ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

「婚外子の均等相続化で、日本の家族を揺るがす民法改正」をアップ

2013-12-14 08:38:04 | 家族・家庭
 12月11~13日にブログとMIXIに連載した「婚外子の均等相続化で、日本の家族を揺るがす民法改正」を編集して、マイサイトに掲載しました。まとめてお読みになりたい方は、下記にてお読みください。

 「家族・教育」のページの目次から項目08へ。
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion02.htm
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婚外子の均等相続化で、日本の家族を揺るがす民法改正3

2013-12-13 08:49:49 | 家族・家庭
●子供の権利条約との関係

 今回の最高裁の違憲判決は、わが国が締約している子どもの権利条約と関係がある。その点が重要なのだが、マスメディアの報道はそのことに触れていない。また保守の政治家・有識者も触れていないようである。わが国では国際法及び国際人権法についての関心が薄く、人権に関する国際条約が日本の社会にどのような影響をもたらすかについて、よく理解していない知識人が多い。そのため、国際人権法との関係でわが国が直面している問題が国民に広く認識されていない。
 子どもの権利条約は、国家報告制度を持つ。条約の実施監視機関である子供の権利委員会は、わが国の第1回報告を平成10年(1998)5月に審査し、同年6月に総括所見を採択した。この総括所見で、わが国は相続や出生届をはじめ婚外子に対する差別は条約違反なので是正されるべきとの勧告を受けた。また委員会は平成16年(2004)、日本の第2回報告審査の結果、総括所見を出し、婚外子に対する差別について、法律改正を勧告するとともに非嫡出子という用語を使用しないように要請した。また委員会は日本人父と外国人母の間に生まれた子どもが日本国籍を取得できないケースがあることに懸念を表明し、わが国は日本で出生した子どもが無国籍者にならないよう国籍法を改正するよう勧告を受けた。これに対し、わが国政府は、婚外子差別の一つと指摘された出生登録(戸籍の父母との続柄欄の記載方法、戸籍法第13条)については、同年11月の戸籍法施行規則の一部改正により、嫡出でない子についても嫡出である子と同様に「長男(長男)」等と記載するよう改めた。
 平成20年(2008)6月、わが国の最高裁は、準正(非嫡出子が嫡出子の身分を取得すること)による国籍取得について定めた国籍法第3条が、婚内子と婚外子を国籍付与の点で不合理に差別しており、遅くとも2005年当時において憲法第14条1項に違反すると認定した。
 こういう経緯がある。国際法において、条約の第一次的な解釈適用権限は、締約国が有する。ほかの国際人権条約と同じく子供の権利条約において、子どもの権利委員会を条約の有権的解釈機関と認めた条文は存在しない。形式的には委員会の解釈が締約国に対して何らかの拘束力を持つことはありえない。しかし、条約の締結国は、条約の要請に従い、また委員会の勧告を受けて、法律を制定・改正したり、行政実務を改善したりする必要がある。また、国内の裁判所は、条約の規定や委員会の勧告を考慮に入れて判決や決定を下すことになる。
 条約は政府が締約し、国会が承認して批准している。発効しているものは、遵守する義務がある。またわが国には憲法裁判所がなく、最高裁判所が終審裁判所として憲法判断を行う。最高裁が法律の規定を違憲と判断すれば、法律を改正せざるを得ない。
 わが国は、憲法、条約、法律には、「憲法>条約>法律」という優劣関係があるとしている。政府も最高裁も見解が一致している。条約の締約による弊害を除くには、優位にある憲法から改正する必要がある。裁判所は、現行憲法を基準にして、判決を下す。その憲法に欠陥があれば、欠陥を助長する判断を裁判所はしてしまう。特に国連の懸念表明や法改正の勧告が出されると、裁判所はそれをもとに判断をする。そこに大きな問題があると私は考える。

