西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー&ウェスタン -164-( ルーヴィン・ブラザーズ 2 )

2011年02月01日 | 懐かしのカントリースター
 Louvin Brothers (2)
イギリス盤 Stetson Records HAT-3057 Ira & Charlie / The Louvin Brothers

(1)Don't Let Your Sweet Love Die (2)We Cold (3)Tennessee Walts (4)Are You Teasin’ Me (5)Too Late(6)Here Today And Gone Tomorrow (7)I Wonder Where You Are Tonight (8)Have I Stayed Away Too Long (9)Nobody's Darling But Mine (10)Why Not Confess(11)Making Believe (12)Take Me Back Into Your Heart


ルーヴィン・ブラザーズの生き残りだったチャーリー・ルーヴィン(1927~2011年 アラバマ州出身 )が亡くなったんですね。以前書いたルーヴィン・ブラザーズの未発表原稿を完成させてブログに載せようとしていたところだったのでビックリしたと同時に残念な思いです・・・・・この年代の人達は高齢ですし 亡くなっていくのは仕方ないことですが・・・・。

このLPレコードは1958(昭和33)年に米国キャピトルレコード社から発売されたルーヴィン兄弟のものをイギリスの Stetson Records 社が許可を得て1980年代になって再発売したものです。同社は、廃盤になって久しくて入手しにくいレコードを原盤のまま発売してくれて好評だったレコード会社でした。アメリカは新しいものを売るのに手いっぱいという感じで Country Music 愛好者が昔の有名歌手達のレコードを渇望していてもなかなか要望に応えてくれない・・・・・といったところがあったので 同社がそこに目をつけたんでしょうけれど(?)・・・・・世界中でよく売れてアメリカのレコード会社も商売になるーと再認識したからでしょうか(?)、CD化が進んだためでしょうか-Stetson Records 社はいつの間にか立ち消えになって(?)、いま思うとカントリー”レコード ”の最後の輝き、ひと時の残り火みたいな趣きではなかったか・・・・・という感じがします。

兄のアイラ・ルーヴィン(1924~1966年 flat mandolin 担当)との絶妙のデュオには忘れがたいものが沢山あります・・・・・私はやはり初めてレコードで聴いた時の ”Alabama ” という唄が強烈に印象に残っているかなあ・・・・・単純なメロディの繰り返しなのに素朴なカントリーを聴いている-という気分にさせてくれたものです。 今日のLPには ”テネシー・ワルツ ”をはじめ ”Are You Teasing Me ”、”Too Late ”、”I Wonder Where You Are Tonight ”、”Nobody's Darling But Mine ”、”Making Believe ” といったカントリーの有名曲が入っていてルーヴィンスタイルで楽しめるものになっていることが特徴だと思います・・・・・もしCDになっていれば絶対にお奨めで、特に ”テネシー・ワルツ ”の美しさにはまいってしまいそうです。それに、アイラが弾くフラットマンドリンは音色がとてもきれいで あまり複雑なテクニックも使っていないのでマンドリンの楽器演奏を学ぶのにとても参考になるーと思います。

さて、兄のアイラが亡くなってからはチャーリーはソロとして活動をしていったようですが、私はソロ歌手としてのチャーリーは全くといっていいほど聴いたことがありませんでした。 再び興味を持ったのは Charlie Louvin & Melba Montgomery として女性カントリー歌手メルバ・モンゴメリー(1938~現在 テネシー州出身 )とのデュエットレコードに出会ってからです( Capitol Records SM-686 という再発レコード・・・写真・・・2人のデュエットアルバムは数枚あるようです )。

 欲しくて買ったレコードではなくて あるレコードバーゲンセールで(カントリーが)それしかなかったから買ったものでしたが、聴いてみたら正調スタイルのとてもよいデュエットアルバムでした・・・・・メルバ・モンゴメリーはかつて George Jones ともデュエットしていた時代もありますがそれにひけをとらない内容。ここでのチャーリーの声はちょっとレイ・プライスに似ている感じで、線の太いメルバ・モンゴメリーと不思議に合って ”We Must Have Been Out Of Our Minds ” とか ”Let's Help Each Other To Forget ” というミディアムテンポの曲などは濡れたような音色のカントリーピアノ、スティールギター、フィドルがよくて カントリーデュエットのよさに溢れていてウットリするようなものでした。チャーリーの声は年とともに渋くなっていく感じです。
ルーヴィン・ブラザーズは2001(平成13)年に Country Music Hall Of Fame に選ばれています。CDもいくつか出ているようです
(2008=平成20年11月の未掲載記事を補足したもの)
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ファーリン・ハスキー ハンク・ウィリアムスを歌う

