 | 尖閣
 尖閣を巡り、ニューヨーク・タイムズ(電子版)のオピニオン欄に9月19日「日本が不法に編入した」との台湾の研究者の投稿が掲載された。同紙のニコラス・クリストフ記者は「中国(の主張)に分がある」とコラム記事に書いた。また中国の英字紙、チャイナ・デーリーは9月末、ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストに「釣魚島は中国に帰属している」「日本が横取りした」との広告を掲載した。
 この一方、「徐々に欧米メディアを中心に日本側の主張を掲載するようになってきた」という報告もある。FBフレンドの佐々木恭子さんからの情報である。もっともこちらには肝心の米国のメディアの掲載例がないようである。わが国の政府は発信力を高め、米国の有力紙がわが国の主張を掲載するとともに、そのメディアの見解としてわが国の主張に理解を示す報道がされるように、積極的に働きかけをしなければならない。
 以下は転載。ほそかわが若干編集した。

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 「日本会議 国民運動関連情報」 平成24年10月18日(木)通巻第851号「[尖閣]自民特命委、広報組織の設置を議論」より、徐々に欧米メディアを中心に日本側の主張を掲載するようになってきたとの報告がありました。
 中でも、
(1)国際法上、日本の報道に分がある、
(2)国有化した日本政府の判断の背景には、中国政府との摩擦を最小限にしようという目的があった、
(3)中国側の対応は、各国共通の懸念であり、反日暴動は中国のためにならない、
(4)日本が中国に冷静な対応を求めていることは評価できる、
といった内容が目立つとのことです...

(各国紙面例)

●フランス、ル・モンド紙、10月12日
 「国際法的観点からの日本の尖閣諸島に対する領有権の正当性が、中国の歴史的領有権の主張よりも優先されるべき」

●タイ、ネイション紙、10月6日
  「中国は、周辺海域への海軍艦艇によるパトロールや暴力的な反日デモの容認という方針を転換すべき」

●デンマーク、ポリティケン紙、9月29日
 「対日批判を声高に主張すればするほど、領有権に係る主張を実現することができない非力な共産党としての姿をさらけ出してしまう可能性もある」

●スイス、ノイエ・チャルヒャー・ツァイトゥンク紙、9月28日
 「尖閣諸島を巡る日本、中国、台湾の間の紛争は、国際法的に見れば日本の側に分がある」

●英、ファイナンシャル・タイムズ・アジア版、9月26日
 「中国、台湾の主張の弱点の一つは、1960年代後半に国連の測量調査で豊富な石油資源があるのではないかと判明するまで、中国・台湾は日本の領有権主張に異議を唱えなかったことである」

●仏、ル・モンド紙、9月25日
 「大国中国が平和的でなくなりつつあることにより、太平洋地域からインド洋に至るアジアの全域において、ほぼすべての国の共通の懸念となり、諸国を連合させる脅威として認識されつつある」
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人権16~日本国憲法の欠陥思想

2012-10-21 08:46:37 | 人権
●日本国憲法における個人と尊厳

 現行憲法は、個人について、第13条に「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と記している。
 ここに個人としての「尊重」が記され、その個人の生命、自由及び幸福追求に対する権利の「尊重」が定められている。「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」とあるのは、アメリカ独立宣言の直接的な影響だろう。もとはロックであり、ロックにおいては、生命・自由・財産の所有権としていたもののうち、財産の権利が、独立宣言では幸福追求の権利に置き換えられたのである。これらの権利は、自由権を規定するものである。生命、自由及び幸福追求に対する権利を「国民の権利」として尊重するには、その前提としてすべての個人はこの権利を保有するという思想があると推量される。だが、現行憲法はその思想を明示していない。これらの自由権と「基本的人権」との関係も、説明されていない。
 さて、国民は個人として尊重されると記す現行憲法は、第24条に「個人の尊厳」を謳う。人間の尊厳ではなく、個人の尊厳である。第24条は婚姻について定めたもので、第1項に「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」とし、2項に「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」としている。現行憲法では、この第24条2項においてのみ、「個人の尊厳」が記されている。婚姻に関する条項において、また「両性の本質的平等」との関係でのみ、個人の尊厳が記されているわけである。
 このように現行憲法は国民に基本的人権を保障すると謳っていながら、人権保有の理由である人間の尊厳について、直接述べていない。個人の尊厳について、限られた関係において触れるのみである。また、現行憲法には、人格という概念がない。国民が個人として尊重されるとしてはいるが、それは個人が人格的存在だからとは、みなしていないのである。国民は、憲法の条文の文言から、憲法の基づく人間観を想像し、人間の尊厳や個人の人格について推察するしかないのである。

