ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

現代の眺望と人類の課題107

2009-01-31 08:46:23 | 歴史
●ユダヤ系アメリカ人の一部が強力に活動

 1960年代半ばから、イスラエルはアメリカの政界・議会へのロビー活動を活発に行い、アメリカ指導層をイスラエル支持に固めていった。今やアメリカの指導層は、イスラエル政府の外交政策を支持する親イスラエル派やシオニストが主流を占めている。キリスト教保守派の多くは、イスラエルを守るべき国とし、キリスト教とユダヤ教の結びつきは強化されている。
 ネオコンの親イスラエル的・シオニスト的な戦略が、イスラエル・ロビーの支持するものとなっているのは、言うまでもない。しかし、これをユダヤの陰謀と見るべきではない。ユダヤ人ネオコン・グループは、アメリカに住むユダヤ人の多数派ではない。アメリカには、約530万人のユダヤ人がいるというが、ユダヤ系アメリカ人の7割以上は、イラク戦争に反対している。ユダヤ系といっても、彼らの思想は多様である。ユダヤ教徒だけでなく、キリスト教徒や唯物論者もいる。ユダヤ教の信仰においても、伝統保守派もいれば改革派もいる。政治的にも穏健派から過激派まで、多様な意見がある。また、もともとユダヤ系アメリカ人には、民主党支持者でリベラル(修正自由主義的)な思想を持つものが多い。
 だから親イスラエル的、シオニスト的でかつ闘争的なユダヤ人は、ユダヤ系アメリカ人の一部である。しかし、彼らはイスラエルの強硬派と結びつき、強力な活動をしている。そしてその背後には、ロスチャイルド家、及びユダヤ系の国際金融資本家がいる。
 ロスチャイルド家は、欧米の多くの財閥の子孫が遺産相続人として巨大な資産を有する投資家となっていると異なり、直系相続人が多数、第一線でビジネスマンとして活動している。世界の金価格は現在もロンドンのシティにあるロンドン・ロスチャイルド銀行で決定されている。そして、イギリス、フランスのロスチャイルド家に、欧米のユダヤ系投資銀行が創業者以来、これと姻戚関係でつながっている。現代に活躍してきたユダヤ系投資銀行は、ゴールドマン・サックス、ソロモン・スミス・バーニー、ウォーバーグ・ディロン・リード、シュローダー・グループなどである。これらは2008年(平成20年)世界経済危機を経て業務形態を変えつつあるが、ユダヤ系金融業者は横の連携を取りつつ、富の獲得と拡大に活躍している。
 ロスチャイルド家、及びユダヤ系の国際金融資本家は、その豊富な資金力・情報力を用いて、ユダヤ系アメリカ人のシオニストやネオコンを支援している。それはユダヤ教、ユダヤ人の利益となるとともに、彼らの私的事業にも多くの利益を生むからだろう。

●キリスト教終末論の影響

 もう一つ私がアメリカの親イスラエル・シオニスト化に重要な働きをしただろうと思うのは、キリスト教的終末論である。キリスト教的終末論とは、人類の滅亡を説くものとは違う。世の終わりに、キリストが再臨し、最後の審判が行われて、救済が実現するというものである。なかでもヨハネの黙示録は、善と悪の最終戦争が行われた後、神が降臨し、正しい者のみが救われ、千年王国が建設されることを、象徴的な表現で描いたものとされる。
 終末論は、キリスト教圏で歴史上、繰り返し高揚した。それが、20世紀から21世紀への世紀の変わり目に再燃した。クリントン政権の末期、西暦2000年は、ミレニアム(千年紀)運動が高揚した年だった。キリスト教的終末論において、特別の意味を持つのが、イスラエルの存在である。聖書の解釈の一つに、世の終わりが近づいた時、救世主(メサイア)が再臨する前に、カナンの地にユダヤ人の国家が建設されるという。その国家がイスラエルであると考える一部のキリスト教徒にとって、イスラエルは絶対に守らなければならない国家となる。こうしてユダヤ教の強硬派とキリスト教的終末論が結びつき、アメリカとイスラエルの連合は、不離一体のものとなった。この強力な連合に戦略を与えたものが、ネオコンの理論なのである。
 ネオコン理論の影響の下、アメリカの社会にシオニスト・キリスト教徒、またはキリスト教シオニストが増加し、キリスト教が復興・活発化するとシオニズムも拡大・増強するという構造が生まれたと考えられる。

 次回に続く。

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現代の眺望と人類の課題106

2009-01-29 10:38:22 | 歴史
●アメリカの国民をシオニスト化

 もともとアメリカの国民の多数は、郷土での自立した生活を重んじ、他国には不干渉をよしとする。アメリカ外交の伝統だったモンロー主義は、こうした意識に合っているわけである。政党で言えば、この立場が共和党であり、反対に海外に積極的に出て行こうとするのが民主党だった。第1次大戦も、第2次大戦も、朝鮮戦争そしてベトナム戦争も、民主党政権のもとで、アメリカは海外の戦争に参戦した。大雑把に言えば、共和党はアイソレーショナリズム(不干渉主義)、民主党はグローバリズム(地球覇権主義)の傾向がある。ネオコンは民主党から共和党に移って、共和党にグローバリズムを浸透したのである。ブッシュ父政権は湾岸戦争を起こし、ブッシュ子政権はアフガン=イラク戦争を起こしたが、これらはそのグローバリズムの表われである。
 しかし、いかにアメリカ政府を親イスラエル、シオニスト化したとしても、国民の理解と支持がなければ、国家全体は動かない。イスラエル、ロスチャイルド家、ネオコン・グループは、同時にアメリカの大衆への働きかけも進めていた。アメリカでは、イスラエルの極右政党のように戦闘的なシオニズムをそのまま打ち出したのでは、大衆の賛同は得られない。そこで彼らはクリントン政権時代から、アメリカの新保守主義という姿を取って、キリスト教の保守派を取り込む活動を進めた。キリスト教徒をシオニスト化する活動である。

 キリスト教の宗派の中でも、カルヴィニズムは、神を絶対的な権威とし、人間を全く無力な存在とする。救済予定説は、神の意思の絶対性を極限まで強調するものである。カルヴィニズムはまた人間が作った儀式や図像を、偶像崇拝として徹底的に排除する。ユダヤ教の聖典であるトーラー(モーゼ五書)を含む聖書を信仰の根本とする。こうした点で、カルヴィニズムは、ローマカトリック教会を批判することで、キリスト教の再ユダヤ教化を進めたという一面を持つ。
 アメリカの初期開拓者ピルグリム・ファーザーズは、カルヴィニズムのイギリス的形態であるピューリタニズムの信奉者だった。彼らを祖とするアメリカ社会では、カルヴィニズム的プロテスタントが主流となっている。それゆえ、シオニストにとって、アメリカのキリスト教を一層ユダヤ教に近づけ、イスラエルは絶対に守るべき聖なる国家という意識を国民に広げることが、容易だったのだろう。

