西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

ジミー・スキナー  ジミー・ロジャースを歌う

2011年02月21日 | ジミー・ロジャースを歌う
 Jimmie Skinner (1)

ドイツ盤 Cowgirlboy Records LP-5060 Jimmie Skinner Sings Jimmie Rodgers

(1)Hobo Bill's Last Ride (2)My Rough And Roudy Way (3)Dear Old Sunny South By The Sea (4)Jimmie The Kid (5)The Soldier's Sweetheart (6)My Blue Eyed Jane (7)Moonlight And Skies (8)I Miss The Mississippi And You (9)Never No Mo' Blues (10)Tuck Away My Lonesome Blues (11)Somewhere Down Below The Mason-Dixon Line (12)Jimmie Rodgers Last Blue Yodel


きっと今では忘れられた人でしょう・・・・・旧世代の往年のカントリー歌手の中でも地味なほうでとっても渋~い人です。 が、このジミー・スキナー(1909~1979年 ケンタッキー州出身)の歌にはいぶし銀の味みたいなものがあって 曲によっては素晴しいものがありますし、まさに ”大人のカントリーのにおい ” がするといっていいでしょうか。 作曲の才能があってカントリーでもブルーグラスでも活躍したので、それぞれに知られた曲を残しています( ”I Found My Girl In Good Ole USA ”と ”Doin' My Time ” が有名)。 

この世代の例に漏れず ジミー・ロジャースに影響されてカントリー歌手になっただけあって Mercury レコード在籍時代の1962( 昭和37)年にジミー・ロジャースへの Tribute Album を出しています・・・・・オリジナルアルバムはなかなか手に入らなくて、私ののは後年ドイツの Cowgirlboy Records 社というクラシックカントリー専門のレーベルから出された再発盤です、時を経てCDの時代になったおかげでレコードの方はとても安くなっていました。

音的には Jimmie Rodgers Style の生ギターにドーブローギター(電気増幅をつけないスティールギター様の楽器)伴奏だけのシンプルなものですが ジミー・スキナーの声質が低めのバリトンボイスでまさに laid-back Country voice ( laid-back=くつろいだ、のんびりした の意 )なので 各曲がなかなか味のあるものに仕上がっているし、ヨーデルもちゃんと入れて歌ってくれています。ジミー・ロジャースの偉大さを別の面から知ることが出来るアルバムだと思っています。

このレコードのライナーノートがオリジナルレコードのものと同じなのかどうか判りませんが 補足を加えながら訳を載せてみました、各曲の簡単な内容紹介も載っています・・・・・

「 Jimmie Skinner 自身は決してそんなことは云わないでしょうが、”The Blue Yodeler ” ジミー・ロジャースで有名になったカントリーをアルバムレコーディングするのに彼ほど的確な人はいないでしょう。ジミー・スキナーはカントリーの伝説的人物ジミー・ロジャースの1ファンという域を通り越していて、彼自身にとってJ・ロジャースへの tribute album を作るという名誉は必然だったのでしょう。彼はジミー・ロジャース信奉者、熱心な追随者でした・・・・・それに、カントリーミュージックの本質である悲しみとか悲劇、喜び、分別といったものをよく解かっていて、J・ロジャースの歌の世界の継承者として通っていました。
 J・ロジャースの遺産ともいえる憂いに満ちたブルースや入魂のラヴソングを採りあげて成功した人は大勢います。鉄道関係の( around the Big Iron Horse と表現 )人達やその生活にまつわる物語ソングを歌う J・ロジャースの曲はクラッシクカントリーミュージックの世界には依然として残っています。ジミー・スキナーは J・ロジャースの後継者としての役割を十分に果たすのに必要な優れた感受性と ものごとを深く理解する力を発揮しています。 Mercuryレコード社でこのアルバムを作るにあたって彼は数年間あれこれ思索したそうですが、そうすることは当然だ-と考えたのも他ならぬ彼自身でした(熟慮のすえ完成させた Tribute Album だということを云いたいのだと思います)。 J.ロジャース夫人ともたびたび会って話をし、彼女の励ましと勧めでこのようなアルバムができたのです。よく ”First Lady of Country Music ”と言われたジミー・ロジャース夫人にスキナーはこのアルバムを捧げたのです。

彼はロジャースの唄を自分なりのムードに合うようにもっていきたかったので親しみやすいスティールギターが入っています。J・ロジャースの歌にスティール伴奏を付けたクリフ・カーライルの役をここではラスティ・ヨークがスティールギター(実際は Dobro guitar です)を弾いています。各曲はジミー・ロジャースの趣きを保っているとはいえ決して単なる Imitation (真似)ではありません。決して真似だけではないのです・・・・・ジミー・ロジャースのような人が ある世代に残した inspiration(刺激)はスキナーにとっても素早いものでした。二人のジミー(ロジャースとスキナー)の音楽の良さを認めて楽しむ人達にとって このアルバムを真に傑作にするためには彼自身の力量、バイタリティー、影響を加味する必要があったのです。

Jimmie Skinner はオハイオ州シンシナチ東6番街に ”The Jimmie Skinner Music Center ”を経営しており、アメリカでも有数のカントリーミュージックの本拠の一つとなっていて、ここの店の商標をつけたシートミュージック、シングルレコード、LPレコードなどが世界中に向けて出荷されています。

A面1曲目の ”Ridin'-on-an-east-bound-freight-train~”の歌い出しで始まる悲しい結末の歌 ”Hobo Bill's Last Ride ” は彼の好みのタイプの音楽のよさが発揮されています。” My Rough And Rowdy Ways ” も悲劇を歌ったもので鉄道会社からの召喚に抗うことが出来なかった鉄道に生きる純情な男の真実の愛の悲劇を歌ったもの。”Jimmie The Kid ” は全く楽天的なヨーデル曲。”Soldier's Sweetheart ” は悲しい曲。”My Blue Eyed Jane ” はどんな男にもしっかりした貞淑な女性が必要だと歌い、スティールギターが印象的な ”Moonlight And Skies ” はそれを直に知る者たち(囚人)についての歌。 旅をすることで誰かを、土地を、何かを失なってしまう人達にとって ”I Miss The Mississippi And You ”はその気持ちがよく解る歌でしょう・・・・・以下の ”Never No Mo' Blues””Tuck Away My Lonesome Blues”、”Somewher Down Below The Mason-Dixon Line ”、”Jimmie Rodgers' Last Blue Yodel” は省略します(私) 」・・・・・・以上解説から。   ジミー・スキナーの全盛時代がいつの頃だったのかはっきりしませんし、とても地味なので女性や若者受けするようなタイプの歌手とは思えませんが 作曲の才能があってアメリカで10枚以上のLPレコードを出していたということはやはり一流の証拠で、根強いファンがいたということなんでしょう・・・・・こんな人がアメリカの Country Music 界にはたくさんいますね・・・・・このLP中で (2)My Rough And Rowdy Ways と (3)Dear Old Sunny South By The Sea 、(4)Jimmie The Kid が特に素晴らしく(私個人的にですが)、全体的には Dobro guitar がとてもよい雰囲気を醸し出している・・・・・というのが私の感想です。もし単発のCDになっていればジミー・ロジャースの歌が好きな人にはお奨めです

(2009=平成21年7月29日 の未投稿記事を初掲しました)
コメント
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