ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

日本政府は慰安婦の「強制連行」「20万人」「性奴隷」を明確に否定

2018-04-01 11:50:42 | 慰安婦
 慰安婦問題。この問題を解決しなくては、日本人の誇りは取り戻せません。本件について画期的な事実が明らかになりました。衆議院議員・杉田水脈氏の活躍によります。3月28日の衆議院外務委員会での質疑について、杉田氏自身のツイートから。

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3月29日
杉田水脈衆院議員、河野談話撤回について河野外相直接指名し見解質す 河野外相の対応は? | Yamato Press http://dlvr.it/QMcDJB

3月31日
「2016年2月16日、ジュネーブで国連の女性差別撤廃委員会の対日審査において杉山審議官が発言した内容というのは政府の正式見解と見てよろしいですか」
外務省・鯰大臣官房参事官「日本政府の見解を述べたものでございます」

先日の外務委員会の質疑で一番手応えがあったのは、慰安婦問題に対する最新の政府見解を引き出すことが出来たこと。日本政府は慰安婦の「強制連行」「20万人」「性奴隷」を明確に否定しています。また、「軍の関与」とは「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送」を指すことを明らかにしました。

繰り返しますが、これが日本政府の正式見解です。国連などの場で「慰安婦=性奴隷」とか、「強制連行された人に謝罪しろ」と言っている団体や人物は日本政府の見解とは異なる主張をしていることになります。
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 杉田氏が書いている通り、約2年前に日本政府は国連で、慰安婦の「強制連行」「20万人」「性奴隷」を明確に否定。これは河野談話を国際的な場で実質的に否定したことになります。また、政府は「軍の関与」とは「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送」を指すことを公式見解としていることが明らかになりました。

 産経新聞は、杉山審議官の発言を約2年前に報道しています。
 2016.2.17 10:05【慰安婦問題】
 杉山外務審議官の発言要旨 慰安婦強制連行に関する国連女子差別撤廃委
http://www.sankei.com/politics/news/160217/plt1602170005-n1.html
 しかし、その意味の大きさは、今回の杉田議員の質疑まで十分明らかになっていませんでした。政府・外務省、マスメディア・有識者の多くはこのことを積極的に内外に伝えて来ていません。遅まきながら、私たちが大いに伝えましょう。日本人の誇りを取り戻すために。
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慰安婦資料は「ホロコーストをねじ曲げ」と、カナダ・ユダヤ人友好協会がユネスコに意見書

2016-11-30 09:52:39 | 慰安婦
 ユネスコの世界記憶遺産に登録申請された慰安婦に関する文書について、カナダ・イスラエル友好協会が「申請者はホロコーストの意味をねじ曲げている」と批判する意見書をユネスコに送付したとのこと。意見書は、ユネスコが一部加盟国の「政治的道具になった」とした上で、「性奴隷」「慰安婦20万人」等の主張は裏付けを欠くと指摘していると伝えられる。

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●産経新聞 平成28年11月24日

http://www.sankei.com/politics/news/161124/plt1611240010-n1.html
2016.11.24 07:24更新
【歴史戦】
慰安婦資料は「ホロコーストをねじ曲げ」 記憶遺産申請で カナダ・ユダヤ人友好協会がユネスコに意見書

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(記憶遺産)に登録申請された慰安婦に関する文書について、カナダのトロントにある「カナダ・イスラエル友好協会」が「申請者はホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の意味をねじ曲げている」と批判する意見書をユネスコに送付していたことが23日、分かった。意見書は、ユネスコが一部加盟国の「政治的道具になった」とした上で、「性奴隷」「慰安婦20万人」の主張は裏付けを欠くと指摘している。
 ユネスコへの登録申請は、日本や中国、韓国など8カ国・地域の14市民団体で構成される国際連帯委員会が中心となって行った。登録申請書は慰安婦制度について、「ホロコーストやカンボジアの(旧ポル・ポト政権による)大虐殺に匹敵する戦時中の惨劇だ」と主張している。
 これに対し、友好協会幹部のユダヤ人、イラナ・シュナイダーさんら3人が署名した意見書は「ホロコーストに匹敵するものはなかった」とする元駐日イスラエル大使のエリ・コーエン氏の指摘を引用して反論。
その上で、「中国によるチベット侵略の方がホロコーストの概念により近い」とし「もっとひどいのは文化大革命だ」と強調した。
 また、慰安婦問題が東京裁判でも問題にならなかったことや、米当局の調査でも慰安所で働いていた女性のほとんどに給与が支払われていたなどとして「性奴隷説」が証明できていないと指摘した。
 1991年まで慰安婦の存在が世界に知られなかったのを、アジアで「女性の性」がタブー視されていると説明した登録申請書は「説得力がない」と一蹴。慰安婦問題は経済力を持つようになった中韓が反日感情をあおるための「道具の一つだった」と解説した。
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 カナダ・イスラエル友好協会(Canada Israel Friendship Association)は、公益社団法人日本イスラエル親善協会(Japan Israel Friendship Association)と、英語名が同じく構造。世界各国にあるイスラエル友好協会の一つと見られる。
http://www.canada-israel.org/
 慰安婦問題については、カナダだけでなく、日本のイスラエル友好団体からこそ、その虚偽について、積極的に発言してほしいものである。

関連掲示
・拙稿「慰安婦問題は、虚偽と誤解に満ちている」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion12f.htm
・拙稿「戦後韓国の慰安婦制度こそ、真の国際人権問題」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion12s.htm
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慰安婦問題:詐話師・吉田清治の長男が告白

2016-10-15 10:41:34 | 慰安婦
 朝日新聞は、「慰安婦を強制連行した」という吉田清治氏の虚偽証言を30年以上も放置し、日本と日本人の名誉と尊厳を傷付けた。本年8月吉田氏の長男が、ジャーナリストの大高未貴氏のインタビューに応じ、真相を語った。「済州島に行かず地図見て執筆」「定職つかず困窮」「協力者いたはず」「朝鮮半島の組織に借金」――ひどすぎて絶句してしまうほどである。吉田氏の著書を使い続けた朝日新聞の罪は、極めて重い。この真相を世界に伝えよう。
 本件を報じた夕刊フジの記事とその英訳を掲載する。

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●夕刊フジ 平成28年8月23日号

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160823/dms1608231140003-n1.htm
 慰安婦問題で、衝撃的なリポートが発表された。
 朝日新聞は、「慰安婦を強制連行した」という吉田清治氏の虚偽証言を30年以上も放置し、日本と日本人の名誉と尊厳を傷付けたが、ジャーナリストの大高未貴氏が、月刊誌「新潮45」9月号で、吉田氏の長男のインタビューに成功したのだ。
 「父は大変誤った歴史を作り出した」「世界中の慰安婦像をクレーン車で撤去したい」などと激白する長男と、某国組織の関与が疑われる吉田氏の背景とは。大高氏が、渾身リポートの一部を披露した。

 私は十数年前から、日本軍による強制連行説を世界に広めた「吉田清治」という人物に興味を持っていた。
 吉田証言については、現代史家の秦郁彦氏が、吉田氏が慰安婦狩りの舞台になったと証言した韓国・済州(チェジュ)島で現地調査を行い、1992年に産経新聞でその「虚偽性」を指摘している。
 吉田氏も96年に週刊新潮の取材に「創作話」であったことを認めている。
 安倍晋三首相も、自民党青年局長時代の97年5月27日、衆院決算委員会第二分科会で「そもそも、この『従軍慰安婦』につきましては、吉田清治なる詐欺師に近い人物が~」と指摘し、首相就任後の2007年3月5日、参院予算委員会でも「(吉田)証言はまったく、後にでっち上げだったことが分かったわけでございます」と答弁している。
 一連の批判に耐えきれず、朝日新聞は14年になって、ようやく吉田証言を虚偽と判断し、16本の記事を撤回した。
 本来ならここで終わる話だ。ところが、奇妙なことに吉田証言は生き続け、世界各国に次々と設置される慰安婦像の説明文に憑依して、国際社会で現在もなお増殖しているのだ。
 吉田証言を重要な証拠として採用し、国連人権委員会で日本への非難勧告を行ったクマラスワミ報告も、外務省の申し入れにも関わらず、いまだに撤回されていない。
 誤解を恐れずに言えば、吉田証言はプロパガンダとしては大成功だったのではなかろうか。
 だが、このプロパガンダを行った「吉田清治」という人物の来歴は、謎に包まれたままだった。生年も出生地も定かではなく、学歴も経歴も不明だ。そして、名前はいくつもある。さほど年齢も違わない朝鮮人を、何故か養子にもしている。
 一体、「吉田清治」とは何者だったのか?
 私は、その謎を解明したい衝動にかられ、吉田氏の長男を訪ねた。長男は関東北部の県で、質素な一人暮らしをしていた。最初の取材で、重たい口から発せられた言葉は、以下のようなものだった。
 「父が犯した慰安婦強制連行の捏造について、吉田家の長男として、日本の皆様に本当に申し訳なく思っております。できることなら、クレーン車で世界中の慰安婦像を撤去したい…」
 「父の責任は重大ですが、一方で、あれだけの創作話を父1人でできるはずがありません。慰安婦問題を既成事実化したい人々の何らかの関与があったはずです」
 それから、私は何度も長男のもとに取材に通った。そして、過去の記憶をたどるうちに、驚愕の事実が続々と明らかになってきた。
 「父は済州島なんか行っていません。家で地図を見ながら原稿を書いていました」「謝罪行脚のため訪韓した際、父のパスポートに入国スタンプは押されていませんでした。なぜなら…」
朝日新聞は、吉田氏の戦後の経歴を「サラリーマン」などと報じていたが、吉田氏は人生の大半は定職につかず、その生活費は息子たちが賄っていたという。著作、講演活動を繰り広げながら満足にお金を得ることもなく、生活は常に困窮していた。
 吉田氏は一体、誰のために、何のために活動してきたというのか?
 その謎を解くカギの1つは、吉田家と家族ぐるみで長期にわたって付き合いがあった、神奈川県警の元刑事A氏から教えてもらった。
 吉田氏は「朝鮮半島のある組織にお金を借りていた」というのだ。吉田氏の韓国謝罪行脚をテレビで見ていたA氏は「正直なところ、可哀そうだなと思いました。(略)痩せちゃっているし、おびえている姿そのものでしたよ…」と当時の印象を語っている。
 誰よりも吉田氏を知る長男の告白は、ジワジワと慰安婦問題の虚構の化けの皮を剥がしてゆくこととなろう。

■大高未貴(おおたか・みき) 1969年、東京都生まれ。フェリス女学院大学卒業。ダライ・ラマ14世や、PLOの故アラファト議長などにインタビューする。著書に『ISISイスラム国残虐支配の真実』(双葉社)など。
最新号「新潮45」のリポート「『吉田清治』長男、衝撃の告白 『慰安婦像をクレーン車で撤去したい』 慰安婦問題を作った男の肖像」では、吉田氏の長男など、関係者に徹底取材して、吉田氏の知られざる“正体”に迫っている。
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 次に英訳である。下記から英文の部分を転載させていただく。

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http://true-history2.jugem.jp/?eid=1560
Translation of an article of Evening Paper Fuji)

Concerning comfort women issue, a shocking report was released. The Asahi Shimbun left false testimonies by Seiji Yoshida, who claimed to "forcibly take comfort women away," more than three decades, and damaged Japan and Japanese honor and dignity. However, Miki Otaka, journalist, succeeded to interview with the oldest son of Yoshida in the Sept. issue of the monthly magazine "Shincho45." What are backgrounds of the oldest son who disclosed that "my father created boldly wrong history," and argued that "I want to remove comfort woman statues around the world with a crane truck," and Yoshida to whom involvement of an organization in the certain country is doubt. Otaka revealed a part of the report with all her might.