●イスラエル・ロビーがアメリカの政治を誘導

 ここで重要なのが、イスラエル・ロビーの存在である。今日、アメリカでは、イスラエル・ロビーが最大のロビー団体となり、アメリカの外交政策に強い影響を与えている。イスラエル・ロビーは政府・議会・政治家に積極的に働きかけ、アメリカの政策をイスラエルに有利なものに誘導している。ユダヤ系アメリカ人の一部のほか、非ユダヤ系キリスト教徒も活動している。彼らの活動の目的は、アメリカの外交をイスラエルに有利なものに導くことである。そして、イスラエル・ロビーはアメリカ=イスラエル連合を絶ち難いまでに確固としたものすることに成功している。
 こうした状態を危惧するアメリカ国民の中から、合衆国政府はアメリカの国益よりもイスラエルの国益を優先しているという批判が上がっている。高名な国際政治学者ジョン・ミアシャイマーとステファン・ウォルトによる「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」(講談社、2007年)は、言論界に一石を投じた。著者たちは、イスラエル・ロビーの強い影響力により、アメリカの政策論議は合衆国の長期的安全保障を損なう方向に向かっていると主張する。イスラエル・ロビーの団体は、極右政党リクードに近い団体・個人で構成されていると指摘。他の団体・個人との境界線は曖昧で、多くの学者、シンクタンク、政治活動委員会、ネオコン・グループ、キリスト教団体等がロビー活動を支援しているという。
 これに対し、イスラエル・ロビーとその支援者は、ミアシャイマーとウォルトに「反ユダヤ」のレッテルを貼りつけ、批判の拡大を封じる動きをしている。私の見るところ、著者たちのネオコンへの突っ込みは深くない。またシオニズムへの批判も徹底したものではない。それでも「反ユダヤ」として攻撃されるところに、今日のアメリカの言論状況があるのだろう。

 イスラエル・ロビーは、ロスチャイルド家やユダヤ系金融資本家を資金源とし、潤沢な資金を持つ。また、そこにはユダヤ人の優秀な頭脳が集まっている。彼らによってイスラエルを批判しているとみなされた者は、選挙で落とされる。そのため、いまやアメリカのほとんどの政治家は、共和党・民主党にかかわらず、イスラエル・ロビーの主張に同調したり、イスラエルの外交政策を支持したりするようになっている。わが国で言えば、在日韓国人・朝鮮人団体や部落解放同盟が、政党や政治家に圧力をかけ、政治や教育、報道をゆがめているのと似た点がある。イスラエル・ロビーは、もちろんわが国における動きを遥かに上回るスケールで活動している。
 2008年(平成20年)の大統領選挙においても、有力候補者たちは、早々にイスラエル支持を表明した。共和党のジョン・マケイン、ルドルフ・ジュリアーニ、ミット・ロムニーら、民主党のバラク・オバマ、ヒラリー・クリントン、ジョン・エドワーズら、みなそうだった。
 同年末、イスラエルは突然、パレスチナ自治区ガザを攻撃し、多数の一般市民を殺傷した。明けて09年(21年)1月22日、オバマ大統領は、就任後初めて中東情勢に言及した。オバマは、ガザ攻撃での無差別大量虐殺を批判することなく、イスラエル支持の姿勢を鮮明にした。プロテスタントの黒人大統領は語った。「はっきり言います。アメリカはイスラエルの安全にコミットします。脅威に対するイスラエルの自衛権を支持します」と。オバマもまた、イスラエル・ロビー及びその背後にいる巨大国際金融資本の意思に応えていることがこうした発言からうかがえるのである。オバマ政権は中東和平に意欲を示しているが、最初から親イスラエルのスタンスで臨むのでは、公平な仲裁者の役割は担えないだろう。ガザ攻撃は、アメリカの新大統領に親イスラエルのスタンスを明確化させるための圧力だったのかもしれない。

 次回に続く。
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現代の眺望と人類の課題105

2009-01-28 10:59:36 | 歴史
●クリントン政権はかつてなくユダヤ人が多かった

 ブッシュ父に替わって、ビル・クリントンが大統領になったのが、1993年(5年)である。以後、2000年(12年)までクリントン政権が続いた。クリントンは、民主党カーター外交を継承して、中東においては和平を促進した。
 実は、クリントン政権は、史上例を見ないほどユダヤ人が多くいた。それ以前に最もユダヤ人が多かったのは、先に書いたフランクリン・D・ルーズベルト政権である。ルーズベルトが私的なブレーンとしていたグループには、政界・財界・学界・法曹界で活躍するユダヤ人が多かった。財務長官のヘンリー・モーゲンソー、労働長官のパーキンス女史らが政権の中枢にいた。

 しかし、クリントン政権におけるユダヤ人の多さは、FDR政権とは比較にならない。閣僚となったユダヤ人は、ルービン財務長官、後任のサマーズ、オルブライト国務長官、アイゼンスタット国務次官、ホルブルック国連大使、コーエン国防長官、グリックマン農務長官、ライシュ労働長官、カンター通商代表・商務長官、バーシェフスキー通商代表、バーガー国家安全保障担当大統領補佐官である。また中東政策担当者を務めたインディク中東担当国務次官補、ロス中東特使、ミラー中東特使らもユダヤ人だった。
 クリントン政権は、レーガン政権時代に膨らんだ「双子の赤字」を解消し、財政黒字に転じるほどの経済的成果を挙げた。この時の主要経済担当スタッフのうちFRB議長はグリーンスパン、財務長官はルービン、同次官で後長官がサマーズで、三人ともユダヤ人だった。彼らは、巨大国際金融資本の意思を受けて、アメリカ財政の建て直しを推進したと思われる。

 クリントン政権にユダヤ人が多かったといっても、みなが同じ思想、同じ政策を持っているわけではない。しかし、一つ顕著な事実は、二期目のクリントン政権で1997年(平成9年)、マデレーン・オルブライトが国務長官に就任すると、アメリカはイスラエルからの輸入量を大幅に増やして巨額の貿易赤字を記録するようになったことである。これはイスラエルへの巨額の財政支援となった。ブッシュ子政権でもこれは続いた。ブッシュ子政権の親イスラエル外交は、急に始まったものではなく、クリントン政権でユダヤ人が政権中枢で多く活動するようになっていたのである。

