米国盤 Guest Star GS-1435 Marvin Rainwater Country And Western Star (1)Gotta Go Get My Baby (2)Daddy's Glad You're Home (3)Don't Try To Change Your Little Woman (4)Do You Want To Know (5)What You Got, You Don't Want (6)The Key (7)In Prison, Livin' A Lie (8)So Long (9)Teardrops (10)The Boy And The Engineer
イギリス盤 Westwood Records WRS-101 some old, some new Especially For You (1)Lonesomest Guy In Town (2)Darling Where Are You (3)Whole Lotta Woman (4)Cold Woman (5)Looking Good (6)I Dig You Baby (7)Happiness For Me (8)Indian Momma (9)Old Rivers (10)I Miss You Already
アメリカから安い中古盤ばかり買っていた頃(船便で3ヶ月もかかるけれど安かった)に初めて買ったのが Guest Star というレーベルのどうにも粗末な廉価盤です( 絵のジャケット写真のもの )。 ちょっとした紹介文が載っています・・・・・
「 マーヴィン・レインウォーターはカントリーミュージック界では偉大な歌手の一人として受け入れられてきました。彼の正統派としての演奏をこのレコードで皆様方に提供できることは Guest Star レコード社の大きなよろこびであります。マーヴィン・レインウォーターは1952(昭和27)年に Washington. D.C.地区でカントリー歌手としての仕事をスタートさせています。首都ワシントン地区の小さなクラブで演奏し、やがて成功への道を獲得していくことになる貴重な経験を積んだのでした。彼がタレントスカウトコンテストに優勝したのを見た Arthur Godfrey() が並々ならぬ興味を示し、自身のテレビショウにレギュラーとして迎え入れてくれたのです。MGM レコード社とレコーディング契約をむすんだ時にさらなる成功への波が来て、”Gonna Find Me A Bluebird ( 恋を運ぶ青い鳥 )”、”Gotta Go Get My Baby ” のようなヒット曲が続き、紛れもないスターになったのでした。 何千マイルも旅しながら国中のたくさんの都市で公演し、新しい友人達を得てうなぎのぼりに有名になっていったのでした。今日でも、マーヴィンは旅を重ねては行く先々で多くの友人やファンたちを訪ねることを楽しみにしています。 マーヴィンは ”Ddown-to-earth ” Country boy だと解ってくれている全ての人達に愛されているのです。 大衆の歌を心を込めて歌う Marvin は誠実で心優しい男です。
音的には単音のエレキギターに歯切れのよいベースがマーヴィンのやや鼻にかかったカントリーボイスの歌に絡む伴奏をつけており、曲によってはスティールギターやフィドル(カントリースタイルのバイオリン)が入るシンプルな音作りです。ロカビリーでも活躍したようでアップテンポの曲にはそんななごりがあります。でも全般的には Country boy sings country という感じが横溢しています。 このLPの(2)Daddy's Glad You're Home は ”Long Gone Lonsome Blues ”に似た曲でハンク・ウィリアムスそっくりのスタイルでロォオ~オ~ンゴンみたいに延ばして最後に裏声にかえす歌い方で通していますが、なるほどハンクに影響された人なんだなあとわかるところ・・・・・・何となく可愛げのある雰囲気。
2枚目のLPは中古レコードセールでたまたま出逢ったものでこのレコードで初めて Marvin Rainwater の顔写真を見ました、英国盤で録音(1975=昭和50年)も英国というのが不思議。こちらの内容はタイトルにあるように B面が Some Old、A面 がSome New ということで新旧のスタイルということなんでしょうか・・・・・両面ともカントリーフレイバーが横溢しているんですが 曲によってはドラムがバタバタとうるさいロックのたたき方でカントリーらしさを殺していて残念なのがあります(いい曲なのになぁロカビリーを意識した作りだからなのかな?)。Mervin Rainwater は自身にインディアンの血が混じっているからかその手の歌があります、(8)Indian Momma がそんな曲。(9)Old River は声色を変えて全編コミックに語りで通す曲で別な面が垣間見れて面白い。 録音スタッフは全てイギリス人のようでエレキ、スティールギター、ピアノ他の伴奏
この人のレコードやCDは今やドイツの Bear Family Records 社に頼るほかないのかも知れません