●世界人権宣言等と日本の人権

 わが国は現行憲法のもと、昭和27年(1952)4月28日独立を回復した。そして、「国際連合=連合国」に加盟し、世界人権宣言に参加した。続いて国際人権規約も締結した。その他、人種差別撤廃条約、女性差別撤廃条約、児童の権利条約、拷問禁止条約等も締約している。その「宣言」にしても「規約」にしても、他の特殊的な国際人権条約にしても、人間の尊厳や個人の人格について、具体的に記していない。人間がなぜ生まれながらに、侵しがたいほどの価値を持つのか。その根拠は何か。「宣言」及び「規約」等の文言から、それらの依って立つ人間観を推量するしかない。日本国民にとって、人権は決して自明なものではない。人間の尊厳についても、個人の人格についても、憲法やこれらの国際人権条約に、明確なものを見出せないのである。
 ところで、わが国において、日本国民とは、日本国籍を持つ者をいう。国籍とは国民の資格である。憲法は、日本国の国民という資格をもった者に対して、基本的人権を保障している。他国民や無国籍者に対しても、まったく同等に保障するものではない。日本国憲法が保障する基本的人権は、日本国籍という資格を持つ者にのみ保障される特殊な権利である。国民の権利である。外国人に対しては、限定した範囲でのみ権利を保障している。日本国民と非国民は、権利において平等ではない。日本国政府は、諸外国の人間に対して一定の保護や支援はするが、日本国籍を持つ人間に対してと同じようには対応しない。非国民に対しても日本国民と全く同等に保障するとは定めていない。またその義務を負わない。
 もし日本国憲法が保障する基本的人権が、真に普遍的な人権であるならば、日本国政府は、他国民に対しても、国民と同様に保障しなければならない。貧困や不衛生や内戦等の状態にある国の国民に対しても、自国民と同様に施策を行わねばならないことになる。だが、実際にはそうではない。
 それゆえ、日本国憲法が保障する権利は「国民の権利」である。ただし、それは普遍的・生得的な権利という近代西欧的な人権の観念に基づくもののようであって、そのうえで国民に対して「基本的人権」を保障するらしき規定になっている。これは、普遍的権利と特殊的権利を区別せず、人権の狭義と広義を区別せずに、条文を作成したからである。現行憲法は、第25条に「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と定めているが、「健康で文化的な最低限度の生活」は一定の基準があるのではなく、社会の発達度合いや意識の変化によって「文化的」や「最低限度」の基準が変わっていく。人権は「発達する人間的な権利」という私のとらえ方では、「人間的な」という時の「人間らしさ」が歴史的・社会的・文化的に変化するのである。それはもともと人権として観念されてきた権利が「発達する人間的な権利」であるからにほかならない。
 日本国憲法は、極めて欠陥の多い憲法だが、人権についても欠陥を持つ。それは、欠陥思想に基づいているからである。その欠陥思想に基づく憲法の条文を根拠に、普遍的生得的な人権を説き、虚構の人権の拡大を諮り、人権侵害の救済機関を設けるなどの動きがあるのは、国民を欺き誤導するものである。
 人権は、日本においては、日本の歴史・社会・文化において、国民の権利として発達するものである。他国ではまたそれぞれの事情や段階に応じて、その国の国民の権利が発達していく。そしてこうした国家の間で、相手の国民に対して、一定の権利の保護や支援を行う。世界人権宣言や国際人権規約等は、そうした国家間において、理想・目標を示してこれを共有化するとともに、理想・目標に向かって各国がそれぞれの国情を踏まえて努力するのを、相互的に促進するものである。主体は各国家であり、国際機関は主体の活動を補助するものである。世界人権宣言、国際人権規約等の改定も課題だが、それには世界200か国近い国々の人々の合意を形成しなければならない。まず自国の憲法を改正し、自国で実践して、その成果を国際社会に提供していくのが、為すべき順序である。