●PNACによるアメリカの軍事革命論

 クリントン大統領は、イスラエルとアラブ諸国の融和に努力し、オスロ合意に貢献した。しかし、その政権の時代に、ネオコンが勢力を伸ばしていた。1997年にクリストルがケイガンとPNACを設立し、政府にイラク攻撃をけしかけ、アメリカの軍事力による世界制覇を要求していた。PNACは、2000年(平成12年)9月、つまり9・11の1年前に、「アメリカ防衛の再建~新しい世紀のための戦略・力・資源」という出版物を刊行した。この文書に「ニュー・パールハーバー(新しい真珠湾攻撃)」という表現が登場する。ブッシュ大統領は、9・11の当日の日記に「ニュー・パールハーバー」という言葉を記した。PNACの文書を読んだか、その内容を聞いていたかしたのだろう。
 「アメリカ防衛の再建」は、軍事費の大幅な増加、国土安全保障局の設立、中東軍事基地の建設、宇宙の軍事化による軍事技術の革新など多岐にわたる提言をしている。そしてアメリカ政府に「軍事革命(RMA)の完遂」を求めている。この革命は、パクス・アメリカーナ、すなわち「アメリカの平和」を、より効果的に確立するための革命である。すなわち、アメリカが世界的な覇権を確立するために、抜本的な戦略転換を呼びかけるのが、「アメリカ防衛の再建」という文書である。

 ブッシュ政権が9・11の翌年、平成14年(2002)に公表した「国家安全保障戦略」は、PNACによる「アメリカ国防の再建」の提言をほとんど取り入れている。さらに加えて、「われわれの最良の防衛は攻撃である」と言っている。ここに先制攻撃理論が提唱されている。
宇宙の軍事化に重点を置いた「軍事革命」については、PNACによる『2020年のビジョン』と呼ばれる文書が、よりはっきりとその目的を述べている。
 文書は冒頭で、次のように言う。「アメリカの宇宙軍は、米国の利益と投下資本を守るために、軍事作戦による宇宙支配をするものである」と。この目的を達成する方法は、「全領域の支配」つまり「地球規模の戦闘空間の支配」である。「全領域の支配」とは、陸海空だけでなく、大気圏外の宇宙空間をも支配することである。つまり宇宙の軍事化による地球規模の支配を通じて、米国の利益と投下資本を守ることが、この軍事革命計画の目的である。
 PNACと9・11の関係については、別の拙稿「9・11~欺かれた世界、日本の活路」をご参照願いたい。ここで指摘したいのは、ユダヤ人ネオコン・グループが主催するPNACが、アメリカの軍事革命、及び世界戦略に重大な影響を与えてきたという事実である。そして、ブッシュ政権が遂行したアメリカが世界的覇権を確立するための抜本的な戦略転換は、同時にイスラエルの国益に合致し、イスラエルの安全保障をアメリカの富と権力で強化するものだった。ブッシュ政権の誕生をもって、アメリカ政府をかつてないほどシオニスト化したのである。

 次回に続く。

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えらいぞ、ミス日本!

2009-01-27 17:57:19 | Weblog
ミス日本に、高校2年生の宮田麻里乃さんが選ばれた。将来の夢を聴かれて、次のように答えたという。

 「経済ジャーナリストになれればと思う。今、不況だと言われてて内閣だけが悪いみたいになってますが、社会は個人だけで作れるとは思ってません。総理大臣のために周りの人が協力し合えば社会はよくなると思う」

 えらい! その通り。

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●ミス日本GPの宮田麻里乃さん、アニメ好きの一面チラリ
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=731892&media_id=54
(ORICON STYLE - 01月27日 06:31)

 ミス日本GPに輝いた、東京都出身17歳の宮田麻里乃さん
 『第41回ミス日本グランプリ決定コンテスト』が26日(月)に都内で開催され、見事グランプリに輝いた東京都出身高校2年生の宮田麻里乃さんが、コンテスト終了後にインタビューに応じた。宮田さんは報道陣に対して最初は緊張していた様子だったが、次第に慣れてきたのか「あまりはしゃがないタイプですけど、カラオケでははじめから飛ばすタイプ。『はっぱ隊』とか(アニメ)『マクロスFRONTIER』の歌とかを歌います」と、マニアックな一面をチラリ。アニメ好きであることを明かし「日本の文化ですよね」と熱く語った。

 初の平成生まれのグランプリに輝いた宮田さんは「1人ではここまでこれなかったと思う」と家族に感謝。99年以来4人目となる高校生GPだが、「ゴルフの石川遼さんと同い年ですし、同じ年齢の人がすでにたくさん活躍してる。負けないように、ミス日本に恥じないように頑張ります」と若さに媚びる様子はなく、早くも闘志を燃やした。

 過去のGPの女優・藤原紀香のような女性が憧れという宮田さんは将来の夢を聞かれると「経済ジャーナリストになれればと思う。今、不況だと言われてて内閣だけが悪いみたいになってますが、社会は個人だけで作れるとは思ってません。総理大臣のために周りの人が協力し合えば社会はよくなると思う」と大人顔負けの持論を展開し、報道陣を圧倒させた。

 宮田さんのハキハキとした対応に感心した報道陣が芸能界進出を促すと「機会があれば。何事も経験だと思います」と真摯にコメント。ただ、恋愛関係の質問には「17年間彼氏が一度もいたことないんです」と顔を赤らめ、高校生らしい純粋無垢な表情をみせていた。

 宮田さんのほか、ミス日本ミス着物に埼玉県出身25歳の松本蘭さん、ミス日本ネイチャーに北海道出身23歳の貞廣恵沙さん、ミス日本「海の日」に熊本県出身20歳の池永由宇さん、ミス日本「空の日」に福岡県出身24歳の濱地やよいさんがそれぞれ選ばれた。
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現代の眺望と人類の課題104

2009-01-26 10:48:58 | 歴史
●ネオコンの資金源にロスチャイルド家あり
 
 名著「赤い楯」(集英社文庫)で知られるわが国のロスチャイルド研究の第一人者・広瀬隆は、次のように書いている。
 「ネオコンがCIAや国務省を無視し、これほどまでにワシントンで力を持つには、誰か大物パトロンからの資金援助がなければならないが、資金はロスチャイルドから出ていた」(「アメリカの保守本流」集英社新書)
 ロスチャイルド家とユダヤ人ネオコン・グループを結ぶ人物に、アーウィン・ステルザーがいる。ステルザーは、ニューヨークで投資銀行と金融経済顧問をかねるロスチャイルド社の代表である。彼が経営するロスチャイルド社の親会社は、世界金融界の頂点に立つロンドン・ロスチャイルド銀行である。
 ステルザーは、メディア王ルパート・マードックの「最も重要な資金面の後ろ盾」だと広瀬は言う。オーストラリア生まれのユダヤ人マードックは、猛烈な勢いでイギリスのマスメディアを買収し、さらにアメリカに進出した。有力な新聞・雑誌を押さえ、FOXテレビを創設した。こうしたマードックのメディア買収は、背後にいるロスチャイルド家の対米戦略の一環と考えられる。メディアを使って、自己に有利になるように、アメリカの世論に影響を与えることができるからである。

