ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

キリスト教81~宗教改革の先駆者は弾圧された

2018-07-30 08:54:31 | 心と宗教
●宗教改革の先駆者は弾圧された

 イタリア・ルネサンスは、文化の再生・復興の動きだったが、その時代は、人間再発見の光の下で、人間の心の闇の部分が広がる時代でもあった。
 枢機卿ロドリーゴ・ボルジアは貴族の出で、愛人に産ませた子供が数人いた。教皇選挙で他の枢機卿を買収して、教皇アレクサンデル6世となった。アレクサンデル6世には、チェザーレ・ボルジアという息子がいた。政治思想家マキャベリは、『君主論』で、国家の君主は、平和を招来し維持するため、狐の策略と獅子の勇気を以て権力を行使すべきである、と説いたが、マキャベリが理想の君主のモデルとしたのが、チェザーレ・ボルジアである。教皇とチェザーレは、ともに権謀術数を駆使して、権力の増大と教皇領の拡大を図った。そのため、二人によって殺害された者は数知れないと見られる。二人の野望は、父の死と息子の病によって潰えたが、権力の増大と教皇領の拡大は、後の教皇たちに引き継がれた。教皇レオ10世は、大銀行家メディチ家の出だった。イタリア・ルネサンスが最盛期に達していた時、カトリック教会は、腐敗・堕落の極に達していた。
 カトリック教会は、既に14世紀に入ったころには、教皇を始め枢機卿、司教等の高位聖職者が富と権力に浸りきっていた。司教の叙任は大土地所有者の利益のままに行われた。修道院長は修道士による修道士の選挙ではなく、教皇が収益所得制度によって修道会員以外の者を任命した。それによって、修道院の財産と司教の財産が兼併された。高位聖職者は、売官を行った。大金を出す者を重要な僧職に任命するのである。金融業と結託して蓄財をしてもいた。
 14世紀後半から、こうした状態に憤慨して改革を進めようとした者が現れた。14世紀後半のイギリスのジョン・ウィクリフと、15世紀前半のボヘミアのヤン・フスである。彼らは、ルターやカルヴァンによる宗教改革の先駆者だった。
 ウィクリフは、オックスフォード大学で教鞭をとっていた。聖書こそが神の律法であり、信仰の基礎であるとした。聖書は各人が自由に読むべきものとし、ラテン語訳聖書を英訳した。聖書への自国語の翻訳は、13世紀初めに異端とされたワルドー派の前例がある。ウィクリフの活動は、ペスト流行の真っ最中だった。この疫病に対し、キリスト教は無力だった。ウィクリフは、堕落した教会の権威は無効であるとし、ローマ教会への貢納を禁止し、教会の財産を没収せよと主張した。ウィクリフの死後、彼の追従者は血なまぐさい迫害を受けた。ウィクリフは死後に異端者宣言がされ、墓をあばかれ、遺骨が焼き捨てられた。これは、シナの話ではない。イギリスの話である。
 15世紀前半、フスはウィクリフの思想をボヘミアで実行しようとした。フスはプラハ大学学長だった。同校はオックスフォード大学とつながりがあり、ウィクリフの思想がボヘミアに伝わった。フスは、ボヘミア王の支持のもとで反教権的な主張をした。聖書だけを信仰の根拠とし、教会の頭はキリストであって教皇ではないと訴えた。カトリック教会はフスを破門した。コンスタンツ公会議で、フスは有罪とされ、1415年に火刑に処された。だが、フスの思想は絶えることなく、チェコ兄弟団が結成されて修道院と異なる新しい生活形態が始まり、各地に広まった。
 フスを有罪としたコンスタンツ公会議は、皇帝ジギスムントが招集したものであり、この会議で教会分裂が解消された。それとともに教会の抜本的な改革の実施が宣言されたが、会議後、何ら改革は進まず、約100年が経過した。16世紀初頭、メディチ家出身の教皇レオ10世は、サン・ピエトロ大聖堂を建築するための資金集めを始めた。国王が徴税権を握っている地域には、なかなか食い込めない。そこで、神聖ローマ帝国に目を付けた。皇帝は権力基盤が弱く、帝国内が分裂し、教会が入り込みやすかったからである。教皇は、同帝国で資金を集めることとして、贖宥状(しょくゆうじょう)、いわゆる免罪符を売って集金した。贖宥状と引き換えにお金を寄付すると、魂が救われると説いたのである。これに対し、激しく抗議したのが、マルティン・ルターである。

 次回に続く。
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パチンコの景品の現金化を禁止せよ

2018-07-29 08:49:22 | 時事
 7月20日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案が成立しました。同法は、カジノを刑法の賭博罪の適用対象から除外して解禁するものです。カジノの営業規制などを定義し、当面3カ所を上限に設置し、最初の認定から7年後に箇所数の見直しを可能とすることを定めました。また、ギャンブル依存症対策として、日本人についてはカジノ入場回数を週3回、月10回までに制限し、マイナンバーカードでの本人確認を義務付け、入場料6千円を徴収するとしています。
 これまで日本にカジノはありませんでした。しかし、神戸大学名誉教授・西澤信善氏によると、日本には約320万人のギャンブル依存症患者がおり、その人口に対する割合は、アヘン戦争当時のシナのアヘン患者より多いとのことです。
 この依存症患者の約70%は、パチンコ、パチスロの中毒者です。IRの設置には、設置場所、入場者の利用回数など、一定の規制がかけられましたが、パチンコは、ほぼ放置状態です。平成30年4月末でパチンコ店数は9531店、全国の駅前にあります。そして、「いつでも(朝から深夜まで)」「誰でも(身分確認ゼロ)」「どこでも(駅前や幹線道路にあちこち)」ギャンブルが行われています。依存症患者とその家族が破滅する悲劇が跡を絶たないのは、こうした状態を放置しているからです。
 世界のカジノ業界の規模は18兆円程度であるのに対し、日本のパチンコ業界の規模は19兆円強で、20兆円産業といわれます。カジノを合法化ないし認可している国は世界132か国ですが、日本のパチンコ業界はわずか一国で、それらの国々のカジノ業界の規模を上回っています。人口では、前者の合計が約50億人と推計され、日本はその約40分の1です。いかにパチンコ業界が日本社会をむしばんでいるかが分かります。
 わが国は競輪・競馬・競艇など他のギャンブルは公営として管理しているのに、パチンコは民営です。公営ギャンブルは自治体の税金収入になりますが、パチンコは脱税の温床となっています。さらに、パチンコ業界の利益の相当部分が、北朝鮮に持ち出され、現体制の維持に使われている模様です。
 菅義偉官房長官は、7月23日フジテレビの番組プライムニュースに出演し、「今まで日本はギャンブル依存症対策を全くしてなかった。今回を機に作らせて頂いた。競馬・競輪、同居する家族が反対すればネットで買えなくなる。そういう対応策とか、パチンコは23兆円ですよ?ギャンブル性を無い様な形にする」と語りました。
 ギャンブル性を無くすには、景品の現金化を禁止することです。パチンコの景品の換金を禁止しましょう。
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キリスト教80~地理上の発見と新大陸・アジアへの宣教