I have been interested in the person named "Seiji Yoshida," who spread the forcible taking away theory by Japanese forces around the world, for ten several years. Concerning Yoshida testimonies, Ikuhiko Hata, historian in the modern period, conducted a field survey in Jeju island, South Korea, where Yoshida testified the place of comfort women hunting. In 1992, he pointed its "falsehood characteristics" out on the Sankei Shimbun. Even Yoshida admired that it was "a fiction" in the coverage by the weekly magazine Shincho in 1996.

On May 27th, 1997 when he was a director, Youth Division of the LDP, Prime Minister Shinzo Abe also pointed out at the 2nd room of Audit Committee of the Lower House that "to begin with, concerning this [military comfort women], a person almost a fraud named Seiji Yoshida...." In addition, on Mar. 5th, 2007, after taking seat of prime minister, he answered at the Lower House budget committee that "later, (Yoshida) testimonies were proved to be completely forgery."

As it was impossible to endure series of criticism, in 2014, the Asahi Shimbun finally judged Yoshida testimonies as lies, and retracted 16 articles.
In principle, the story should've been closed here. However, Yoshida testimonies have continued to survive strangely, do satanophany in explanations of comfort woman statues being erected in various countries in the world, and are still multiplying even now in the international community.
In spite of requirement by Foreign Ministry, the Coomaraswamy Report -- that adopted Yoshida testimonies as important evidence, and issued a criticism advice against Japan at UNCHR -- has yet retracted too.
Saying without fear to be misunderstood, Yoshida testimonies may be a great success as a propaganda.
However, the origin of the person called "Seiji Yoshida," who performed this propaganda, is still unclear. Neither the age nor the birthplace is sure, and both the educational background and the career are unidentified. And he has many names. He adopted a Korean, whose age wasn't so different from his won, for some reason. On earth, who was "Seiji Yoshida?"
As I was driven by impulse to want to elucidate the mystery, I visited the eldest son of Yoshida. The eldest son lived alone in simple way in a prefecture in Northern Kanto region. The words given from his heavy mouth in the first coverage were as follows.
"Concerning the forgery of forcible taking away of comfort women my father did, as an oldest son of the Yoshidas, I'm really sorry for every and each Japanese. If possible, I want to remove comfort woman statues around the world with a crane truck...."
"Though my father's responsibility is serious, on the other hand, it was impossible for my father alone to forge such scale of fiction. There must be some kind of involvement by persons who wanted to make comfort women issue a fait accompli."
After that, I visit the oldest son many times to cover him. And, in following memories in the past, shocking facts were revealed one after another.
"My father never went to Jeju island. He was writing manuscript(s) while watching the map at home." "When he visited South Korea for the sake of an apology-pilgrimage, an entry stamp was not stamped my father's passport with. Because...."
Though the Asahi Shimbun reported that Yoshida's post-WW2 career was as "office worker," I heard that Yoshida didn't get a main occupation for almost his life, and sons served his cost of living. His life was always poor -- implementing writing and lecture activities but not to earn enough money. On earth, for whom and for what purposes Yoshida did activities?
I was taught one of the keys to solve the mystery by A -- former detective at the Kanagawa Prefectural Police, who was acquaintance with the Yoshidas including the whole family for a long term.
I was taught that Yoshida "borrowed money from an organization in the Korean peninsula." When watching an apology-pilgrimage in South Korea by Yoshida on TV, A talked an impression at that time that "honestly say, I though sorry for him (...) (He) became thin, and it was just the figure being frightened."
The confession by the eldest son, who knows Yoshida more than anyone else, will blow comfort women issue's fictional cover gradually.

Miki Otaka
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 歴史認識・教育の是正に取り組んでいる藤岡信勝拓殖大学客員教授は、本年9月スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開かれた人権理事会で、慰安婦問題について発言した。
https://www.youtube.com/watch?v=UgIJtaoeDdU
 わずか2分間の短いスピーチだが、藤岡氏は、その中で上記の吉田清治氏の長男の発言を紹介した。スピーチの要点は次のとおりである。

(1)国連は慰安婦問題について間違った情報を得ていた。
(2)「慰安婦=性奴隷」との認識を決定づけた1996年のクマラスワミ報告書は、その間違った情報をもとに作られた。
(3)クマラスワミ報告書に大きな影響を与えたのは、吉田清治氏が書いた『私の戦争犯罪』という本だが、著者も著者の息子も後日、本に書かれていることが嘘であることを認めている。
(4)しかし、この「慰安婦=性奴隷」という間違った認識は、国連を通じて世界に広がった。
(5)米国等の諸国に慰安婦の像や碑が建てられ、日本人や日系人の子供がいじめられたり、差別されている。安倍晋三首相に「保護してほしい」という嘆願書が出されている。
(6)国連は、日本に再度、特別報告者を派遣して、慰安婦問題の再調査をしてほしい。

 藤岡氏の簡潔だが、絶妙なスピーチが、慰安婦問題に関する世界的な誤解を解いていくきっかけになることを、心から願う。
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サンフランシスコ市議会の慰安婦像等設置決議は訴訟を政府が支援すべき

2015-10-04 08:42:27 | 慰安婦
 拙稿「サンフランシスコ市議会で慰安婦像等設置決議案が採択」に次のように書いた。
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/4ce0648e9922da4c20172a5ada44de9d
 「日本国政府は、これまでの姿勢を改めて、米国等での中主韓従の慰安婦像碑設置運動を押し返すべく強力な体制を作って、外交的にも司法的にも積極的に取り組まねばならない。そうしないと、日本の名誉の回復と現地日本人・日系人の安心は、決して得られない。」
 司法的手段については、次のように書いた。「米国の司法の場で争うには、何を法的根拠として訴えるか、いかにして陪審員の理解を得るかがポイントになるだろう。」
 米国人弁護士のケント・ギルバート氏は、サンフランシスコ市議会が慰安婦の碑または像の設置を支持する決議案を可決したことについて、「カリフォルニアは中国に汚染されている」とし、「すぐにでも訴訟を起こしたほうがいい。一度建ってしまうと(撤去を求める)裁判に勝つのは難しい」と警告している。もはや残る道は訴訟しかないので、政府が訴訟団をしっかり支援してほしいものである。
 以下は、ギルバート氏の発言を伝える報道記事。

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●産経新聞 平成27年10月2日

http://www.sankei.com/politics/news/151001/plt1510010062-n1.html
2015.10.2 07:40更新
ケント・ギルバート氏「すぐに訴訟を」 サンフランシスコの慰安婦問題で 「歴史戦」テーマに講演

 中国や韓国が反日宣伝活動を展開する中、「今後、『歴史戦』をいかに戦うか」と題した講演会が1日夜、東京都千代田区の憲政記念館で開かれた。慰安婦問題に詳しい弁護士でタレントのケント・ギルバート氏が「日本は世界に向けてもっと積極的に、英語で(真実を)発信しないといけない」と訴えた。
 ギルバート氏は、米カリフォルニア州サンフランシスコ市議会が先月、慰安婦の碑または像の設置を支持する決議案を可決したことに言及。「カリフォルニアは中国に汚染されている」とし、「すぐにでも訴訟を起こしたほうがいい。一度建ってしまうと(撤去を求める)裁判に勝つのは難しい」と警告した。
 産経新聞の阿比留瑠比論説委員兼政治部編集委員も講演し、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の河野洋平元官房長官談話について、強制連行を示す証拠が存在しないことを説明。
 「この談話はいまだに撤回できずにいるが、国内では無効化したに等しい。今後の課題はそれをいかに米国や世界に広げていくか。自民党が責任を持って河野氏を国会に呼び、根拠を問うべきだ」と述べた。
 阿比留氏は、安倍晋三首相がかつて「歴史問題(の改善)はほふく前進で行くしかない」と語っていたことを明かし、「残り(任期)の3年間もほふく前進し、振り返れば『よくここまで来たな』と思えるところまで行けるのではないか」と期待を示した。
 講演会は、米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去活動を展開するNPO法人「歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)」が主催した。

※講演の詳細
http://www.sankei.com/politics/news/151003/plt1510030020-n1.html

2015.10.4 08:15更新
「朝日の嘘は今世紀最大の嘘」 ケント・ギルバート氏 「歴史戦」講演会詳報

 中国や韓国の反日宣伝活動に対し、日本がどう対処するかを考える講演会「今後、『歴史戦』をいかに戦うか」が1日、東京都千代田区の憲政記念館で開かれた。慰安婦問題についてメディアで積極的に発言している弁護士でタレントのケント・ギルバート氏、産経新聞の阿比留瑠比論説委員兼政治部編集委員が講演した。また、米カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像の撤去活動を展開するNPO法人「歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)」の目良浩一代表も最近の米国内での反日活動を報告した。
 主な内容は以下の通り。

■ケント・ギルバート氏

《朝日の嘘が国益害した》
 最初は、それほど慰安婦問題に関心がなかった。「朝日新聞が『強制連行はあった』と言っているし、戦争というのは色々あるものだから…」と深く考えなかった。
 しかし、朝日新聞が昨年、(朝鮮人慰安婦の強制連行を偽証した自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治氏の記事について)誤報を認めた。「朝日の嘘がどれだけ日本の国益を害したことか。今世紀最大の嘘だ」と感じた。それでいろいろと調べた結果、証拠がないことがわかった。
慰安婦とは戦地における娼婦のことだ。業者が売春宿を経営していたのであって、旧日本軍が経営していたという信用できる証拠は何もない。では、娼婦がいなかったのかといえば、確かにいたし(日本軍人が)利用していた。でも、お金を払って利用していたのだから性奴隷とはいえない。日本兵だけでなく、米兵もよその国の兵隊も使っていた。戦争というものが生まれてから今日に至るまで「慰安婦」は戦地にいる。日本だけが悪いわけではない。
 もちろん、それが良いことだというわけではない。積極的に(解決に)取り組むべき人権問題だ。ただ、慰安婦問題では「軍が強制連行し、性奴隷のように扱ったのか」に論点を絞るべきで、そのような事実はなかった。