●憲法に家族条項を

 私は、今回の民法改正への善後策として、家族制度を守る方策を講じることが必要だと思う。国会は、そのための法律を制定し、嫡出子・婚外子の均等相続による弊害を防ぐべきである。ただし、法律による善後策には限界がある。ここで重要な課題は、憲法を改正し、憲法に家族条項を設けることである。
 現行憲法には、第二十四条に婚姻に関する規定がある。第1項に「婚姻は、両性の合意のみによって成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」、第2項に「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」と記されている。
 最高裁は、先の判決で家族観の変化を挙げるが、わが国の現状は、家族に係る問題が増加、深刻化し、重大な社会問題を生み出している。むしろ、親子、夫婦、祖孫等の家族の絆を強め、家族を再建することが課題である。先の民法改正に対し、家族を保護するため、他に法律を作るなどして、個人の権利の尊重が家族の崩壊を助長するものとならないようにしていく必要がある。ただし、法律では限界がある。私は真に有効な手立てを講じるには、憲法に家族条項を設け、日本の家族を立て直すことが必須であると考える。
 そもそも現行憲法のように、憲法に婚姻に関する規定が設けられていることは、世界的に見て異例である。男女が性的に結びつくことには、法律はいらない。その限りでは、結婚は私的な事柄であり、政府が介入すべきことではない。
 結婚が法律上定められるとすれば、それは結婚が単なる男女の結びつきではなく、家族という一つの社会を形成する公共的な行為だからである。そのために婚姻の安定性を求める法律も定められるのである。恋愛・性交をするのは両性の自由だが、婚姻は夫婦の性的関係を維持する手段ではなく、家族を形成することが目的である。それゆえ、憲法に必要なのは、婚姻よりも家族に関する規定なのである。
 先進国の中ではイタリア憲法やドイツ基本法などには家族に関する規定がある。それらの国法の規定は、婚姻ではなく、家族を中心とした規定となっている。そして、家族の権利、子供の教育の義務と権利、国家による家族・母性・子供の保護などが規定された例が見られる。そこには、家族は特別な社会であるから、特に保護されなければならないという考えが示されている。
 家族は、生命・種族の維持・繁栄のための基本単位となる社会であるとともに、文化の継承と創造の基礎となる社会である。単なる生物的経済的共同体ではなく、文化の継承の主体、文化の創造の主体として、家族を考えなければならない。それゆえ、家族は生命と文化を継承する場所として、国家によって保護されなくてはならないのである。また、親は子供を教育する権利を有し、また子供を教育し文化を継承発展させていく義務を担う。
 しかし、現行憲法の規定には家族という概念はなく、婚姻が両性の努力で維持されるべきことしか規定されていない。私は、両性の権利の平等を強調しながら、家族の大切さを規定していない第二十四条には、大きな欠陥があると思う。その条文は、利己的個人主義の結婚観を、日本人に植え付け、愛と調和の家族倫理を失わせ、社会の基礎を破壊するものとなってきたのである。
 特に、今日、家庭道徳の低下と離婚率の上昇など、日本の家族は崩壊の危機にあるので、女性・子供・高齢者を守るためにも、憲法において家族の概念を明確化することが必要だと思う。日本人は、アメリカやスエーデンなどの極度の個人主義が招いた家庭崩壊の愚を後追いすべきではない。
 また、現行憲法の条文には、夫婦と並んで家族を構成するもう一本の柱である親子への言及がない。これは、生命と文化が、世代から世代へと継承されていくことを軽視しているものである。婚姻が、その夫婦、その世代限りのものと考えるならば、先祖から子孫への縦のつながりは断ち切られ、民族の歴史が断ち切られる。
 親が子どもを生み、その子に知恵や財産を継承するのは、私的な行為である。しかし、それは単に私的な行為ではなく、同時に、大人が次の世代を生み育て、生命と文化を継承するという社会性をもった行為でもある。それゆえ、家族は国民の生命と文化を継承する場所として、国家によって保護されなくてはならないのである。
 新しい憲法には、各世代には世代としての責任があり、健常な大人の男女は、子孫を生み育て、教育を施し、生命と文化の継承に努める義務があると明記すべきであろう。
 子供の教育に関しても、親は子供を教育する権利を有し、また子供を教育する義務を負う。それは、自分の子供を通じて、次世代に文化を継承発展させていくという公的な義務なのである。家族というものを通じて、国民は、生命と文化の継承という公的義務を負うのである。
 また、国民は、自分の親の養護に努力すべきことも、憲法に定めるべきだろう。自分の子どもには、親として教育を与える義務があるということは、他の大人に託すのではないということである。これと同様に、自分の親に対しても、子として養護に努力すべきだろう。それは、他の大人に託すのではないということである。子どもの教育においても、親の養護においても、まず自助努力を促し、それで足りないところを学校や、福祉施設が補う。これが、人格的な人間関係を根本においた社会の基本的なあり方である。
 以上のように憲法において家族の概念を明確化することが不可欠であると私は考える。条文案は、新憲法案の一部として下記のページに掲載している。
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion08h.htm
 嫡出子・婚外子の均等相続による民法改正の弊害を防ぎ、日本の家族を守り、日本の社会、国家を再建するために、憲法の改正が急務である。(了)

関連掲示
・拙稿「家族の危機を救え!」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion02a.htm
・拙稿「高齢化社会における家族のあり方」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion02.htm
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婚外子の均等相続化で、日本の家族を揺るがす民法改正2

2013-12-12 08:44:36 | 家族・家庭
●懸念と課題

 今回の民法改正は、本人の意思にかかわらず婚外子の立場にある人にとっては、権利が拡大され、相続を受ける権利が嫡出子と平等とされ、出生の事情にかかわらず、「法の下の平等」が得られたことになる。だが、その一方、嫡出子は相続分が減少し、権利を侵害される結果となった。嫡出子の親にとっても、財産を婚外子に多く与えなければならないので、嫡出子に多く相続する権利を侵害される結果となった。婚外子個人の権利が拡大したが、法律婚による家族の権利は縮小された。家族という集団の権利より、家族外の個人の権利が優先されたわけである。集団より個人、家族より個人を重視する個人主義の考え方が、民法上でより強くなった。
 私は、今回の民法改正がわが国の家族のあり方に、重大な悪影響をもたらすことを強く懸念する。法律婚と事実婚の法的な格差をなくせば、国民の結婚観や家族観に誤った影響を与えかねず、事実婚が増え、家族制度が崩壊しかねない。早急に善後策を講じるべきと考える。
 民法改正後、有識者の一人、長谷川三千子・埼玉大学名誉教授は、次のように述べた。
 「改正によって、民法の定める法律婚の持つ意味がおろそかになってしまうことを危惧している。法律婚の規定があるのは、建前論でなく、法律に基づく扶養義務などを定めて、家族をきちんと保護するという目的と意味があるからだ。
 子供との関係で、法律婚とそうでない事実上の結婚を区別しない相続制度は、同じ民法で禁じられている重婚の実質的な許容にもつながり、法的な整合性を欠くという疑問もある。
 『子にとって選択の余地がない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されない』と最高裁は判断したが、婚外子であってもそうでなくても、相続は本質的に個人の主体的な意思に基づかずに、降りかかってくるものではないか。家族のあり方を支えてきた法律がなくなり、社会全体が不安定になってしまうことも考えられる」
 実は最高裁の違憲判決後、政府与党が民法改正案を作成する過程で、「伝統的な家族制度を崩壊させかねない」と、自民党内には慎重論・反対論が多くあった。
 西川京子文部科学副大臣は「民法上の法律婚と自己矛盾し、結婚制度を否定する話になる。私は政府の人間だが、おかしいと思う」と党法務部会で、改正案に反対した。他の議員からも異論が相次いだと伝えられる。
 「親が亡くなった途端に、親の面倒を見ていない(事実婚の)子供が遺産相続に現れることがあるが、許されるのか」「自民党は昨年の衆院選で『日本や家族の絆を取り戻す』と訴えて勝利した。家族制度を促す価値観をつくるのが立法府の仕事だ」「戸籍や住民票の実務で混乱が生じる可能性が否めない。最高裁決定は尊重しなければいけないが、いかに家族制度を守るかパッケージで議論しなければいけない」「婚外子への相続を同等とするなら、法律上の妻への優遇策などをセットにしない限り了承できない」等々。
 有村治子参議院議員は、フェイスブックで次のように述べた。「遺産相続をめぐる婚外子の扱いについて、先般の最高裁判決を受け、民法と戸籍法の一部を改正することが政府内で検討されています。しかしながら、日本における戸籍上の非嫡出子(婚外子)の割合は2.1%。フランスの52.6%、アメリカの40.6%など(2008年アメリカ商務省調査等)との差は歴然、、、我が国では、妊娠を契機として結婚に踏み切る事例も多く、結婚とは法律上の婚姻とほぼ同義であると言っても差し支えない現状があります。そもそも婚外子は、その父親の道徳の問題なのではないでしょうか。相続上の不利益を生じせしめたことを法律に帰結させるのか、国が立法上の措置を講じる必要があるのか、甚だ疑問に感じるところです」と。
 違憲判決は、婚外子と嫡出子につき、「日本以外で差別を設けている国は欧米諸国にはなく、世界でも限られた状況だ」というが、非嫡出子の割合が欧米主要国では40~50%台であるのに対し、日本は2%台である。歴史・文化の異なる欧米の立法例を根拠にした違憲判決は、妥当性を欠く。
 また違憲判決は「国民意識の多様化」を理由の一つに挙げるが、平成24年の内閣府による世論調査では、嫡出子・婚外子について「現在の制度を変えない方がよい」が35.8%、「相続できる金額を同じにすべきだ」が25.8%であり、国民の多くは均等相続を求めていない。
 判決は「昭和22年から現在に至るまで、家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかだ。そして、認識の変化に伴い、父母が婚姻関係になかったという、子自らが選択や修正する余地のない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきである、という考えが確立されてきている」とする。だが、そのような考え方は、国民の間で多数意見とはなっていない。最高裁が「確立されてきている」という考え方は、親子や夫婦、家族の関係よりも、個人の権利を優先する個人主義の考え方である。それを、嫡出子・婚外子の間の相続の問題において、当てはめたものである。だが、今日わが国では、個人主義の行き過ぎによる弊害が、家庭から社会、国家の全体に蔓延し、その対策こそが求められている。