2018-07-27 12:27:19 | 心と宗教
●地理上の発見と新大陸・アジアへの宣教

 イタリア・ルネサンスが最盛期を迎え、北方へと拡大していた15世紀末から、ヨーロッパは、地理上の発見によって、「大航海時代」に入った。16世紀初めの宗教改革の時代に、ヨーロッパの勢力圏は早くもアジアにまで広がった。西欧人は、地表の7割を占める海洋に航路を拓き、七つの海を結びつける広大なネットワークを作り上げた。ヨーロッパ文明における地理的発見は、人類史の大変動をもたらした。その影響は、イスラーム文明の躍進やモンゴル帝国の拡大より、はるかに大きなものとなった。そして、異端尋問や魔女狩りを行う西方キリスト教は、非ヨーロッパ文明に対して、侵攻的な宣教を行っていった。
 イベリア半島は、8世紀からイスラーム文明の支配下にあったが、レコンキスタと呼ばれる国土回復運動を行ない、13世紀半ばにはグラナダを除く半島のほとんどを取り戻した。すると、イベリア半島のキリスト教徒は、当時貴重品だった胡椒・香辛料を直接入手するため、探検航海を試みた。
 ポルトガルの航海王子エンリケは、アフリカ探検や西回り航路の開拓を進めた。1488年には、バルトロメウ=ディアスがアフリカ南端の喜望峰に到達し、98年には、ヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰を回って、インドに到達し、香辛料を持ち帰った。これによりポルトガルはインド洋に進出し、東南アジアを中心とする海洋アジアから直接、胡椒・香辛料等を輸入できるようになった。
 ポルトガルは、1511年にはマラッカを領有した。さらにモルッカ諸島に到達して、香辛料交易の一角を占めた。1543年には、ポルトガル人がわが国の種子島に漂着し、鉄砲を伝えた。さらに平戸を拠点として対日交易を行ない、宣教師たちがキリスト教の布教を展開した。
 1479年、カスティリア国とアラゴン国の王家の結婚により、スペイン王国が誕生した。スペインは、1492年にグラナダを陥落し、レコンキスタを完了した。この年、イザベラ女王の命を受けたコロンブスは、西回りでインドを目指した。コロンブスが到着したのは、カリブ海のサン・サルバドル諸島だった。やがてそこに広がるのは未知の大陸だとわかり、アメリカと名付けられた。 スペイン王室の派遣したマゼランは、1519年に、フィリピンに到達した。彼の船隊は、1522年にスペインに帰還した。こうした探検航海の成功は、スペインに栄光をもたらした。スペインは、アメリカ大陸からさらに西へと広大な太平洋を横断して、探検航海を続けた。
 ポルトガルもスペインに負けじと、1500年にカブラルがブラジルを発見し、植民を進めた。両国は、地理的拡大を続けた。環大西洋圏においては、1494年にローマ教皇アレクサンドル6世が定めたトルデシリャス条約で、両国の勢力が東西に分けられていた。1529年には、サラゴサ条約によって、モルッカ諸島の東方を境に、東がスペイン、西がポルトガルの領土とされた。この2つの条約によって、ポルトガルとスペインは、理念的に世界を二分割した形となった。  
 新大陸の開拓は、ヨーロッパに途方もない僥倖をもたらした。ラテン・アメリカでの銀鉱山の発見である。1545年、現在のボリビアで、南米最大のポトシ銀山が発見された。スペイン人は、奴隷を使って銀を掘り出した。アメリカ大陸の鉱山で産出された大量の金銀は、その5分の1がスペイン国王のものになると定められていた。巨大な銀鉱脈はスペインに巨万の富をもたらした。スペイン王は、一時ヨーロッパで最も富裕な王となった。
 西欧では、銀の流入で貨幣が増量し、経済規模が急速に拡大した。インド、東南アジア等から多くの物産が輸入され、生活用品の変化が起こった。また、都市の成長と社会的分業化が同時に進行した。これは西欧における社会的近代化と経済的近代化の進展となった。
ヨーロッパから北米、南米、アフリカ、アジアへの進出は、資本主義による世界経済構造が形成される地理的条件を作り出した。同時にそれは、中核部としての西欧が、周辺部から富を収奪することによって、資本主義が大きく発達する経済的条件を生み出していった。
 かつてない経済的発展は、ヨーロッパ人をより一層、富の蓄積と増大へと駆り立てた。そのことは、キリスト教においては、清貧をよしとする価値観のさらなる後退をもたらした。
 スペイン支配のラテン・アメリカでは、エンコミエンダ制の下で、先住民が大農場や鉱山で酷使された。エンコミエンダ制は、インディオのキリスト教化と保護を条件に、国王が植民者に征服地の土地・住民の統治を委託する制度である。国内法では奴隷を否定していたスペインは、この制度を使ってインディオを実質的に奴隷化し、土地・資源・労働力を支配下に組み入れた。エンコミエンダ制の根底には、キリスト教徒以外は人間と見なさないという偏狭で傲慢な発想があった。有色人種への虐待・虐殺は、教皇の権威と聖書の文言によって正当化された。宣教師は、異文明への侵攻、異教徒の支配の先鋒となった。
 苛酷な労働と、外来の天然痘等の伝染病によって、先住民の人口は激減した。ヨーロッパ文明と出会う前、中米の人口は7千万人から9千万人あったと推定されているが、15世紀末にスペイン人が侵入してから、わずか1世紀の間に、350万人に激減したと見積もられる。インディオ人口が激減する中で、1720年にエンコミエンダ制が廃止されると、土地の所有権をもつ大地主が多くの債務を負わせたインディオを債務奴隷として支配するアシェンダ制に変わった。この一方、労働力不足を補うために、アフリカ大陸から黒人奴隷が輸入された。
 キリスト教徒は、非キリスト教徒の有色人種を奴隷にすることによって、富を搾取し続け、繁栄を謳歌した。キリスト教徒によってアフリカから拉致された黒人は、3千万人から6千万人に及び、その3分の2が航海途上で死亡して、大西洋に捨てられたといわれる。有色人種の犠牲者数は、20世紀の近代兵器による世界大戦の死亡者数をも上回っているのである。

