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西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

本 -20- (モニュメント・ヴァレーの消灯ラッパ)

2008年11月16日 | 西部劇の本
モニュメント・ヴァレーの消灯ラッパ (ジョン・フォード西部劇を追って)   著者: 原川順男    株式会社かんぽう 発行

11月15日(土)鹿児島市内のギャラリーの「西部劇 栄光の60年イラスト展」に行った。この日は特別に東京から写真に挙げた本の著者 原川順男さんが来られて「ジョン・フォードはインディアンを何人殺したか!?」・・・・・という題でギャラリートークがあったのでした。そのため話を聴こうと、いつもなら仕事を終えて金曜日の夜に博多に帰るところを一日延ばしたのでした。
まずその題名に・・・・・面白い見方があるものだとびっくり。
フォード西部劇でインディアンが出てくる9作品を時代順に挙げて・・・・・1939年の「駅馬車」から「アパッチ砦」「黄色いリボン」「リオ・グランデの砦」「捜索者」「馬上の二人」等そして1964年の「シャイアン」まで・・・・・何族が出演したとか、撮影場所はどこだったとか、画面から「何人のインディアン?」・・・・・というわけなんですね。相当に1本の作品を見込んでいたり、薀蓄がないと出来ないわざです(smile)、でも原川さんは「~の場面がありましたね」とかスイスイと話されていました。    インディアン達にとっては迷惑な話ですが、それでもフォードが生活上苦境に喘いでいた彼らにエキストラとしての仕事を提供して援助する形になった、とか「シャイアン」はインディアンに同情を示すような作品になった・・・・などフォード監督は決して彼等を粗末に扱うことは無かったという面白いお話でした。
聴きに来ていた人達はせいぜい20人位でした(主催者の前田さんがもうすこし多いかと思ったけど西部劇の現状ではそんなものかなと話されていました)が、多分西部劇にひとかたならぬ愛着を持つ人たちだろうと思います。

さて、2004年に出されたこの本は原川さんの話によると500部しか出版されなかったのだそうです。私もその存在は知っていたのですが本屋さんでは手に入らなかったのでは・・・・・未だに手に入らないままなんですが、知り合いの映画好きのT君が持っていたので借りて読んでみました。以下目次です

PartⅠ.はるかなるモニュメント・ヴァレー ・・・・・原川さんは何回か実際に訪ねられていて、アメリカ西部の地図からその位置と映画ロケが行われた場所の紹介。なぜジョン・フォード監督が西部劇でこの地を選ぶようになったのかのエピソードを紹介してある。「荒野の決闘」の終わりのほうで有名な「ワイアット・アープとクレメンタインの別れのシーンの遠景」についても述べられています

PartⅡ.騎兵隊3部作の向こうにアイルランドが見える ・・・・・アイルランド出身だったフォードは俳優でも、映画の内容や音楽でもアイルランド系とかアイルランド気質(かたぎ)をさりげなく使ったり入れたりしていますが、その根源がなぜなのかが判るような内容

PartⅢ.アイルランドに「静かなる男」を訪ねて・・・・・著者がジョン・ウェイン主演の「静かなる男」(1952年)の撮影現場をアイルランドに訪ねた時のもようを紹介したはなし

PartⅣ. 最後の輝きとしのびよる落日・・・・・ 西部劇「捜索者」、「シャイアン」などについて

PartⅤ.ジョン・フォードがいた風景・・・・・衰退する西部劇。1964年にフォードが語ったという 「西部劇が好きだと、無学な人間と決め付けるのは馬鹿げたことだ。セックスや犯罪、売春、麻薬中毒を扱った映画を好む人間の方がインテリなのか」 と予見して反発している・・・・・という文章が載せてあります(現代はまさにそういう時代になってしまったと感じますね)。     他に所々に挿入された下記のような記事も面白いものです

Side Story 1 ”もうひとりのジョン・ウェイン”の死
Side Story 2 フォード映画のヒーロー、ヒロインたち
Side Story 3 ハリー・ケリー・ジュニア訪問記・・・・まだ存命で元気なんですね(嬉)

For Your Information 1・・・・モニュメント・ヴァレー及びモアブ ロケ作品一覧(フォードだけでなくて他の監督作の西部劇も載っているので有難い)
For Your Information 2・・・・ ジョン・フォード一家メンバーの作品歴
For Your Information 3・・・・ ジョン・フォード作品の挿入曲(各映画の場面場面で使われた曲が細かく記してあってその曲名や歌の由来まで載せてあります。著者 原川さんのこだわりがすごいと思いました。僕はこの項目がとても有難かったです)
最後に私の思うところですが、この本は発行部数が少なかったようで できれば再版されてもっと多くの人に読んでもらいたいな・・・と思います
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本 -19- (西部劇の世界)