Cal Smith (1) 米国盤 Kapp Records KS-3608 Cal Smith Sings (1)I Come Home A Drinkkin' (2)Ballad Of Forty Dollars (3)Margie's At The Lincoln Park Inn (4)Life Of The Party Charlie (5)When Two Words Collide (6)At The Sight Of You (7)It Takes Me All Night Long (8)Darling, You Know I Wouldn't Lie (9)She's Lookin' Better By The Minute (10)I Don't Get No Better Without You (11)Old Faithful
内容的には全般に歯切れのよいエレキギターに加えてスティール・ギターとピアノが入っているものが多いですがキャル・スミスの歌がとっても渋い歌声なのでいかにもカントリーを聴いているという気分にさせてくれます。
この人のカントリーは1、2回聴いただけではよさが解らないかも知れません(私自身が聴いた経験からなんですけど・・・)が回を重ねて聴いていくほどにその魅力が増してくる-というスルメ型だと私は思っています。 彼のバラッドがいいですが、アップテンポの曲でも決してロック的にはならないんです・・・・やはりアーネスト・タブのところで鍛えられた賜物でしょうか。 徒弟制度みたいにボスのもとで修行して巣立ったような人というのは本来のカントリーらしさの線を決してはずしませんね・・・・その辺のところが地味であっても音に信頼感があります、このキャル・スミスは大好き。
ところで、往年のカントリー歌手 Carl Smith と名前が似ていてどうも紛らわしいですが、キャル・スミスはカール・スミスが好きだったらしんですね・・・・それで似たような名前を名乗ったんでしょうかね? 裏ジャケットに載っているキャルの5枚のアルバムに出逢ったら買おうと長年思っていましたが、その後2枚に出逢っただけになっています。CDもなかなか見かけません、でも私はやっぱりレコードが好き。ちなみにこのレコードではバラッドの(8)Darling, You Know I Would't Lie と、メル・ティリス作の(11)Old Faithful という曲が好み。
中古レコードセールも時にはいいことがあります スリム・ホイットマン・・・・(1)Cattle Call (2)Song Of The Wild (3)Indian Love Call (4)Roll On Silvery Moon
ジョニー・ホートン・・・・(1)North To Alaska (アラスカ魂) (2)Whispering Pines (3)Honky-Tonk Man (4)The Battle Of New Orleans (ニュー・オーリンズの戦い)
日本盤 東芝 LP-8031 Slim Whitman Deluxe(魅惑のヨーデル・デラックス :原盤はLiberty Records) (1)Molly Darling(冬の星座) (2)When It's Sprigtime In The Rockies (ロッキーに春来れば) (3)Danny Boy (4)Indian Love Call (5)Love Song Of The Waterfall(滝の恋唄) (6)Down In The Valley (7)Cattle Call (8)Mockin' Bird Hill (9)Hi Lili, Hi Lo (10)By The Waters Of The Minnetonka(ミネトンカの湖畔にて) (11)Rose Marie (12)Annie Laurie (13)A Tree In The Meadow (牧場の樹) (14)Silver Threads Among The Gold(銀の糸)
日本盤 東芝 LP-8306 Slim Whitman 15 th Anniversary Album (1)Indian Love Call (2)Bandera Waltz (3)China Doll (4)I'll Take You Home Again, Kathleen(いとしのキャスリーン) (5)Tumbling Tumbleweeds (さまよう枯れ葉) (6)Serenade (7)More Than Yesterday (8)Love Song Of The Waterfall(滝の恋唄) (9)North Wind (北風) (10)Rose Marie (11)Cattle Call (12)Keep It A Secret (13)I'm A Fool (14)There's A Rainbow In Every Teardrop (涙に虹が写っていた) (15)Valley Of Tears (涙の谷間) (16)Secret Love
スリム・ホイットマンというと自分にとってはすぐに ”I'm Casting My Lasso Tward The Sky ( 大空に投げ縄を放れば ) ” と ”North Wind( 北風 )”、それに私にとって特別な想い出の曲 ” By The Waters Of The Minnetonka ( ミネトンカの湖畔にて )” の3曲がピンと浮ぶんですが 彼にはとても versatile (多才)なところがあって 単なるカントリー歌手だけではくくりきれないところがあります、でもしっかりとカントリーなんですね。