 次回に続く。
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中国の尖閣奪取計画は2020~30年か

2018-07-26 08:46:42 | 国際関係
 私は、昨年(平成29年、2017年)11月25日のブログに、次のように書いた。
 「今年(註 平成29年、2017年)10月、米国で出版された『The Chinese Invasion Threat: Taiwan's Defense and American Strategy in Asia(中国侵略の脅威~台湾防衛とアメリカのアジア戦略)』が、習近平指導部が準備を進めている「計画」を暴露した。著者は、イアン・イーストン。米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」で、アジア・太平洋地域の戦略問題を専門とする研究員である。
http://project2049.net/who_we_are_easton.html
 中国人民解放軍の内部教材などを基に本書を著したイーストンは、「世界の火薬庫の中で最も戦争が起きる可能性が高いのが台湾だ」と強調する。「中国は2020年までに台湾侵攻の準備を終える」と指摘し、早ければ3年後に中台戦争が勃発する可能性があると示唆しているとのことである。
 これに符合することとして、10月24日に閉幕した中国共産党大会で、習近平主席は「3つの歴史的任務の達成」を宣言し、「現代化建設」「世界平和の維持と共同発展の促進」とともに「祖国統一の完成」すなわち台湾統一を歴史的任務の一つに掲げた。
 党大会終了後、北京市内で開かれた政府系シンクタンクが主催するシンポジウムで、軍所属の研究者が「中国近未来の6つの戦争」と題する発表をしたと伝えられる。その研究者は、習近平指導部が隠してきた、中国が主権を主張する領土を奪還するための2050年までの予定表を発表した。それによると、台湾統一の時期は2020~25年でイーストンの指摘と一致する。また、習近平は東シナ海や南シナ海、インド、ロシアとの国境周辺などにも版図を広げる心づもりであり、予定表では、尖閣諸島を奪取する時期は2040~45年とされているとのことである」と。
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cef85853d6b300209cf231335cd23f4b

 上記の拙稿で触れた米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」は、本年4月、中国の海洋進出に関する報告書を出した。
 その報告書で退役米軍将校で、かつて米太平洋艦隊の情報戦部門を統括していたジェームス・ファネルと東南アジア情勢に詳しい米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)のケリー・ガーシャネックは、中国は2020年~30年の間に短期戦争で尖閣諸島の奪取を行うと予想している。また同時に台湾侵攻を行う可能性もあると指摘している。
 本気で備えを急ごう。早期に憲法を改正し、安全保障体制を強化しなければいけない。

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http://www.epochtimes.jp/2018/04/32571.html
大紀元日本
中国、日本から尖閣奪取に「短期戦争」計画 2020年からの10年の間に=米シンクタンク
2018年04月17日 11時56分

 アジア安全保障などに関する研究を行う米シンクタンクが発表した新報告書によると、中国共産党政権が日本の尖閣諸島に軍事侵攻するのは、もはや「時間の問題」だという。報告書は中国軍や政府高官らの声明に基づいて、軍事侵攻が2020年から2030年の間に行われ、「懸念される10年」であると警告した。
 ワシントン拠点のシンクタンク「プロジェクト2049」研究所がこのたび発表した報告書『白い艦隊と小さな青い男たち(White Warships and Little Blue Men=軍艦でない海警船と、兵士ではない民兵となった漁船員)』は、中国公安の辺防海警部(海洋警備隊)と中国海軍の動きについて分析した。
 報告書の著者は、退役米軍将校で、かつて米太平洋艦隊の情報戦部門を統括していたジェームス・ファネル(James E.Fanell)氏と東南アジア情勢に詳しい米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)のケリー・ガーシャネック(Kerry K.Gershaneck)上級参与。
 両氏は、中国政府が2020年から2030年の間に尖閣を侵攻するとの証拠に、軍部や政府の高官による声明や、海軍の大規模編成を挙げた。「共産党政権取得100周年の2049年は一つの節目。2030年からは約20年の時間がある。20年間も経てば、国際社会からの非難が弱まるだろう」と報告書は尖閣侵攻のタイミングを分析する。
 中国海軍の尹卓・少将は2013年1月、北京テレビの番組に出演した際、中国海軍が日本の尖閣諸島を奪取するため「短期戦争」を計画していることを明らかにした。また、実際の戦闘は非常に短く、数時間で終了する可能性もある、と少将は述べた。