《米カリフォルニア州は中国に汚染》
 米カリフォルニア州サンフランシスコ市議会が先月、(慰安婦の碑、像の設置を支持する)決議案を可決した。私が非常に驚いているのは(決議案に)「20万人」という打ち消されたはずの数字が再び出てきたことだ。日本軍は150万人。強制連行された慰安婦が20万人もいるなんてことはあり得ない。
(米国などで反日宣伝活動を展開する)世界抗日連合会が米国議員に圧力をかけた結果、米国政府は30億円くらいの資金を使って大規模な調査を実施した。だが、800万枚もの公文書など、調べても調べても証拠は出てこなかった。20万人もいたなら証拠がまったく残っていないことは考えられない。
 韓国が慰安婦問題を持ち出すのは、反日感情がないと国内がまとまらないから、というだけの理由だろう。
 でも、中国には別の理由もある。「慰安婦問題を利用して日米の信頼関係を壊し、安保条約を弱体化させよう。うまくいけば米軍が日本から撤退し、東アジアは俺たちのものになる」という狙いがあるのではないか。今は米国で(反日宣伝活動を)やっており、首都ワシントンはそれほどではないが、カリフォルニアは完全に中国に汚染された。
 国連というのも厄介な組織だ。日本はもっときちんと国連で主張していかなければならない。(慰安婦を性奴隷として認識するよう国連に働きかけている)日本弁護士連合会(日弁連)ばかりに主張させていてはいけない。日弁連という団体はもはや左翼政治団体に成り下がっていると思う。(支払いが義務づけられている)会費はとても高いが、詳しい使途が公表されない。政治活動に使われているなら任意の会費か寄付金にすべきだ。

《日本は英語で発信を》
 日本は世界に向けてもっと積極的に(真実を)発信しないといけない。
 「History Wars」(慰安婦問題を特集した産経新聞連載『歴史戦』の英日対訳版、産経新聞出版)は良い本だ。米国人の友達がいれば送ってあげてほしい。この本のように、もっと英語で発信しないといけない。
 最後に3点、日本に対して言いたいことがある。
 1つは、米国での(慰安婦像の撤去を求める)訴訟は徹底的にやってほしい、ということ。サンフランシスコの問題に関しても、すぐにでも訴訟を起こした方がいい。
裁判では正義の主張をしても負けることがある。オーストラリアやカナダでは議会の段階で慰安婦像の設置を止められたから良かった。一度建ってしまうと(撤去を求める)裁判に勝つのは難しい。
 2つ目は、外務省はロビイストを雇うべきだ。安倍晋三首相の今春の訪米は、ロビイストを雇って大成功した。韓国も(反日宣伝のため)ロビイストを雇ったが、日本が勝った。
 3つ目だが、慰安婦のようなややこしい問題は「そうではないんだ」と主張しても終わらない。水掛け論はきりがない。問題をすり替えるのが良い。「戦時における女性の権利を考える国際会議」を日本が大々的に主催し、世界各国、特に韓国を招待すべきだ。日本は女性の権利を守る運動に積極的に取り組む国だというイメージをつくれるのではないか。(※他の講演者は略)
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サンフランシスコ市議会で慰安婦像等設置決議案が採択

2015-10-02 09:21:14 | 慰安婦
 9月22日米国サンフランシスコ市議会で、慰安婦碑または像の設置を支持する決議案の採決が行われ、全会一致で採択された。これまでのようなほとんど名前も知られていない地方都市ではなく、国際的に有名な観光都市における決議ゆえ、影響は甚大である。
 決議案は今年7月、市議11人のうち8人が共同提案した。今月17日、委員会審議と公聴会を前に韓国から訪米した元慰安婦が表彰され、決議案採択のムードが造られた。 決議案は慰安婦を「日本軍によって拉致され、性的奴隷の扱いを強要された20万人のアジアの少女や女性」と説明している。決議案の文章や文言の修正を行うことを市議らが確認した上で採択された。当初決議案には、日系人や在米日本人の中から反対意見が出たため、修正決議では世界で続く人身売買を批判する文言を盛り込み、批判の対象を広げるものとするらしい。
 サンフランシスコで慰安婦像または碑を設置する動きを主導的に進めているのは、韓国系団体ではなく中国系団体である。背後には、中国共産党がある。9月3日中国共産党は「抗日戦争勝利70周年」の記念行事を大々的に行った。この抗日宣伝活動の一環として、サンフランシスコ市の中華街では8月に、中国国外初の「海外抗日戦争記念館」がオープンした。これに続いて、慰安婦像または碑の設置支持の決議案が採択され、中国系は攻勢を強めている。
 慰安婦像の設置までには、市の委員会の承諾を得るなどいくつかの手続きが必要になるが、公共スペースへの設置が企図されており、中華街の「ポーツマス広場」、ホロコースト記念碑のあるリッチモンドの「リンカーン公園」などが候補地に挙がっているという。今回の決議案採択で、設置の動きが加速されるだろう。
 今回の決議案の採択を阻止するため、現地の日本人・日系人が懸命に活動した。日本国政府は、その人たちの苦労を深く受け留め、これまでの安易・柔弱にすぎる姿勢を抜本的に改めなければいけない。
 次に、サンフランシスコ市議会に関する米良浩一氏の報告を紹介する。米良氏は、「歴史の真実を求める世界連合会(Alliance for HistoricalTruth:GAHT)」の共同代表で、元ハーバード大学助教授・筑波大学教授である。
https://www.facebook.com/koichi.mera
 もとの報告はフェイスブックに掲載された英語とその和訳による文章だが、当ブログでは、和訳の部分のみを掲載する。

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9月17日行われたサンフランシスコ市の記念碑設置を推進するを委員会に行ってきました。この件について、報告します(略)

9月17日のサンフランシスコ市議会委員会への参加者からの報告
Report on the San Francisco City Committee Meeting on Building a Comfort Women Memorial on September 17, 2015

GAHT-US代表 目良浩一
Koichi Mera, Ph. D. President, GAHT-US Corporation

サンフランシスコ市議会は、7月21日の審議の結果、慰安婦記念碑の建設の案件は、エリック・マー市議会議員が委員長である委員会の審議に託して、そこで承認されたならば、全体の市議会にかけて、決定することになった。そこで、9月17日にその委員会が開かれることになり、筆者はその会議に出席した。以下は、その日の会議の模様である。

前から知らされていたことではあるが、この会議に韓国から元慰安婦であったとするイ・ヨンス女史が入室してきた。彼女は2007年に米国の下院で、日本非難の決議案が上程された時に、一時間以上演説をした女性である。車椅子で入室したが、その後は最前列の椅子に着席した。マー委員長は、まずこの記念碑を建設することの意義と重要性を長々と説明し、日本軍がいかに悪事を大々的に働いたか、その典型的なのが、朝鮮の婦女子の性奴隷化であるとした。そして、そのような逆境にも拘わらず、今まで強い意志をもって生き延びてきた闘士であるとして、イ・ヨンス女史を紹介した。そこで、彼女は10分近く流暢に話し、拍手を浴びた。話し終えると彼女は、頭上に手で丸を作り、カメラマンたちのフラッシュに笑顔で答えた。

それから参加者の意思の表明が各人2分間のみという条件で始まった。最初の方は、委員長の指名で、委員長になじみのある人が続けて提案を支持する発言をした。15人目位にイグナシアス・ディングが、発言した。彼は、4月に安倍総理が訪米した際に、総理が「戦時中に人身売買(human trafficking) があり女性が犠牲になったことに胸が痛む」と語ったことを引用して、日本政府は慰安婦問題で日本が悪事を働いたことを認めていると宣言した。安倍総理は、日本軍が行ったとは言っていないのであるが、彼はそう解釈したのである。

その数人後で、私の名前が呼ばれた。その直前は、やはりロスアンジェルスから来た日本の女性で、力強く韓国や日本でなくて、米国に建てられることの非合理性を指摘した。そのあとで、私は、そこで言われている慰安婦説が、史実に沿わないことを説いた。第一に、20万人説が、虚偽であること、第二に、強制連行があったとすることが真実でないこと、更に彼らが性奴隷であったことが真実でないと述べた。更に、具体例をあげますとして、「本日ここで証言されたイ・ヨンスさんは、サンフランシスコ州立大学の人類学教授、C. サラ・ソー氏の2008年の『慰安婦』と称する図書によりますと、ある日の早朝に友だちと共に家をこっそり出て、慰安婦の斡旋員のところへ行き、」と述べた時に議長のマー氏が制止した。

マー氏: イさんは、そんなことは言っていない。君は、彼女が嘘つきだというのか。
目良: 最後まで言わしてください。
マー氏: 彼女はそんなことは言っていない。
目良: 私は、彼女が言ったことを繰り返すことはしません。この本に書いてあることを述べているのです。この本を読んでください。続けます。
「そこで赤いドレスと革靴をもらって大いに喜んだ」とあります。これがこの本に書いてあることです。
さて、この件の一般的な性格について疑問を述べます。慰安婦問題は人権問題であると言われています。しかし、慰安婦像の推進者は、このような絵を掲げています。これはグレンデールの際に取った写真ですが、このような活動で人権は守れるのでしょうか。以上です。

その後、数多くの人々が意見を述べた。反対派の中には、ソー教授の図書に言及して、イ・ヨンス氏の証言に疑問を呈した人が二人いた。記録によると賛成の意見を述べたのが50人、反対の意見を述べたのが29人であったとされている。今回は、7月21日の時とは異なり、サンフランシスコに居住している日本人とその配偶者による反対意見がかなり出された。これらの人には、以前にはほとんど情報が伝達されていなく、やっと最近になって情報が与えられて、目覚めた方が多いようであった。

しかし、注目すべきは、中国系の人たちの統率力である。彼らは、韓国系の人たちと協力して、統制のとれた動きを示していた。賛成派の多くは黒の地に黄色い蝶の図案が入ったTシャツを着て、指揮者の指示に従って動いていた。その中には、日系のアメリカ人もかなり加わっていて、日中韓が共同して、慰安婦の記念碑設置に動いているとする印象を与えるように画策されていた。日本名を名乗りながら、設置賛成意見を展開するのを聞くのはかなり不愉快であった。その典型例は、キャッシー・マサオカであった。グレンデールでも賛成意見を述べた女性である。

参加者による意見の表明は4時間近く続いたが(私は時間の都合で途中退席したが)、それが終了した際に、本人の証言が目前で否定されたイ女史を不憫に思った議員の一人、カンポス氏が、彼女の証言に深刻な疑問を投げかけた人々に対して、発言を始めた。「この聴衆の中に史実を否定する人が幾人かいた。私は、彼女に対して偉大な愛と敬意をもって、次のように声明をする。恥を知れ、恥を知れ、実際に起こったことを否定することの恥を知れ、恥を知れ、女性に対する個人的な攻撃をする恥を知れ」と叫び、イ女史を抱擁し、彼女の頬に口づけをした。それで、賛成派の意気は最高に達した。提案は、修正案を退け、原案のまま承認された。