”Indian Love Call ”、”Rose Marie”、”Hi Lili, Hi Lo ”などのヒット曲のほかに ”Molly Darling(冬の星座)”、”When It's Springtime In The Rockie( ロッキーに春来れば )”、”Danny Boy(ダニー・ボーイ)”、”Annie Laurie(アニー・ローリー)”、”Red River Valley( 赤い河の谷間 )”、”Home On The Range( 峠の我が家 )”、”Beautiful Dreamer( フォスターの曲 )” など民謡、ホームソングともいえる誰れでも知っているような歌をたくさん歌ってくれているんですね・・・・・他のカントリー歌手には見られないことです。
それから、自分のヒット曲ではなくてもカントリーの名曲のカバーも多くて スリムのスタイルで歌ってくれているのも聴く楽しみがあります。 私はスリム・ホイットマンの歌で ”テネシー・ワルツ ”、”A Fool Such As I ”、”Blue Eyes Crying In The Rain ( 雨の別離 ) ”、””などを聴きましたがなかなか風情があってよいものです。 この ”風情 ” というのはおいそれと誰れでも醸し出せる術ではないと思います。 今日載せた2枚のアルバムの中ではあまり話題にはなりませんが ”China Doll ” とか ”A Tree In The Meadow (牧場の樹) ”なども小品ながらスリムの歌唱力が優れていることを示すような唄になっています。
たいへんなキャリアの持ち主なんですが まだ Country Music Hall Of Fame にも選ばれていません・・・・・・信じられないですね。 ヴィンス・ギル、エミルー・ハリス、ジョージ・ストレイトなどのスリムからすればずっと若い人達が先に殿堂入りしているのをみると ”ン?ちょっと違うんじゃないの! ” と言いたくなります・・・・・何かロビー活動でもしないと選ばれないのかなぁ、アメリカのカントリー関係者の評価の仕方がよく判らないです(涙)
Ray Price (5) 米国盤 Harmony Records HS-11240 Ray Price Born To Lose (1)Ⅰ've Gotta Have My Baby Back (2)I'll Keep On Loving Ypou (3)Please Don't Leave Me (4)Till Death Do Us Part (5)Beyond The Last Mile (6)Born To Lose (7)The Answer To The Last Letter (8)Your Heart Is Too Crowded (9)Move On In And Stay (10)We Crossed Our Heart
前回からの続き(すこしづつ埋めていきます)・・・・・
「 実際にはバンド( Cherokee Cowboys の母体ともいえる ) は既に結成されて4年たっており、Blackie Crawford に率いられてBeaumont 周辺で活動していました。テキサスのスタジオでは A-Team( 一流バンド )として通っており レフティ・フリッツェルやジョージ・ジョーンズの初期レコーディングのバック演奏をつとめたりしたのでした。1954( 昭和29 )年の春までには The Cherokee Cowboys はフィドル、ギター奏者で歌手でもあった Tommy Hills に率いられて、レイ・プライスのバンドになるまでにはさらに2人のフィドル奏者( Kenneth " Little Red " Hays と Johnny Manson )、スティールギターには以前レフティ・フリッツェルのバンドにいた Jimmy Biggar 、ドラムに Jimmy Dennis 、ピアノに Milburn " Bernie " Annette そしてリズムギターの Van Howard がレイの脇でハーモニーボーカルをつとめる-といった構成になっていました。
”I Don't Want This On My Conscience ”は同じセッションからの曲でスクラッグスも歌っています。
”Slowly Dying ”(1955年10/23録音)は発売されなかった曲のひとつで、ハンク・ウィリアムスの Single-fiddle type のサウンドが聴かれるものです。 一方、
”You Never Will Be True ”(1955年10/23録音)はレイ・プライスの別なオリジナル曲です。
”Wasted Words”(1956年8月3日録音 )と
”Fallin', Fallin', Fallin' ” (同上)の2曲は3本のフィドル(カントリースタイルのバイオリン)が入った目いっぱいチェロキー・カウボーイズ サウンドを反映したもので、レイ・プライスを世界的に有名にするきっかけになったスタイルでした・・・・・即ち 当時 最も影響力が大きくて輝いていた二つの Country style・・・・・ Honky-tonk カントリーと Western Swing )を融合させたスタイルです。
