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西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

つれづれに ( 西部劇の本 Part 3 )

2012年02月05日 | 西部劇の本
たくさんあった西部劇の本 ーPart 3ー
      

西部劇関連の本はけっこうたくさんあって、映画雑誌、Gun 関係の特集雑誌なんかを含めると相当な数になるはずです。今回の中で珍しいのは手塚治虫さんの漫画でしょう・・・・・昔の漫画を文庫本にして最近発売になったものです。手塚さんと西部劇・・・・・一見関係なさそうですがちゃんと残っているところが嬉しいところです。「 アリゾナ、ユタ 西部劇の大地を往く 」 も優れた本で 黄金時代の西部劇のロケ地が現在どうなっているか-を訪ねた紀行文で大変な労作と思いますし 楽しいものです、現役の本で写真もいっぱいだから興味がある人にはいいかも知れないと思って参考までに載せました
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つれづれに ( 西部劇の本 Part 2 )

2012年01月29日 | 西部劇の本
たくさんあった西部劇の本 -Part 2ー
           
  

西部劇には様式美みたいなものがあってたくさん見ていると判ることがありますが、色々な基礎知識があるととても面白く見ることが出来るんですね。アメリカ西部の歴史、インディアン、銃、アメリカの地理、カウボーイ、南北戦争などについて広く知っているとどんなに陳腐な作品であっても西部劇は面白みが倍増すること請け合いです。
現代の人達が西部劇が面白くないと感じるのはこうした基礎知識の欠如が大きいのではないかな-と推測します・・・・・私達が小さい頃の少年向けの雑誌なんかには時代劇、西部劇の漫画があったり、読み物が載っていたりしたので自然にそんなことが入ってきていましたので それがない今の時代は厳しいですね・・・・・西部劇はすっかりアナクロニズムの感が定着していますがそれでも新しく興味を持ってくれる人が一人でもいて続いてくれることを願って西部劇の本 Part 2 にしたいと思います。
この後に 岡 俊雄さんの 「 西部劇の世界 」 のあとがきの要約を続けて載せたいと思っています・・・・・続く
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つれづれに ( 西部劇の本 Part 1 )

2012年01月29日 | 西部劇の本
たくさんあった西部劇の本 -Part 1ー  
           


今は西部劇映画はすっかり過去のものになって影の薄い存在ですが 昔は映画の王道だった時代があるんですね。 私のような団塊世代の若い頃はまだその名残りがある時代で、リバイバル上映というのがあったり、3本立て上映なんかをする小さな映画館では洋画なら大体1本くらいは西部劇が混じっていたものでした。 西部劇衰退の原因は複雑なんでしょうが テレビ普及、色々な娯楽が出てきて映画が娯楽の王様ではなくなったことなどが挙げられるんでしょう・・・・・事情的には日本で時代劇映画がすたれていったのと同じようなことのようです。

ちょっと前の NHK番組でテレビ時代劇 ”水戸黄門 ” がなくなるとのことで 「 なぜ日本の時代劇が衰退したんだろうかー 」 というようなテーマで山田洋二監督なんかが出て話をしていました。 近年はけっこう時代劇映画は作られていて良質の作品もあると思っているのですが、テレビ時代劇がすっかり消える-という話は初めてだったのでちょっとびっくり・・・・・自分に置き換えてみてもテレビで時代劇を見るなんてことはなくなったし、ましてや自分よりも若い世代の人が見るなんてことは考えられないから仕方ないことかも知れないです。 自分の若い頃のおばあちゃん達はけっこう時代劇を見ていた気がするんですが、さて自分と同世代の女性達がおばあちゃんになった時に時代劇を見るかというと-とてもそうは思えないんです。 西部劇も同じですね、私達の世代より10~20くらい上の世代の人達が一番西部劇を見たんじゃないかな・・・・・・昔の映画雑誌の西部劇特集号なんかを見るともうやたら詳しいことが書いてあります、パソコンなんかない時代なのにとても詳しい。 ということは、それなりに努力して情報を集めないといけないので ”好きこそ物の上手 ” で とにかく熱心だったということですね。

今回は西部劇に関する本を載せてイメージをふくらまして興味を持ってもらう目的で載せました・・・・・・過去に本の内容そのものを採りあげたものもあリますし、未完成でそのうちに載せようと思っていたものもありますが 写真だけでもと思って載せました。 安いDVDがたくさん出ている時代ですから少しでも若い世代に西部劇に興味を持ってもらえるきっかけになるとといいなあ・・・・・・まずはPart 1 ということで過去の西部劇本を載せました、最後のは英語版の本ですが日本語訳の小冊子が入っているものでした。ハードカバーの立派な装丁のものから文庫本まで、古本でないと手に入らないものから現役の本までさまざまです・・・・・次回 Part 2 を載せます
。 
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西部劇の本 ( 西部劇の大地を往く )