委員会での承認を受けて、提案は9月22日の定例本会議で承認されることになるであろうが、この委員会に出席した経験は、慰安婦碑の設立に対して反対している我々に幾つかの教訓を与えてくれた。
第一には、人口の60%が中国系であると言われているサンフランシスコで、組織化された中国系の人々と戦うことの困難さである。第二には、真実がどうであろうと、目的に向かって突進する市議会議員を説得することの困難さであり、第三は、反対運動を成功させるためには、かなりの組織力が必要であることを痛感した。
その結果、法的な解決方法が残された道になることを確信した。其れでも尚且つ、一般の人々の慰安婦に対する理解を深めることによって、判事の決定に影響を与えることができるであろう。そして、今我々が戦っている方法こそ与えられた条件の中では最善のものであると思う。
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 最後の教訓の部分が重要である。米国全体への一般化を試みると、第一に、組織化された中国系と戦うことの困難さ。第二には、真実がどうであろうと、目的に向かって突進する市議会議員を説得することの困難さ。第三は、反対運動を成功させるためには、かなりの組織力が必要であること。そして、市議会で決議案を阻止できない場合、残るのは法的な解決方法となる。私見を加えると、米国の司法の場で争うには、何を法的根拠として訴えるか、いかにして陪審員の理解を得るかがポイントになるだろう。
 日本国政府は、これまでの姿勢を改めて、米国等での中主韓従の慰安婦像碑設置運動を押し返すべく強力な体制を作って、外交的にも司法的にも積極的に取り組まねばならない。そうしないと、日本の名誉の回復と現地日本人・日系人の安心は、決して得られない。

関連掲示
・拙稿「カナダ、豪州、米国・加州で慰安婦の像・碑の設置が阻止」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/6d3e0a917da79e51ea126f09852d498c
・拙稿「慰安婦問題:オーストラリアで慰安婦像設置計画を阻止」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/6667959a8c9044289d86679932801c07
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d9bf789ec22a3e0df4ebbc3eb291bfaf
・拙稿「慰安婦問題:「史実を世界に発信する会」が英文冊子を送付」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/af8906ad6ac06aa71802ccecbb4f4063
・拙稿「慰安婦問題は、虚偽と誤解に満ちている」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion12f.htm
・拙稿「韓国の反日的な慰安婦戦略は破綻する」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion12q.htm
コメント

新進気鋭の米国人学者が米国の慰安婦記述を批判

2015-06-01 09:22:58 | 慰安婦
 産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏によると、慰安婦問題に関する米国教科書の誤記への日本側の抗議を糾弾した米国側の歴史学者たちの主張に対して、鋭い批判を行う米国人学者が現れた。
 マグロウヒル社の教科書の記述に関して、わが国の外務省は昨年11月、出版社と著者に記述の訂正を求めたが、いずれも拒否された。この動きに関して、米国側の19人の学者が今年3月、教科書の記述は正しく、日本側の抗議は学問や言論の自由への侵害だとする声明を発表した。声明は、米国歴史学会の月刊機関誌3月号に掲載された。これに対し、日本の19人の有識者が反論を発表したが、米国側の学者は、まともに応じようとしていない。
 こうしたなか、米国側の歴史学者たちを批判する声を上げたのが、ジェイソン・モーガン氏である。モーガン氏は、ウィスコンシン大学博士課程の日本史研究者で、現在早稲田大学で日本法制史を研究中。米国側の学者が声明を掲載した同じ歴史学会機関誌に、彼らを批判する論文を投稿した。その骨子が古森氏の記事に掲載されている。モーガン氏は、「米国の日本歴史学界でこの19人の明白な錯誤の意見に誰も反対しないという状態こそ学問の自由の重大なゆがみだと思う」と強調しているという。米国の日本史学界に吹き始めた「新風」に期待したい。
 モーガン氏は、4月24日、国家基本問題研究所(JINF)の企画委員会で、アメリカの間違った対日歴史観について講演した。氏は、先の大戦で航空母艦の乗組員だった祖父から「国の為に自分の命を捧げる日本の特攻隊員の潔さ」を教えられたのがきっかけで日本研究の道に入った。その後、日本について学べば学ぶほど、「アメリカの見方がおかしい」と思うようになった、という。
 マックス・フォン・シュラー・コバヤシ氏、トニー・マラーノ氏、マイケル・ヨン氏、ケント・ギルバート氏ら、米国の自由と公正の精神を以て、日本を弁護してくれる人々に感謝したい。
 以下は、古森氏及びJINFの記事。

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●産経新聞 平成27年5月2日

http://www.sankei.com/world/news/150502/wor1505020018-n1.html
2015.5.2 10:30更新
【緯度経度】
米歴史教科書慰安婦記述へ批判、米学界に「新風」 古森義久

 米国の学問の自由もまだまだ健在のようだ。慰安婦問題での米国の教科書の誤記への日本側の抗議を逆に糾弾した米国側の歴史学者19人の主張に対して、新進の米国人学者から鋭い批判がぶつけられたのだ。
 米国側の学者たちこそ慰安婦問題の事実関係を真剣にみず、日本側からの正当な抗議を「右翼」「修正主義」という意味の不明なののしり言葉で封じ込めている、という批判だった。
 この批判を表明したのは米国ウィスコンシン大学博士課程の日本史研究者ジェイソン・モーガン氏で、米国歴史学会(AHA)の機関誌への投稿という形をとった。同氏は学者としては新進とはいえ37歳、アジアへの関与は豊富で中国と韓国に研究のため住んだほか、日本では4年ほど翻訳会社を経営した後、米国のアカデミズムに戻るという異色の経歴である。現在はフルブライト奨学金学者として早稲田大学で日本の法制史を研究している。
 そのモーガン氏が先輩の米国側歴史学者たちを批判した発端は、米国マグロウヒル社の教科書の慰安婦に関する記述だった。周知のように同教科書は「日本軍が組織的に20万人の女性を強制連行した」という虚構を前提に、「日本軍は慰安婦を多数殺した」「慰安婦は天皇からの軍隊への贈り物だった」と記していた。
日本の外務省は昨年11月、出版社と著者に記述の訂正を求めたが、いずれも拒否された。米国側の学者たちはこの動きを受けて今年3月、教科書の記述は正しく、日本側の抗議は学問や言論の自由への侵害だとする声明を発表した。

 同声明は慰安婦問題での長年の日本糾弾で知られるコネティカット大学のアレクシス・ダデン教授が中心となり、コロンビア大学のキャロル・グラック教授や同教科書の問題記述の筆者のハワイ大学ハーバート・ジーグラー准教授ら合計19人が署名した。その要旨はダデン教授を代表として米国歴史学会の月刊機関誌3月号に声明の形で掲載された。

 モーガン氏はこの声明への反論を4月下旬にまとめて同誌に投稿するとともに、他のサイトなどで公表した。その反論の骨子は以下のようだった。

▽19人の声明は慰安婦に関する日本政府の事実提起の主張を言論弾圧と非難するが、非難の根拠となる事実を明示していない。
▽声明は吉見義明氏の研究を「20万強制連行説」などのほぼ唯一の論拠とするが、同氏も強制連行の証拠はないことを認めている。
▽声明は米国の研究者も依拠したことが明白な朝日新聞の誤報や吉田清治氏の虚言を一切無視することで、歴史研究者の基本倫理に違反している。
▽声明は日本側で慰安婦問題の事実を提起する側を「右翼」「保守」「修正主義」などという侮蔑的なレッテル言葉で片づけ、真剣な議論を拒んでいる。
▽声明は日本政府の動きを中国などの独裁国家の言論弾圧と同等に扱い、自分たちが日本政府機関からの資金で研究をしてきた実績を無視している。

 以上の主張を表明したモーガン氏は、「米国の日本歴史学界でこの19人の明白な錯誤の意見に誰も反対しないという状態こそ学問の自由の重大なゆがみだと思う」と強調した。慰安婦問題では日本側の事実に基づく主張にさえ耳を傾けない米国の日本研究者の間にも新しい風が生まれたと思いたい。(ワシントン駐在客員特派員)

●国家基本問題研究所のサイト

https://jinf.jp/news/archives/15808

2015.04.24 (金)
アメリカの間違った対日歴史観  ジェイソン・モーガン・早稲田大学フルブライト研究者

 早稲田大学フルブライト研究者のジェイソン・モーガン氏は4月24日、国家基本問題研究所企画委員会で、アメリカの間違った対日歴史観について講演、アメリカの歴史学者のほとんどが先の大戦後日本側をさばいた連合国側の東京裁判を鵜呑みにしており、慰安婦問題など日本側からの異論を全く認めない偏見に満ちている、との見解を明らかにした。
 モーガン氏は、アメリカ歴史学会の対日歴史観は、潜在的な人種差別をベースに、東京裁判判決が加わり、その後のアメリカを脅かした日本の経済進出、そして現在は中国の経済、政治、軍事的な攻勢の中で、左翼的な日本悪者論が固定化していると指摘している。このため、日本側が南京事件や慰安婦問題、靖国参拝など日本非難に抗議しても全く受け付けず、相手側にも反論する権利があることさえ認めない頑なさが顕著で、学問の自由を自ら放棄している、と厳しく批判した。アメリカの歴者学者はほとんどが日本語の資料、書籍などを読んでおらず、日本側としては、いろいろな機会、ルートを通して事実を粘り強く伝えていく必要がある、と強調した。
 モーガン氏は、先の大戦で航空母艦の乗組員だった祖父から「国の為に自分の命を捧げる日本の特攻隊員の潔さ」を教えられたのがきっかけで日本研究の道に入った、という。その後、日本について学べば学ぶほど、「アメリカの見方がおかしい」と思うようになった、と述べている。特に中国系アメリカ人・アイリス・チャンの「ザ・レイプ・オブ南京」はウソで固められている、と断言した。
 モーガン氏は、今夏には早大での研究を終え、母校ウィスコンシン大学大学院の歴史学部に戻ることになっている。(文責・国基研)
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関連掲示
・拙稿「慰安婦問題:米教科書会社に秦郁彦氏らが訂正要求」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/7464ca0fabc8f24ce6c47cf64400a7a5
・拙稿「慰安婦問題:マイケル・ヨン氏『全部が嘘だったのだ』」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/798dd3338a95fd87129e6c011de64116
コメント (4)