尖閣諸島「領土の放棄」か「防衛」 選択迫られる日本
 報告によると、スカボロー礁と同じように、中国当局は尖閣諸島の実効支配を計画している。中国国家海洋局は2012年9月3日、中国の漁師たちを「守る」ために、スカボロー礁・西沙諸島・尖閣諸島の周辺海域を「海域動態監視観測管理システム」の範囲内に組み込み、人工衛星や航空機で遠隔監視している。事実上、スカボロー礁を支配下に置いた。
 スカボロー礁は、フィリピンの排他的経済水域 (EEZ) 内に位置するが、戦略的要所として中国も主権を主張している。フィリピン当局は1998年、領海侵犯したとして中国漁船を拿捕したり、拘束するなど、両国では対立感情が高まっていた。
 尖閣侵攻は同じシナリオで実行されると報告書は分析した。作戦は「白い艦隊」と「小さな青い男たち」によって実施される。「白い艦隊」とは正規の軍艦ではない海警船、「青い男」とは海上民兵と認識されている漁師のこと。報告書は中国海警船が近年、尖閣諸島付近で頻繁に活動しているため、「漁師が先行し、海警が護衛する」作戦で尖閣諸島を支配下に置く可能性が高いと指摘した。
 この際の日本政府の対応は、尖閣の領土を放棄するか、侵攻に対抗して防衛するかの二択だとした。
 プロジェクト2049研究所は昨年、中国当局が2020年までに台湾侵略計画の準備を完了させる、との元米国防総省高官イアン・イーストン研究員によるショッキングな研究報告を発表した。
 このたびの報告書の分析によると、中国当局による日本の尖閣諸島と台湾の侵攻は同時に行われる可能性があるという。もし台湾戦になれば、中国軍が想定する「100時間攻略」よりも、長期で広範囲に及ぶ戦争になるだろうと、同シンクタンクは予測する。
 台湾侵攻について、最近、人民解放軍の王洪光・中将は政府メディアに「中国軍は、米国と日本からの援軍が到着する前に、100時間以内で台湾を攻略できる」と豪語した。これについて、台湾軍の陳宝余上将は「不可能だ」「一笑に付する」と一蹴した。
 イーストン研究員は、もし中国が台湾侵攻するならば、米国と、日本や英国、豪州など米国同盟国が軍事行動を起こすことが考えられ、中国共産党は政権崩壊の危機に陥いり、「自殺行為」とみている。
 最近、尖閣諸島および台湾の周辺海域では、中国空軍、海軍、海洋警備隊など空と海の活動が活発化している。
 「これは『孫子兵法』を基にした中国海軍による多面的な台湾戦略だ」。退役した防衛庁情報本部長・太田文雄氏は、大紀元英語版の取材に対して答えた。
 太田氏によると、まず、漁船の航行と政府の海洋警備隊による行動拡大、地域の圧力強化を常態化させ、続いて軍による侵略というのは、よくある筋書きだという。
 「中国は(欲しい島嶼の)実行支配の必要性を作り出す」とした。また、「米国が他地域での紛争に係わっていて、日本を支援する余力がない時期に、中国は尖閣侵攻するだろう」とも付け加えた。
 プロジェクト2049は、一部の対中融和派専門家が言う「中国のレッドラインを超えない」「対立をあおらない」といった、日本の軍事行動を抑制するべきだとの主張を、否定している。
 同シンクタンクは、日本への尖閣政策のとして、尖閣を含む周辺海域で米国や同盟国との軍事演習を行うなど、中国に対して抑止力をかけ続けることを推している。また、施設の建設など物理的な実効支配を行うことも案の一つに挙げた。(文・ポール=ファン/翻訳編集・佐渡道世)
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キリスト教79~魔女狩りによる非キリスト教的なものの駆逐