 次回に続く。
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尖閣:中国の罠にはまるな~石平氏

2012-10-19 06:35:44 | 尖閣
 わが国政府が9月10日に尖閣諸島の国有化を決めると、中国政府は日本に対して激しい反撃を行ってきた。史上最大規模の反日デモ、各種の日中交流イベントの中止、軍人による主戦論の鼓吹、国連総会での露骨な日本批判等に対し、わが国の一部には動揺が見られる。だが、ここで中国の圧力に屈すれば、相手の術中にはまるだけである。注目すべきは、さきほどのような激しい反撃の一方で、中国はわが国に「平和的対話によって問題を解決しよう」「日本側は交渉によって争議を解決する軌道に戻るべきだ」等と言って、わが国府に交渉に応じるよう求めてきていることである。中国の外交パターンには、強く圧力をかけて相手を脅し、相手が弱気になったところで、交渉の席に着かせて、無理やりな交渉で目的を達するというやり方がある。
 シナ系評論家の石平氏は、9月27日の産経新聞「China Watch」で「おそらく中国政府は今後、政治・経済・軍事のあらゆる面で圧力をかけながら、日本政府に『交渉に応じろ』と迫ってくるのであろう。日本に対する揺さぶりはさらにエスカレートする可能性さえある。それに対して日本は『領土問題は存在しない、だから交渉に応じることはない』との立場を毅然として貫いていくべきだ。『罠』にはまってはいけないのである」と書いた。
 この記事以降も、中国政府は、様々な形で圧力をかけてきている。石氏は10月11日の記事で、中国の反撃攻勢を振り返って整理し、分析を行っている。
 「胡錦濤指導部が主導したこの一連の対日攻勢の主な目的は当然、日本側に圧力をかけ、尖閣国有化からの撤退を強いることにあったはずだ。だが蓋を開けてみたら、それらはすべて、目的を達成できないまま中途半端に終わってしまったのではないか」と石氏は言う。野田首相は9月26日、「尖閣で妥協しない」と宣言したが、石氏は、これに対し、中国政府は激しい批判は展開したものの、さらなる「対抗措置」を取ることがなかったと指摘する。
 「野田首相の発言をもって、中国側の発動した史上最大の対日攻勢はまったくの徒労に終わってしまった。虚勢を張る以外に何もできないという中国の『張り子の虎体質』がそれで、白日の下にさらされた」と石氏は断言する。
 また、「日本側が毅然とした姿勢を貫くことさえできれば、中国は結局、日本を制するための決め手を何も持っていないのだ。一連の日中間攻防の経緯からは、中国は脅威ではあるが恐れるに足らずとのこと、そして現在は機能している日米同盟が実に重要で大きな効力を発揮していることなどを、われわれは十分に学んで認識しておくべきであろう」と述べている。
 そして、9月27日の記事で述べたことと同じ主旨の主張を繰り返して述べている。すなわち、「今後、中国政府は監視船による日本の領海侵入を常態化させて圧力をかけながら、日本側を領土問題に関する協議の席に引っ張りだそうとする戦術に転じていくだろうが、前回指摘したように日本政府はその罠に引っかかって領土協議に応じるようなことはあってはならない」と。
 同感である。わが国は、尖閣問題に関して毅然とした態度を貫き、わが国の立場を国際社会に向けて強力に発信し、わが国の正当性と中国の無法さを知らしめていくことが必要である。
 ところが、わが国には、中国の罠に半ばはまりつつある政治家がいる。たとえば、日本維新の会代表の橋下徹氏は、9月27日竹島について「歴史からみて日本固有の領土だ」としながら、「竹島について日本が韓国に『(ICJに)出てこい』と呼びかけるなら、尖閣についても、領土問題なしという主張はできない」と発言した。橋下氏は、竹島について韓国との共同管理を目指すべきだと発言し、「主権領有についてではなく、漁業、海底資源など周辺海域の利用の問題」「尖閣も同じ。しっかりとルールを作るべきだ」と述べた。橋下氏は、日本の固有の領土だが韓国に実効支配されている竹島と、日本の固有の領土でありわが国が施政権を行使している尖閣の状況の区別がついていない。竹島は不法に実効支配されているから、国際司法裁判所に提訴するのである。これに比し、尖閣は日本の施政権下にあるのだから、実効支配を強化することが課題である。橋下氏の尖閣についてわが国の領有権をあいまいにし、中国と周辺海域の共同管理をめざすかのような発想は、自ら中国の罠にはまりにいっているようなものである。仮に尖閣周辺を共同管理にした場合、次に中国が尖閣の略取へと歩を進めてくるのは、明らかである。わが国の尖閣国有化をきっかけに無法暴虐ぶりをむき出しにしてきた中国に対し、これを厳しく批判しかつ断固として対抗措置を取ることなく、共同管理の方向に向いている橋下氏は、未だ国益をかけた外交を指揮できる政治家では到底ない。
 以下、石氏の二つの記事の全文を掲載。