米国学者グループが慰安婦問題で安倍首相に声明1

2015-05-27 08:54:06 | 慰安婦
 5月5日欧米を中心とする日本研究者や歴史学者187人が、「日本の歴史家を支持する声明」と題する文書を公表し、戦後70年の今年を「過去の植民地支配と侵略の問題に立ち向かう絶好の機会」「可能な限り、偏見のない清算を共に残そう」と呼びかけた。声明は慰安婦問題などに言及したもので、安倍首相宛てに送付されたと報じられる。署名者は、その後450名以上になったという。
 ただし、この声明は、誰にあてて出されたものかも、代表者が誰なのかも分からない、連絡先の事務所も不明で、日付もないというから、首相に送る文書としては、基本的な要件を書いている。
声明には、ハーバード大のエズラ・ボーゲル名誉教授、ニューヨーク州立大のハーバート・ビックス名誉教授、マサチューセッツ工科大のジョン・ダワー名誉教授ら著名な学者が名を連ねている。日本研究者とはいえない人物も含まれているという。
 声明は「戦後日本が守ってきた民主主義、自衛隊への文民統制、政治的寛容さなどは祝福に値する」と評価しつつ、「慰安婦問題などの歴史解釈が障害となっている」と指摘した。これまで責任の所在はすべて日本側にあるとしていた韓国側などの主張に対しては、「日本だけでなく、韓国と中国の民族主義的な暴言にもゆがめられてきた」と指摘している。慰安婦らが「女性としての尊厳を奪われた事実を変えることはできない」としながら、韓国側が「20万人以上」などと主張する慰安婦の数については、「恐らく、永久に正確な数字が確定されることはない」として明示を避けた。「セックス・スレイブ(性奴隷)」といった従来の文書でみられた用語は使っていない。日本側が否定する「強制性」については、「特定の用語に焦点をあてて狭い法律的議論を重ねること」は「広い文脈を無視すること」と判断を避けた。
 元慰安婦の証言は多様で、記憶に一貫性がないものもあると認め、「証言は心に訴え、それ以外にも公的資料によって裏付けられている」と述べているにもかかわらず、資料の詳細には触れていないという。
 声明は、安倍晋三首相に「大胆な行動」を求めているというのだが、上記のように具体的な根拠を示さずに要求しているものに過ぎない。
 このような形で欧米を中心とする日本研究者らが日本の首相に声明を送るという行動を起こしたようだが、今日慰安婦問題について学術レベルで発言するのであらば、まず朝日新聞が誤報を認めて記事を取り消した吉田清治氏の証言について、明確な見解を出すべきだろう。次に、その吉田証言を資料とした国連人権委員会のクマラスワミ報告書について、学術的な分析を行うべきだろう。こうした最も重要なポイントを書いた状態で、慰安婦の「証言は心に訴え、それ以外にも公的資料によって裏付けられている」として、首相に「大胆な行動」を求めるというのは、日本国内の左翼人権主義者とよく似た姿勢である。
 声明に名を連ねた学者の中には、わが国の外務省が米教育出版社「マグロウヒル」の世界史教科書の慰安婦問題に関する記述の是正を求めたのに対して、修正を拒否する声明を出した学者が含まれているという。修正声明拒否を発表した学者は19人だったが、今回の首相への要望声明は187人で出された。19人のうち12人ものが名を連ねている。基本的な姿勢は同じで、人数を多くして圧力を加えているつもりのようなである。

 ところで、評論家の江崎道朗氏は、フェイスブックに載せた文章で、声明に名を連ねた学者の中にはニューレフトがいることを指摘し、「ジョン・ダワーらは、反日宣伝を行っている中国系・韓国系ロビーと連携している、ニュー・レフトと呼ばれる知識人たちであり、アメリカの一般的な対日認識とは相当なズレがあることを留意しておくべきだ」と書いている。「ニュー・レフト」とは、新左翼を意味する。参考のため、以下に転載して紹介する。

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●フェイスブック 江崎道朗氏
5月9日 16:12

アメリカのニュー・レフトに騙されるな

 ニューヨーク州立大のハーバート・ビックス名誉教授とマサチューセッツ工科大のジョン・ダワー名誉教授ら日本研究者や歴史学者187人が、「日本の歴史家を支持する声明」と題する文書を5日公表、戦後70年の今年を「過去の植民地支配と侵略の問題に立ち向かう絶好の機会」「可能な限り、偏見のない清算を共に残そう」と呼びかけた。
この問題の背景については、既に拙著『コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾』で書いたが、要は、ジョン・ダワーらは、反日宣伝を行っている中国系・韓国系ロビーと連携している、ニュー・レフトと呼ばれる知識人たちであり、アメリカの一般的な対日認識とは相当なズレがあることを留意しておくべきだ。
 このニュー・レフトの学者たちが、日本の戦争犯罪について追及するのはなぜなのか、以下、説明した部分を紹介する。
 彼らニュー・レフトの主張を、アメリカの対日世論だと勘違いして「アメリカけしからん」と、反米感情を募らせることは、敵の思うつぼなので、十分に気をつけたいものである。
なお、歴史学者187人の中には、良識的な学者も多く、名前を連ねた学者すべてがニュー・レフトであるわけではないことも付言しておきたい。

<中国ロビーを支える左翼ネットワーク
 厄介なのは、こうした反日活動が中国系・韓国系だけではない、ということだ。その背後には、ニュー・レフトと呼ばれる米国の知識人たちがいるのである。
 きっかけは、ベトナム反戦運動であった。米ソ冷戦下で南北に分断されていたベトナムに対して、米国は1962年に軍事介入を開始し、1965年2月に開始された米軍による北ベトナムへの、いわゆる「北爆」で一般市民の犠牲者が増えたことが報道されるや、左派勢力が全世界でベトナム反戦運動を起こした。
 当時、ベトナム反戦運動を繰り広げていた活動家たちは、ソ連の支援を受けた北ベトナムが勝利し、共産主義政権ができれば、東南アジア諸国にも次々に共産主義政権が誕生し、世界共産化が進むと考えていた。
 しかし1965年10月に起こったインドネシア共産クーデターは、スハルト将軍率いる陸軍によって阻止され、1967年には反共を掲げるアセアン(東南アジア諸国連合)が創設された。1968年には、北ベトナム側が大規模な南ベトナム侵攻作戦を実施し、米国に大打撃を与えたものの、直ちに共産ベトナムの誕生というわけにはいかなかった。

 ニュー・レフトの指導者たちは、この事態を深刻に受け止めた。理論的指導者のひとり、ヘルベルト・マルクーゼ(カリフォルニア大学教授)は1969年、『解放論の試み』という新著の中で、アジア・アフリカ諸国での解放、つまり共産革命が進まないのは、現地での革命闘争を先進資本主義国(つまり欧米諸国)が豊富な資金と武器援助によって抑圧してしまうからだと分析し、アジア・アフリカの解放を実現するためには、現地での共産勢力を強化するよりも、先進資本主義国の弱体化が必要なのだと訴えた。
 このマルクーゼ理論を更に進めたのが、ピューリッツァー賞を受賞した『敗北を抱きしめて』などで有名なジョン・ダワー・マサツューセッツ工科大学教授らであった。彼らは、ベトナムの“民主化”、ひいてはアジアの“民主化”を阻む米国の“帝国主義者たち”がアジアで影響力を保持しているのは、日米同盟と日本の経済力があるからであり、日米同盟を解体し日本を弱体化することが、アジアの“民主化”を早めることになると考えた。

 では、どうしたらいいのか。
 日本の敗戦後、米国政府は当初、二度と米国に逆らうことができないよう大日本帝国を徹底的に解体するつもりであった。ところが、共産中国の誕生と朝鮮戦争の勃発という事態を受けて米国は日本を東アジアの“反共の防波堤”とすべく占領政策を転換し、懲罰的な占領政策は取りやめる一方で、日米安保条約を結んで同盟国に格上げし、日本の経済発展を支援するようにした。
こうした日本の戦後史を分析したダワー教授らは、「逆コース」が起らず、あのまま徹底した民主化政策が実行されていれば、天皇制が廃止されて大混乱に陥った日本で共産革命が起こり、(アジアの民主化を妨害した)その後の日米同盟も、日本の経済発展もなかったかもしれない――こう考えたのだ。
 そしてダワー教授らは1975年、以下のように主張した。

①占領政策のおかげで日本の民主化は進んだが、日本の官僚制を活用する間接統治と、「逆コース」によって占領政策が骨抜きとなった結果、「天皇制」に代表される戦前の専制体制は温存されてしまった。
②昭和天皇の戦争責任を不問に付すなど東京裁判が不徹底なものとなった上、日本自身もアジア諸国への加害責任を問わなかったため、現在の日本は「過去の侵略を反省できない、アジアから信頼されない国家」になってしまった。
③日本がアジア諸国から信頼される民主国家となるためには、もう一度、徹底した民主化(現行憲法の国民主権に基づく皇室の解体)と、東京裁判のやり直し、つまりアジア諸国への加害責任の追及を行うべきである。
④そのためにも、民主化と加害責任の追及を行う日本の民主勢力(例えば、家永三郎氏のような「勇気」ある歴史家たち)を支援しようではないか(ダワー教授やピックス教授は1999年、世界抗日連合カナダ支部や土井たか子元社民党党首らと連携して、家永三郎氏にノーベル平和賞を授賞させる運動を展開している)。

 かくして、日本の加害責任を改めて追及することで日本を弱体化させ、アジアの民主化を促進するという世界戦略が米国のニュー・レフトの間で確立されていったのである。>
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関連掲示
・拙稿「急進的なフェミニズムはウーマン・リブ的共産主義」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion03d.htm
 フランクフルト学派と新左翼については、下記の章を中心にご参照ください。
  第7章 フランクフルト学派の批判的否定
  第9章 エロス的革命を唱導したマルクーゼ
  第11章 共産主義は死んでなどいない
コメント

慰安婦問題:オーストラリアで慰安婦像設置計画を阻止2

2015-05-07 08:55:15 | 慰安婦
 『月刊正論』 2015年2月号より、オーストラリアで慰安婦像設置計画を阻止したシドニー在住の山岡鉄秀氏による報告の後半を転載にて紹介する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●『月刊正論』 2015年2月号

http://ironna.jp/article/961
豪州の慰安婦像はこうやって阻止した

山岡鉄秀(JCN代表)

(承前)

国家とローカルコミュニティの「防衛二元論」
 日米豪の一夜漬け混成チームで臨んだ公聴会でのスピーチは、切り口は様々ながら、全体を貫く一本の芯があった。嫌韓、嫌中という言葉があるが、我々はそこに雪崩れ込むことはしないよう心掛けた。なぜならば、地元の母親たちは地域に溶け込んでおり、子供たちは中国人や韓国人の友達とも遊んでいるからだ。
 守るべきは、この地域共同体の融和と平和な生活であり、特定の政治的イデオロギーとは一線を画すよう努力した。
 日本人の母親たちは、韓国系から攻撃されている被害者の立場なのに、地域社会では波風を立てないように常に気を遣っている。そこまで気を遣う必要はないと思うものの、彼女たちの意向は最大限尊重されるべきだ。彼女たちが勇気を持って立ち上がらなければ、JCNが発足することもなく、慰安婦像設置はあっさり可決されていただろう。
 公聴会のスピーチを組み立て、アンカーに立った私が、成り行きでこのJCNの代表となった。最初の作業が「活動理念」を明確にすることだった。というのも、慰安婦像設置に反対する我々の意見に地元の市議会が賛同してくれるよう、活動のスタイルと理念を明確に定義して言語化し、皆の連帯を維持しなくてはならないからである。
 最初に提示した理念は、「非敵対的合理主義」である。
 我々は公聴会でも、敵対的な言動は慎み、感情的にならず、ひたすら論理的合理的な反論に終始した。簡単に言えば、ヘイトスピーチで敵を作らない、ということだ。これがJCNの基本理念であり、その後の参加希望者もこの姿勢を貫ける方に限ることにした。
 英語ではnon-confrontational rationalismと訳しつつ、欧米人メンバーと共有する。これは、中韓反日団体の挑発に乗らず、常に、より高次元の議論に徹する、という決意表明でもある。
 次に、JCNの戦略の基盤となるのが、「防衛二元論」である。
 国家レベルの防衛と、コミュニティレベルの防衛は、当然戦略が異なる。
 国家レベルの防衛は、汚名を払拭して、名誉を取り戻すことが目的だ。沈黙もしくは「謝罪済み」と言って逃げるのは、国際社会では最悪の、不適切な対応である。この間違った対処を長年続けた結果、歪曲した歴史が既成事実化してしまっているが、それを解消しなければならない。
 慰安婦問題に関して言えば、これまで少なくとも30年は放置してこの事態に至ったのだから、目的を達成するのに30年かかってもおかしくない。強力に、かつ地道に対外発信を続けるしかない。それが国家レベルの防衛だ。
 一方、我々民間による、コミュニティレベルの防衛は、あくまでも目の前の慰安婦像設置を阻止し、地域の融和的共存を守ることが目的である。国家レベルとは目指すものが異なる。それをまず認識すべきだ。
 公聴会での我々のスピーチは、切り口を変えながらも、全員がそこにぴったりと照準を合わせていた。我々の相手は常に日本を残虐非道と非難してくるから、「捏造だ!」と反論したくなるが、そもそも話し合ってわかり合える相手ではない。反論しても泥仕合となり、相手は事実の検証など無視して、「無反省の歴史修正主義」などと声を荒らげるだろう。いわゆる慰安婦問題に関する歴史戦に深入りして、被告席から反論するような不利な状況をつくってはならない。
 もちろん歴史戦を戦う準備と覚悟は常にできていなければならないから継続的な勉強は必須ではあるが、基本は別次元で優位の議論を展開すべきだ。これが防衛二元論の骨子である。
 具体的に言えば、我々は当初、オーストラリアの国是である「多文化主義の尊重」を掲げて論陣を張った。慰安婦問題をことさらにクローズアップし、特定の国家を非難するような活動は、オーストラリアの国是である「多文化主義の尊重」に反する、と批判したのだ。これは、我々が希求する嘘偽りのない主張である。他の民族とも連携できる永遠のテーマだ。