2011年05月07日 | 西部劇の本
  
アリゾナ、ユタ 西部劇の大地を往く 

著者:原川順男  市田印刷出版 2011(平成23)年3月30日 発行 1905円(週刊誌サイズ)
 

西部劇の好きな人や往年の西部劇映画の名作をたくさん作ったジョン・フォード監督について興味を持っている人にとってはとても嬉しい本が出版されました。 この本はすごい!!・・・・・過去に西部劇に関する本はたくさん出されていましたが この本のすごいところは著者の原川さんとその友人の方達がかつての名作西部劇が撮影されたロケ地を数回にわたって実際に訪れて 現在そこがどうなっているかを間近に見て映画のシーンとそっくり同じシーンの今をカメラに収めたものが対比して載っているということです( ロケ地リサーチ・・・という形で掲載されている )。 例えば「荒野の決闘」のラストシーン(写真)・・・・・柵の横に佇むクレメンタイン(キャシー・ダウンズ)にワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)が ”クレメンタインという名前が好きです ” と言って別れを告げて荒野の彼方の1本道を去っていく印象的なシーンがありますが、その場面の今の風景写真が載っているという訳です・・・・・こんなシーンが他の西部劇についても満載されています。西部劇に出ていた風景を訪ね求めて同じアングルで写真に撮る-というのですから大変な労力と費用がかかっているはずで、著者の原川さんの西部劇に対する並々ならぬ情熱が伝わってくるものになっています。
 
実はこの本、原川さんが2010(平成22)年11月に一度自費出版( 500部ほど )されているんですね(右の写真)、これが好評で あっという間になくなったとのことで今回より多くの人に見てもらえるようにきれいなカバーと帯をつけて大手書店( ジュンク堂、丸善ほか )で買えるような形で再出版されたんだそうです。  目次から

・Part 1 モニュメント・ヴァレー(アリゾナ&ユタ州)・・・・・「駅馬車」「荒野の決闘」「アパッチ砦」「黄色いリボン」「捜索者」「バッファロー大隊」「シャイアン」
・Part 2 モアブ(ユタ州)・・・・・「幌馬車」「リオ・グランデの砦」「シャイアン」「コマンチェロ」「アパッチの怒り」「血と怒りの河」
・Part 3 セドナ&プレスコット(アリゾナ州)・・・・・「折れた矢」「襲われた幌馬車」「銅の谷」「高原児」「ジュニア・ボナー」
・Part 4 ケイン・カウンティ(ユタ州)・・・・・ 「荒野の3軍曹」「西部の王者」「マッケンナの黄金」「女群西部へ」「ミズーリ大平原」「アウトロー」
・巻末特集ジョン・フォードの足跡をたどる
Tale 1 フォード一家は酒飲み揃い
Tale 2 フォード映画かく作られき
Tale 3 フォードかく語り、語られき
Tale 4 フォード、AFI功労賞に輝く
Tale 5 フォード最後の日々
Tale 6 ドキュメンタリーで甦るフォード 

西部劇いまいずこ・・・あとがきに代えて

以上のような構成になっています。 各映画のロケ地写真のほか、ジョン・フォード一家銘銘録、日本公開時の映画ポスターもたくさん載っていて楽しいものになっています。 西部劇映画ファンにとっては 古くからの人にもこれからファンに-という若い人達にもぜひ薦めたい本です。
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アメリカ西部の本・・・発刊されたそうです!!

2010年12月03日 | 西部劇の本


2004(平成16)年に「モニュメント・ヴァレーの消灯ラッパ」という本を出された原川順男さんから新しい本 「 西部劇の大地を往く 」 の出版案内のお手紙をいただきました。案内のチラシが入っていましたのでご本人の許可を得てそのまま載せることにしました。今回は ” 新たなアメリカ西部旅行の記録を、現地の風景と映画のシーンをビジュアルに対比してまとめた写真集 ” ということですから西部劇映画で出てきた風景がいまどうなっているのか・・・・等知ることが出来るのかも知れません。原川さんは昔の西部劇等に詳しい方ですのできっと一般的な旅行とは違った目線でのアメリカ西部紀行が望めるのではないかと私も期待しています。B5版120ページ、全カラー写真とのことで内容も別に表記しておきたいと思います。