<私のひとこと>
トップの写真は私が持っている廉価盤 Harmony Records のひとつ、新旧の曲が雑多に入っています、聴いて一番驚いたのは ”Beyond The Last Mile ” というとても甘美なスローバラッドの曲。
最後の写真は日本盤のベスト物ですが、私の世代では買えなかった時代のもの。後年中古屋さんで見つけて痛みが激しかったけれどジャケットだけでも飾りに・・・と500円位で買いました、写真に撮るときれいです。
レイ・プライスはもう高齢ですから健康面が心配で 歌えなくなるのも近いかも知れない・・・・・と思って今回若い時代の彼に絞ったレコード解説を訳して載せました。先般、Old Country について現代のカントリー歌手 Blake Shelton とのちょっとしたやりとり確執がありましたが Old でもやはり偉大なカントリー歌手であることに変わりはありません、1年でも長く歌い続けて欲しいと願っています
Ray Price (2)
米国盤 Harmony Records HS-11172 Ray Price Collector's Choice
(1)If You're Ever Lonely Darling (2)I Saw My Castles Fall Today (3)Talk To Your Heart (4)I Know I'll Never Win Your Love Again (5)Don't Let The Stars Get In Your Eyes (6)That's What I Get For Loving You (7)Four Walls (8)Oh Yes Darling! (9)Sweet Little Miss Blue Eyes (10)Let Me Talk To You
前回の続き
「 ”Lost Highway ”( 盲目のカントリー歌手レオン・ペインの作品でハンク・ウィリアムスが歌った曲 ) と同じ趣きの ”Road Of No Return ”( 1952年2/14録音 ) はこの時期の曲で、ハンクのバンド The Drifting Cowbys すなわちフィドルの Jerry Rivers、スティールギターの Don Helms、ベースの Cedric Rainwater、リードギターの Sammy Puruitt というメンバーが伴奏をつけているものです。 この頃には The Drifting Cowboys 自体が有名になっており、何曲かは実際に ”Ray Price and the Drifting Cowboys ” として売り出されました。1952(昭和27)年の次の Columbia レコードのセッションの頃にはレイ・プライスが実質上バンドを引き継いでいて、ハンクが出られない時はハンクの穴埋めに出演するというのが当たり前のようになっていました。 友人のカール・スミスのペンになる ”Move On In And Stay ”も同じ週に録音されたもので 場所も Castle スタジオなら、ハンクが ”You Win Again ” を録音したのと同じバンドでもありました。不思議なことにそれは発売にはならなかったので今回このアルバムで初めて聴くことができるものです。
レイ・プライスが The Drifting Cowboys を引き継いだのは1953(昭和28)年1月のハンクの死の後である-とずっと語られてきましたが、実際は ハンクが Grand Ole Opry を解雇されてナッシュヴィルを去った1952(昭和27)年8月に正式に引き継いだのでした。 人的な変化ではリードギターの Sammy Pruitt がカール・スミスのバンドに移籍して替わりに Pete Wade が加わりました(彼は後年ナッシュヴィルの優秀なセッションマンとして知られるようになります)。
このメンバーでのレイ・プライスの曲は以下の通りです。
Cold Shoulder (1953年2/2録音)
The Way You've Treated Me (1953年6/18録音)
Who Stole That Train? (同上)
Wrong Side Of Town (同上)
I'll Be There (1953年12/28録音)
”Cold Shoulder ” は有名な Acuff-Rose 社の重役の奥方 Helen Hudgins さん作ですし、 ”Who Stole That Train ” は ”Take These Chains From My Heart ”( これもハンク・ウィリアムスの歌で有名 )のような歌を Fred Rose と共作した Tin Pann Alley のベテラン作詞作曲家の Hy Heath のペンになるものです、 ”The Wrong Side Of Train ” は後年 ”Sweet Little Miss Blue Eyes ” をレイのために書いた Don Helms ( Drifting Cowboys のスティールギター奏者 )の作品です。 一方 レイの1956(昭和31)年の大ヒット曲である ”Crazy Arms ”よりも以前の大ヒット曲になった ” I'll Be There ” はアーネスト・タブのベテランリーダーだった Rusty Gabbard の作です。 また、”The Way You've Treated Me ”はまた別な驚きで、1953年録音セッションのうちの未発表曲でして 詳細は不明なんですが、恐らく Columbia レコード社の歌手に少なからず歌を提供していたナッシュヴィルの有名な広告マン Troy Martin を通じてレイに提供されたものと思われます。