女性の人権とは無関係!慰安婦像建立の本当の目的
 だが我々は中韓連合の攻撃の中に、さらなるヒントを見出した。
 彼らは派手なパフォーマンスが好きだ。4月1日の公聴会で、我々は「慰安婦像の建立は、人道問題や人権問題ではなく、日本を非難するための政治活動だ」と指摘したのに、9月になって再度わざわざ韓国系メディアに以下の活動方針をぶち上げている。

1.我々は、日本政府の安倍首相及び政治家が靖国神社に参拝したことに強く抗議し、韓国と中国に謝罪することを要求する。
2.我々は、日本の軍国主義復活、歴史修正主義、慰安婦や南京大虐殺のような戦争犯罪を豪州人、および豪州在住の韓国系中国系の第2世代に伝えるため、展示会、フォーラム、セミナーなどを行う。
3.我々は、日本軍が朝鮮人、中国人、その他のアジアの若い女性を拉致して性奴隷にしたことを広く知らしめるために「3姉妹」の像を豪州に複数建立する。
4.我々は、世論を興し、日本政府に圧力をかけ、物言わぬ良心的日本人を目覚めさせ、日本が嘘の歴史を次世代に伝えることを阻止する。
5.我々は、アボット豪首相に、第二次大戦中、日本が侵略し、女性の基本的人権を蹂躙したことを認めるよう、日本がアジアの中で最良の友人だという認識を変えるよう、要求する。
6.我々は、豪州政府に、日本を同盟国とみなすのをやめ、韓国と中国を日本と同等に待遇するよう、現在の日本重視の外交政策を変更することを要求する。
7.我々は米国政府に、日本に騙されずに、安倍の狡猾な悪魔のような本音を直視し、日本が再び軍国主義に戻るのを阻止し、日本を韓国や中国より尊重する外交政策の転換を求める。
8.我々は、韓国と中国両国の利益のため、両国人民が共闘し、以上の目的が達成されるまで活動を続けることをここに宣言する。

米カリフォルニア州グレンデール市内に
設置された慰安婦像
 実に正直な人たちである。これなら誰が読んでも、彼らの真の目的は、反日、反安倍であり、慰安婦像はその政治的道具に過ぎないことがはっきりわかる。
 当初は「慰安婦像は女性の人権の象徴で、敵対的なものではない」などと言っていたのに、ここでは「日本軍の残虐性を広く知らしめるのが目的だ」と明記している。これだけでも十分、慰安婦像がローカルコミュニティにふさわしくない代物だとわかる。ここまでは我々もすでに4月1日の公聴会の時点で指摘した。
 その上、この9月の記事は、はっきりと、アボット豪首相に、日本をアジアにおける最良の友人とみなすことをやめさせる、と書いてある。それは日豪関係の分断ということだ。
 記事はさらに日米関係の分断にまで言及し、米国政府に、安倍の狡猾な悪魔のような本音を直視するよう求めるとしている。なぜ活動方針に、米国まで出てくるのか?
 この反日団体の目的は、韓国人の慰安婦センチメントを利用し、「日豪・日米を分断し、日本を孤立させる」という中国共産党のアジェンダを遂行することだと自ら明かしているのである。
 韓国政府は、慰安婦問題で対日批判を繰り広げているが、中国共産党の噛ませ犬として利用されていることに満足なのだろうか。中国及び北朝鮮と対峙して日米と同盟を結んでいることを韓国はすっかり忘れているようだ。
 中国共産党の世界戦略に沿って世界中の大学に設置されている孔子学院という組織が、文化交流の皮をかぶったプロパガンダ組織に過ぎないことがわかって、米国やカナダの大学で孔子学院を閉鎖する動きが出ている。日本ではどうだろう。
 最近では米国国防総省も、中国共産党によるサイバー攻撃だけではなく、対米宣伝工作の横行にも危機感を持ち始めているとも聞く。
 オーストラリアでも最近、中国人留学生を使ったスパイネットワークが構築されていることがわかり、衝撃が走った。中国人の講師がオーストラリアの大学で民主主義について論じると、いつの間にか本国政府がそのことを知り、中国に帰国した際、何度も当局の尋問を受けたという。教え子の中国人留学生が密告していたのだ。
 どうみても慰安婦像は、女性の人権の尊重とは無関係で、却ってオーストラリアの移民社会に分断と対立をもたらすとしか考えようがない。そればかりか、日豪関係や日米関係を分断破壊する目的の国際的謀略行為の道具と言っても過言ではない。
 中韓連合の活動方針の最後には明確に「中韓の国家利益のために共闘する」と書いてあり、オーストラリアのためとは一言も言及していない。コミュニティの調和を破壊するだけでなく、これではオーストラリアの国益を損ねることは自明の理である。
 従って、これからの戦略として、中韓の仕掛けるこうした工作を、オーストラリアや米国で広く周知させ、米豪の国益に反すると認識させる活動を慰安婦像対策の中心的戦略とすべきである。
 すなわち慰安婦像の建立問題は、韓国や中国共産党の国際的謀略活動にどう対処すべきか、という日米豪共通の問題である。日米豪3カ国が共闘することを視野に入れたパラダイムを作ることが最も合理的な対応である。

外務省は邦人保護任務に傾注すべき
 JCN第3の理念が「邦人保護優先論」である。
 外務省は従来「この問題を政治外交の問題とはしない」と発言してきた。これはどういう意味なのか? こちらがどう考えようと、相手は執拗に政治外交の問題にしているように見えるのだが。そう言い続けていれば中韓は慰安婦問題攻撃の矛を収めるのだろうか?
 我々は、地元の日本人の母親と子供たちを護るために立ち上がった。豪州人の副代表も「僕らの目的は、純粋に母親と子供を護ることなんだ」と言っている。すなわち、慰安婦像問題には、根本的に国内外の邦人保護の要素があると理解すべきだ。いうまでもなく、在外邦人保護こそ外務省の最重要任務のひとつであり、存在理由と言ってもよいだろう。
 5月に中丸啓衆議院議員(次世代の党)にお会いした際にこの観点をお話ししたら、早速、国会質疑で取り上げてくださった。その模様もネット上で動画として公開された、JCNメンバーは「ようやく日本の国会議員が、オーストラリアに在住する自分達の安全を考えてくれた」と感激した。
 第4の理念が「小異を捨てて大同につく」である。JCNは前述したように、多種多様な人々の集まりである。意見が違うのは当たり前だ。欧米人メンバーの間でさえ、意見の食い違いがよくある。しかし、共有する理念と大義があれば、共に戦える。高次の目的の為に、小さな差異を乗り越えて、一致団結することが極めて重要だ。
 以上は、南半球で戦う我々JCNの理念と戦略のご紹介である。

 我々は平凡な母親と父親の集団であるが、静かに、しかし合理的に戦っている。この慰安婦像の問題をどのように論ずるにせよ、本来、右も左もない、日本全体の問題であり、だからこそ、多種多様な人々が手を携えて取り組めるはずだ。
 だが日本国内では、この日本全体の問題が、リベラル左翼対保守という対立構造の中で論じられ、慰安婦像に反対すると、右だとレッテルを貼る風潮がある。それは日本社会の病理だ。日本人全体がイデオロギーを超え、一丸となって日本の名誉のために戦わずして、どうやって海外で慰安婦像建立を阻止できるのか?
 日本国内での戦いも大変だが、海外では普通の母親やサラリーマンが日々、反日謀略組織の攻撃にさらされている実態がある。
 海外各国での民間の戦いを組織化し、体系的で統一的な戦略を全世界で展開していくことができれば、我々の戦いは飛躍的に発展するだろう。そのためにも、我々JCNが、ひとつの参考モデルを提示できれば、まことに幸甚である。(了)
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 学ぶべきことの多い、素晴らしい報告だと思う。

関連掲示
・拙稿「慰安婦問題は、虚偽と誤解に満ちている」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion12f.htm
・拙稿「韓国の反日的な慰安婦戦略は破綻する」
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion12q.htm
・拙稿「テキサス親父のグレンデール発言が反響を呼んでいる」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d7f1d0597bb92bb67f4a0544fc5e56a3
・拙稿「慰安婦問題:「史実を世界に発信する会」が英文冊子を送付」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/af8906ad6ac06aa71802ccecbb4f4063
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慰安婦問題:オーストラリアで慰安婦像設置計画を阻止1

2015-05-06 08:56:14 | 慰安婦

 『月刊正論』 2015年2月号に、オーストラリアで慰安婦像設置計画を阻止したシドニー在住の山岡鉄秀氏による報告が載った。正々堂々とした言論と、対応のための明確な戦略を、私たち日本人が学ぶべき立派な内容である。
 山岡氏は、Japan Community Network(JCN)代表。シドニー在住豪州ストラスフィールド市における中韓反日団体による慰安婦像設置推進運動に遭遇し、地元の母親を率いてJCNを結成。地域社会融和の大切さを訴えて市議会に設置可決を見送らせた。
 2回に分けて転載にて紹介する。

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●『月刊正論』 2015年2月号

http://ironna.jp/article/961
豪州の慰安婦像はこうやって阻止した

山岡鉄秀(JCN代表)

 私は韓国人が目を丸くして驚嘆している光景を何度か見たことがある。予想しない事態に遭遇して、心底驚いた、という顔だ。
 それは、彼らが日本人に堂々と反論された時だ。
 日本人は反論しない、歴史問題で責めれば黙って下を向く――。韓国人や中国人はそう思い込んでいる。だから日本人が冷静に、論理的に反論してきたら、それは驚天動地の事態なのだ。
 そんな体験のうちの一つを、紹介しよう。