2018-07-25 08:52:58 | 心と宗教
●魔女狩りによる非キリスト教的なものの駆逐

 ヨーロッパでは、ルネサンスから宗教改革、市民革命の時代にかけて、キリスト教と関係する重要な出来事が起こった。魔女狩りと地理上の発見である。
 ヨーロッパ文明では、キリスト教の宣教によって、中世を通じてゲルマン神話の神々は権威を失い、山野に出没する精霊のような存在となっていった。しかし、民衆の間では、なおこうした神話的・土俗的な信仰が保たれていた。そこには自然崇拝・祖先崇拝が含まれていた。キリスト教への改宗は、自然崇拝・祖先崇拝の排除であり、セム系一神教への帰依である。だが、中世においては、それによって自然崇拝・祖先崇拝が完全に消滅したわけではなかった。アニミズム的・シャーマニズム的な要素は文化の周縁に押しやられ、表層からは消えたものの、民衆信仰の中になお残っていった。カトリック教会は、こうした信仰が社会の底辺に存続することを黙認し、それを取り込む寛大さをそなえていた。ところが、中世後期のヨーロッパでは、そうした民衆信仰を排撃する動きが起った。それが魔女狩りである。
 本稿では、世界的なキリスト教史の中世と近代の境目を1453年のイスラーム文明による東ローマ帝国が滅亡した年に置く。魔女狩りは、この年の前から17世紀にかけて行われた。その点で、魔女狩りは、ヨーロッパの中世後期から近代初期における社会現象である。
 イタリアでは、14世紀からルネサンスが起こり、16世紀にかけて西欧に広がっていった。ルネサンスは、ヨーロッパ文明が近代へ移行していく一つの文化的な現象である。ところが、ヒューマニズムの旗を掲げたルネサンスの最盛期に、社会的不安に由来する魔女恐怖が表面化し、魔女狩りの旋風が吹きまくった。
 魔女とは、特異な能力をもった女性であり、妖術を行うと信じられていた。そして、疫病・悪天候・凶作などをもたらすと考えられた。しかし、霊能のある人は、この科学時代の現代の社会にもいるし、昔から自然医学的な医師は人々の病気治療を行っていた。キリスト教改宗以前の西欧には、占い師・巫女・薬剤師といった職能者がいたのである。
 ところが、中世後期から、西欧では、常人とは違う能力をもつ女性が断罪の祭壇にまつりあげられた。多くの女性が犠牲となった。ちなみにジャンヌ・ダルクも英仏百年戦争の中で、1431年、カトリック教会によって魔女と呼ばれて焚刑に処された。当時は、イタリアではルネサンスが活発に行われていた時代である。
 魔女狩りは、キリスト教の正統と異なる考え方を排撃する点で、異端尋問と共通する点がある。しかし、異端審問とは、時期的にも地域的にも重なる部分がほとんどなかった。異端審問が盛んに行われたのは12世紀から13世紀であり、主に南フランス、北イタリアにおいてだった。15世紀末に設立されて16世紀に猛威を振るったスペイン異端審問では、魔女は審議の対象にならなかった。また16世紀にはローマに教皇庁直属の異端審問所が設けられたが、イタリアではほとんど魔女狩りは起こらなかった。これに対し、魔女狩りは15世紀から17世紀にかけて、ドイツ、フランス、イングランド、スコットランド等で行われた。カトリック教徒が行っただけでなく、プロテスタントも魔女狩りを行った。
 中世後期から近代初期の西欧は、異端排撃や魔女狩りに集団的熱狂を示した。集団ヒステリーであろう。深層心理学者のユングは、第1次大戦やナチズムに、集団的な精神異常を見たが、既に異端排撃や魔女狩りに前例があったのである。
 後に宗教改革について書くが、ルター・カルヴァンらが宗教改革を起こしたのは、魔女狩りの最中のことだった。ルターはカトリック教会のサクラメント(秘蹟)の効果を否定した。ウェーバーは、プロテスタンティズムの倫理を高く評価したが、実はプロテスタントはカソリック以上に、頑迷で熱心な魔女裁判官だった。たとえば、ドイツで魔女狩りが苛烈になったのは宗教改革時代からであり、それも新教徒の手によって始められた。
 プロテスタンティズムには、キリスト教の再ユダヤ教化という側面がある。プロテスタントは、腐敗したカトリック教会の権威を否定し、聖書信仰に徹しようとする。そのことによって、もともとユダヤ教の聖典である旧約聖書の影響を色濃く受けることになった。古代ユダヤ教は、徹底して偶像崇拝を否定し、自己民族の神以外を認めず、他民族の宗教を排斥した。プロテスタントは、ユダヤ=キリスト教の神を絶対化し、人間の努力による救いを否定した。また聖母マリア崇拝を偶像崇拝として否定した。こうした排他性・戦闘性が、魔女に向けられた。
 徹底した聖書信仰の唱導者であるルターは言っている。「私はこのような魔女には、なんの同情ももたない。私は彼らを皆殺しにしたいと思う」(『食卓談話』)。
 イングランドでは、1649年に起ったクロムウェルの清教徒革命に至って、魔女狩りは絶頂に達した。ウェーバーは、イギリスのピューリタンを、プロテスタンティズムの典型とした。ピリグリム・ファーザーズと呼ばれるピューリタンたちは、1620年、北米に移住し、ここで厳格な倫理的生活をした。彼らは、北米大陸でも魔女狩りを行った。魔女狩りによって、非ユダヤ=キリスト教的なものの排除が行われた。それとともに、白人はアメリカの原住民であるインディアンを大量殺戮した。アフリカから強制連行した黒人を、奴隷として酷使した。北米インディアンらが持っていたアニミズム的・シャーマニズム的世界観は、キリスト教徒によって異教とみなされ、否定・排除された。西欧の近代化は、西欧における内なる魔女狩りと、外なる異教徒の虐殺・支配と並行して進んだのである。ウェーバーのいう「呪術の追放」は、西欧におけるだけでなく、非西欧においても、アニミズム的・シャーマニズム的な文化を抹殺する行動だったのである。
 それは、キリスト教の圧倒的な勝利をもたらしたかに見える。しかし、「呪術の追放」の徹底は、キリスト教の本質的な部分を否定することになってしまった。というのは、新約聖書は、イエスの起こしたとされる約40の奇跡談を記述しているが、近代西欧の合理主義、特に18世紀を中心とする啓蒙思想は、聖書の奇跡談を奇跡とは認めず、寓意的な物語と解釈した。これは、イエスの持っていたであろうなにがしかの霊的能力の否定である。言い換えると、イエスの呪術の否定であり、カリスマの否定である。こうして「呪術の追放」は、キリスト教の本質的な部分を追放することになった。
 魔女狩りのピークは、1600年を中心とした1世紀だった。この1世紀とは、フランシス・ベーコン(1561-1626)、ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)、デカルト(1596‐1650)らが生きた時代だった。魔女狩りの集団的熱狂の嵐の中で、ベーコンは、実験と観察にもとづく帰納法的学問こそが、人類に大きな利益をもたらすことを強調して、近代科学の論理学・方法論を発表した。ガリレオは、望遠鏡を製作し、木星の衛星、太陽の黒点等を発見し、地動説を唱えた。彼は、1632年に出版した『天文対話』によって宗教裁判を受け、著作は禁書となり、刑罰を受けた。デカルトは、精神と物質の徹底した二元論、数学による幾何学的な自然観などによって近代科学の理論的枠組を打ち出した。そして、17世紀後半には、ボイル(1627-1691)が物質の基本構成要素として元素の存在を認め、化学の礎を開くとともに実験科学を確立し、ニュートン(1642-1727)が万有引力の法則を発見して地動説を完成させるとともに、機械論的自然観を確立した。
 宗教改革と魔女狩りの混沌の中から、西欧の近代科学と科学的な合理主義が出現したのである。それらの出現は、キリスト教を相対化し、社会の世俗化を進めるものとなった。

 次回に続く。
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キリスト教78~ルネサンスが近代化のはじまり