 ステルザーに話を戻すと、アーヴィン・クリステルらが設立したアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)にステルザーは資金を提供してきた。AEIの後ろには、ロスチャイルド家があるわけである。ステルザーはネオコン・グループの一人、リチャード・パールを、1998年(平成10年)保守系のシンクタンク、ハドソン研究所の幹部に引き立てた。そして、ブッシュ政権の国防長官ラムズフェルドの右腕として中枢に送り込んだ。パールは「暗黒の王子」という異名を持ち、サウジの武器商人アドナン・カショーギとの武器売買に暗躍し、ブッシュ政権をイラク進攻に駆り立てた。「ロスチャイルド子飼いのパールが、ブッシュと米軍を動かしたのである」と広瀬は書いている。
 ステルザーは、ウィリアム・クリストル編集の雑誌「ウィークリー・スタンダード」の編集者を兼ね、同誌を実質支配していたという。広瀬は「世にネオコンと呼ばれる集団は、全員が彼のロスチャイルド人脈だった。これが、好戦的シオニズムとネオコンを結びつけたネットワークである」と述べている。ラムズフェルドとパールは、ビルダーバーグ・クラブの常連参加者でもあり、ロスチャイルド家から欧米の所有者集団につながっている。
 ロスチャイルド家がどうして対米戦略を展開し、アメリカの政治に影響力を及ぼそうとするのか。巨大国際金融資本としての事業展開は、当然の目的だろう。それとともに、その行動は、イスラエルという国家の存立と繁栄をめざしたものでもある。ロスチャイルド家こそ、イスラエルを建国し、支援・擁護してきたユダヤ人一族だからである。イスラエルのシオニストとロスチャイルド家、そしてアメリカのユダヤ人ネオコン・シオニストは、国際的かつ民族的に連携しつつ、超大国アメリカを自らの利益にかなうように、誘導・操作しようとしてきたのである。
 
●シオニスト=ロスチャイルド家の対米工作

 ロスチャイルド家を中心としたシオニストの対米活動は、ブッシュ子政権の時に、始まったものではない。ケネディは、イスラエルが核開発をすることを認めなかったが、彼が暗殺されて後、アメリカはイスラエルの核保有を黙認するようになった。1960年代から、イスラエルはアメリカの政界・議会へのロビー活動を活発に行い、アメリカ指導層をイスラエル支持に固めていった。カーター大統領の時期には、アメリカはイスラエルとエジプトの和平に努力した。しかし、イスラエルには、和平を目指す勢力と、徹底的な対決を志望する勢力がある。イスラエルのシオニストは、アメリカにおいて、同調者・支持者を増やし、アメリカの民衆を、イスラエル支持、シオニスト擁護に意識付けていったものと思う。
 とりわけ1989年(平成元年)米ソの冷戦が終結したことで、シオニストの対米活動が活発になったのだろう。1991年(3年)、ブッシュ父政権の時代に、ソ連が崩壊し、アメリカが唯一の超大国になった。この国際構造の変化に対応して、シオニスト=ロスチャイルド家は覇権国家アメリカをイスラエル寄りにし、アメリカの軍事力で自国と利益を守る仕組みを構築しようと図ったのだろう。そして、アメリカ=イスラエルの提携を強め、アメリカが中東に軍事侵攻することは、アメリカの軍産複合体にとって、多大な利益をもたらし、組織と企業の維持・発展に有効なことだった。そこに、シオニスト=ロスチャイルド家とロックフェラー一族を中心としたアメリカの金融資本・軍需産業・石油産業の提携の強化がなされる理由がある。

 ここで注目されるのが、ビルダーバーグ・クラブとネオコンの関係である。上記の動きは、ビルダーバーグ・クラブに集結する欧米の所有者集団の多くにとって、好ましいことだったのだろう。ビルダーバーグ・クラブは、ブッシュ子政権時代、ネオコンを毎年会議に招いている。ブッシュ子政権スタッフでは、国防長官ドナルド・ラムズフェルド、国防副長官ポール・ウォルフォウイッツ、国務副長官ロバート・ゼーリック、国防政策会議議長リチャード・パール、国防次官ダグラス・ファイスらがビルダーバーグ・クラブの会議に参加していた。
 ラムズフェルドは、9・11で政府の関与を露呈する発言を繰り返した。そういう人物がビルダーバーガーであり、またCFR、スカル・アンド・ボーンズ、PNACの会員なのである。ビルダーバーグ会議の参加者ウォルフォウイッツ、パール、ファイスはユダヤ人「ネオコン7人組」のメンバーだが、彼らのリーダー格であるロバート・ケイガンも会議に招かれている。
 ビルダーバーグ会議には、同時期に他にもネオコンが多く参加しており、ジョン・ボルトン元国務次官、ウイリアム・ルーティ元国防次官、マイケル・レディーンAEI研究員、マックス・ブートCFR研究員がそうである。
 こうしたビルダーバーグ会議の参加者の名簿を見て、私は、ビルダーバーグ・クラブに集う欧米の所有者集団のうち、多くはネオコンを支持または利用してきたと考える。それゆえ、9・11の真相を究明する視線は、ブッシュ子政権の中枢スタッフから、さらにビルダーバーグ・クラブや現代世界の支配構造へと向かわざるを得ないのである。

 次回に続く。
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現代の眺望と人類の課題103

2009-01-25 09:27:22 | 歴史
●ブッシュ子を取り巻いたユダヤ人ネオコン・グループ

 ブッシュ子政権におけるネオコンの頭目は、副大統領のチェイニーであり、彼に次ぐのが、国防長官ドナルド・ラムズフェルドだった。ブッシュ大統領やチェイニー、ラムズフェルドをイラクへの先制攻撃の戦略に導いたのは、ユダヤ人のネオコン・グループである。
 この辺は、広瀬隆著「アメリカの保守本流」(集英社新書)に詳しい。ユダヤ人のネオコン・グループとは、国防副長官ポール・ウォルフォウイッツ、副大統領首席補佐官ルイス・リビー、国防政策会議議長リチャード・パール、国防次官ダグラス・ファイス、ホワイトハウス報道官アリ・フライシャー、大統領のスピーチライターであるデヴィッド・フラムである。これに保守派の論客ウィリアム・クリストルを加えて、広瀬は「ネオコン7人組」と呼んでいる。彼らは、全員がユダヤ系移民の子孫である。
 「ネオコン7人組」の中心的な存在は、ウィリアム・クリストルである。そして、その父親であるアーヴィン・クリストルは、ネオコンの創始者ともいわれる。アーヴィンは、1930年代に反スターリン主義の左翼として活動したトロツキスト、「ニューヨーク知識人」の一人。トロツキズムから反共産主義に転じ、ユダヤ人シオニストとして活動した。1943年(昭和18年)に「アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)」を創設し、言論活動を行い、若手を育成した。AEIのメンバーには、チェイニーやパールがいる。アーヴィン・クリストルは、CFRの会員でもある。