慰安婦像設置阻止へ日米豪混成チームを結成
 アメリカ各地で、韓国系団体などの働きかけにより慰安婦像が建立されているが、その動きがオーストラリアにも飛び火している。
 2014年4月1日、シドニー郊外のストラスフィールド市議会において慰安婦像設置に関する公聴会が開催された。私が公聴会開催の動きを知ったのはその前日のことだった。
 3月31日。仕事中、パソコンに「なでしこアクション」からの拡散メールが届いた。シドニー郊外の町ストラスフィールド市に住む、匿名の日本人女性からのメッセージだった。
 「日本人の皆さん、明日の午後6時、市庁舎に集まってください! 公聴会が開かれます!」
 一瞬、時が止まったように感じられた。「とうとう来たのか」――初めて見る「なでしこアクション」のホームページに飛び、メッセージを送った。「この女性に私の電話番号を伝えて、すぐに連絡をくれるようお願いしてください」。「なでしこアクション」は、慰安婦問題で日本を貶める勢力と戦う日本の女性たちのグループだった。
 公聴会で誰がスピーチするというのか? 準備はできているのか?
 しばらくして、メッセージの主の友人というオーストラリア人男性から私の携帯に電話が入った。
 私「明日、公聴会でスピーチする必要があるんだって? 準備は?」
 豪「できていない。何か意見はあるかい?」
 私は持論を述べた。「相手はいつも通り歴史問題で日本を糾弾してくるだろう。しかし、相手の土俵に乗って反論すべきではない。事実関係がどうであれ、そんな問題をローカルコミュニティに持ち込んだらダメだという原則論を一貫して主張すべきだ。君のような地元のオーストラリア人が発言してくれたら説得力があるんだが」
 豪「同感だ。そういうことを主張するのに最適な友人がいる。アメリカ人だけど、夫婦でチャリティーに熱心なクリスチャンだ」
 そこで彼の声が、少し不安気になった。
 「でも、公聴会は明日だ。どうしたらいいと思う?」
 私はためらわずに言った。
 「今夜君の友達をみんな集めてくれ。母親達もみんな、できるだけの人数を」
 その夜、見ず知らずの日本人、オーストラリア人、アメリカ人が10人弱集まった。
 自己紹介の暇もなかった。数時間でスピーチの準備をしなくてはならないのだ。地元の日本人男性の言葉は衝撃的だった。
 「明日出向いても、どうすることもできないんです。なにしろ、この地区に住む日本人は、子供まで含めて70人程度、中韓は合計で1万人以上いるんですから」
 70人対1万人の差は確かに大きい。だが私は咄嗟に「マイノリティだから負けるとは限りませんよ。マイノリティにはマイノリティの戦い方があるはずです」と自分自身を鼓舞するように答えた。

4対4のスピーチ対決の結果…
 兎にも角にもスピーチの順番と構成を着々と進める。先頭打者はオーストラリアで生まれ育った日本人大学生。2番手は私に電話をくれたオーストラリア人男性、3番手に慈善活動に熱心なアメリカ人男性、そしてもし、4枠目があったら、私が自分で立つ。そう決めた。
 見ず知らずの人々と作業する。奇妙に充実した数時間が過ぎる。自己紹介する余裕はなかった。
 明けて4月1日。私は平静を装っていつも通り仕事をし、定時の午後5時きっかりに会社を出ると車に飛び乗った。
 ストラスフィールド。人口4万人弱。うち、中国韓国系住民が約30%を占める。
 夕暮れに白壁が浮かび上がる市庁舎。何やら楽しげなお祭り騒ぎの一団がいた。中高年の中国人・韓国人男性の群れだ。すでに戦勝ムードで歓談している。3人のお地蔵さんのような銅像の絵を掲げて記念撮影に興じているグループもある。普段は接することのないタイプの人々で、70~80人はいるようだ。
 日本側もメールの拡散が効いたのか、主に女性が30名ほど集まっている。
 私の頭の中は、公聴会が始まる前にいかに素早くメンバーの原稿をチェックするか、で一杯だった。市庁舎の外に立ったまま、中韓団体の喧騒を背に各人の原稿に目を通す。どれも良く書けている。打ち合わせ通りだ。考えてみれば、私以外の3人は西洋社会で教育を受けている。スピーチは得意だろう。英語もネイティブだ。
 やがて公会堂の扉が開かれた。聴衆用のパイプ椅子が並び、正面には市長を中心として左右に3人ずつ市議が座り、向かい合う位置には、発言者用のマイクが一本置かれている。日本とは違い、市長は市議の中から互選で選ばれる仕組みで、実は市議でもある。
 市の事務方職員がやってきて、発言予定者の名前を書くように言う。4枠あるとのこと。それなら最後に、相手の主張を踏まえて、私がまとめの反論をしよう。中韓団体は北米での活動組織と連携しているはずだ。何か変化球を投げてくるに違いない。
 スピーチ合戦が始まった。韓国人の中年男性がトップバッター。アクセントが強すぎて何を言っているのかわからない。とにかく《日本はひどい、安倍は悪い奴だ》とまくしたてているようだ。制限時間のベルが鳴っても、終わる気配がない。市長が手振りで「話をまとめてくれ」と合図する。これは最初から荒れ模様か。
 日本側の1番手は大学生。日本でいう所の芸大生だ。爽やかな青年である。この慰安婦像問題が勃発してから、彼の友人が学校で中韓系の同級生や講師から差別されるようになったという。こんなことでは、大好きな豪州が誇る多文化主義が崩壊してしまうのではないか、と懸念を表明した。
 相手側の2番手は中国人のようだ。彼のスピーチもまた聞き取りにくい。手元の長い原稿を読み上げているが、「日本はひどい国だから、慰安婦像がすでに複数建つ北米のように建てさせてくれ」と哀願調だ。どうやら時間内に原稿を読み切れなかったようである。
 こちらの2番手は私と電話で話した豪州人。「このような銅像は、国の反差別法に抵触し、そもそも市のモニュメントポリシーに明確に違反している」ことを指摘した。市のモニュメントポリシーには「いかなるモニュメントも市に直接関連したものでなくてはならない」と明記してあるのだ。
 中韓の3番手は、特別ゲストである。インドネシアで発生したスマラン事件の被害者であり、本も出版しているオヘルネ氏が豪州人と結婚してアデレードに住んでいるとは知らなかった。その娘が代理でスピーチするのだ。英語がネイティブなので、やっと理解できてほっとした。《日本人はあんなにひどいことをして、なぜ謝らないのか、豪州政府もラッド首相(労働党政権当時)がアボリジニーに“Sorry”と謝罪したではないか》という論調。なぜ日本政府が謝罪していないという前提に立つのだろう、よく理解できない。
 こちらの3番手は米国人男性。ストラスフィールドに22年も住み、チャリティー事業で地元に貢献してきた。夫人は市のWoman of the Yearに選ばれたことがあるという。その彼にしてみれば、慰安婦像はコミュニティを分断し、夫婦して行政と共に築いてきた地域の融和を破壊してしまうもので、看過できない。また、昔のことより現在の豪州社会が直面している、性犯罪を含む深刻な課題にこそ集中すべきだ、と述べた。
 そして相手の最終話者。先ほど外で見かけた、お地蔵さんが3つ並んだ絵を描いた画用紙を掲げている。「私達は日系住民を責めているのではありません。これは韓国人、中国人、豪州人の慰安婦三姉妹です。この銅像を駅前に建てれば、観光名所となることでしょう」と訴える。お地蔵さんかと思ったら、慰安婦三姉妹だったとは。むりやりオーストラリア人を入れれば反発をかわせると判断したのか。
 そして公聴会最後のスピーカー、私の番となった。
 相手のスピーチは聞き取れない部分も多かったが、言いたいことはほぼわかった。
 私は原稿の代わりに日系無料情報誌を手にした。掲載されている中韓団体の取材記事が、問題の本質を顕かにしている。私は可能な限り穏やかに話し始めた。
 「歴史の学び方はいろいろありますが、こんなやり方は感心しません。私たちはいつでも、中韓コミュニティの方々と歴史について語り合う用意があります。しかし、慰安婦像を建てる真の目的は何でしょう。この新聞のインタビュー記事にはっきりと書いてあるようです。慰安婦像推進団体の代表の方が、明言していますね。
 慰安婦像を建てる目的は、日本が昔も今もどんなにひどい国か、世間に知らしめるためだと。その目的のために、全豪に10基の慰安婦像を建てるのが目標だと。この内容に間違いがないことを会長さんが承認しているとあります」
 「アメリカでは慰安婦像が原因で日系の子供達に対して差別やイジメが発生しているのですが、それについては(日本人特有の嘘だ)と言い切っています。こんなことがまかり通るのなら、私は決して自分の子供をストラスフィールドの学校には行かせないでしょう」
 「これは明らかに政治的な反日キャンペーンであり、慰安婦像はその象徴に過ぎないということです。慰安婦三姉妹と言っていますが、女性の人権をとりあげるならば、他の国の女性も含めなければ差別にあたるのではないのですか?」
 「これまでのところ、ストラスフィールドは、多文化主義が最も成功した町です。その評判を維持しなくてはなりません。慰安婦像によって分断された町として記憶されてはいけません。市議会の皆さんもきっとそう思うのではないでしょうか!」と言った途端、まるで測ったように時間終了のベルが鳴った。これは偶然である。
 日本人応援団の拍手を背に一礼して、私は席に戻った。これでスピーチ合戦は終わりだ。市議たちが協議のために別室に移った。
 内容はこちらが凌駕していたと確信した。相手をけなしたり、攻撃したりするのではなく、淡々と終始一貫、理を説いたのだ。我々は感情に支配されることなく、しかし、情感を持ってコミュニティの融和の大切さを訴え続けた。
 ざわめく会場で45分が経過した。市議たちがやっと戻って来た。市長が静かに話し始めた。「この問題は市で判断できる問題ではないので州や連邦の大臣に意見を求めます」
 一瞬意味がわからなかったので、近くに座るオーストラリア人に尋ねると、彼は腕を組みながら答えた。「自分たちで判断せず、州や連邦に投げて、棚上げにするという意味さ」
 却下しなかったのはおおいに不満である。しかし、とりあえず強行突破はされずに済んだ。9回裏10対0から同点に追いついたのだ。市議会は明らかに我々のスピーチに軍配を上げたのだと思う。しかし、中韓団体のゴリ押しの政治力を考慮して、即時却下はできなかったのだろう。
 中韓応援団は皆、ポカンとしている。やがて事情が呑み込めると、「信じられない」「こいつらは何者だ」という目でこちらを見つめてきた。日本側が毅然とした態度で反論した。そんなことは筋書きにはなかった、と顔に書いてある。
 一方、こちらは見知らぬ人々から握手を求められた。親日派韓国人から握手を求められた仲間もいたらしい。
 公聴会ではなんとか防戦したが、これからが本格的な戦いになるのは明らかだ。我々は依然としてお互いをよく知らぬまま、健闘を称え合って帰路についた。
 今回、像設置に動いた反日団体「日本の戦争犯罪を糾弾する中韓連合」(以下、中韓連合)はあくまでも慰安婦像設置に向けて活動を継続しようとしていることから、我々もその週末、公聴会参加のメンバーが集合し、既存の日本人会とは別に、慰安婦像阻止活動のためのグループを結成することになった。JCN(Japan Community Network)の誕生だった。
 集まったメンバーは、地元の母親たち、スピーチに立ってくれたオーストラリア人、引退した日系企業の元駐在員など、こんなことでもなければ知り合うこともない様々な背景の顔ぶれだ。(続く)
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次回に続く。
コメント