1954(昭和29)年の中頃にレイ・プライスの一連のキャリアの中でもドラマチックな動きのひとつがありました、それは、彼が ハンク・ウィリアムスの honky-tonk スタイルに western swing の要素を加える決心をしたことでした。Don Helms が語るところによると、 ”レイは昔からずっと聴いてきたボブ・ウィルスやハンク・トンプソンの Western Swing をやりたいと思っていたんだね ” とのこと。 その結果 The Drifting Cowboys をファーリン・ハスキーに譲って 自らは新しいバンド The Cherokee Cowboys を結成したのでした。・・・・・次回に続く
<私のひとこと>
レイ・プライスのライナーノートを訳しながら書いている間に大好きなカントリー歌手だった Slim Whitman が6月19日に亡くなったことを知りました。 6月21日は母の命日だったこともあって、昔 母がアメリカ人の友人を訪ねた旅行でミネトンカ湖を訪れたことがあってスリム・ホイットマンが歌う ”ミネトンカの湖畔にて( By The Waters Of The Minnetonka ) ”を聴かせてあげた想い出とともに Slim Whitman のレコードを数枚聴いたのでした。スリム・ホイットマンについてはまた後日載せようと思います。
ところでトップの写真は私がアメリカから安い中古レコードを買っていた頃の Ray Price の名残りのものです、2008(平成20)年9月13日に記事を書いていたのに未発表にしたままにしています、今回ジャケット写真だけ載せましたが今回の記事と直接の関係はありません でも個人的にはインパクトがあって愛着があるレコードです
Ray Price (4) 米国盤 Rounder Records SS-22 Ray Price The Honky-Tonk Years 1951-1953 (1)Who Stole That Train? (2)The Way You've Treated Me (3)Slowly Dying (4)Move On In And Stay (5)The Wrong Side Of Town (6)The Road Of No Return (7)I Made A Mistake (8)I'll Be There (9)Tou Never Will Be True (10)Wasted Words (11)I Don't Want This On My Consciens (12)I Can't Go Home Like This (13)Cold Shoulder (14)Fallin', Fallin', Fallin'
レイ・プライスのLPレコードを500円で買いました、中古屋さんでしたが新品です。CDの時代で売れないんでしょうか。レイ・プライスの非常に初期の頃の曲集で荒削りですが純粋の Honky Tonk Style です。
ラウンダーレコード社がアメリカ Columbia Records の原盤を借りる形で出した Special Series ものです。 原盤を借りて出すという意味では後年のドイツの Bear Family Records 社あたりの先駆け、指針になったのではないでしょうか(?)。 Charles Wolfe という人が載っている1曲1曲の経緯まで書いたりしたかなりマニアックといえる詳しい解説がついています、レイ・プライスの初期の状況が解かりますので頭の体操のつもりで省略せずに3回に分けて訳して載せてみます(私なりの補足を少々入れました)。
ハンクがレイ・プライスに会ったのは1951(昭和26)年の秋です、ハンクは高く澄み切ったレイのテナーボイスを聴いて気に入り、自分の演奏ツアーに参加するように招待したのでした。数ヶ月間 演奏経験の機会を与え、出演、契約、さらには ”Weary Blues From Waiting ” のようないい歌さえ提供してやり、オープリーの支配人 Jim Denny が渋るのを説得してオープリーでの自分の出演ワクにレギュラーとして迎え入れたのでした。さらには短期間ではありましたが二人は宿舎を共にしたことさえあるのです。
1952(昭和27)年暮れになってハンクの個人的問題(オードリーとの不和に起因する諸問題か?)が悪化するにつれて ハンクが出られない時の代役を務めてバンドの前に立って歌うのはレイ・プライスだったのです。 聴衆の心を捕らえたレイの最初のレコードがハンク譲りのクラシックホンキートンクスタイルであって、レイ自身がさらに磨きをかけて作り上げた classic country music あったことは疑う余地のない事実です。