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●産経新聞 平成24年9月27日

http://sankei.jp.msn.com/world/news/120927/chn12092711040003-n1.htm
【石平のChina Watch】
習近平氏の「罠」に要注意
2012.9.27 11:03

 今月中旬に始まった史上最大規模の反日デモが沈静化した今、中国政府の今後の動向が注目されている。北京は一体、今度の「尖閣紛争」にどう決着をつけるつもりなのか。
 それを見るのには、中国漁船団の動きが一つの鍵である。
 16日あたりから、日本への「対抗措置」として中国政府は尖閣海域へ向かう漁船団の出航を認めた。一時は「千隻の中国漁船が尖閣にやってくる」との情報が流れ、一触即発の緊迫状況となった。
 だがこの原稿を書いている25日午前現在、台湾の漁船の領海侵犯はあっても、「中国漁船」は一隻たりとも日本の領海に入ってこなかった。それは中国政府当局が徹底した管理を行った結果であろう。
 もし中国の漁船が実際に日本の領海に侵入してきた場合、日本の海上保安庁は当然それを取り締まらなければならないが、その中でけが人が出たり逮捕者が出たりするような事態が起こる可能性は十分ある。そうすると、日中間の全面対決は必至の趨勢(すうせい)となろう。
 おそらく中国政府もそうなった場合の問題の深刻さをよく分かっているから、中国漁船の日本領海侵入を許さなかったのであろう。逆に言えば、今の中国指導部は結局、「尖閣問題」での日本との全面対決を避けたいのである。
 このような思いを強く持っているのは習近平国家副主席その人であろう。今年秋に開催される予定の党大会で彼は次期最高指導者に選出されるはずである。だが、もし今の時点で日本との「尖閣紛争」が全面対決の局面となって党大会の開催が延期されたりすれば、政治的不利をこうむるのは当然習氏である。場合によっては、今の最高指導者である胡錦濤国家主席が「国家の非常事態」を理由に習氏への権力移譲を拒むことさえあり得る。
そうなるようなことを危惧して、一時の「行方不明」から復帰した直後の21日、習氏は中国の指導者として初めて「領土問題は平和的に解決」と訴えた。この発言の背後にあるのは当然、今回の事態をそれ以上に拡大させたくない習氏の思惑であろう。
 それと同時に、この突如の「平和的解決」発言には、もう一つの対日外交上の戦術的意図も隠されているのではないか。
 つまり習氏ら中国指導者は今、「平和的対話によって問題を解決しよう」との姿勢を示すことによって、日本政府を「尖閣問題」に関する交渉のテーブルに引き寄せようとしている、ということである。実際、中国外務省の洪磊副報道局長は24日の定例記者会見で、「日本側は交渉によって争議を解決する軌道に戻るべきだ」と言い、日本政府に「交渉」に応じてくるよう明確に求めてきている。
 これは、習氏が仕掛けた「罠(わな)」なのだ。もし日本政府が中国側の求めに応じて「領土問題」を協議するためのテーブルにつくようなこととなれば、日本側が「領土問題」の存在を認めてしまうこととなり、それだけでも、中国にとっての大成功と日本にとっての大失敗となるからである。
 おそらく中国政府は今後、政治・経済・軍事のあらゆる面で圧力をかけながら、日本政府に「交渉に応じろ」と迫ってくるのであろう。日本に対する揺さぶりはさらにエスカレートする可能性さえある。
 それに対して日本は「領土問題は存在しない、だから交渉に応じることはない」との立場を毅然(きぜん)として貫いていくべきだ。「罠」にはまってはいけないのである。