 次回に続く。
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婚外子の均等相続化で、日本の家族を揺るがす民法改正1

2013-12-11 08:52:43 | 家族・家庭
●115年ぶりの民法規定の改正

 本年9月、最高裁は、結婚していない男女の子供、いわゆる「婚外子」が、結婚した男女の子供である「嫡出子」の半分しか相続できない、とする民法の規定について、違憲と判断した。判決は、嫡出子と婚外子の相続を、従来の2:1から1:1つまり均等にすることを命じるものである。判決は、理由として「婚姻や家族の形態が著しく多様化し、国民意識の多様化が大きく進んでいる」こと、「国連も本件規定を問題にして、懸念の表明や法改正の勧告などを繰り返してきた」ことを挙げた。
 これを受けて政府与党は、民法の改正案を作成した。婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を削除するという案である。改正案は11月21日衆院本会議を通過し、12月5日の参院本会議で全会一致により可決、成立した。
 これによって、婚外子と嫡出子の相続分は原則として同等となった。明治民法以来の規定は、115年後の今、「差別」として解消された。改正民法の付則に基づき、法施行前でも最高裁決定後に開始した相続には、さかのぼって適用される。
 この民法改正案とともに、民主党などが出生届に嫡出子かどうかを記載するとした規定を削除する戸籍法改正案を提出した。こちらは、衆院で公明党が賛成したが、自民党が反対し否決された。だが、戸籍法の改正を求める動きは今後も続くだろう。
 私は嫡出子・婚外子の相続を均等とする民法改正は、日本の家族を揺るがすものと思う。均等相続の弊害を防ぐため、家族を保護する法制度の強化が必要である。またそのためにも憲法を改正し、家族保護条項を設けることが急務である。

●最高裁の違憲判決
 
 9月4日、最高裁大法廷は、結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定が、「違憲」とする初判断を示した。
 規定の合憲性が争われたのは、平成13年7月に死亡した東京都の男性と、同年11月に死亡した和歌山県の男性らの遺産分割をめぐる家事審判で、いずれも家裁、高裁は規定を合憲と判断し、婚外子側が特別抗告していた。明治時代から続く同規定をめぐっては大法廷が平成7年に「合憲」と判断、小法廷も踏襲してきた。だが、特別抗告審で、法の下の平等を保障した憲法に違反するかが争われた。最高裁は14裁判官全員一致で、規定を「違憲」とした。
 違憲と判断されたのは、民法第九百条四項のただし書きである。

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第九百条(略)
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
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 このただし書きを違憲とした最高裁大法廷決定の要旨は次の通り。

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法廷意見

 相続制度は、それぞれの国の伝統や社会事情、国民感情のほか、婚姻や親子関係への意識や規律を総合的に考慮した上で、どのように定めるかは立法府の合理的な裁量権に委ねられている。
 婚外子の相続分を嫡出子の半分とする本件規定で生じる区別に、立法府の裁量権を考慮しても合理的な根拠が認められない場合は、憲法違反と理解するのが相当だ。
 平成7年の最高裁大法廷決定は合憲と判断したが、国民の意識などは時代とともに変遷する。不断に検討、吟味されなければならない。
 本件規定が設けられた昭和22年の民法改正以降、日本では婚姻や家族の実態が変化した。高齢化の進展に伴い、生存配偶者の生活の保障の必要性が高まって55年には配偶者の相続分が引き上げられるなどした。その後も婚姻や家族の形態が著しく多様化し、国民意識の多様化が大きく進んでいる。
 一方、諸外国では1960年代後半以降、婚外子と嫡出子の差別が撤廃された。現在、日本以外で差別を設けている国は欧米諸国にはなく、世界でも限られた状況だ。国連も本件規定を問題にして、懸念の表明や法改正の勧告などを繰り返してきた。
 日本でも平成6~18年に、住民票や戸籍での続柄の記載を婚外子と嫡出子で同様に取り扱うようになったほか、20年には婚外子の日本国籍取得を認めない国籍法の規定を違憲とする最高裁大法廷判決も出た。
 相続分の平等化の問題は、かなり早くから意識されて準備が進められたが、法案の国会提出には至らず、現在も法改正は実現していない。
 国民の意識の多様化が言われつつも、増加している婚外子の出生数が欧米に比べると少ないことなど、法律婚を尊重する意識が幅広く浸透しているためと思われる。しかし、本件規定の合理性は憲法に照らして婚外子の権利が不当に侵害されているか否かの観点から判断されるべきだ。
 最高裁は、7年の大法廷決定以来、本件規定を合憲とする判断を示してきたが、7年の決定でも反対意見や、昭和22年の民法改正当時の合理性が失われつつあるとの補足意見が述べられていた。
 平成15年3月31日の同種訴訟の判決以降の判例は、その補足意見の内容を考慮すれば、合憲の判断を辛うじて維持したものとみることができる。
 本件規定の合理性に関する種々の事柄の変遷は、その一つだけでは相続分の区別を不合理とすべき理由にはならない。しかし、昭和22年から現在に至るまで、家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかだ。
 そして、認識の変化に伴い、父母が婚姻関係になかったという、子自らが選択や修正する余地のない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきである、という考えが確立されてきている。
 以上を総合すれば、遅くとも今回の相続が始まった平成13年7月当時は、相続分を区別する合理的根拠は失われており、本件規定は憲法に違反する。
 ただ、今回の決定の違憲判断が既に行われた遺産分割に影響し、解決済みの事案にも効果が及べば、著しく法的安定性を害することになる。
 従って、今回の決定は13年7月からこの日の決定までに開始されたほかの相続について、本件規定を前提に行われた遺産分割の審判や裁判、分割協議、合意などで確定的となった法律関係に影響を及ぼすものではない。