内容
Part Ⅰ・・・・・モニュメント・ヴァレー( アリゾナ&ユタ州 )
Part Ⅱ・・・・・モアブ( ユタ州 )
Part Ⅲ・・・・・セドナ&プレスコット( アリゾナ州 )
Part Ⅳ・・・・・ケイン・カウンティ( ユタ州 )
巻末特集・・・・ジョン・フォードの足跡をたどる

11月末に出版されるそうですが 私家版なので一般書店での販売はなくて1冊1800円(送料別)、発行部数も500部くらいかな・・・・というお話でした。お問い合わせ先は下記の通りです
  郵便番号247-0072 鎌倉市岡本1ー14ー6  原川順男
  (TEL & FAX 0467-45-3116)

西部劇の神様 ジョン・フォード監督 やアメリカ西部について興味がある人達には朗報かもしれない-と思ってお知らせしました。
参考までに 以前出版の 「 モニュメント・ヴァレーの消灯ラッパ ( ジョン・フォード西部劇を追って ) 」 については私のカテゴリー ” 西部劇の本 ” の項で採り上げています 

本日(12/ 3)原川さんから電話があって発刊されたそうです、まだ現物を見ていませんので届いたら載せようと思います・・・・・とりあえずはお知らせの意味でまた前にもってきました。
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本 -16- ( 西部劇総覧 )

2010年06月27日 | 西部劇の本
西部劇総覧  著者: 児玉数夫 東都書房  1971(昭和46)年 発刊

久し振りに西部劇の本です。最近は自称 ”西部劇研究家”みたいになって以前にもましてこの手の本を読んだり映画を見たりしています・・・・・これからのパソコンの時代 本もそこから読めるようになっていくんでしょうけど 私のような根っからのアナログ人間にとってはやっぱり本は紙の本を手にとって読むもの・・・・と決まっています・・・その喜びの方が大きいです。

さて、この本は私が21~22才の頃に出たもので 西部劇大好き人間にとってはバイブルの1冊とも云えるものです。装丁もハードカバーの立派な本で、私なんか仕事上の専門書なんかよりもずっと大事にしているものです・・・・この本が行方不明になったらきっと気持ちが動揺するかも・・・というくらい(smile)。 
映画評論家多しといえども この本の著者 児玉数夫さんが一番熱心に西部劇に関する本を書いて出されていました。児玉さんには他に「西部劇大鑑」「西部劇紳士録」「娯楽映画の世界/西部劇」「大西部劇」があって いずれもファンにとってはバイブル本といえるものなので、これから西部劇に熱心になろうという人は古本にはなりますが是非揃えられたらいいかと思います。 ただし、この「西部劇総覧」は私が買った時は2800円でしたが 過日東京の古本屋さんに飾ってあった値段をみると22000円となっていました・・・・・こんな状況はよくないですね、そんなに高くなっているんだったら是非再販してもらって幅広く皆が読めるようにしてもらいたいものです・・・・・再販を熱望!!以下に内容を載せておきます

<目次>

(1)西部劇名鑑・・・・・・・西部劇におなじみのスター、脇役、映画監督がA~Zまでアルファベット順に載せてある人名録。今の時代 もっと詳しく-という人には物足りないかもしれませんが僕が西部劇に熱心になり始めた頃はこれでも十分凄いものでした。 ちなみに最初と最後に載っている人を掲げてみますと、A項でジュリー・アダムス( Julie Adams )、Y 項でフィリップ・ヨーダン( Philip Yordan )となっています。 この人名だけで西部劇作品がパッといえる人はもう超 Western Crazy fan でしょうね・・・・・皆そうでしょうけど私なんかも ”ン?? ” ですから。 でも知らない知識を得るのは楽しいものです。

(2)西部劇百科・・・・・・・ Wild West、Real Westerners 、Authors、Stunt Men 、Others というわけで西部劇に必要な知識をあらゆる面から載せてあります・・・・・つまりこうした事を知っていると西部劇をもっと面白く見ることができますよ-みたいな予備知識群についてのべてあるものです。
例えば地名については「アビリーン」「アリゾナ」「ダコタ」「ダッジ・シティ」「シルバー・シティ」などについて西部劇映画と絡めてその州、町について説明してあるとか、人物については「ジョン・ブラウン(過激な奴隷廃止論者)」「ジェロニモ」「ワイルド・ビル・ヒコック」「カラミティ・ジェーン」「アル・シーバー(有名なスカウト)」「ベル・スター(西部の女賊)」などアメリカ西部を賑わした人達について。