2018-07-23 09:30:47 | 心と宗教
●ルネサンスが近代化のはじまり

 ヨーロッパ文明では、中世の末期から、近代につながっていく出来事がいくつか現れた。14~16世紀のルネサンス、15~17世紀の魔女狩り、14世紀後半に先駆が現れ、16世紀に勃発した宗教改革である。それらの進行の中から、近代化が始まった。そこでまずこれらの出来事から書くことにする。
 ヨーロッパ文明には、14世紀から近代の兆しとなる新しい動きが現れた。それがルネサンスである。ルネサンスは、フランス語で「再生・復興」を意味し、西方キリスト教圏における人間の再発見、人間性の肯定の運動だった。それがヨーロッパ文明の近代化の始まりとなった。
 十字軍と東方貿易によって莫大な富を得たイタリアの新興商人たちが、新しい文化を生み出した。イタリアに始まり、やがてアルプス以北に広がった。それは、ギリシャ=ローマ文明の滅亡によって失われた文化の再生・復興でもあった。その動きがルネサンスと呼ばれることになった。
文化的な再生・復興には、下地があった。12世紀以来、イスラーム文明経由で摂取して来たギリシャ=ローマ文明の遺産である。その遺産は、東ローマ帝国と交流することによっても、西方にもたらされた。古典古代の文献の研究が行われ、人間と世界について新たな知識がもたらされた。その刺激を受けて、文芸や美術が盛んになった。
 ルネサンス勃興の地の一つフィレンツェでは、メディチ家が繁栄していた。メディチ家は14世紀後半から15世紀の初め、ジョヴァンニ・ディ・ビッチの代に銀行業で大きな成功を収めた。彼の子や孫のもとで、メディチ家は最盛期を迎えた。メディチ家は、芸術家や学者を保護した。他の富裕なイタリア市民もそれにならった。彼らの保護のもとで、文芸のダンテ、ペトラルカ、ボッカチオ、美術のレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロら、綺羅星(きらぼし)のような天才たちが活躍した。
 15世紀半ば、東ローマ帝国が滅亡すると、西方に亡命するギリシャ人学者がギリシャ語古写本を携えてきた。それによって古典研究が一段と盛んになった。ルネサンスの知識人は、古典古代の知識に基づいて、中世キリスト教的な神観念を中心とした世界観とは異なる、人間を中心とした世界観を生み出した。この思想を「ヒューマニズム」という。人文主義、人間中心主義等と訳す。その研究者・思想家たちを人文主義者という。15世紀後半のフィレンツェでは、マルシリオ・フィチーノやピコ・デラ・ミランドラらの人文主義者が、新プラトン主義的な思想を説いた。新プラトン主義は、アウグスティヌス以来、キリスト教の教義に摂取されていたが、ルネサンス期には新プラトン主義の異教的な要素があらためてヨーロッパに流入した。また、イスラーム文明を通じて、グノーシス主義、錬金術等の思想も知られるようになった。これらはヨーロッパ思想の深層流をなし、やがて中世のキリスト教世界をゆるがすようになっていく。
 ルネサンスはやがてイタリアから北方へと広がった。商業や毛織物工業で繁栄していたネーデルラントでは15世紀初めから文化が花開いた。その後、フランス、イギリス等にも広まった。経済的に豊かになった地域では、富を持つ新興階級が新しい文化を生み出していく。その現れである。
 ルネサンスによって西欧は、千年近い低迷から抜け出し、ようやく一つの文明としての個性を表わした。
 ルネサンスは、文化的領域における近代化の開始となった。続いて、社会的領域、政治的領域、経済的領域で近代化が進行していった。その「近代化革命」の発端が、ルネサンスだった。
 ルネサンスは、キリスト教的なヨーロッパ文明においては、世俗化の始まりでもあった。世俗化とは、その文明の中核にある宗教が影響力を弱め、非宗教的な思想や価値観が発達することである。ルネサンスは、キリスト教の神を中心するのではない、人間中心の世界観を生み出した。近代化とともに西欧の価値観は徐々に脱キリスト教化されていき、そうした価値観が非西欧社会に伝播することによって、人間中心主義は世界的に広まった。世俗化は、キリスト教的な神観念や超五感の世界の否定という要素を孕んでおり、その意味では、ニヒリズムの進行とも言えるものである。
 西欧においてキリスト教の価値喪失を招いた最大の原因は、科学の発達だった。近代科学による新しい知識が、それまでのキリスト教的な世界観・価値観を倒壊させた。そして、実証主義的で数理計算的な物質科学の絶対化こそ、ニヒリズムの一典型である。こうした西欧発のニヒリズムは、近代西洋文明の伝播とともに非西洋文明の諸社会にも広がっている。そして、各文明において固有の宗教(仏教、儒教、神道、イスラーム教、ヒンドゥー教等)に基づく価値観を破壊し続けている。こうした世俗化・ニヒリズムは、ルネッサンスの思想の中に潜在していたと言えよう。

 次回に続く。
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安倍首相が自民総裁三選と憲法改正に意欲

2018-07-22 13:44:51 | 憲法
 安倍首相が7月20日の記者会見で、自民党総裁3選に意欲を示し、憲法改正への強い意志を表すとともに、憲法改正が総裁選の大きな争点になると明言しました。

 「本日も3万人を超える自衛官の皆さんが今般の豪雨災害(註 西日本豪雨)の被災地において行方不明者の捜索や、あるいは給水、入浴、そしてまたゴミの処理などに本当に懸命にあってくれています。連日猛暑が続く過酷な現場でも被災者の皆さんのために、黙々に献身的に任務をまっとうする自衛隊の諸君はまさに国民の誇りだと思います」
 「私は毎年、防衛大学校の卒業式に総理大臣と出席し、そして任官したばかりの若い自衛官たちから『事に臨んでは危険を顧みず、責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える』。この重たい宣誓を総理大臣として、そして最高指揮官として受けます。彼らは国民を守るために命をかけます」
 「しかし、近年でも自衛隊は合憲と言い切る憲法学者は2割にしかなりません。その結果、違憲論があることについての記述がほとんどの教科書には載っています。自衛隊の、自衛官たちの子供たちもその教科書で勉強しなければならないわけでありまして、この状況に終止符を打つのは今を生きる私たち政治家の使命であると、こう思っています」
 「憲法にわが国の独立と平和を守ること、そして自衛隊をしっかりと明記し、その責任を果たしていく決意であります。そうした思いのもと、先の昨年の総選挙では初めて選挙公約の柱、主要項目のひとつとして憲法改正を位置づけ、4つの項目の一つとして自衛隊の明記を具体的に掲げました。その上で私たちは国民の信を得て、また選挙に勝利をして、政権与党として今の立場にいるわけであります」
 「本年の党大会では、党の運動方針として公約に掲げた4項目の議論を重ね、憲法改正案を示し、憲法改正の実現を目指すとの方針を決定したところであります。これに沿って意見集約に向けた党内議論が精力的に行われてきました」
 「自民党というのは自由闊達な議論を行いますが、さまざまな意見が出ますが、いったん結論が出れば一致結束してその目標に向かって進んでいく。それが政権与党としての責任感であり、矜持でもあります。私としては、これまでの議論の積み重ねの上に自民党としての憲法改正案を速やかに国会に提出できるよう取りまとめを加速するべきと考えております」
 「その上で、9月に総裁選挙が行われますが、憲法改正は立党以来の党是であり、自民党としても長年の悲願でありますし、今申し上げましたように4項目を掲げ、われわれはみんなで選挙を戦ったわけであります。そして、それはまさに党としての公約であります。当然ですね、候補者が誰になるにせよ、次の総裁選においては当然、候補者が自分の考え方を披瀝する、大きな争点となると考えます」
 「憲法改正は衆議院、参議院、両院の3分の2を得て発議をし、そして国民投票において過半数の賛成を得なければ実現できません。政治は結果であります。つまり発議できる3分の2を得ることができるかどうか、そして国民投票でそれを成立させることができるかどうか、賛成を得ることができるかどうかという現実にしっかりと目を向けながら結果を出していく。そういう姿勢を私たちには求められている。先ほど申しあげました、今を生きる私たちの責任とは何かということを念頭に議論が行われるものと思います」