The Ray Price スタイルはさかのぼること1948(昭和23)年に始まっており、まだ彼が北テキサス州立農業大学で獣医学を学ぶ学生だった時代に、余暇にバンドを組んでアビリーンの KRBC 局の ”Hillbilly Circus ”という番組で歌い始めた頃になります。すぐにダラスに移ったのですが、そこは1940年代当時はナッシュヴィルよりもレコード産業の中心地だったところです。レイは Ross Avenue にある Jim Beck のスタジオに出入りするようになったのですが、そこは伝説ともなっているスタジオで、マーティ・ロビンスやレフティ・フリッツェル、シド・キング等の有名歌手を輩出したところでもありました。
Jim Beck や彼の作曲家達のためにデモレコードを作ったりすると同時に、新しいもの、タフな内容のもの、誠実な内容のもの、現実的なものといった " honky-tonk " と呼ばれるようになった歌の数々を直に学ぶ機会も得たのでした。
不成功に終わった Bullet レコードからのデビューと ” Big D Jamboree ”への出演のあとレイ・プライスは1951(昭和26)年3月に Columbia レコード社と契約を交わしました。 Columbia レコード社の契約書には”Sings and plays guitar ” と書かれていましたが、やがて驚異的なヒット曲を出すことになるにしては控えめな表現です。
ダラスからナッシュヴィルに移った1951(昭和26)年終わりまでにレイは4枚のレコードを出しました、いづれも Jim Beck のスタジオで録音されたもので、Shorty Long の ”I Made a Mistake(And I'm Sorry )” を歌ったバージョンが含まれています。バックの演奏陣は Beck スタジオのミュージシャンで 有名な2人のフィドラー(カントリースタイルのバイオリン)Georgia Slim とGeorge Custer 、ギターには Buddy Griffin、リードギターには Lefty Frizzell のセッションで光彩をはなった Jimmy Rollin がつとめたのでした。 どれもヒットするには至らなかったのですが、レイ・プライスは Columbia レコードでの次のレコーディングセッションが組まれるまでナッシュヴィルでハンク・ウィリアムスの許に居候することになったのでした。」・・・・・・以下次回に続く
ジョージ・ジョーンズ (3) 米国盤 Musicor Records MS-3061 Old Brush Arbors / George Jones Sings 12 Beautiful New Sacred Songs (1)Old Brush Arbors (2)Will There Be Any Stars In My Crown (3)Leaning On The Everlasting Arm (4)Won't It Be Wonderful There (5)Lord You've Been Mighty Good To Me (6)The Selfishness In Man (7)I'll Fly Away (8)Where We Never Grow Old (9)If You Believe(10)The Lily Of The Valley (11)How Beautiful Heaven Must Be (12)Well It's Alright
ジョージ・ジョーンズ(1931~2013年 テキサス州サラトガ出身)が亡くなりましたが、私が持っている彼のアルバムからセイクレッドソング(賛美歌)を聴く。まだ若くて充実していた時代のもので、ジャケットの風貌も近年の姿とは別人のようですが紛れもなくジョージの塩辛声です。 Sacred Song とはいえスティールギター、フィドル(カントリースタイルのバイオリン)、ピアノなどが入っており、老舗の男性カントリーコーラスグループのジョーダネアズがバックコーラスをつけています。
賛美歌というのはなじみ易いきれいなメロディの曲が多いですから ジョージのコブシを利かせた歌い方が変わらないためか まるで普通のカントリーを聴いているような気分です。 カントリー歌手になるために生まれてきたような人 というのはこのジョージ・ジョーンズのような人を指すのではないでしょうか・・・・・後日なにかコンパクトに彼の経歴をまとめたようなレコードジャケットから訳して載せようと思っています。
私にとってのジョージ・ジョーンズは 大概は中古で買ったレコードが多いです。初めて買ったLPレコードは Guest-Star Records というのと Hilltop Records という廉価盤のしかも中古品でした、日本盤が買えなくて買ったものです、共に500円くらいでしたが音はよかったです(写真2,3)。1番目ののはジャケットに George Jones と大書してあるもののジョージの歌は ”It's OK ”という1曲のみ入っているだけであとはStarday レコード社の歌手群で構成されたオムニバスレコードでした・・・・でもかえって楽しいアルバムになっていました。 2番目のレコードはマーキュリーレコード時代のジョージ・ジョーンズで正調カントリーの真髄にせまるもので、これぞカントリーというものです(以前このブログに載せています)・・・・つづく