補足意見

▽金築誠志裁判官 最高裁決定の効果は遡及するのが原則だが、法的安定性を害するときは後退させるべきだ。予測される混乱を回避するためになされたもので、違憲判断と密接に関連しており、単なる傍論ではない。
▽千葉勝美裁判官 決定が、違憲判断の拘束が及ぶ範囲を示したのは異例だ。現行の規定を前提に築き上げられた法的安定性を損なう事態が生じるのを避けるための措置で、法令を違憲無効と判断する際には必要不可欠というべきだ。
▽岡部喜代子裁判官 夫婦と嫡出子という婚姻共同体の保護には十分理由があるとしても、嫡出子を当然のように婚外子よりも優遇することの合理性は減少した。全体として法律婚を尊重する意識が浸透しているからといって、差別を設けることは相当ではない。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130905/trl13090513580004-n1.htm
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 最高裁が法律の規定について憲法違反と判断したのは戦後9件目となった。違憲判決によって、国会は法律の改正を迫られた。 その結果、にわかに民法の改正がされた。第九百条四項のただし書きが削除され、嫡出子と非嫡出子(婚外子)の相続分が均等化された。

 次回に続く。
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高齢化社会における家族のあり方2

2013-11-13 08:54:10 | 家族・家庭
●心がけたい家族のあり方

 もともと日本人は、親は子を愛情を持って育て、子は親を大切にしてきた。夫婦は互いに助け合い、一体となって円満な家庭を作るように努めてきた。そして、子孫の繁栄を願い、また先祖を敬ってきた。高齢化社会で、こういう日本人の生き方がますます大切になっている。
 親は子供を愛情をもって育て、子供は親を大切にするのが人間本来の姿。自分を育んでくれた親に感謝し、親を敬い大切にすることは、人間として非常に重要なこと。親に恩を感じ、これに報いる行いを、孝という。親孝行ともいう。孔子・孟子など東洋の聖賢の説く道徳では「孝は徳の始め」といわれてきた。そして、親に対する孝は、人間の人間たる道徳の基本ともされてきた。動物も愛情深く、子育てをする。しかし、年老いた親の面倒を見ている犬や猫は居ない。親孝行こそ、人間が動物より優れたところである。
 これとともに大切なのが、夫婦の和である。家族は、男女の出会いによってつくられる。男女は身体的特徴からして違う。男女が互いの特徴を認め合い、それぞれの特長を生かし、欠点を補い合っていくことが大切。それぞれ役目があり、夫婦が調和することで、幸福な家庭が築かれる。
 人間は、自然と調和し、自然の法則にそってゆかなければ、不幸や災難を招き、ひいては滅亡してしまう。男女・夫婦のあり方についても、なによりも自然の法則に基づいて考える必要がある。男女・父母の特長を生かし、調和のある家庭を築くことが、必要なのである。
 親子、夫婦が調和した家庭を築くことのできている人は、自分の親が老い、弱った時、自分を含めて家族が協力して支えていける。逆の場合、自分自身が老い、弱った時に、さみしく、つらい思いをする。だが、親子関係が希薄になっていたり、ほぼ断絶に近い状態なっている家庭が少なくない。シルバー離婚が増えている。定年になった男性が、突然妻に離婚話を持ち出される。もらえる年金の時期、金額等を計算していたりする。晩年は、その人の人生の総決算となる。因果応報、善因善果、悪因悪果、行いはわが身に返ってくる。これからの日々の生き方が大切である。