作家には「ゼーン・グレイ」「アーネスト・ヘイコックス(駅馬車の原作者)」「アラン・ルメイ」などについて。スタントマンの「ヤキマ・カヌート」について、その他「アラモ攻防戦」「バウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)てなんだ」「Good Badman てなんだ」「ピンカートン探偵社てなんだ」「製作第二班について」「相棒役者(sidekick)について」「ウェルス・ファーゴてなんだ」「テンガロン・ハット」について等など盛りだくさんの雑学・・・・・smile。
先頃私の blog を読んで下さっている ”浜の隠居 ” さまのコメントにドゥーリン・ギャング、ローズ・オブ・シマロンという名前が出てきましたが、この本では ”Rose of Cimarron ” について-----オクラホマに悪名高いビル・ドーリンの ”ドーリン・ギャング ” には有名な無法者が揃っていたが、なかには ”キャトル ”アーニー、”リトル ”ブリッジスという女性も混じっていたそうである。しかし、後年有名になったのは一味の ”ビター・クリーク ”ことジョージ・ニューカムの恋人 ”ローズ・オブ・シマロン ”である。二人は恋仲となり彼のために銃を射ち、馬を駆った情熱の女-----と書いてちゃんと載っているんですね、凄い!!

(3)本邦公開音響・発声西部劇全作品録・・・・・・・1929(昭和4)年~1968(昭和43)年までの西部劇作品の題名、公開日、原作、監督、脚色、撮影、出演役者が細かく載せてあります。 ”音響・発声 ”なんて古い表現がしてありますが つまり無声映画以後の作品(トーキー映画)ということです・・・ストーリーは載っていないので映画的な資料としてはいいかもしれません

(4)Western Elements・・・・・・・西部劇的要素をもった作品 ということで(3)と同じようなことが載せてあります
(5)索引

なお、表紙写真の下1/3はカバー帯です。
実生活には何の役にも立たない西部劇映画についての雑学群なんですけど、単調な日々ながらも精神的ストレスの多い現代社会に生きるものにとって何らかの慰めが必要で-自分にとってのそれがカントリー&ウェスタン音楽であったり西部劇映画であったりというわけです
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本ー25- (西部劇・夢の伝説)

2009年11月17日 | 西部劇の本
Westerns / 西部劇・夢の伝説
 フィリップ・フレンチ 著  波多野哲朗 訳  フィルムアート社  1977年刊


この本は1973(昭和48)年に出版されたもので、日本版は1977(昭和52)年に発売されました。著者の Philip French はイギリス人です。目次は以下の通り

*はじめに・・・・・30年余にわたる映画通いで得た西部劇についての感想を気の合った読者と分かち合いたい、私の関心は1950年以降に作られたアメリカの劇場用西部劇にある・・・とのこと。

*第一章 「政治・・・そして西部劇」( 私の感想:とにかく内容が硬くて難しい! 過去20年にわたる西部劇を考察するために一つの方法を提起したい・・・・・映画のスタイルや調子(トーン)や内容を4人の著名な政治家のレトリック、信念あるいは公的な相貌といったものと関連させてみる・・・・・・と。この短い文章を見ただけで僕は何のことだか判りませんでした。レトリックなどと原語のままの難しい表現を避けてやさしい日本語に置き換えて欲しかった。4人の政治家というのは1950年代はじめに登場してきたジョン・F・ケネディ、バリー・ゴールドウォーター、リンドン・ジョンソン、ウィリアム・バックレーで、各人についての個性や政治信条などの特徴を述べた後 色々な西部劇を揚げてこの作品は ”ケネディ西部劇 ” でこの作品は ”ゴールドウォーター西部劇 ”にあたる・・・・・など述べてあります。とにかく内容が難しい!僕は西部劇と政治家の信条とを結びつけて論じる意味があるんだろうか、しかも普遍性のない限られた時代の政治家をとりあげて・・・・と思ってしまいました。時代の流れがあってもある程度いつの時代にでも通用する普遍性のあるものでたとえないとなあ)

*第二章 「主人公と悪漢、女と子供」(ここも難解で難しい、たくさんの西部劇作品をあげながら述べてあるんですが焦点が定まっていないので一体何が言いたいのかさっぱり判らないので面白く読めませんでした)