●産経新聞 平成24年10月11日

http://sankei.jp.msn.com/world/news/121011/chn12101111020002-n1.htm
【石平のChina Watch】
中国という「張り子の虎」
2012.10.11 11:02

 9月10日に日本政府が尖閣諸島の国有化を決めて以来、中国側は2週間以上にわたって、日本に対する未曽有の激しい「反撃攻勢」に打って出た。
 「主権と領土問題は半歩たりとも譲らない」という温家宝首相の超強硬発言を号砲にして始まった対日攻勢は、一時には気炎万丈にして疾風怒濤(どとう)の勢いであった。政府が一度に十数隻の監視船を尖閣海域に派遣して日本の領海に侵入させ、「1千隻の漁船が尖閣を目指して出発」との重大ニュースも流れた。
 日中共催のイベントや商業活動などはことごとく取り消され、商務省の高官は日本に対する「経済制裁」の発動を示唆した。その一方、国内では史上最大規模の反日デモが動員されて中国全土を席巻し、一部の現役軍人が「尖閣開戦」を公言するようになった。
 梁光烈国防相も9月18日、「(日本に対して)行動を起こす権利を留保する」と言って赤裸々な軍事恫喝(どうかつ)を行った。
 胡錦濤指導部が主導したこの一連の対日攻勢の主な目的は当然、日本側に圧力をかけ、尖閣国有化からの撤退を強いることにあったはずだ。だが蓋を開けてみたら、それらはすべて、目的を達成できないまま中途半端に終わってしまったのではないか。
 政府の動員で起きたデモが拡大して政府批判の動きに転じていくと、慌てて急ブレーキをかけて沈静化させたのは当の中国政府である。憂慮されていた「1千隻の中国漁船の領海侵入」は結局杞憂(きゆう)に終わってしまい、中国の漁船は一隻たりとも日本の領海に入ってこなかった。商務省高官の示唆した「経済制裁」も発動できず、日本に対する「制裁」はせいぜい、輸出品の通関検査を「厳しくする」程度の嫌がらせである。
もちろん、中国軍の「尖閣開戦」は最初からただの脅しにすぎなかったので、梁国防相が言った「行動を起こす権利」は今でも、単に「留保」されているだけである。
 そして9月26日、「尖閣で妥協しない」と宣言し、それこそ「半歩も譲らない」との姿勢を明確に示したのは、むしろ日本の野田佳彦首相なのである。
 それに対して、中国政府はテンションを上げて言葉上の激しい批判を展開したものの、さらなる「対抗措置」をとることはいっさいなかった。野田首相発言の翌日、今度は、党内序列4位の人民政治協商会議全国委員会の賈慶林主席が日本側の代表団との会談に応じて出て、「日中関係を大事にする」うんぬんを語り始めた。
 考えてみれば、まさにこの「妥協しない」という野田首相の発言をもって、中国側の発動した史上最大の対日攻勢はまったくの徒労に終わってしまった。虚勢を張る以外に何もできないという中国の「張り子の虎体質」がそれで、白日の下にさらされた。
 日本側が毅然(きぜん)とした姿勢を貫くことさえできれば、中国は結局、日本を制するための決め手を何も持っていないのだ。一連の日中間攻防の経緯からは、中国は脅威ではあるが恐れるに足らずとのこと、そして現在は機能している日米同盟が実に重要で大きな効力を発揮していることなどを、われわれは十分に学んで認識しておくべきであろう。
 今後、中国政府は監視船による日本の領海侵入を常態化させて圧力をかけながら、日本側を「領土問題」に関する協議の席に引っ張りだそうとする戦術に転じていくだろうが、前回指摘したように日本政府はその「罠(わな)」に引っかかって「領土協議」に応じるようなことはあってはならない。
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尖閣:100人単位の上陸を警戒せよ