2011年02月01日 | ハンク・ウィリアムスを歌う
 Ferlin Husky (2)
イギリス盤 Stetson Records HAT-3053 Walkin' And A Hummin' / Favorite Country Ballads In A Sentimental Mood 

(1)Walkin' And A Hummin' (2)I'm So Lonesome I Could Cry (3)I Could Never Be Ashamed Of You (4)I Can't Help It (5)Undesired (6)May You Never Be Alone (7)My Shadow (8)I Lost My Love Today (9)Alone And Forsaken (10)There'll Be No Teardrops Tonight (11)Living In A Trance (12)Why Should We Try Anymore


ファーリン・ハスキー(1925年~現在 ミズリー州出身)は若い頃にハンク・ウィリアムスの影響を受けた歌手です。有名になってからはややジャジーな歌い方をしてちょっと毛色の変わったカントリーという感じを受けるものが多いですが 初期の頃の彼の歌を聴くと もうハンクべったりといった感じが横溢しているものが幾つもあります。今日採りあげたレコードはその特徴が表れているもので、1961(昭和36)年に米国キャピトルレコード社から出された ”Ferlin Husky ハンク・ウィリアムスを歌う ” とも云うべきアルバムです・・・・・私も長年聴いてみたい-と思っていたレコードでしたが、アメリカ盤は手に入りませんでした。でもそんな風に思っている人は世界中にたくさんいたはずで 嬉しいことにイギリスの Stetson Records 社というところがアメリカの原盤を借りて1980年代になってオリジナルの形で出してくれたんですね。今はファーリン・ハスキーもすっかり年をとってしまった現状を思うと聴いていると泣けてくるようなレコードになっています・・・・・・解説を訳して載せておくことにしました。

「 このアルバムのタイトルソング ”Walkin' And A Hummin' ” はファーリン・ハスキー作のたくさんのヒット曲の一つですが、ファーリン自身はむしろこの素晴らしいバラッド集を ”My Hank Williams Album ”と好んで呼んでいるいるようです。アルバムに収められた曲を見てゆくとすぐにその訳がお解かりになるはずです。偉大な Country & Western 作曲家と云われているハンク・ウィリアムスの手になる曲が7曲も含まれているからです。

ファーリン・ハスキーは昔からずっと Hank Williams の熱心な崇拝者 ( admire ) でした。1953(昭和28)年のハンク・ウィリアムスの悲劇的な不慮の死はカントリーミュージックの世界にどんなにしても埋めることの出来ないポッカリあいた空白感を残しました。ここにファーリン・ハスキーがハンクの想い出にふさわしいアルバムを出してくれたのです、例えば There's Be No Teardrops Tonight や May You Never Be Alone, I'm So Lonesome I Could Cry といった最もハンクの想い出になるような曲を歌ってです。 ここにはまた彼の細君 Betty 作の ”My Shadow ” のほかファーリン・ハスキー自身の作になる2曲 ”Living In A Trance ”と ”I Lost My Love Today ” 、そしてキャピトルレコード社の同僚カントリー歌手で友人でもある Tommy Collins (1930~2000年 オクラホマ州 出身)作の ”Undesired ”という曲も含まれています。全ての曲がお馴染みの失恋の物語だったり、それに続く孤独や心の痛手を歌ったセンチメンタルなバラッドです。ファーリンは温かく誠実なスタイルで感情を込めて歌っています・・・・・そうしたスタイルこそが今日のアメリカで彼をトップスター歌手たらしめる手助けになったあかしなのです。」・・・・・みたいなことが書いてあります。

生年からすると Ferlin Husky は Hank Williams (1923~1953年 アラバマ州 出身)とほぼ同年代といってもいいんでしょうが余程のインパクトを受けたんでしょうか・・・・・このアルバムにあるハンクの曲は有名なものばかりですがただ1曲 マイナー調の ”Alone And Forsaken ” が異色で、ハンク自身の唄だってほとんど聴かれないことを思うと普通では採りあげられない曲ではないかなと思います・・・・・こんなところに彼の並々ならぬハンク崇拝者ぶりが出ているのではないでしょうか。ここには有りませんが参考として Hank Williams の有名曲のタイトル名をたくさん組み合わせてハンクのことを歌った ”Hank's Song ”なんて曲も歌っていて一聴に値するものになっています。今日のアルバムではスティールギター、フィドルがどんどん出てくる純カントリースタイルを堪能できるものになっていますし、ジャケットもありきたりのでなく唄の内容を思わせる仕様で Good・・・・・単品のCDになっているといいな。
Ferlin Husky は2010(平成22)年に Country Music Hall Of Fame に選ばれました・・・・・よかった、もっともっと早くてもよかったはずで 選ばれるのが遅すぎたくらいです。
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