*第三章 「インディアンと黒人」
*第四章 「風景、暴力そしてポーカー」
*第五章 「ポスト・ウェスタン」
*注
*文献・・・・欧米での西部劇研究書と日本で出版されている西部劇関係書が載っている
*西部劇映画フィルモグラフィー・・・監督別に代表的な西部劇作品の簡単なストーリーとデータの紹介
*訳者あとがき

読んでいてなんだかとっても疲れました・・・・・・一気にすらすらと読めないのです、一体何を云いたいのか解からなくなることもしばしばで途中で投げ出したくなるほど。それはひとえに直訳的な表現があまりに多すぎることに尽きると思います・・・・もっと意味を汲んでかみ砕いた表現にして面白く読めるような訳の工夫があればよかったのに・・・・・良書に違いはないと思いますが・・・訳が・・・・・読了するには相当の我慢、根気が要ります。

ところで 著者の西部劇ベストは「駅馬車」だそうで、戦後の気に入り西部劇20作は以下の通りとのこと。(1)赤い河(2)幌馬車(3)真昼の決闘(4)シェーン(5)ヴェラクルス(6)堕ちた星(7)赤い矢(8)決断の3時10分(9)西部の人(10)ゴーストタウンの決闘(11)左ききの拳銃(12)ひとり駆ける(13)燃える平原児(14)片目のジャック(15)昼下りの決斗(16)リオ・コンチョス(17)エルダー兄弟(18)太陽の中の対決(19)レッド・ムーン(20)モンテ・ウォルシュとなっていました。
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本 -15- (大西部劇)

2009年08月17日 | 西部劇の本
大西部劇   児玉数夫 編  ノーベル書房  1992年 発刊

俳優の山城新伍さんが8月12日に亡くなった。山城さんといえば私のような団塊の世代(私は昭和24年生まれ)にとっては子供の頃に白黒テレビで見た「白馬童子」「風小僧」の記憶があるので ”ああ、山城さんが亡くなったんだ・・・”と感無量でした。しかも老人ホームで孤独にこの世を去られた・・・・とのこと、昭和13年生まれで70才だったそうだけど 今時の70才といえばとても老け込むような年齢ではないし、現役バリバリで元気な人達がいっぱいいらっしゃるのに・・・・・糖尿病が良くなかったんでしょうか。
”木の葉が騒ぐ風が吹く~おいらは風の子風小僧~ヒューヒューヒューヒュー~風を呼ぶんだ正義の風を~それゆけ、やれゆけ、どんとゆけ~” だったと思いますが「風小僧」の主題歌を今でも覚えているくらいです・・・・・。  
糖尿病は深く静かに進行するから現代人にとって自己管理の大切さを思います。

ところで、山城さんは映画全般に詳しい人だと感じていました。 特に西部劇にはとても薀蓄(ウンチク)のある方で 一家言持っておられる方だなあと思いましたが、それは1992(平成4年)に映画評論家の児玉数夫さんが出された「大西部劇」という大部の写真集の中で児玉さんと山城さんの西部劇に関する対談が載っているのを見た時でした。山城さんの話はそれはもうたいへんな知識ぶりです。以下は本の目次・・・・・・

ウェスタン・ワイド・シーン・・・西部劇のあるシーンを拡大した写真5枚
ウェスタン・ヒーロー・・・男優ごとの西部劇映画の1シーンを89枚の写真で紹介 
ウェスタン・ヒロイン・・・同じく女優ごとの1シーンを45枚の写真で紹介 

対談・山城新伍 / 児玉数夫 素晴らしき哉・西部劇・・・2人のとても面白い対談

サイレント・ウェスタン・・・沢山の写真と広告で無声映画時代の西部劇を解説

トーキー・ウェスタン・・・以下の各映画会社ごとにその成り立ち、盛衰及びどんな西部劇があったかを豊富なスチール写真、ポスター等を載せて見せてくれるもの。あくまでも写真集に力点を置いているので大きくて鮮明な西部劇のシーン写真とポスターで想像力をかき立てられるものになっています。なお、この本に載っている写真は全て白黒写真です。

(1)ユニヴァーサル (2)20世紀フォックス (3)パラマウント (4)ユナイテッド・アーティスト (5)メトロ・ゴールドウィン・メイヤー (6)ワーナー・ブラザーズ (7)コロムビア (8)RKO (9)アライド・アーティスツ (10)リパブリック (11)独立プロダクション (12)ヨーロッパ&その他諸国