2012-10-18 08:47:33 | 尖閣
 わが国にとって、米国の政治家や国民に尖閣問題について正しい認識を持ってもらうことが必要である。米国には、尖閣問題について鋭い分析を行っている専門家がいる。彼らの見方は、米国の政府や議会で影響を与え得るものであるとともに、わが国の専門家の見方を補強し、日本人に警告を発するものともなっている。
 10月11日の日記で、軍事戦略を専門に研究する米有力研究機関「国際評価戦略センター」主任研究員のリチャード・フィッシャー氏の見方を掲載した。フィッシャー氏は、中国側の当面の戦術については「実際の軍事衝突なしに中国内部での反日行動や外交上の激しい言葉という威嚇により、日本側に尖閣領有権を放棄させることが目的だ」とする。日本の対応については「日本は防衛面でも強固な態勢を保たねばならない。中国の威嚇に動揺し、譲歩をすれば、さらなる攻勢や侵略を招くだけだ」と指摘している。産経新聞の古森義久記者が記事で紹介している。
 古森記者は、米国議会調査局で長年、尖閣問題について研究してきた「戦略国際問題研究所(CSIS)」上級研究員ラリー・ニクシュ氏の見方も紹介している。ニクシュ氏は、日本が当面、最も警戒すべきなのは「中国政府が軍人ではない工作員を『愛国活動家』というような形で組織し、100人から数百人単位を小艦艇で尖閣に上陸させ、テントを張ったりして立てこもらせ、日本側の実効支配を否定してみせる作戦だろう」と見る。尖閣に不法上陸した中国の工作員が一部、武装している場合、日本側が果たして武力を使ってでも排除できるかどうか、「日本の政治指導部には深刻なジレンマを突きつける」と述べている。
 フィッシャー氏の見方もニクシュ氏の見方も、わが国には似たような見方をしている専門家がいる。そうしたわが国の専門家の見方が、根拠のない思い付きや極端な発想ではないことを、両氏の見方は裏付けていると言えよう。
 以下は関連する報道記事。

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●産経新聞 平成24年10月7日

http://sankei.jp.msn.com/world/news/121007/chn12100700450000-n1.htm
【尖閣国有化】
「100人単位の中国活動家、尖閣上陸させる」 米専門家予測、日本の実効支配崩す
2012.10.7 00:43

 【ワシントン=古森義久】尖閣諸島に対する中国側の今後の動向について、米国議会調査局で長年、同問題について研究してきたラリー・ニクシュ氏(現戦略国際問題研究所上級研究員)は5日、産経新聞のインタビューに応じて、中国側が今後100人単位の「活動家」を尖閣に上陸させて立てこもり、日本側の実効支配に挑戦する見通しが強いとの見解を語った。
 ニクシュ氏はまず中国の今後の出方について「軍事力での尖閣攻略という方法はまだその能力を有さないこともあって、ここ数年は実行に移すことはないだろうが、一つの選択肢として当然考え、そのための軍備強化を図ってはいるだろう」と述べた。
 同氏は同盟国としての日本にとって当面、最も警戒すべきなのは「中国政府が軍人ではない工作員を『愛国活動家』というような形で組織し、100人から数百人単位を小艦艇で尖閣に上陸させ、テントを張ったりして立てこもらせ、日本側の実効支配を否定してみせる作戦だろう」と強調した。
 ニクシュ氏はこれら中国側の活動家が日本の海上保安庁などの警戒線をくぐって尖閣に不法上陸し、「ウォール街占拠」のような行動に出て、しかも一部、武装している場合、日本側が果たして武力を使ってでも排除できるかどうか、「日本の政治指導部には深刻なジレンマを突きつける」とも述べた。
 同氏はまた中国が来年には政治面での最高指導層が新しくなるため、国民に対外的な強硬さを誇示するためにも、尖閣問題で強い言動に出る公算が大きいとしている。
 一方、同氏は中国当局が国内での大規模な反日抗議運動を奨励し、許容した後、尖閣諸島自体への荒っぽい行動を一時中断する見通しも強いとしながらも、「中国当局は日本からの尖閣奪取を決してあきらめない」との予測も強調した。
 なお同氏は米国議会調査局のアジア専門官として尖閣問題への米国の立場を1970年代から調査、研究し、96年にも「尖閣紛争=米国にとっての法的関係と責務」と題する報告書をまとめた。尖閣の主権や日米安保条約の適用、さらには中国側の主張について詳細な分析を作成してきた。
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