 クリストルらのユダヤ人トロツキストに強い影響を与えたのが、ハンナ・アーレントである。アーレントはユダヤ人であり、ナチスの迫害を逃れて1941年(昭和16年)、アメリカに亡命した。名著「全体主義の起源」「革命について」等で、アメリカの独立革命は成功、フランス革命・ロシア革命は失敗とし、リベラル・デモクラシーを賞賛して、全体主義との戦いを唱導した。アーレントの共産主義とナチズムへの批判は、ユダヤ人トロツキストにマルクス主義からの脱却を促した。アーヴィン・クリストルは、反共からさらに戦闘的なシオニズムに転じたわけである。
 アーヴィンの息子ウィリアム・クリストルは、1997年(平成9年)にシンクタンク「アメリカ新世紀プロジェクト(PNAC)」を設立し、会長となった。PNACの設立趣意書には、後のブッシュ政権の中枢の名前が並んでいた。チェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォウイッツらである。
 クリストル父子らのユダヤ人ネオコン・グループは、アメリカの支配集団の主流であるWASPではない。ユダヤ系アメリカ人は、徐々にWASPの支配層に入り込み、アメリカの政治を大きく左右するほどの影響力を持つに至った。レーガン政権、ブッシュ父政権、クリントン政権を通じて、シオニストのユダヤ系アメリカ人とアメリカの伝統的な支配集団であるWASPとが接近・連携していったと考えられる。
 ちなみに、ユダヤ人の人口は現在全世界で1300~1400万人いるとされる。そのうち、531万人がイスラエルに、528万人がアメリカに住む。アメリカはイスラエルに匹敵するユダヤ人居住地である。ユダヤ人は全米の人口の約5.5%にすぎないが、金融・報道・法曹・科学・教育・芸術等で優秀な能力を発揮している。アメリカのユダヤ人の6~7割はニューヨークに住む。ニューヨークの人口の3~4割はユダヤ人といわれ、「ジューヨーク」というあだ名があるほどである。

●戦闘的シオニストとしてのネオコン

 ウィリアム・クリストルは1995年創刊の雑誌「ウィークリー・スタンダード」の編集長も務めた。クリストルを中心としたユダヤ人ネオコン・グループはこの雑誌を発信源としていた。彼らはサダム・フセインを悪の権化とし、アメリカはイラクを攻撃して、米軍がイラクを統治し、中東諸国をすべて民主化しなければならないと主張した。ブッシュ大統領は、就任後の一般教書演説でイラン、イラク、北朝鮮を「悪の枢軸」と発言して世界を驚かせたが、その原稿を書いたのは彼らの一人で、スピーチライターのフラムだった。
 クリストルとともに共同設立者としてPNACを設立したのが、ロバート・ケイガンである。ケイガンはCFRの会員である。ケイガンは、レーガン政権の国務長官ジョージ・シュルツのスピーチライターとして、レーガン外交に関与した。クリントン政権に替わると、アメリカは国連を無視して先制攻撃によってサダム・フセインを排除すべし、と主張し、戦闘的なシオニストぶりを露にした。こうしたケイガンの主張を継承する立場にあるのが、ブッシュ政権のネオコン・グループなのである。

 クリストル、ケイガンらユダヤ系アメリカ人ネオコン・グループは、イスラエルの極右政党リクードの党首アリエル・シャロンの政策を支持し、シャロンと密接な関係を持っていた。シャロンは戦闘的なシオニストであり、パレスチナ難民の殺戮を容認し、「ベイルートの虐殺者」と呼ばれる人物である。シャロンは、2001年(平成13年)にイスラエルの首相となった。ここにアメリカ・ブッシュ政権のネオコン・シオニストとイスラエルの強硬派政府との連携が出来上がった。
 ブッシュ政権のユダヤ人ネオコン・グループは、アメリカの外交政策をシャロン政権を援護するよう働きかけ、超大国アメリカの軍事力で、イスラエルの安全保障を強化しようとした。アメリカを親イスラエル、シオニストの国家に変貌させようと図ったのである。

 次回に続く。

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現代の眺望と人類の課題102

2009-01-23 10:11:19 | 歴史
●ネオ・コンサーバティズムの潮流

 ブッシュ政権において、CFR、SB、石油業界・軍需業界の人材以上に顕著なのは、ネオコンと呼ばれる親イスラエルの軍事強硬論者が、首脳陣の多く占めたことである。
 冷戦の終結後、アメリカは世界で唯一の超大国となった。このとき、アメリカの世界的な覇権を確立するために、その圧倒的な軍事力を積極的に使用すべきだという戦略理論が登場した。それが、ネオコンである。
 ネオコンは、ネオ・コンサーバティズム(新保守主義)の略称である。保守主義を意味するコンサーバティズムの頭に「新しい」を意味する「ネオ」をつける。伝統的な保守と区別するために、ネオをつけている。
 アメリカでは、「保守」と対比されるのは「リベラル」である。リベラルとは、リベラリズム、自由主義の略である。自由主義とは、国家権力の介入を排し、個人の自由と権利を守り、拡大していこうという態度のことである。自由主義は、近代イギリスで発達した思潮である。これは言葉の本来の意味での自由主義であり、国権の抑制と自由競争に特徴がある。これを古典的自由主義と私は呼ぶ。
 それに対し、今日の「リベラル」は、19世紀半ばのイギリスに現れた「進歩」に元があり、それまでの自由主義を修正したものである。社会改良と弱者救済に特徴があり、修正的自由主義と私は呼ぶ。
 前者の古典的自由主義は、英米では、保守主義の態度でもある。なぜなら、これらの国々では、国権の抑制と自由競争が歴史的に制度化され、伝統となっているからである。自助努力と自己責任の原則を強調し、機会均等を達成した上で、効率的な市場経済を担保しようとするのが、この古典的自由主義である。その伝統を保守することが、保守の基本態度となっている。
 古典的自由主義に比し、修正的自由主義は、社会的弱者に対し同情的であろうとし、弱者救済を目的として自由競争を制限する。名前は同じリベラリズムだが、国権抑制・自由競争型と社会改良・弱者救済型で、政策に大きな違いがある。
 大雑把に言って、アメリカでは、共和党は「保守」、民主党は「リベラル」となるだろう。もともと古典的自由主義が「リベラリズム」だったのだが、修正派に「リベラル」の看板をとられてしまったのである。英米の「リベラル」は個人主義的で、左傾化すると社会民主主義と結びつく。状況によっては、共産主義にさえ同調する。
 「リベラル」に看板を取られた古典的自由主義者の中には、「リバータリアニズム」と自称する人もある。「徹底的自由主義」とでも訳せるだろう。英米では、これが伝統的な「保守」である。いわゆる「ネオコン」と呼ばれる新保守主義者は、この新種である。
 