さて、対談では2人の会話が弾んで いたるところに(笑)の文字が出てきます。山城さんのとんち、機転の効く話し振りに読んでいて思わず笑ってしまうところが沢山です。ここでは山城新伍さんの映画に対する薀蓄みたいなところがでている幾つかを抜粋しておきます・・・・・
「ぼくは人間臭いドラマがすきなんですね。だからSFXやミュージカルが嫌いなんですよ、そういう映画では役者が芝居させてもらえないからイヤなんですよ(役者の立場で見るから)。」

「一番影響うけたのは”荒野の決闘”ですね、ジョン・フォードのリリシズムみたいなものが大好きで、西部劇がヤミつきになったんですよ」

「”ソルジャー・ブルー”とか”レッド・ムーン”あたりからもう西部劇は酔えないですね。西部劇に姿を変えて、やれベトナム戦争だとかいわれてしまうと困っちゃうんだね。時代劇でもそうで、現代に通じるもの、メッセージがなくちゃならんとか・・・・そうじゃなくて、見る人がいかに心地よく酔えるか、というような作品を作ることが勝負だと思うんですよ・・・」

「クーパーの”遠い太鼓”というのがありますが、フロリダのセミノール・インディアンがでてくるんですね。そこでフロリダにセミノール・インディアンなんかが居たのかと思ってね、ついインディアンの分布図なんかを調べるんです。」

「”リオ・グランデの砦”はジョン・フォードの作品のなかでは超Aクラスの作品ではないんだけれど、何故西部劇が好きになったのかという原点のようなシーンがこの中にあるんですね。つまり、男の本能を語る有名なセリフがあるんですよ。それはね、”男は戦わないときは、一本のウィスキーをとり合いして大ゲンカをするくせに、さて戦場に居るときは、最後の水の一滴をわかち合いしてみんなで飲む、それが戦友だ”というわけですね。このセリフが男の原点なんですね。これでいっぺんに西部劇が好きになるんですよ。これがジョン・フォードの精神なんですね・・・・」

「ぼくはもともと西部劇とは縁があるんですよ。デビューの”白馬童子”は”ローン・レンジャー”のパクリなんですよ。徹底してローン・レンジャーで行こうということだったんですね。ぼくは馬に乗るのはうまかったですよ。馬の上手なヤツがいるということで主役に抜擢されたんですよ」

「映画に関しての記憶を養う一つの方法として、ぼくは、あの”誰がために鐘が鳴る”を利用するんです。あれの出演者は各国から集められてますからややこしいんですよ。ゲイリイ・クーパー、イングリッド・バーグマン、エイキム・タミロフ、ウラジミル・ソコロフ、アルツール・デ・コルトバ、ジョゼフ・カレイヤア、カテーナ・パキシノー、こういう名前がね、すらすらと出てくる間は記憶は大丈夫だということなんですよ。脳の訓練になりますね。映画をそういう体のコントロールまで持って行く(笑)、それがたのしいですね」

「ご存知というのが大事なんですね。つまり、御存知という役者の顔が出てきてくれるから、ジャック・エラムみたいな顔が出てくれるからホッとするんですよ。」・・・・・・・・・・などなど楽しい話は尽きません。

山城さんは話し上手で機転が利いて楽しい人だったので僕は好きでした。山城さんの死を知って真っ先にこの対談が浮かんできました・・・・・すこしだけでも披露したくて(懐)。

なおこの「大西部劇」という本は箱入りの28000円もする高価な本で、知ってはいてもなかなか買えない値段で何年かして古本屋さんに9000円で売っていたのを目をつぶって買いました(それでも高いよなあ)・・・・・でもそれだけの価値有りと感じたものです
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本 -14- (誇り高き西部劇)

2009年05月21日 | 西部劇の本
誇り高き西部劇  
著者:逢坂 剛 / 川本 三郎  新書館  2005(平成17)年


約1年前に書いた記事を今回載せることになりましたが、これは西部劇ファンにとっては有難い今でも現役バリバリの本です。以前紹介した「大いなる西部劇」の続編ともいうべきもので、作家 逢坂 剛さん(1943年生まれ)、映画評論家 川本三郎(1944年生まれ)さん2人の西部劇に対する情熱が感じられるものになっています。
<目次>
まえがき (逢坂 剛) 
(1)西部劇黄金時代のスターたち・・・・・・ランドルフ・スコット、ゲイリー・クーパー、ジョン・ウェイン、ジョエル・マクリー、ロバート・テイラー、アラン・ラッド、エロール・フリン、グレン・フォード、フレッド・マクマレイ など22人のスターが主演した西部劇のプログラム写真集。アメリカの俳優なら必ず西部劇出演作があるのが当たり前だった時代なのでほとんどのスターが登場しています

