新憲法の天皇条項について検討すべき点の六点目は、天皇の国事行為についてである。昭和憲法に規定された事項のほか、いくつか追加する必要があると思う。
・憲法・法律等の公布には、皇室典範を加える
皇室典範は、一般の法律とは違うので、別に明記する。
・文化、芸術、自然環境保全の奨励助長を行なうこと。
文化・芸術は、元総理大臣・中曽根康弘氏の案による。これに環境保全を加える。
・元号の制定を公布すること。
皇室制度と結びついた元号に関して明記する。
・儀礼については、伝統に基く祭祀を行うことを加える。
昭和憲法では、単に「儀礼」と書かれている。これでは漠然としている。わが国及び皇室に伝わる伝統に基づく祭祀及び儀礼を行い、国民の安寧と世界の平和を祈ることを、天皇の国事行為として明記する。また、この項目の位置は、他の国事行為より前に置く。
次に、以上を反映した私案を記す。
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●ほそかわ案
(天皇の国事行為)
第五条 天皇は、統治権の象徴的な行使として、次に掲げる国事に関する行為を行う。
一 伝統に基く祭祀及び儀礼を行い、国民の安寧と世界の平和を祈ること。
二 憲法及び皇室典範の改正、並びに法律及び政令を公布すること。
三 国会を召集すること。
四 第○○条第○項の決定に基づいて衆議院を解散すること。
五 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。
六 国務大臣及び法律の定めるその他の公務員の任免を認証すること。
七 内閣の指名と国会の承認に基づいて、全権委任状並びに大使及び公使の信任状に親署し、並びにこれを授与すること。
八 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
九 栄典を授与すること。
十 文化、芸術、自然環境保全の奨励助長を行なうこと。
十一 元号の制定を公布すること。
十二 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
十三 外国の大使及び公使を接受すること。
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次に、前条に定めた以外に、天皇が、元首として対外的に日本国を代表し、日本国の伝統、文化、国民統合を象徴するために行為については、準国事行為とする規定を設けておきたい。
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●ほそかわ案
(天皇の準国事行為)
第六条 前条に規定する国事行為の他、天皇が、元首として対外的に日本国を代表し、または日本国及び日本国民の統合を象徴するために必要な一切の行為は、国事行為に準ずるものとする。
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摂政と皇室財産に関する規定は、昭和憲法の規定を一部修正し、他は現行どおりとする。
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●ほそかわ案
(摂政)
第七条 天皇が成年に達しない場合、もしくは皇室典範の定めるところにより、摂政を置くことができる。摂政は、天皇の名で、その国事に関する行為を行う。
2 第三条の規定は、摂政について準用する。
(皇室への財産の譲渡等の制限)
第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、法律で定める場合を除き、国会の議決に基づかなければならない。
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第三条とは、(天皇の権能)の条のことである。
以上で天皇に関する条項を終える。
・憲法・法律等の公布には、皇室典範を加える
皇室典範は、一般の法律とは違うので、別に明記する。
・文化、芸術、自然環境保全の奨励助長を行なうこと。
文化・芸術は、元総理大臣・中曽根康弘氏の案による。これに環境保全を加える。
・元号の制定を公布すること。
皇室制度と結びついた元号に関して明記する。
・儀礼については、伝統に基く祭祀を行うことを加える。
昭和憲法では、単に「儀礼」と書かれている。これでは漠然としている。わが国及び皇室に伝わる伝統に基づく祭祀及び儀礼を行い、国民の安寧と世界の平和を祈ることを、天皇の国事行為として明記する。また、この項目の位置は、他の国事行為より前に置く。
次に、以上を反映した私案を記す。
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●ほそかわ案
(天皇の国事行為)
第五条 天皇は、統治権の象徴的な行使として、次に掲げる国事に関する行為を行う。
一 伝統に基く祭祀及び儀礼を行い、国民の安寧と世界の平和を祈ること。
二 憲法及び皇室典範の改正、並びに法律及び政令を公布すること。
三 国会を召集すること。
四 第○○条第○項の決定に基づいて衆議院を解散すること。
五 衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。
六 国務大臣及び法律の定めるその他の公務員の任免を認証すること。
七 内閣の指名と国会の承認に基づいて、全権委任状並びに大使及び公使の信任状に親署し、並びにこれを授与すること。
八 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
九 栄典を授与すること。
十 文化、芸術、自然環境保全の奨励助長を行なうこと。
十一 元号の制定を公布すること。
十二 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
十三 外国の大使及び公使を接受すること。
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次に、前条に定めた以外に、天皇が、元首として対外的に日本国を代表し、日本国の伝統、文化、国民統合を象徴するために行為については、準国事行為とする規定を設けておきたい。
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●ほそかわ案
(天皇の準国事行為)
第六条 前条に規定する国事行為の他、天皇が、元首として対外的に日本国を代表し、または日本国及び日本国民の統合を象徴するために必要な一切の行為は、国事行為に準ずるものとする。
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摂政と皇室財産に関する規定は、昭和憲法の規定を一部修正し、他は現行どおりとする。
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●ほそかわ案
(摂政)
第七条 天皇が成年に達しない場合、もしくは皇室典範の定めるところにより、摂政を置くことができる。摂政は、天皇の名で、その国事に関する行為を行う。
2 第三条の規定は、摂政について準用する。
(皇室への財産の譲渡等の制限)
第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、法律で定める場合を除き、国会の議決に基づかなければならない。
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第三条とは、(天皇の権能)の条のことである。
以上で天皇に関する条項を終える。