2008年09月23日 | 西部劇の本
西部劇の世界  岡 俊雄 編   荒地出版社   1971(昭和46)年発刊

過去の西部劇本です。岡俊雄さんら10人の方達の分担執筆で、310頁のハードカバー本。文章は上下2段になっているのでかなりのボリュームになります。以下目次
(1)西部劇の魅力
(2)西部劇の歴史
(3)西部劇ベスト・テン・・・・・映画評論家の双葉十三郎さんが「荒野の決闘」「赤い河」「黄色いリボン」「ウィンチェスター銃73」「ヴェラクルス」「真昼の決闘」「シェーン」「OK牧場の決闘」「リオ・ブラボー」「大いなる西部」の10本を挙げて各作品の見どころを述べたもの。最低限これ位は見て下さいよ・・・という指標にもなるんだと思います

(4)正統西部劇の後退<1960年以後>・・・・1961年を境にして西部劇は転換期を迎えた、特徴をひと口にいえば伝統的なテーマであったフロンティア・スピリットが次第に物語の中心部から姿を消し、その結果「西部劇の型」がなくなり無制限に多様化した・・・・ということで61作品を挙げながら述べてある。私個人は世代的にこのあたりから見始めているので興味があるところでした

(5)マカロニ・ウェスターンの登場・・・・・非情、残酷を売り物にイタリア製西部劇が大手を振って世界を駆け巡った時代(1960年代)、なぜあのような現象が突発したのか余りにも沢山の問題が含まれていそうです。発生の過程とブームの原因をできるだけ具体的に解説してみます・・・・で始まる項目、興味深い。

(6)実説 西部の英雄・銃豪・・・・・例によってアメリカ西部に勇名を馳せた御一行さま達、西部劇を面白くしてくださっている方々が善悪によらず同席なさってその行状功績(?)などを吟味されているページであります(Smile)

(7)西部の地理と歴史・・・・・本の初めにミズーリ州セントルイス以西の「標準西部劇早わかり地図」なるアメリカ地図が載せてあって各西部劇題名が舞台になった場所に書き込んであり、他に「ジェシー・ジェイムズの墓があるところ」とか、「ビリー・ザ・キッドの殺された町」、「ジェロニモの死んだ町」、はては「ゲイーリー・クーパーの故郷」なんていうのが地図に書き込んであるんですね・・・・・何とも楽しい地図だ、こんなのでアメリカの州を覚えた方がよっぽど楽しいなぁ。こうした遊び心があるのが楽しいなあ

(8)西部劇の周辺・・・・銃器、ガン・プレイ談義、インディアンと騎兵隊、西部劇と音楽など、”知っているともっと西部劇を面白く見れるよ” という予備知識群。これが案外大事です、予備知識がないと何のことか解らずに面白くなかった・・・・となってしまいます。去年の映画「ジェシー・ジェイムズの暗殺」などはそうかも知れないです
(9)西部ア・ラ・カルト・・・・これも予備知識群。酒・酒場・牢やぶり・西部の女傑・レデイファースト・西部版おしゃれページ・カウボーイの生活・自警団・北部と南部・ナイフ など西部劇を面白く見るため以外は何の得にもならない雑学なんですが・・・・・これが”面白い!”と思えるくらいになりましょう(smile)
(10)西部劇用語集
(11)西部劇俳優一覧
この本は改定3版まで出たようで人気があったのでしょうか、僕が買った初版本の表紙はピンク色だったのに先日古本屋さんで見つけたこれ(3版)は黄色。改訂版ごとに表紙を変えるなんて一種の販売戦略だったんでしょうか(おおげさか)?古本であってもここで遭ったが百年目(めったに出会わない)、この表紙違いを買ってしまったのでした(苦)・・・・・第2版はどんな色なんだろう
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本 -17-(映画:ムービーランドの子守唄)

2008年07月13日 | 西部劇の本
ムービーランドの子守唄 いつか見たジョン・ウェイン  著者: 大林宣彦  ケイブンシャ文庫
目次  
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・・・・・・  
第1章 ジョン・ウェインの1本の映画 
第2章 ゲーリー・クーパーとジョン・ウェイン、あるいは戦後ハリウッド映画の揺籃の日日 
第3章 センチメンタル ジョン・ウェイン。あるいはジョン・ウェインの恋。
第4章 アメリカの夢・映画の夢。 伝説の中のジョン・ウェイン。いつか見たジョン・ウェイン


この本は映画監督の大林宣彦さんの「西部劇の王者」ジョン・ウェイン(1907~1979年 アイオワ州出身)への深い思い入れの詰まったもので、文庫本ながら343頁もある内容の濃い本です。昭和60年発刊の本ですから絶版になって久しいんですが、時々古本屋さんで見かけます。ジョン・ウェインだけでなく、彼と同時代を生きた映画スターや映画作品についても沢山述べられているので昔の映画を知る指標にもなると思います。
大林さんは映画監督だけに多くの昔の映画を見ておられるようでこの本の書き出しで 「昔むかし、この世に映画というものがあった。・・・そしてその映画は今、映画と呼ばれているものと何かどこかが違う映画であった。だから今ある映画は別の映画である、一度終わり、そして再生された映画であるといえる・・・そしてそれは正しいのだと思う・・・・でもそれは悲しむべきことではなくて、それはようやく僕らは映画において伝統というものを持つことが出来たのだ、という誇りうることなのです」  と述べておられます。勿論これはこの本が出た昭和60年の時点でのことですが、それ以降今日までも当てはまることでしょう。