(2)西部劇を盛り上げた個性派スター・・・・リチャード・ディックス、スターリング・ヘイドン、モンゴメリー・クリフト、タイロン・パワー、ヴィクター・マチュア、ジャック・パランスなど18人の出演西部劇のプログラム写真集

(3)B級ウェスタンのスターたち・・・・・・・ウイリアム・エリオット、ロッド・キャメロン、ガイ・マディスン、ロバート・スタック、ブロードリック・クロフォードなど30人のスター達が出演した西部劇のプログラム写真集 

(4)女性がメインの西部劇プログラム・・・・・マレーネ・ディートリッヒ、バーバラ・スタンウィック、ロレッタ・ヤング、ジェーン・ラッセル、モーリン・オハラ、マリリン・モンローなど27人の綺麗どころが出演した西部劇のプログラム写真集 

(5)インディアンがメインの西部劇プログラム・・・・・エドモンド・オブライエン、ヴェラ・マイルズ、サル・ミネオ など7人の出演西部劇のプログラム写真集

(6)ニューシネマの西部劇・・・・・・・サム・ペキンパー(監督)、ロバート・レッドフォード、リー・マーヴィン、クリス・クリストファーソン など8人のニュー西部劇のプログラム写真集

(7)対談 西部劇、その魅力を俳優別に語ってみたら 

(8)デルマー・デイヴズ讃(逢坂 剛)・・・・・「私にとっての三大西部劇監督はジョン・スタージェスとアンソニー・マン、そしてデルマー・デイヴスの三人である」・・・・・とのことで、デイヴス監督の9本の西部劇について各作品ごとに薀蓄を述べられています。 その9本とは「折れた矢」「帰って来たテキサス人」「太鼓の響き」「去り行く男」「襲われた幌馬車」「決断の3時10分」「カウボーイ」「悪人の土地」「縛り首の木」・・・・・というんですが見てのお楽しみかな? 

(9)フロンティアへの讃歌と挽歌 (川本三郎) 
あとがき (川本三郎)

さて、2人の対談のところでは”長年にわたり収集したなかから厳選した300点・・・・・お互いのプログラムを眺めながら西部劇の魅力を縦横無尽に語る”・・・・・ということだそうです。これだけでも面白いのですが4~5人で口角泡を飛ばしながら喧々諤々(けんけんがくがく)語り合うくらいの雰囲気があった方が面白かったかもしれないですし、できれば詳しいアメリカの人が一人でも加わってアメリカサイドからの意見があったりするともっと楽しいものになる気がするんですが・・・・・でもまあ失なわれたものに対してロマンを掻き立てるようなもので内容的にはよかったと思います。

本の前半分を占める往年の西部劇プログラムやプレス・シートが全てカラー写真で載せてあるのでそれらを眺めるだけでも西部劇への意欲が湧いてくる感じで楽しいものです。「銃の後に立つ男」「拳銃の町」「西部の人」「死の谷」「勇者のみ」「襲われた町」「月下の銃声」などの日本語題名を見ただけで想像力を掻き立てられて見たくなるようなやり方のほうがずっと楽しそうです・・・・・その点横文字一辺倒の現代の洋画は損しているかなと思います(横文字だけではイメージが湧いてこないものが多いですし見たいと思わせるには気の利いた日本語題名を・・・・・です!)。

プログラムの写真集を見ていると現在発売になっている西部劇DVD以外にいかに数多くの作品が埋もれてしまっているか・・・・・がわかります。西部劇映画が甦らないのならせめてDVD等でこれらの作品が見ることの出来る状況になって欲しいなと願うばかりです。
表紙は「死の谷(Colorado Territory)」のジョエル・マクリーとヴァージニア・メイヨ
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本ー20- (西部劇映画100選)

2009年05月10日 | 西部劇の本
西部劇映画 100選    著者:増淵 健  秋田書店 1976(昭和51)年 発刊

1970年代までは西部劇に関する本が比較的たくさん出ていました・・・・でもそれを過ぎるとさっぱりで、1980年代は西部劇不毛の時代、映画も申し訳ない程度にあるだけでしたので西部劇はすっかり過去のものになったのでした。時代の風潮もあるでしょうし、西部劇ファンは圧倒的に男性が多かったので興業的なことを考えても半分を占める女性観客にアピールできない映画は敬遠されがちになったとも云えるでしょうし仕方のないことなんだと思います。
そんな中、西部劇映画にとても熱心だった映画評論家の増淵 健さん(故人)の本が出されたのは嬉しかったものです。