慰安婦問題:米教科書会社に秦郁彦氏らが訂正要求

2015-03-27 08:51:49 | 慰安婦
 米大手教育出版社「マグロウヒル」(本社・ニューヨーク)が出版した高校用の世界史教科書「トラディションズ・アンド・エンカウンターズ(伝統と交流)」は、先の大戦を扱った章で「日本軍は14~20歳の約20万人の女性を慰安所で働かせるために強制的に募集、徴用した」「逃げようとして殺害された慰安婦もいた」などと、強制連行があったかのように記述している。「日本軍は慰安婦を天皇からの贈り物として軍隊にささげた」と明白な虚偽内容も含まれている。また、南京事件について「ザ・レイプ・オブ・南京」という項目を立てて、「日本軍は2カ月にわたって7千人の女性を強姦」「日本兵の銃剣で40万人の中国人が命を失った」などと記述している。
 このことについて、産経新聞が昨年11月3日付で最初に報じた。これを受け外務省は同月7日、在ニューヨーク総領事館を介し出版社に記述内容の是正を申し入れた。また12月中旬、在ニューヨーク総領事館員がマグロウヒル社の担当幹部と面会し「慰安婦と日本海呼称問題で重大な事実誤認や日本政府の立場と相いれない記述がある」として記述内容の是正を正式に要請した。だが、出版社側からは明確な回答が得られず、継続協議となった模様と伝えられる。
 問題の教科書は、カリフォルニア州やテネシー州をはじめ広い範囲の一部の公立高校で使われている。
 本年1月29日の衆院予算委員会でこの問題について自民党の稲田朋美政調会長が取り上げ、安倍晋三首相は、米国教科書の記載内容が事実と異なることに「愕然とした」と述べ、「主張すべきはしっかりと主張していくべきだ」と答弁した。
 こうしたなか、2月5日米国の歴史学者19人が、「日本の歴史家を支持する」と題した共同声明をメディアに送り、日本政府の訂正申し入れに対する「驚愕の思い」を表明、「国や特定の利益団体が政治目的のために、出版社や歴史学者に研究成果を書き換えさせようと圧迫することに反対する」と厳しく批判した。そして、「いかなる修正にも応じない」との意思を表明した。
声明は、米国で慰安婦像設置を主導する「カリフォルニア州韓国系米国人フォーラム」が公表した。「日本軍の性的搾取という野蛮なシステムによって苦痛を強いられた慰安婦に関し、日本と他国の歴史教科書の記述を抑圧しようとする最近の日本政府の試みに驚きを禁じえない」とし、安倍晋三首相を名指しで批判している。
 学者らは、慰安婦問題で日本政府の責任を追及する立場の吉見義明・中央大学教授の研究などを根拠に日本側を批判し、「日本政府の文献を通じた吉見義明教授の研究と(元慰安婦の)生存者証言は、性奴隷システムの本質的な特徴をみせており、議論の余地はない」ともしている。吉見氏の著書『従軍慰安婦』の英訳版(コロンビア大学出版部)には「日本軍の性奴隷制」という副題がある。
 問題の教科書の共著者はハーバート・ジーグラーとジェリー・ベントレーだが、声明はコネティカット大のアレクシス・ダデン教授らが取りまとめた。声明に名を連ねている歴史学者たちは、コネチカット、プリンストン、コーネル、コロンビア等の各大学の教授。この教科書で慰安婦に関する部分を執筆した学者も含まれている。声明は、アメリカ歴史協会の学術雑誌『Perspectives of History(歴史の展望)』の3月号に掲載される予定と伝えられる。
 私見を述べると、歴史学者が「いかなる修正にも応じない」と言うのは、学者としておかしい。歴史は新たな事実が発見されたり、研究が進んだりすると、書き直されていくものである。まして学問の自由が保障され、自由な研究がされている国であれば、これは当然のことである。次に、これから学術雑誌に掲載されるという声明が、米国で慰安婦像設置を主導する「カリフォルニア州韓国系米国人フォーラム」によって公表されたことも、おかしい。韓国系団体による歴史学者への働きかけ、学者の政治利用があるのではないか。
 さて、米国の歴史学者19人が日本政府の訂正要求を拒否する声明を出したのに対し、3月17日現代史家の秦郁彦氏ら19人の有識者が連名で反論を行い、明確な事実誤認部分8カ所について、教科書出版社に訂正を求める声明を公表した。19人に対して19人という対抗戦術が、見事である。慰安婦問題について、中国や韓国の学者との間では、まともな議論ができない。米国の学者と論争することを通じて、事実関係を客観的に明らかにすることによって、中国・韓国の学者に衝撃を与えることが可能だろう。正々堂々たる論戦を期待する。
 以下は関連する報道記事。

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●BLOGOS 平成27年3月17日

http://blogos.com/article/108036/
BLOGOS編集部2015年03月17日 16:30
「強制連行があったとするマグロウヒル社の記述は誤り」従軍慰安婦問題で、秦郁彦氏、大沼保昭氏が会見

 17日、秦郁彦・日本大学名誉教授と大沼保昭・明治大学特任教授(元アジア女性基金理事)が会見を行い、同日付けで公表した「McGraw-Hill社への訂正勧告」について説明した。
 この勧告は、秦郁彦氏のほか、藤岡信勝、長谷川三千子、芳賀徹、平川祐弘、百地章、中西輝政、西岡力、呉善花、高橋史朗氏ら19人の日本人歴史家有志によって提出されたもので、米国の公立高校で使われている世界史の教科書において、慰安婦の強制連行など。事実とは異なる記述があるとして訂正を求めている。 会見場には櫻井よしこ氏や長谷川三千子氏も姿を見せ、秦氏は改めて「日本の官憲による組織的な強制連行はなかった」とし、大沼氏は慰安婦問題の解決のためにメディアが果たすべき役割は大きいと指摘した。

●産経新聞 平成27年3月17日

http://www.sankei.com/world/news/150317/wor1503170055-n1.html
2015.3.17 21:01更新
【歴史戦】
米教科書「慰安婦」8カ所は事実無根 秦氏ら有識者19人が訂正要求

 (略)秦氏は同日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で行われた討論会の場で、事実誤認部分を明らかにした。
 秦氏らの声明では、慰安婦強制連行の記述について、米国の歴史学者19人の声明が強制連行や性奴隷を断定する根拠に吉見義明・中央大教授の調査などを挙げていることから、「吉見氏は著書の中で、慰安婦のうちの『最多は(コリアン・ブローカーに)だまされて』慰安婦になったと記している」と指摘。さらに「吉見氏はテレビの討論番組でも『朝鮮半島における強制連行の証拠はない』と述べている」とした。
 慰安婦の人数を「約20万人」と記述している点についても、秦氏の推計では約2万人だとして「誇大すぎる」と強調。「慰安婦を天皇からの贈り物として軍隊にささげた」との記述には「教科書としては、国家元首に対するあまりに非礼な表現」と強く批判した。(略)

http://www.sankei.com/life/news/150317/lif1503170029-n1.html
2015.3.17 21:07更新
【歴史戦】
慰安所通い 誇張も指摘 証拠に基づく討論呼び掛け 米教科書「慰安婦」記述

 現代史家の秦郁彦氏ら日本の有識者19人が発表した声明は、事実無根の記述とともに荒唐無稽な誇張表現も指摘した。
 「慰安婦たちは、1日あたり、20人から30人の男性の相手をさせられた」
 マグロウヒルの教科書では、慰安婦の勤務実態について、こう表現している。
 その前段で慰安婦の人数を「約20万人」と記述していることから、秦氏らの声明は、単純計算で旧日本陸軍は慰安婦から毎日400万~600万回の性的な奉仕を受けていたことになると指摘。
 その上で、慰安所が設けられた地域の旧日本陸軍の兵力を考慮すると、全員が毎日、頻繁に慰安所に通ったことになると分析した。
 秦氏は「兵士たちは戦う暇がないほどで、それほど誇大な数字が教科書に記述されている」と話した。
 慰安婦の出身も、「大半は朝鮮および中国」と記述されているが、秦氏の推計によれば、約2万人の慰安婦のうち、最多は日本人で約8千人、朝鮮人は約4千人、中国人やその他が8千人で、誤りだとした。
「戦闘地域に配置され、兵隊らと同じリスクに直面し、多くが戦争犠牲者となった」と、慰安婦たちが厳しい環境下に置かれたとも記述されているが、「慰安婦と看護婦は戦闘地域ではない後方の安全な場所で勤務していた」と否定した。
 「多数の慰安婦が殺害された」との記述については「事実であれば、東京裁判や各地のB、C級軍事裁判で裁かれているはずだ」として事実無根を訴えた。
 秦氏とともに声明を出した藤岡信勝・拓殖大客員教授は「事実無根で誇張した記述を『史実に基づく』として訂正を拒否する出版社や米国の歴史家たちに対しては、今後、証拠に基づく学問的討論を呼び掛けたい」と話した。
 秦氏はこの日、日本外国特派員協会で、元慰安婦に一時金(償い金)を支給したアジア女性基金の理事だった大沼保昭・明治大特任教授との討論会に出席。それぞれが持論を主張する形となり、秦氏は国内外の記者50人以上を前に「日本の官憲による組織的な強制連行がなかったことと、慰安所における女性たちの生活条件は性奴隷と呼ぶほど過酷なものではなかったことを強調したい」と訴えた。
 大沼氏は、外国人記者から戦後70年が経過しても慰安婦問題が解決しない理由を問われ、「日本が繰り返し行ってきた謝罪が、韓国など国際メディアに正当に評価されてこなかったことがある」と指摘。「韓国の市民社会の成熟を期待していたが、残念ながら成熟を示さず、日本に謝罪疲れをもたらした」と話した。

◆米国教科書の慰安婦記述の明確な誤り
 1 「日本軍は強制的に募集、徴用した」→強制連行の証拠はない
 2 人数「約20万人」→秦郁彦氏の推計では約2万人
 3 年齢「14歳から20歳まで」→20歳以上が多数いた証拠がある
 4 「慰安婦は天皇からの贈り物」→根拠がなく、あまりに非礼
 5 出身「大半は朝鮮および中国」→秦氏の推計では最多は日本人
 6 勤務実態「毎日20~30人の男性の相手」→単純計算で不可能
 7 勤務環境「兵隊らと同じリスクに直面」→戦闘地域外の安全な場所で勤務
 8 「多数の慰安婦が殺害された」→事実であれば訴追されているはず

◆訂正要求の有識者19人
 秦郁彦、明石陽至、麻田貞雄、鄭大均、藤岡信勝、古田博司、長谷川三千子、芳賀徹、平川祐弘、百地章、中西輝政、西岡力、呉善花、大原康男、酒井信彦、島田洋一、高橋久志、高橋史朗、山下英次
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