あなたの名字は何ですか。名字をみれば、あなたの家のルーツをたどることができます。例えば、新田、今川、秋山などは源氏の子孫です。源氏の多くは清和天皇につながります。村岡、相馬、梶原などは、平家の子孫であり、桓武天皇にさかのぼります。あなたの場合は、いかがでしょうか。
日本人は古くから家系に関心を持ってきました。9世紀初めには、我が国最古の系譜集『新撰姓氏録』が作られました。そこには、1,182の姓氏が載っています。当時の姓氏家系は、四つに分類されています。
(1)皇別(335氏)
天皇家から分かれた家。源氏、平氏、橘氏など。さらに、そこから分かれた佐竹、武田、渋谷、江戸、小田など。
(2)神別
①天神(335氏)
天照大神の子孫が「天孫降臨」をしたときに同行してきた神々の一族。中臣(藤原)、大伴、菊池、高橋、安倍など。
②天孫(128氏)
天照大神から、初代・神武天皇までの先祖から枝分かれした子孫。天照大神の子・天津日子根命の子孫・大河内、蒲生など。
③地祇・国神(30氏)
「天孫降臨」のときに、既に日本の国土にいた先住土着の一族。大国主命の後裔・三輪氏をはじめ、中条、和田、三浦など。
(3)諸蕃(326氏)
3~4世紀に日本が皇室中心に統一され安定した豊かな国になってから、朝鮮や中国から来た渡来人。秦、和仁、秋月など。
(4)出自不詳(117氏)
このように、今から千年以上前、既にさまざまな家系が分類されていたのです。(与那嶺正勝著『家系の科学』徳間書店)
さて、今日、日本人の名字は29万もあります。名字が増えた理由の一つは、日本では分家することによって、その分家先の地名が名字になることが多いことです。実際、名字の8割が地名に由来します。
例えば藤原姓は、もとは中臣氏で、天神系。天照大神に仕えた天児屋根命(あめのこやねのみこと)を先祖とします。藤原氏からは、足利国佐野の佐藤、伊勢国の伊藤、加賀国の加藤、近江国の近藤などの家が分かれました。もとの藤原という姓と、地名の一部とが合体して、名字が作られたのです。
また、源氏の主流は、清和天皇の親王が臣籍降下して、源姓を名乗ったのが初めです。そのうち、下野国足利郡(現栃木県足利市)の足利庄に住んだ源姓の一族が、足利氏となりました。また、足利氏の一部が、三河国額田郡(現愛知県岡崎市)の細川庄に移り住んで、細川氏を称するようになりました。この場合は、地名がそのまま名字となった例です。
このように日本では分家によって、もとの姓氏から名字に変わるのです。
ところが、日本には、たった一つ名字のない家があります。何だかわかりますか。皇室です。このことは天皇家がどこかから分家したのではない、もともとの本家であることを表すと考えられます。そして日本人は、すべてどこかで大本家の天皇家につながっており、あなたと天皇は親戚かも知れません。
このことは、別の角度から考えることもできます。あなたには、ご両親がいます。父母にはその親がいます。こうして両親で2、祖父母で4、曾祖父母で8、さらに16、34、68と先祖をさかのぼると、28代でなんと1億3千万人にもなります。日本の現在の人口を超えてしまうわけです。ですから、日本人は、さかのぼればみなどこかで同一の先祖を持っています。つまりみな血縁・親族です。そこからも、あなたと天皇は、血のつながった親戚かも知れないわけです。
日本国憲法に、天皇は「日本国の象徴」であり、「日本国民統合の象徴」であると記されていますが、その背景には、いろいろと深い由来があるのです。
次回に続く。
************* 著書のご案内 ****************
『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1
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日本人は古くから家系に関心を持ってきました。9世紀初めには、我が国最古の系譜集『新撰姓氏録』が作られました。そこには、1,182の姓氏が載っています。当時の姓氏家系は、四つに分類されています。
(1)皇別(335氏)
天皇家から分かれた家。源氏、平氏、橘氏など。さらに、そこから分かれた佐竹、武田、渋谷、江戸、小田など。
(2)神別
①天神(335氏)
天照大神の子孫が「天孫降臨」をしたときに同行してきた神々の一族。中臣(藤原)、大伴、菊池、高橋、安倍など。
②天孫(128氏)
天照大神から、初代・神武天皇までの先祖から枝分かれした子孫。天照大神の子・天津日子根命の子孫・大河内、蒲生など。
③地祇・国神(30氏)
「天孫降臨」のときに、既に日本の国土にいた先住土着の一族。大国主命の後裔・三輪氏をはじめ、中条、和田、三浦など。
(3)諸蕃(326氏)
3~4世紀に日本が皇室中心に統一され安定した豊かな国になってから、朝鮮や中国から来た渡来人。秦、和仁、秋月など。
(4)出自不詳(117氏)
このように、今から千年以上前、既にさまざまな家系が分類されていたのです。(与那嶺正勝著『家系の科学』徳間書店)
さて、今日、日本人の名字は29万もあります。名字が増えた理由の一つは、日本では分家することによって、その分家先の地名が名字になることが多いことです。実際、名字の8割が地名に由来します。
例えば藤原姓は、もとは中臣氏で、天神系。天照大神に仕えた天児屋根命(あめのこやねのみこと)を先祖とします。藤原氏からは、足利国佐野の佐藤、伊勢国の伊藤、加賀国の加藤、近江国の近藤などの家が分かれました。もとの藤原という姓と、地名の一部とが合体して、名字が作られたのです。
また、源氏の主流は、清和天皇の親王が臣籍降下して、源姓を名乗ったのが初めです。そのうち、下野国足利郡(現栃木県足利市)の足利庄に住んだ源姓の一族が、足利氏となりました。また、足利氏の一部が、三河国額田郡(現愛知県岡崎市)の細川庄に移り住んで、細川氏を称するようになりました。この場合は、地名がそのまま名字となった例です。
このように日本では分家によって、もとの姓氏から名字に変わるのです。
ところが、日本には、たった一つ名字のない家があります。何だかわかりますか。皇室です。このことは天皇家がどこかから分家したのではない、もともとの本家であることを表すと考えられます。そして日本人は、すべてどこかで大本家の天皇家につながっており、あなたと天皇は親戚かも知れません。
このことは、別の角度から考えることもできます。あなたには、ご両親がいます。父母にはその親がいます。こうして両親で2、祖父母で4、曾祖父母で8、さらに16、34、68と先祖をさかのぼると、28代でなんと1億3千万人にもなります。日本の現在の人口を超えてしまうわけです。ですから、日本人は、さかのぼればみなどこかで同一の先祖を持っています。つまりみな血縁・親族です。そこからも、あなたと天皇は、血のつながった親戚かも知れないわけです。
日本国憲法に、天皇は「日本国の象徴」であり、「日本国民統合の象徴」であると記されていますが、その背景には、いろいろと深い由来があるのです。
次回に続く。
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