 この希にみる政治家が率いる政権で憲法改正を成し遂げることができなければ、再び日本の再建の道を開くチャンスは、容易に訪れないでしょう。まさに日本人の正念場です。

 憲法と自衛隊、自民党の改正案、憲法改正への動き等については、下記の拙稿をご参照下さい。
 「いまこそ憲法を改正し、日本に平和と繁栄を」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion08q.htm
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キリスト教論をアップ

2018-07-21 19:07:16 | 心と宗教
 ブログとMIXIに連載中の「キリスト教の運命~終末的完成か発展的解消か」の既掲載分を編集して、マイサイトに掲載しました。概要と古代・中世の歴史までです。通してお読みになりたい方は、下記へどうぞ。
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12-5.htm
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キリスト教77~ヨーロッパ文明で世界初の近代化が始まった

2018-07-20 08:55:54 | 心と宗教
●ヨーロッパ文明で世界初の近代化が始まった

 本稿では、世界的なキリスト教史の近代を1453年から1945年までとする。また現代を1945年以降とする。
 世界的なキリスト教史の近代・現代を書こうとすると、拙稿「ユダヤ的価値観の超克」に書いたことと重複することが多くなるので、本稿では、キリスト教の歴史における独自の点に重きを書き、必要なこと以外はできるだけ重複を避けるように努めたい。本稿で言及しない部分については、読者諸氏に、先の拙稿の近代・現代の項目を“キリスト教におけるユダヤ的価値観の超克”という観点から読み替えていただくようにお願いしたい。その際、ユダヤ教論の近現代史の部分が幹、本稿の近現代史の部分は枝という関係になる。
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12-4.htm
 世界的なキリスト教史の近代は、ヨーロッパ文明の近代化とともに始まった。近代化とは、マックス・ウェーバーによれば、「生活全般における合理化の進展」である。合理化とは、合理性が増大することである。合理性とは、ウェーバーによると、恣意、衝動、呪術、神秘主義、伝統、特殊関係などの「非合理的なもの」による判断や、これにもとづく慣習を排して、効率的で、かつ計算可能なルールや生活慣行を重視する傾向である。したがって、合理化とは、こうした非合理的なものが、生活の全般にわたって、しだいに合理的な思考方法や生活慣行に取って代わられていくことである。そして、一般に理性を重んじ、生活のあらゆる面で合理性を貫こうとする態度を、合理主義という。
 ウェーバーは、合理化こそは「西洋の生活方式の根本性格」であり、「運命」そのものであり、「西洋的なエートス」であるとする。「エートス」とは、「生活態度、生活信条または道徳的性格」を意味する。ウェーバーは、さらに「西欧世界にはじめて出現したこの歴史的趨勢は近代社会の本質を形作るばかりではなく,今や人類全体の共通の運命となる」と言う。合理化こそ、近代以降の地球に広がっている人間の思考・行動の起動力であると、ウェーバーは見たわけである。それゆえ、ウェーバーによれば、近代化とは、合理化の進展なのである。文明学的に言い換えると、近代化とは、ある文明の文化要素の全般にわたって合理化が進むことである。
 ヨーロッパ文明では、世界の諸文明に先がけて近代化が開始された。近代化は、文化的・社会的・政治的・経済的の4つの領域で、それぞれ進展した。まず14世紀から16世紀にかけてルネサンスが起こり、文化的領域における近代化の開始となった。ルネサンスに続いて、16世紀には宗教改革、17世紀には科学革命が起こり、文化的近代化が進んだ。さらに、17~18世紀には市民革命、18世紀には産業革命等が起こり、社会的・政治的・経済的な近代化が進行した。この進行とともに、西欧の近代化は、西洋文明以外の文明にも大きな影響を与えるものとなり、人類史における「近代化革命」をもたらした。
 「近代化革命」によって、文化的には宗教・思想・科学等における合理主義の形成、社会的には共同体の解体とそれによる近代的な核家族、機能集団である組織や市場の成立、近代都市の形成、政治的には近代主権国家の成立、近代官僚制と近代民主主義の形成、経済的には近代資本主義・産業主義の形成等が進展した。
 西欧における近代化は、15世紀末からは他文明の支配と、それによる収奪の上に進んだ。17世紀の科学革命による諸発見は、18世紀の産業革命を通じて、資本主義的な産業経営に応用されるようになった。17世紀前半に形成された近代主権国家が、同世紀後半以降の市民革命を経て国民国家となり、資本主義世界経済の担い手となった。資本と国家、富と力の一体化が進み、物質科学とそれに基づく技術が生産、戦争、管理等に活用された。資本と国家と科学という三要素の結合が、近代西洋文明にかつてない強大な力を与えたのである。
 かくして人類史上、最も強力な文明が欧米において確立した。この近代西洋文明が、現代世界を覆うようになっている。そして、近代西洋文明は、キリスト教を宗教的中核とする文明であり、また西方キリスト教に根差した文明である。近代化も西方キリスト教社会においてこそ開始され、進展したものだった。