●ネオコンがブッシュ政権に参入

 ネオコンの源流は、1930年代に反スターリン主義の左翼として活動したトロツキストである。彼らは「ニューヨーク知識人」と呼ばれるユダヤ人の集団だった。そのうちの一部が、第二次世界大戦後、民主党に入党し、最左派グループとなった。彼らは、レーガン大統領がソ連に対抗して軍拡を進め、共産主義を力で克服しようとしたことに共感し、共和党に移った。反スターリン主義が反共産主義へと徹底されたわけである。彼らは、もともと共和党を支持していた伝統的な保守とは違うので、ネオコンという。
 アメリカの伝統的な保守は、自分の郷土を中心にものを考え、アメリカ一国で自立することを志向する。外交においては、現実主義的な手法を重視し、国益のためには独裁国家とも同盟を結ぶ。これに対し、ネオコンは、自由とデモクラシーを人類普遍の価値であるとし、その啓蒙と拡大に努める。西洋近代的な価値観を、西洋文明以外の文明に、力で押し付けるところに、闘争性がある。その点では、戦闘的な自由民主主義と言えるが、そこにユダヤ=キリスト教の世界観が結びつき、イスラエルを擁護するところに、顕著な特徴がある。
 ブッシュ政権以前からネオコンは活動しており、強硬な反共派の文筆家ノーマン・ポドレッツ、デタント外交に反対したヘンリー・ジャクソン上院議員、レーガン政権の国連大使ジーン・カークパトリックらが挙げられる。

 ソ連崩壊後の1990年代には、ネオコンは、アメリカの脅威の源は、共産主義からアラブ諸国とイスラム過激派に移ったと認識した。ネオコンとシオニズムは、思想的には別のものであるが、ネオコンにはユダヤ人が多く、そのことが彼らの主張を親イスラエル的・シオニスト的なものとした。中東においてイスラエルを支持し、アラブ諸国を軍事力で押さえ込み、石油・資源を掌中にし、自由とデモクラシーを移植する。こうした戦略は、アメリカの国益を追求するとともに、イスラエルの国益を擁護するものともなった。
 ネオコンは、ブッシュ子政権において、政権の中枢に多く参入した。9・11のいわゆる同時多発テロ事件がなければ、ネオコンの理論は、主流に躍り出ることはなかったかもしれない。9・11は、アメリカ国民に、テロの恐怖を引き起こし、報復への怒りを沸き立たせた。そして、ネオコンの理論を、アメリカが取るべき方針だと国民に思わせた。
 9・11については、アメリカの所有者集団・経営者集団の中で、政府の関与を追及している者は、未だいないようである。これに比し、イラク戦争については、ブッシュ子政権以前にアメリカ外交に関わってきた政治家・学者から反対意見が多く出た。なかでも冷戦終結後のアメリカ外交の基本方針を作ったとも言えるブレジンスキーは、政権のネオコン・グループを批判し、論戦を繰り広げた。もう一人、アメリカ外交に最も強い影響を与えてきたヘンリー・キッシンジャーも、中東への冒険的な進攻に反対した。ブッシュ父の国務長官だったジェームズ・ベイカー、その後任だったローレンス・イーグルバーガー、同じく大統領補佐官だったブレント・スコウクロフトらも、国際的な支持のないイラク攻撃に反対した。こうした反対があるにもかかわらず、ブッシュ子政権はイラク進攻を強行し、また戦争を継続した。そこに、ネオコン・グループの強引な姿勢が現れている。

 次回に続く。
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現代の眺望と人類の課題101

2009-01-22 11:55:37 | 歴史
●ユノカル社とハリバートン社を結ぶチェイニー元副大統領

 アフガン侵攻の2年後、アメリカは、イラクに侵攻した。実は、アフガン侵攻同様、イラク侵攻にも事前に計画があった。1998年(平成10年)、ネオコンのシンクタンクのひとつである「アメリカ新世紀プロジェクト」(PNAC、ピーナック)は、イラクがアメリカとイスラエルへの石油供給を脅かしているとして、イラクとの戦争を主張した。PNACには、ブッシュ政権の首脳陣となるチェイニー、ラムズフェルド、ウォルフォウイッツ、リビーらが参加していた。
 ブッシュ大統領は、9・11の前に、イラクの石油目当てに、サダム・フセインを追放するための戦争を計画していた。イラクは、石油埋蔵量で世界第2位である。アメリカの計画を知ったフセインは、攻撃をされないように、国連安全保障理事会常任理事国のフランス・ロシア・中国にイラクの石油を売っていた。安保理がイラク攻撃を決議しないように図ったのである。しかし、アメリカは、単独でイラク戦争を開始した。フセインはアルカイダを支援しており、大量破壊兵器を渡すおそれがある。テロリストが核兵器を持てば、国家が相手と違って抑止力が働かず、防ぎようがない。だから、脅威が感じられる時点で先制攻撃をしなければならないーーこういう理屈で、先制攻撃が正当化された。アメリカは、イラク戦争に戦勝後、フランス・ロシア・中国の石油に関する権利をなくし、イラクの石油利権を独占した。
 ユノカル社が深い関係のある会社に、石油関連サービス会社のハリバートン社がある。ユノカル社は、当時ハリバートン社を含むセントガス社の救済を行なっていた。ハリバートン社は、イラク戦争で軍需関連の仕事を多く受注し、多大な利益を上げるようになった。かつて同社のCEO(最高経営責任者)をしていたのが、チェイニー副大統領である。チェイニーがハリバートン社に仕事をもたらし、チェイニーも利益を得ただろうことは、想像にかたくない。