本のあとがきに 「100選であって100傑ではない・・・・・独断と偏見に満ち溢れて選んだ・・・・・”大列車強盗”から”平原児”までの33年間の空白があって見ていない作品は書かない方針を貫いた・・・・・映画は文字とちがって個人が望むまま”原典”に接しられないハンデを背負っている このハンデは絶対で、あまりにしばしば絶望的な気持ちになった・・・・・未見の作品の多さへの違和感がとことんついてまわった・・・・・私の独断と偏見にいささか特徴があるとすれば、日本人が西部劇について語るという視点に徹したことだろう・・・・・」、と書いておられます。 自分よりもずっと先輩である増淵さんでさへそんな風に感じられているのだから私なんかの世代が”遅れてきた西部劇ファン”と感じても納得できるな・・・・・と思ったものです。

さて内容ですが、例によって作品群が挙げられて それについての監督、俳優、ストーリーが載っているのですが 各作品中にも増淵さんの思い入れ-とか薀蓄(ウンチク)が随所に述べられていて面白く読めるものになっています。 今では古本でしか手に入らないものですが、西部劇ファンの人は見つけられたら是非購入された方がいいかな-と思います。  大量ですが載っている作品リストだけを載せておきます。 増淵さんが挙げられた100選、大体こんな作品を見ていると一応の西部劇通と自慢できるのかも(?)知れません(役にも立たない-どうでもいいような自慢なんですけどーsmileー)・・・・・これらのうち日本でもけっこうDVDになって発売されている作品が多い(しかも安価なのが多い)のに気付かれるかと思います。   西部劇を楽しむ指標になればいいですが・・・・・

<目次>
映画の開拓時代: 大列車強盗/ 戦う隊商/ 平原児/ テキサス決死隊/ 新天地

ナショナリズムの時代:
 駅馬車/ 大平原/ 地獄への道/ 砂塵/ マルクスの二挺拳銃/ 西部の男/ 西部魂/ 壮烈第七騎兵隊/ ならず者/ オックス・ボー事件(牛泥棒)/ 西部の王者/ サン・アントニオ/ 荒野の決闘/ 落日の決闘/ 拳銃無宿/ 追跡/ 凸凹西部の巻/ 白昼の決闘/ 西部の裁き/ アパッチ砦/ 黄金/ 三人の名付親/ 腰抜け二挺拳銃/ テキサス警備隊/ 赤い河/ 死の谷/ 黄色いリボン/ 荒くれ男/ ウィンチェスター銃'73/ 折れた矢/ 拳銃王/ 幌馬車/ ジェロニモ/ テキサスから来た男/ リオ・グランデの砦/ 彼女は二挺拳銃/ ダラス/ 勇者のみ/ 命知らずの男/ 勇魂よ永遠に

権力否定の時代: 
真昼の決闘/ 無頼の谷/ シマロンの女拳銃/ 私刑される女/  シェーン/ 最後の酋長/ カラミティ・ジェーン/ ヴェラクルス/ 折れた槍/ 大砂塵/ 大酋長/ コマンド/ 星のない男/ 拳銃稼業/ 荒野の無頼漢/ 誇り高き男/ 捜索者/ 機関車大追跡/ ローン・レンジャー/ 必殺の一弾/ OK牧場の決闘/ 決断の3時10分/ 大いなる西部/ カウボーイ/ 西部の人/ リオ・ブラボー/ 騎兵隊/ ワーロック/ ガンヒルの決闘/ アラスカ魂/ 荒野の7人/ リバティ・バランスを射った男/ 昼下りの決闘/ マクリントック/ 荒野の用心棒/ シェナンドー河/ テキサスの5人の仲間/ さすらいの一匹狼/ インディアン狩り/ 群盗荒野を裂く/ 墓石と決闘/ 大いなる砲火/ レッド・ムーン 

ニューシネマの中の西部劇:
 明日に向って撃て/ ワイルドバンチ/ 勇気ある追跡/ 夕陽に向って走れ/ ソルジャー・ブルー/ 地平線から来た男/ さすらいのカウボーイ/ ロイ・ビーン/ ミネソタ大強盗団/ 大いなる勇者/ 男の出発/ ブレージング・サドル
コメント
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