 次回に続く。
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中国が世界的な覇権奪取を宣言

2018-07-19 09:28:15 | 国際関係
 6月22~23日、習近平主席が、いよいよ世界的な覇権奪取を宣言した。
 ジャーナリストの古森義久氏曰く「中国の習近平国家主席が、グローバルな統治体制を主導して、中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言した。この宣言は、米国のトランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することになる。米中両国の理念の対立がついにグローバルな規模にまで高まり、明確な衝突の形をとってきたといえる」
 「中国が構築しようとしている新たな国際秩序には、従来の米国主導の国際秩序にみられるような人権、自由、法の統治という普遍的な価値は明記されていない。中国は「社会主義」という標語の導入で、独自の国際秩序システムを推進しようとしているのだ」
 下記の記事では、国内における習近平の長期個人独裁政権の確立と高度監視社会の構築、国外における南シナ海の軍事支配と朝鮮半島での主導権獲得は、触れられていない。中国共産党が軍事力と管理力と人口力によって、人類社会を支配するーーその悪夢のような将来を打ち砕かねばならない。

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●ジャパン・ビジネス・プレス

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53420
中国がこれまでの国際秩序を塗り替えると表明
いよいよ米国と真正面から激突へ
2018.6.27(水) 古森 義久

 中国の習近平国家主席が、グローバルな統治体制を主導して、中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言した。この宣言は、米国のトランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することになる。米中両国の理念の対立がついにグローバルな規模にまで高まり、明確な衝突の形をとってきたといえる。
 習近平氏のこの宣言は、中国共産党機関紙の人民日報(6月24日付)で報道された。同報道によると、習近平氏は6月22日、23日の両日、北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」で演説して、この構想を発表したという。
 この会議の目的は、中国の新たな対外戦略や外交政策の目標を打ち出すことにあり、これまで2006年と2014年の2回しか開かれていない。
 今回の会議には、中国共産党政治局常務委員7人の全員のほか、王岐山国家副主席や人民解放軍、党中央宣伝部、商務省の最高幹部らも出席した。出席者には中国の米国駐在大使も含まれており、超大国の米国を強く意識した会議であることをうかがわせる。

これまでよりも指導的な立場に立つと表明
 習主席はこの会議で「中国は今後グローバルな統治の刷新を主導する」と宣言し、「国際的な影響力をさらに増していく」とも明言した。中国独自の価値観やシステムに基づいて新たな国際秩序を築くと宣言している点が、これまでの発言よりもさらに積極的だった。
 習氏の演説の骨子は、以下のとおりである。

・中国はグローバルな統治を刷新するための道を指導していかねばならない。同時に、中国は全世界における影響力を増大する。
・中国は自国の主権、安全保障、発展利益を守り、現在よりもグローバルなパートナーシップ関係の良い輪を作っていく。
・中国は多くの開発途上国を同盟勢力とみなし、新時代の中国の特色ある社会主義外交思想を作り上げてきた。新たな国際秩序の構築のために、中国主導の巨大な経済圏構想「一帯一路」や「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」をさらに発展させる。
・中国主導の新しいスタイルの国際関係は、誰にとっても「ウィン・ウィン」であり、互恵でなければならない。

 習近平主席のこの新たな対外政策演説は、今後、中国がこれまでよりも指導的な立場に立って、新しい国際秩序を築いていくことの方針表明だといえる。具体的には「社会主義」という言葉を明確に打ち出しており、米国が主導して構築してきた現在の国際秩序とは異なる「グローバルな統治」を目指すことが明言されている。
 だが、中国が構築しようとしている新たな国際秩序には、従来の米国主導の国際秩序にみられるような人権、自由、法の統治という普遍的な価値は明記されていない。中国は「社会主義」という標語の導入で、独自の国際秩序システムを推進しようとしているのだ。

米国の指摘に「その通り」と応じた中国
 米国のトランプ政権の中国認識を改めて確認すると、明白な対決の構図が浮かび上がる。トランプ大統領自身が2017年12月18日に発表した「国家安全保障戦略」での中国に関する記述には、以下の内容があった。この国家安保戦略は、中国を米国主導の国際秩序への最大の挑戦者として特徴づけていた。

・中国はインド・太平洋地域で米国に取って代わることを意図して、自国の国家主導型経済モデルを国際的に拡大し、地域全体の秩序を中国の好む形に変革しようとしている。中国は自国の野望は他の諸国にも利益をもたらすと宣伝しているが、現実には、その動きはインド・太平洋地域の多くの国の主権を圧迫し、中国の覇権を広めることになる。
・ここ数十年にわたり、米国の対中政策は、中国が既成の国際秩序に参加することを支援すれば、中国を自由化できるという考え方に基礎をおいてきた。だが、この米国の期待とは正反対に、中国は他の諸国の主権を侵害する方法で自国のパワーを拡大してきた。中国は、標的とする他の諸国の情報をかつてない規模で取得し、悪用し、自国内の汚職や国民監視をも含む独裁支配システムの要素を国際的に拡散してきた。
・中国は米国に次ぐ強力で大規模な軍隊を築いている。その核戦力は拡張し、多様化している。中国の軍事近代化と経済拡張は、大きな部分が米国の軍事や経済からの収奪の結果である。中国の急速な軍事増強の主要な目的の1つは、米国のアジア地域へのアクセスを制限し、自国が行動の自由を獲得することである。
・中国は他の諸国を中国の政治や安保の政策に従わせるために、経済面での報酬や懲罰を使いわけ、秘密の影響力行使工作や軍事力の威嚇も行っている。インフラ投資や貿易戦略は地政学的な野望の手段となっている。南シナ海での拠点の建造とその軍事化は、他国の貿易のための自由航行に危険を及ぼし、主権を脅かし、地域の安定を侵害する。

 米国政府は中国に対してここまでの警戒や懸念を表明してきたのである。これまで習近平政権はその米国の態度に対して、正面から答えることがなかったが、今回の対外戦略の総括は、その初めての回答とも呼べそうだ。つまり、米国による「中国は年来の国際秩序に挑戦し、米国側とは異なる価値観に基づく、新たな国際秩序を築こうとしている」という指摘に対し、まさにその通りだと応じたのである。米国と中国はますます対立を険しくしてきた。
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