●カーライル社・ブッシュ家・ビンラディン家の深い関係

 次にブッシュ政権と軍需企業との関係について述べる。ブッシュ子は大学を卒業すると、父の石油会社に勤務し、下院議員選挙に出馬したが落選した。その後、1994年(平成6年)、テキサス州知事に当選するまでの間、ブッシュ子はケータエアという会社の役員を務めた。同社はカーライル社の子会社の一つである。カーライル社は現在、世界三大の投資会社の一つとなり、またアメリカ最大の軍需関連企業である。ブッシュ子は、カーライル社の資金的な支援を受けて、テキサス州知事に当選し、また合衆国大統領にもなった。
 カーライル社との関わりは、ブッシュ父に始まる。ブッシュ父は大統領時代、側近のジェームズ・ベイカー国務長官とともに、多くの公共事業をカーライル社に発注し、同社を巨大企業に育て上げた。大統領退任後もブッシュ父は同社の顧問をしており、ベイカーもまた顧問である。同社の会長フランク・カールッチは、CIAの出身で、レーガン政権で国防長官を務めた後、カーライル・グループの会長となった。ブッシュ子政権の国防長官ラムズフェルドとは大学が同窓であり、軍事シンクタンクのランド・コーポレイションを一緒に動かしていた。
 もう一つ注目すべき事実は、オサマ・ビンラディンがアメリカ政府によって9・11の首謀者とされているが、その兄セーラムなどビンラディン一族は、カーライル・グループに莫大な投資をしてきたことである。しかも、ブッシュ父は、カーライル・グループを通じ、サウジアラビアにおけるビンラディン一族の事業に関与している。つまり、アメリカ政府が戦争による需要を生み出すと、カーライル投資グループが儲け、ビンラディン一族も利益を得るという仕組みになっているのである。
 9・11をきっかけとしてアメリカがアフガン=イラク戦争を起こし、その戦争がブッシュ父子とその取り巻きがかかわる会社に膨大な利益をもたらしている。この事実は、9・11への政府の関与には、戦争による特需の創出という目的があると見るに十分である。そして、ブッシュ子政権は、軍需産業の側にすれば、まさに自分たちが政府を利用して、利益を上げることの出来る政権だったのである。

 次回に続く。
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現代の眺望と人類の課題100

2009-01-20 09:32:28 | 歴史
 この連載は100回目となった。当初、50回程度と思って始めたが、書き出すと段々膨らんできた。おそらくあと30回くらいにはなると思う。

●石油企業・軍需企業等の関係者が政権に集合

 9・11に関し、政府が関与した場合に考えられる目的のうちに、私は先の拙稿において、石油・天然ガスの確保、戦争による特需の創出等を挙げている。実は、ブッシュ子政権は、石油企業・軍需企業の関係者が多く政権に集合し、自らの利益のために、政府を利用していた。
 父子とも大統領となったブッシュ家は、テキサスの石油業界をバックに持っている。ブッシュ子政権の中枢は、石油メジャーと関係の深い人物が集まった。石油メジャーや電力会社等のエネルギー産業、また軍需関連産業や巨大国際金融資本などの共通利益のために、アメリカの政府は、戦略的に動いていたと想像される。背後にいる最も大きな存在は、ロックフェラー家である。スタンダードオイル社を中心に、ロックフェラー家は、アメリカの石油業界を支配しており、ブッシュ父子は、ロックフェラー家の資金と人脈を受けて、政権に就いている。

 アメリカの石油メジャーにとって、産油国の政体は、専制体制であれ、民主体制であれ、本質的には、どちらでも構わない。親米であればよい。世界最大の産油国サウジアラビアは、王家や首長による専制体制が敷かれているが、アメリカは一切問題にしていない。サウジは、中東随一の親米国だからである。アメリカにとって、そういう国は、それでよい。自由やデモクラシーや基本的人権など、広める必要はない。大義名分より、石油である。問題は、反米的な国家をどうするかなのである。アメリカの言うことを聞かない国々に、親米的な政権を実現し、石油・天然ガスの利権を得ること。その利権を安定的なものにすること。これが、ロックフェラー家を筆頭とするアメリカの石油メジャーの願望だろう。

 なぜブッシュ大統領は、9・11後、すぐさまアフガニスタンに侵攻することを宣言したのか。オサマ・ビンラディンがいるから。タリバンが活動しているから。それは確かに理由であるが、もっと重要なことは、資源である。アフガニスタンの北、ロシアのカスピ海沿岸地域には、広大な油田がある。この地域の油田には、中東にまさるほどの石油が埋蔵されている。
 ロシア、中国などもカスピ海地域の油田を虎視眈々と狙っている。中東とともに、この地域を支配する者が、事実上、世界のエネルギー市場を支配する。ひいては世界の覇権を手にすることになる。
 アメリカが、カスピ海地域のエネルギー資源の利権を獲得するためには、石油の搬出パイプラインをロシアや中国の側に伸ばさずに、アフガニスタンとパキスタンを経由して南下させる必要がある。ブッシュ政権は、それを実現することを一つの使命としていたのだろう。

 ブッシュ子政権で軍需産業の側の筆頭は、ラムズフェルド国防長官である。ラムズフェルドは、フォード政権の国防長官を務めた後、軍事投資会社カーライル・グループ会長のフランク・カールッチとともに、軍事シンクタンクのランド・コーポレイションを動かし、理事長として国家ミサイル防衛(NMD)プロジェクトを推進していた。ここにはノースロップ・グラマン社やロッキード・マーティン社等の巨大軍需企業が連なっている。こうしたラムズフェルドがブッシュ子政権で再び国防長官になったのである。アメリカの軍産複合体が宇宙時代に対応したアメリカの軍事革命を推進するには、うってつけの人材だった。
 そのラムズフェルドの上役が副大統領のチェイニーだった。チェイニーはブッシュ父政権の国防長官として、湾岸戦争を主導した。当然、軍需産業と太いパイプを持っている。チェイニー=ラムズフェルドのラインは、軍需産業にとっては最強の布陣だったことだろう。

●アフガン侵攻でユノカル社のパイプラインを建設

 1990年代、この地域にパイプラインを建設する計画を立てたのが、石油会社ユノカルだった。計画は、アフガニスタンを通ってパキスタンに続く全長2400キロのパイプラインを建設するという壮大なものだった。ユノカル社の顧問には、ヘンリー・キッシンジャーがいた。先に書いたようにキッシンジャーは、RIIA、CFR、ビルダーバーグ・クラブ、TCという国際機関を結ぶ象徴的な人物であり、キッシンジャー・アソシエイツ社は、アメリカの多国籍企業の国際的な権益増進に寄与すべく、各社と顧問契約を結び、企業活動をしている。
 さてユノカル社の石油利権は、アフガニスタンの政権を取ったタリバンの方針と衝突した。タリバンは、アフガニスタンに侵攻したソ連に対抗するために育てた組織だが、反米的な姿勢に変わっていた。1998年(平成10年)2月、ユニカル社の代表は、米下院国際委員会で、パイプラインの建設計画を延期すると発表した。そして、「アフガニスタンの内紛をアメリカの影響力で集結させてほしい」と要望した。
 翌99年から2001年(11~13年)にかけて、アメリカはアフガニスタンに多額の援助をした。親米政権を確立し、パイプラインの建設を実現するためだ。しかし、埒が明かなかった。そこで報じられたのが、2001年(13年)10月までにアメリカがアフガニスタンに侵攻するという計画である。だがアメリカ国民の多くは、戦争を望んでいなかった。9月10日、アフガニスタン侵攻計画は、ブッシュ大統領の承認待ちという状態になっていた。
 いわゆる同時多発テロ事件は、その翌日の9月11日に起こった。事件後、ブッシュ大統領は、ただちにテロリズムとの戦争を宣言し、10月7日に、アフガニスタンへの爆撃を決行した。アメリカは、瞬く間にアフガニスタンを占領した。反米的なタリバンを追い払い、親米的なハミド・カルザイを大統領の座につけた。これによって、障害が取り除かれ、ユノカル社によるパイプライン建設は再開された。そのユノカル社の顧問を以前にしていたのが、カルザイ大統領だった。すなわちアメリカは、ユノカル社の利権にまみれた傀儡政権を、アフガニスタンに樹立したのである。そして、9・11の後に急遽アフガン侵攻が計画されたのではなく、アフガン侵攻が計画されているところに、9・11が起こったのである。9・11は、アフガン侵攻を正当化するには、絶好の出来事だったのである。