●高齢化社会における生き方

 自分自身が高齢になると、心身の機能低下を感じ、生活に支障を感じたり、将来に不安を感じたりする。家族は、高齢者の世話や支援を行う必要に迫られ、家族のあり方や介護について考えるようになる。
 高齢化社会のあり方として、自助・互助・共助・公助が言われる。「自助」は、できる限り本人が自分で問題解決すること。それには限界があるり、家族や親族が自発的に助け合うのが「互助」。しかし、互助にも限界があり、地域社会の中で助け合いを行うのが「共助」。最後に、政府が主体となって最低限の支援を行うのが「公助」。
 自助・互助が基本。それによって、本人及び家族・親族の努力で対応できれば、理想的。だが、それだけでは無理な状況になった時に利用できるのが、介護保険制度。国家的な公助の制度でありながら、地域の助け合いである共助としての性格を持つ。
 高齢化社会を背景に、介護保険制度が平成12(2000)年にスタート。これまでの介護は家族、その中でも特に女性が支えている介護だったが、介護保険制度は社会的な仕組みとして取り組むもの。ただし、基本は自助・互助。本人及び家族のあり方が重要。
 介護保険制度は利用者自身が申請をし、介護サービスを選択し、介護サービス事業者と契約をかわす。上手に利用するためには、利用者自身が介護保険のしくみと内容を理解しておく必要がある。
 介護サービスを利用するためには、自分なり家族が市区町村の役所に申請しなければだめ。また要介護者であるかどうかを認定される必要がある。認定調査は訪問調査員が行い、その結果とかかりつけ医の作成する意見書を基にして、専門家による認定審査会で審査が行われる。
 医者の診断を受けて自分の健康状態を知り、健康に留意すること。安易に医療に頼らず、生活習慣に注意し、できるだけ自然な生き方をすること健康の維持・増進を図ることが、望ましい。
 介護認定は「要支援1~2」「要介護1~要介護5」の7段階がある。それぞれの段階に応じて、介護サービスを利用できる。利用料は、9割が保険で支給され、実費は1割負担が基本。サービスには、福祉用具貸与(1割助成)、福祉用具購入(9割助成)、短期入所介護(ショートステイ)、訪問入浴介護(巡回入浴車)、訪問介護(ホームペルパー派遣等)、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)等がある。支援を要する段階に応じたサービスが受けられる。サービスによっては負担額が異なる。所得の多い人は2割負担に、低い人は負担減が検討されている。
 60歳を過ぎたら、これからの自分の人生の目標を明確にすること。健康に天寿を全うすることを目標とすべし。そのために日々是新たなりという姿勢で生活し、人格完成の努力も怠らないようにしよう。家族は、本人に協力し、本人の目標達成に助力することを目標にしよう。高齢者を支えていくのは、家族の試練でもあり、家族の絆が試される。互いの思いやりと感謝の気持ちが大切である。(了)
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高齢化社会における家族のあり方1

2013-11-11 08:49:26 | 家族・家庭
 10月6日に長野県で「高齢化社会における家族のあり方」と題した講話を行った。介護をテーマとする催しの参考に話したものである。その要旨を掲載する。

●家族とは何か

 家庭には家族がいる。家族とは、親子、夫婦、兄弟等、人間としての最も基本的な結びつきである。親がいて、自分がこの世に生まれて、生きている。自分に続いて、子供や孫がいる。また親から祖先にもつながっている。家族は、生命で結びついている。
 家庭とは、人がそこで生まれ、育ち、死ぬところ。また日々、生活する場所であり、安らぎの場所でもある。多くのアンケートによると、あなたにとって一番大切なものは、と聞かれて、家族と答える人が多い。家族は、心で結ばれている。
 家族の絆はかけがえのないものであり、人間関係の基礎である。家庭が崩壊し、家族がバラバラになると、人々の心が荒廃し、社会は混乱し、国は伝統や文化を失う。

●家族があるから、人類である

 人間の子供は生まれたばかりの時は、自分ではほとんど何もできない。非常に未熟な状態で生まれ、成熟するまで誕生後数年もかかる。これを、ネオテニー(幼形成熟)という。ネオテニーは生物学上、人類最大の特徴ともいわれる。
 人間は、脳が発達して頭が大きくなった。未熟なうちに産まないと、子供の頭が産道を通らない。そこで未熟な状態で産むようになったと考えられている。
 こうした子供を育てるため、母親は出産後、数年子供にかかりきりとなる。自分のことを自分で出来ない子供と、それを連れた母親。自然界で生存していくには、きわめて弱い存在である。その弱い母子を守り支える役割を担う者が、父親である。父親が母子とともに生活し、守り、面倒を見ることによって、子供をネオテニーの状態で産んで安全に育てることが可能になった。この仕組みを、家族という。
 父・母・子からなる家族が成立したことによって、人類は生存と繁栄が可能になった。複数の家族が集団で狩猟採集を行い、また定住して農耕を行う。複数家族の共同生活が、文明の発達を可能にした。家族あっての人類である。家族がなければ、人類はなくなるのである。

●日本の家族の変化

 家族はこのように大切なものだが、わが国の家族は急速に変化している。大きな問題の一つが高齢化である。
 わが国は、世界最速で高齢化が進んでいる。本年9月15日の総務省の発表によると、65歳以上の高齢者は3186万人、4人に1人が高齢者となった。世界で最も高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)が高い。国立社会保障・人口問題研究所は平成47(2035)年には3人に1人の割合となると予想している。
 高齢化は、少子化と一体の現象である。男女とも晩婚化、非婚化が進む。また子供は欲しくないという夫婦が多くなっている。出産年齢にある女性全体の平均出生数(合計特殊出生率)は、平成17年に過去最低の1.26にまで低下。その後、団塊ジュニア世代の出産期ピーク等で上向きになり、22~23年1.39→24年1.41と上がっているが、人口を維持できるのは、2.08。重要なのは、女性一人が産むこの人数が減るだけでなく、子を産む女性の数も減っていること。そのため、24(2012)年度の日本人の出生数は5年連続で減り、102万9433人と過去最少を更新した。
 高齢化・少子化によって、わが国は人口減少の傾向となっている。本年発表の人口動態調査で、人口は1億2639万3679人と4年連続で減少した。14歳以下は過去最少の1660万人となり、少子高齢化に歯止めがかからない状況だ。本年現在、国立社会保障・人口問題研究所では、人口が平成42(2030)年には1億1522万人、72(2060)年には8674万人になると予測している。
高齢化は、少子化・人口減少と同時に進行している。日本人は皆、こうした日本の社会の大きな変化の流れの中にある。
 高齢化に対応するため老人介護の社会化が進められている。その一方、福祉政策や年金制度のあり方が問題になっている。また高齢者を狙った振り込め詐欺を始めとする特殊詐欺が増加。警察庁の発表によると、振り込め詐欺だけで、25年上半期の被害総額が約109億円。警察官、銀行員、弁護士等になりすます悪質なものが多い。よほど注意が必要。
 その一方、生活困窮・孤独による高齢者の犯罪が増えている。東京都内では24年にあった万引きで、65歳以上の高齢者の摘発数が19歳以下の少年を上回った。犯罪に手を染める高齢者の60~80%が一人暮らしだという。
 これらの犯罪傾向から浮かび上がってくるのは、家族関係の希薄化、家族が本来持っていた働きの低下である。

 次回に続く。
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夫婦別姓:反対が容認を上回る

2013-04-02 08:55:56 | 家族・家庭
 内閣府が昨年24年12月に実施した「家族の法制に関する世論調査」において、選択的夫婦別姓導入に向けた民法改正について、「法改正の必要はない」と答えた人は36・4%。「改正してもかまわない」と容認する人の35・5%をわずかに上回った。
 調査は成人男女5千人を対象に実施され、回収率は60・8%だった。今回で4回目になる。
 容認は、平成13年の調査で42・1%、18年の調査で36・6%、今回は35.5%と減少傾向にある。反対が容認を上回ったのは、平成8年の第1回以来である。
 選択的夫婦別姓法案は、永住外国人への地方参政権付与法案、外国人住民基本法案、人権侵害救済法案とともに、日本解体4法案である。これらの法案は、日本の家庭、社会、国家を解体する強力な爆弾である。
 そのうち、選択的夫婦別姓法案は、わが国の伝統である夫婦同姓を崩し、個人を単位とした家庭に変造する。家族より個人を重視した制度・慣行を促し、家族の絆を壊すおそれがある。またそれによって、日本の社会でシナ・朝鮮という別姓文化からの外国人移民が生活・行動しやすい環境に変造する作用も持った法案である。私は、強く反対する。
 夫婦別姓で、最も苦しむのは子供だろう。夫婦別姓は、必然的に親子の間で姓が異なる「親子別姓」をもたらす。父母の姓が違う。親と自分の姓が違う。そういう事態は、子供の心理に悪影響をもたらす。家族的アイデンティティがあいまいになる。思春期には、いじめやからかいの対象になることも予想される。
 夫婦別姓論は、マルクス=エンゲルスのコミューン論に始原を持つ。その構想をレーニンがソ連で実施した。家庭と社会に混乱を生むだけに終わったが、観念としては生き残り、共産主義者やフェミニストの脳裏に棲みついている。
 結婚後、旧姓を使用しなければ社会生活において不便な人はいる。そういう人のためには、旧姓を通称として使用できるよう、法的整備をすればよい。また戸籍法を改正し、戸籍に旧姓も併記できるようにする方法もある。
 徐々にではあるが、選択的夫婦別姓の導入に向けた民法改正は必要ないという考えの人が増えつつあることを歓迎するとともに、漠然と容認の意見を持っている人たちに、わが国に夫婦別姓を導入することの危険性を、さらに知らしめよう。
 以下は関連する報道記事。

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●読売新聞 平成25年2月16日

夫婦別姓、反対派が容認派上回る…内閣府調査
読売新聞 - 02月16日 20:30

 内閣府は16日、昨年12月に実施した「家族の法制に関する世論調査」の結果を発表した。
 希望すれば夫婦がそれぞれ結婚前の姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓」導入に向けた民法改正について、「法改正の必要はない」と答えた人は36・4%で、「改正してもかまわない」と容認する人の35・5%をわずかに上回った。
 容認派は、2001年の調査では42・1%、06年は36・6%で、減少しながらも反対派を上回っていたが、今回は逆転した。このほか、「夫婦は必ず同じ姓を名乗るべきだが、結婚前の姓を通称として使えるように法改正するのは構わない」と答えた人が24・0%(06年は25・1%)だった。
 選択的夫婦別姓は、法制審議会(法相の諮問機関)が1996年に導入を答申したが、法改正には至っていない。今回の調査で、導入の機運が高まっていないことが浮き彫りとなった。
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参考資料
・内閣府のサイト「家族の法制に関する世論調査」
http://www8.cao.go.jp/survey/h24/h24-kazoku/index.html

関連掲示
・拙稿「夫婦別姓の導入に反対しよう」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion03b.htm
・拙稿「夫婦別姓反対国民大会の報告」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/d/20100321
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/d/20100322
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「親学」推進議員連盟が設立へ

2012-04-06 12:35:36 | 家族・家庭
 ようやく「親学」を推進する議員連盟が設立されるという。「親が変われば、子供は変わる」。日本の再建に、親学の普及は不可欠である。
 「親学」ってなんだろう、という人は、拙稿「親学を学ぼう、広めよう」をご参照ください。http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion02j.htm
 「親学」推進議員連盟は超党派。安倍晋三会長、鈴木寛幹事長、下村博文事務局長を予定。家庭教育推進法(仮称)の制定と、国民運動的に親学を広げるバックアップを目的としたいとのこと。ここに結集する心ある国会議員に啓発的な活動を期待したい。

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●下村博文衆議院議員のFBより(平成24年4月5~6日)

 このたび、超党派で「親学」推進議員連盟を設立し、総会を開催することとなりました。つきましては、国会議員の会ではございますが、ご興味のある方に是非設立総会にご臨席賜りたくご案内申し上げます。

日時:2012年4月10日(火)10:00~11:00
場所:衆議院第1議員会館 1階 多目的ホール
内容:1.設立総会(役員の選出・規約案の承認)
   2.記念講演 共立女子大学 名誉教授 木村 治美先生
            「今、なぜ親学か」
          明星大学 教授 高橋 史朗先生
            「親学の歴史的経緯と今日的課題」
   3.その他
(略)



(略)安倍晋三会長、鈴木寛幹事長、そして私が事務局長になり、40~50名の議員に何らかの役員になってもらう。
 最近私が中心となって超党派の会合の呼びかけを行っているが、「親学」の反応が一番いい。お願いした全ての議員が、一つ返事ですぐ役職を引き受けてくれる。もっと色々な議員に声を掛ければさらに増えるのは確実だが、とりあえずはスタートさせたい。
 平成18年に教育基本法を改正し、初めて「家庭教育」を入れた。父母は子の教育について第一義的責任を有することと、家庭教育の自主性を尊重しつつ、国や地方公共団体は支援するための機会や情報の施策を講ずべきとした。
 孤立した子育てのために、その後の子供の発達に障害が起きている。親の無知や愛情不足によって、親子の絆が薄れ、子供への精神的悪影響が出ている。
 この議連は、家庭教育推進法(仮称)を制定することと、国民運動的に親学を広げるバックアップを目的としたい。そのために議員だけの勉強会だけでなく、広く親学や家庭教育に取り組んでいる民間の団体、NPO、個人にも呼びかけたい。
 ご関心ご興味のある方で出席希望の方は、是非下村博文事務所(TEL:03-3508-7084)まで事前にご連絡ください。
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家族の絆を壊す男女共同参画案