 次回に続く。
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現代の眺望と人類の課題99

2009-01-19 12:17:45 | 歴史
●ブッシュ子政権はCFRに加えてSBの人脈が目立つ

 クリントンの次の大統領の座を争う2000年(平成12年)の大統領選挙は激戦だった。共和党のジョージ・W・ブッシュと民主党のアル・ゴアは、ともにCFRの会員だった。この選挙は、最後まで票の集計に疑惑の残るまま、ブッシュ子が僅差で勝利した。
 2001年(13年)1月20日に職務に就いたブッシュ子の政権も、CFRの会員を主要閣僚に配した。副大統領のディック・チェイニー、国務長官のコリン・パウエル、後任のコンドリーザ・ライス、国防長官のドナルド・ラムズフェルド、後任のロバート・ゲイツ、国務副長官のジョン・ネグロポンテ、国防副長官のポール・ウォルフォウイッツ、チェイニーの首席補佐官ルイス・“スクーター”・リビー、国防政策諮問委員会委員長のリチャード・パール、米通商代表部代表で後に国務副長官のロバート・ゼーリックらが、CFRの会員だった。またCIA長官は、ジョージ・テネット、ジョン・マクラフリン、ポーター・ゴス、マイケル・ヘイデンと次々に替わったが、全員CFRの会員である。
 彼らのうち、チェイニーは、ブッシュ父政権で国防長官、パウエルは同じく統合参謀本部議長だった。他にも多くのスタッフをブッシュ子は、父の政権から引き継いでいる。
 ちなみにCFRは、2000年末の時点で理事長がレスリー・ゲルブ。会長がピーター・ピーターソン。副会長がモーリス・グリーンバーグ(AIG会長)。理事には、カーラ・ヒルズ、ロバート・ゼーリック、ジョージ・ソロス、ロバート・ルービンらが名を連ねていた。史上最強の投機家ソロスが理事に入っていることは注目に値しよう。

 ブッシュ子大統領は、2004年(平成16年)、再選に成功した。2度目の大統領選挙の相手は、民主党のジョン・ケリーだった。ケリーもまたCFRの会員だった。そのうえ、ブッシュ子と同じくイェール大学の出身で、スカル・アンド・ボーンズの会員だった。ボーンズメン同士の大統領選により、SBの存在が注目を集めた。たとえば、アメリカ三大放送網の一つCBSが、2002年(平成14年)、次のように報道した。
 「スカル・アンド・ボーンズは、20世紀最大の権力者を含む秘密結社である」「これほどの社会的・政治的ネットワークは存在しない」「ブッシュ大統領は、5人のボーンズメンを政権に誘い、参加させた。つい最近、彼は1953年加入のボーンズマン、ウィリアム・ドナルドソンを米国証券取引委員会の委員長に指名した。大統領と同様、彼はスカル・アンド・ボーンズの『沈黙の誓い』を守りつづけている」と。
 ブッシュ政権におけるボーンズメンにおいて、大物はドナルド・ラムズフェルドとブレント・スコウクロフトである。ラムズフェルドは、タミフルで知られる製薬会社の経営者だが、軍産複合体と深い関係を持った政治家である。スコウクロフトは、ブッシュ父政権で国家安全保障担当大統領補佐官として外交を取り仕切り、ブッシュ子政権でも大統領対外情報諮問委員会(PFIAB)座長を務めた。ネグロポンテ、リビーもイェール大学の同窓である。
 このように、ブッシュ政権はCFRの会員が要職を占め、またスカル・アンド・ボーンズの人脈が特徴となっている。さらに最も大きな特徴は、ネオコン、すなわちネオ・コンサーバティスト、新保守主義者が政権中枢を占めたことである。この点については、後に述べることにし、ブッシュ子政権における最大の出来事、9・11について、次に書くことにする。

●9・11にアメリカ政府が関与

 9・11とは、2001年(平成13年)9月11日に怒ったアメリカ同時多発テロ事件である。この事件をきっかけにアメリカは翌10月7日、アフガニスタンに侵攻し、さらに03年(15年)3月19日、イラク戦争を開始した。9・11及びアフガン=イラク戦争こそ、現在の世界の状況を生み出した一連の出来事である。それらは、すべてブッシュ子政権で起こった。
 拙稿「9・11~欺かれた世界、日本の活路」に書いたように、私は同時多発テロ事件にアメリカ政府が何らかの形で関与していると確信している。関与とは、テロリストの計画を利用して加担したか、米政府とテロ・グループとの共犯か、米政府による自作自演か、何らかの形で意図的に関わったことを意味する。利用加担か政府共犯か、自作自演かについては、まだ決定的なことは言えない。アメリカ政府が徹底した調査を拒み、事件の証拠を公開していないからである。
私は先の拙稿に、9・11に関するアメリカ政府の公式発表について、多くの疑問と疑惑のあることを書いた。そして、アメリカ政府中枢の事件への関与を示すと私が考える事実を提示した。すなわち、

(1)政府は調査委員会の調査を妨害した
(2)アメリカ政府中枢は事件を前もって知っていた
(3)チェイニーはペンタゴンを攻撃させ、ペンシルバニアでは撃墜を命じた
(4)「21世紀の真珠湾」が待望されていた
(5)FBIは捜査官の捜査を妨害した
(6)CIAとISIそしてオサマとの間に濃厚な関係がある

等の事実である。
 また、私は、アメリカ政府が事件に関与したとすれば、そこには目的があるとして、考えられる目的を6つ挙げている。すなわち、

(1)石油・天然ガスの確保
(2)アメリカ=イスラエル連合の安全保障を強化
(3)戦争による特需の創出
(4)ドル基軸通貨体制の維持
(5)麻薬利権の取り戻し
(6)宇宙空間の軍事化による地球支配

 以上である。
 詳しくは、拙稿「9・11~欺かれた世界、日本の活路」をサイトに掲載しているので、そちらをご参照願いたい。
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion12g.htm

 次回に続く。
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