2010-04-17 10:21:41 | 家族・家庭
 政府の男女共同参画会議(議長・平野官房長官)が、来年度から実施する次期5カ年計画の土台となる中間整理を公表した。
http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/chukanseiri/index.html
 現行計画では、男女の性差や男らしさ、女らしさを否定する行き過ぎたジェンダーフリー教育や、子供の発達段階を踏まえない過激な性教育について、「国民が求める男女共同参画社会とは異なる」と戒める文言が入っている。しかし、この度の中間整理案ではこれらの表現が削除された。
 中間整理は、政治分野への女性進出を拡大するため、政党別に女性候補者の比率などを公表することや、候補者の一定割合を女性に割り当てる「クオータ制」の導入の検討を初めて明記した。また男女共同参画への積極的な取り組みを公共事業受託の条件とする法整備や、税制優遇措置の検討も初めて盛り込んだ。
 国民の間に反対の多い選択的夫婦別姓については、現行基本計画では「国民の議論が深まるよう引き続き努める」という表現だったが、中間整理は「女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、民法改正が必要である」と協調した。
 さらに、家族形態の変化やライフスタイルの多様化に触れ、「世帯単位から個人単位の制度・慣行への移行」などの必要性を指摘している。
 同会議は6月中旬に鳩山首相に答申を提出する予定で、政府は年内に新たな基本計画を閣議決定する方針だという。

 こうした中間整理の内容は、福島瑞穂男女共同参画担当相の考え方を全面的に反映したものだという。福島氏は社民党の党首であり、急進的なフェミニズムの旗手である。そうした政治家を男女共同参画担当相に任命したことも、鳩山首相の大きな過ちの一つである。
 男女共同参画会議の中間整理は、個人の権利、特に働く女性の権利の拡大を目的とするものといえる。政府の機構を通じて、個人主義を徹底し、フェミニズムを浸透させる動きである。これを国家の計画として行政によって実行すれば、日本の家族の絆はますます弱まり、殺伐とした社会になることは、明らかである。昨年の殺人事件の過半数は、親子・夫婦等、家族間の殺人だった。そうした中で、さらに家族のつながりを弱め、家族を個人へと解体するような政策を行うことは、日本の衰退の道である。国民の良識にそむいて、男女共同参画のなのもとに、個人主義・フェミニズムを推進しようとする動きを止め、家族の絆、社会の共同性を回復する方向に転換しなければならない。

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●産経新聞 平成22年4月15日

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100415/plc1004152054010-n1.htm
「ジェンダーフリー」や過激な性教育への歯止め削除 男女共同参画中間案、福島氏の意向色濃く
2010.4.15 20:53

政府の男女共同参画会議の基本問題・計画専門調査会(会長・羽入佐和子お茶の水女子大学長)は15日、平成23年度から5年間の男女共同参画基本計画策定に向けて中間整理案を公表した。性差否定の温床となった「ジェンダーフリー」や過激な性教育への歯止めをかけた現行規定を削除したほか、公的機関などの一定比率を女性とするよう割り当てる「クオータ制」の検討を初めて明記するなど、福島瑞穂男女共同参画担当相の意向を踏まえた急進的な内容となった。
 現行計画では「ジェンダーフリー」という用語を利用して男女の性差や男らしさ、女らしさを否定する動きについて、「国民が求める男女共同参画社会とは異なる」と指摘。発達段階を踏まえない行き過ぎた性教育についても自制を求めているが、中間整理案ではこれらの表現は削除された。
 福島氏は2月、あらゆる施策でジェンダー平等の視点を取り入れるよう求める「基本的考え方」を公表しており、中間整理案も「福島氏の考え方を全部反映した」(内閣府幹部)という。
中間整理案は「政策決定過程への女性参画拡大が十分に進まなかった」と、これまでの政府の取り組みを批判。「政党や民間企業などへの行政の働きかけが自制的だった」ことなどを理由に挙げて、実効性ある施策の導入を求めた。
 具体的には、男女間格差を改善する「ポジティブ・アクション」を進める上でクオータ制の導入検討を明記。男女共同参画への積極的な取り組みを公共事業受託の条件とする法整備や、税制優遇措置の検討も初めて盛り込んだ。
 政府内で法案提出が検討されている選択的夫婦別姓については「女子差別撤廃委員会の最終見解も踏まえ、民法改正が必要である」と強調した。
 同会議では公聴会を経て、6月をめどに鳩山由紀夫首相に答申する。政府は年内に次期計画を策定する方針だ。ただ、夫婦別姓の導入には亀井静香郵政改革・金融相が強く反対しており、政府内の調整は難航しそうだ。

●産経新聞 平成22年4月16日
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100416/stt1004160309002-n1.htm
【主張】男女共同参画案 家族の絆を壊すつもりか
2010.4.16 03:09

 政府の男女共同参画会議が、来年度から実施する次期基本計画の土台となる中間整理案(計画案)を公表した。家族より個人を重視した制度・慣行を促し、家族の絆(きずな)を壊しかねない選択的夫婦別姓にも「民法改正が必要」と明記するなど問題が多い。
 平成11年にできた男女共同参画社会基本法により、5年ごとに国の基本計画が策定されている。自治体も男女共同参画に関する条例などをつくってきた。
 しかし、男女差別の廃止を強調するあまり、合理的な男女の役割分担や男らしさ女らしさまで否定する傾向が、基本計画や条例に反映され、問題となってきた。
 これに対し、行き過ぎたジェンダーフリー(性差否定)教育に歯止めをかけ、伝統的家族観を盛り込んだ条例をつくる自治体が出るなど是正の動きもでてきた。
 自民党政権時代の16年に、福田康夫官房長官(当時)が「ジェンダーフリー」という言葉を使わないよう自治体を指導する考えを示したこともある。
 現行計画では、行き過ぎたジェンダーフリー教育や過激な性教育への批判を踏まえ、「国民が求める社会と異なる」と戒める文言が入っている。それが今回の案では削られた。是正の流れを妨げはしないか心配だ。
 選択的夫婦別姓について「民法改正が必要」と踏み込んだことも疑問だ。現行計画では「国民の議論が深まるよう努める」との表現にとどめている。内閣府の世論調査でも賛否が拮抗(きっこう)する問題であり、働く女性の中にも別姓制度には反対の意見がある。別姓制度が男女共同参画社会につながるという考え方は、安易すぎないか。
さらに気がかりなのは、家族形態の変化やライフスタイルの多様化に触れ、「世帯単位から個人単位の制度・慣行への移行」などの必要性を指摘していることだ。
 たしかに共働き世帯や結婚しない単身者の増加などで社会保障制度の見直しなどが課題になっている。しかし、個人重視が男女共同参画社会にどうつながるのだろう。家族や家庭を軽視することになりかねない。
 相談相手がおらず子育てに悩んで孤立化する若い母親が多い。経済状況から仕事に出ざるをえない母親も増えている。
 家族や周囲の支えはますます重要になっている。むしろ家族の絆を重視する視点が必要だ。
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関連掲示
・拙稿「家族の危機を救え!」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion02a.htm
・拙稿「急進的なフェミニズムはウーマン・リブ的共産主義」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion03d.htm
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夫婦別姓は日本解体法案の一部

2010-02-25 10:32:51 | 家族・家庭
 昨24日、夫婦別姓法案に反対する署名と集会について書いた。今朝の産経新聞に、阿比留瑠比記者が参考になる記事を書いている。下に転載する。
 記事中に、夫婦別姓法案、人権侵害救済法案、外国人参政権付与法案の3法案は「日本解体3法案」であり、互いに通底し、負の相乗効果が懸念されると書かれている。私も同感である。これらの法案は3つセットで、日本を解体するように構築されている。
 私の見るところ、夫婦別姓法案は家庭を、人権侵害救済法案は社会を、外国人参政権付与法案は国家を解体する効果を持つ。家庭・社会・国家の三つのレベルで、同時に日本を解体する装置となっている。また家庭の解体、社会の解体、国家の解体は、それぞれの他のレベルの解体を促進し、崩壊を加速する。

 これらの3法案の淵源は何か。マルクス=レーニン主義である。すなわわち共産主義である。
 夫婦別姓法案は、マルクス=エンゲルスのコミューン論に始原を持つ。その構想をレーニンがソ連で実施した。家庭と社会に混乱を生むだけに終わったが、観念としては生き残り、共産主義者やフェミニストの脳裏に棲みついている。
 人権侵害救済法案は、自由民主主義的な三権分立をやめて権力を一元化するレーニンの思想に始原を持つ。レーニンはソ連で秘密警察を作り、政府を批判する者を強権的に取り締まった。その機構が人権委員会の原型となっている。
 外国人参政権付与法案は、19世紀の欧露におけるユダヤ人の政治運動に始原を持つ。国境を越えて広がる少数民族が、居住する国家で政治権力に参加し、国際秩序を覆して広域的に活動できる社会に変える。法案の思想はこの運動を一般化したものである。

 20世紀後半、先進国の共産主義は、暴力によって権力を奪取する政治革命の路線から、ソフトな路線に転換した。それが大衆の価値観や生活の変革を通じて権力を掌握する文化革命の路線である。この転換が進められる過程で、共産主義はフェミニズムと融合した。今や表面的にはリベラル(修正自由主義)や社会民主主義(議会主義左翼)と見分けがつかないほどになっている。しかし、リベラルや社会民主主義の政党が出す政策・法案の根底には、もともとの共産主義とフェミニズムが存在している。この共産主義とフェミニズムが融合した思想が、日本解体法案の根底にある思想である。

 以下、冒頭に書いた阿比留記者の記事。

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●産経新聞 平成22年2月24日

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100224/plc1002242320017-n1.htm
【政論】子供の視点欠如した別姓論議 3分の2が違和感
2010.2.24 23:19

 夫婦別姓推進の論理には、当事者である子供の視点が決定的に欠けている。
 民間団体が平成13年に中高生を対象に実施した調査では、両親が別姓となったら「嫌だと思う」(41・6%)と「変な感じがする」(24・8%)が合わせてほぼ3分の2に達している。一方、「うれしい」は2・2%しかいなかった。
 また、夫婦が別姓を選択した場合、子供は自動的に片方の親とは別姓となる。ことは夫婦のあり方だけの問題ではないのだ。
 ただでさえ、家族の絆(きずな)が弱まっているとされており、「あえて家族をバラバラにしていくようなことはすべきでない」(国民新党の亀井静香代表)との主張はむしろ当然だと言える。
 夫婦別姓推進の理由について、民主党の「政策INDEX2009」はまず、「仕事上の事情から結婚前の姓を名乗り続けたい」という例を挙げている。
 現在では結婚による改姓後も職場では旧姓を「通称」として使用する人は少なくなく、社会的理解も高まっている。その一人、自民党の高市早苗衆院議員は「不自由は基本的にない」と明言する。
 また、夫婦別姓の背景には、連合国軍総司令部(GHQ)が日本弱体化を狙って進めた「家制度」破壊の残滓(ざんし)が見てとれる。「フェミニストたちが、結婚制度を破壊するために始めた運動だ」(米ヘリテージ財団研究員)との指摘もある。
 ちなみに政権内で夫婦別姓に特に熱心な福島瑞穂消費者・少子化担当相は入籍しない「事実婚」で夫婦別姓を実践している。
 この夫婦別姓法案に永住外国人への地方参政権付与法案、人権侵害救済法案(旧人権擁護法案)を加えた3法案は、与野党の保守系議員から「日本解体3法案」と呼ばれる。
 3法案は、いずれも日本社会や家族のあり方を根本的に変えかねない。また、根っこの部分で相互につながっており、負の相乗効果が懸念されているからだ。
 「まさに日本解体を目指しているのではないか」
 自民党の義家弘介氏は昨年11月10日の参院予算委員会で、鳩山政権が検討・推進中のこれらの法案についてこう重い問いを投げかけている。(阿比留瑠比)
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関連掲示
・拙稿「夫婦別姓の導入に反対しよう」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion03b.htm
・拙稿「急進的なフェミニズムはウーマン・リブ的共産主義」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion03d.htm


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