さて、大林さんのJ.ウェインの「1本の映画」というのが変わっていて1942年作の海洋大活劇「絶海の嵐」という映画なんだそうで、”この映画にはJ.ウェインの生涯を通じてのひそやかな想いが、ロマンティシズムがまだ誰の手にも触れられないで眠っているのだ”・・・・なんておおげさとも思える表現がしてあります(smile)。海洋大活劇なんていう表現も時代がかっていて今では死語なんでしょうが、でも何となく”見てみた~い”という気をそそるような言葉の響きがありますね。

J.ウェインなら一連の西部劇名作「駅馬車」「赤い河」「捜索者」・・・・・などが出てくるはずなのに一般に知られていない「絶海の嵐(Reap The Wild Wind)」をkey wordにしてジョン・ウェイン物語が展開していくんですね。もちろん西部劇についてもぞくぞく出てきますし、J.ウェイン以外の映画についてもその薀蓄ぶりを発揮されている(例えば、1947年の西部劇 「拳銃無宿(Angel And The Badman)」、1949年の海洋劇 「怒涛の果て(Wake Of The Red Witch)」で共演し、J.ウェインが恋していたといわれる可憐な美人女優ゲイル・ラッセル[1924~1961年イリノイ州出身]についても述べられている・・・といった具合、ちなみにこのGale Russellという女優さんは昭和ひとけた世代の男性にとっては終生忘れ得ぬアイドルなんだそうです) ので面白い面白い・・・・。
「絶海の嵐」・・・か、安いDVDが出ていたから僕も見てみよ~っと!
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本 -13- (大いなる西部劇)

2008年05月05日 | 西部劇の本
大いなる西部劇   逢坂 剛 / 川本三郎 著    新書館  2001(平成13)年
約20年近く全く西部劇に関する単行本が出なくて、もう西部劇映画は見られないは 本は出ないは・・・・で不毛の時代が続いていたので、この本が出た時は目からウロコという感じで嬉しかったです。昔あれだけ西部劇全盛時代があったのですからファンが消えてしまったなんてはずはなく (ただ高齢化して目立たなくなっただけ・・・?涙)、根強いファンはただ時代の流れ、趨勢に涙を呑んでいただけなんですよね。  この本は2人の西部劇への薀蓄(ウンチク)が溢れるようです・・・・対談形式はあと1~2人加わってのものだったらもっと面白かったと思いますが・・・・まあ出ただけで有難いというべきで文句は言えませんね。話に出てくる昔の西部劇は見たくても見ることの出来ないものが沢山あって、ぜひDVDで出して欲しいなあ・・・・・・さて以下は目次なんですが、現役の本なので詳しく載せました。

はじめにー西部劇、それは永遠のジャンル!   逢坂剛

(1)誇り高き男たち   逢坂剛・・・各項目についてのべたもの 
西部劇に最も多く出た俳優・・・ 西部劇を最も多く撮った監督・・・西部の匂いを伝える男、ランドルフ・スコット・・・ 西部劇隆盛の貢献者、ジョン・ウェイン・・・ ヒーロー像をくつがえしたゲイリー・クーパー・・・ 誠実素朴な西部男、ジョエル・マクリー・・・ グレン・フォードとデルマー・デイヴィス監督・・・ 最初にして最後の早射ち西部劇・・・ アラン・ラッドと西部劇のスターたち
 

(2)西部劇こそ我らの原点    逢坂剛 X 川本三郎  対談(以下のテーマなどでそれぞれ話が進んでいくので楽しく読んでいくことができます・・・・smile)
 瀬戸川さんに捧げる対談・・・ 西部劇といえば拳銃・・・ ジョン・ウェイン嫌い・・・ 我ら「荒野の決闘」を愛す・・・ アダルト・ウェスタン・・・ 日本人に愛された西部劇・・・ 悪役と農夫・・・ 南軍くずれのヒーロー・・・ わざと外したのか?・・・ 納得のいかない負け・・・ 大監督の西部劇・・・ アンソニー・マンは残酷?・・・ 老人ウェスタン・・・ 善玉か悪玉か・・・ アクロバットのようなガンプレイ・・・ 早射ちに命を懸けた男の物語・・・ プログラム偏愛・・・ ヴァン・へフリンの持ち味・・・ マカロニ・ウェスタンの走り・・・ 川では裸・・・ 一対一の美学・・・ ランドルフ・スコットをめぐって・・・ ジョン・スタージェスの決闘映画・・・ ミステリー仕立ての西部劇・・・ 西部の女の二つのタイプ・・・ やむにやまれず、戦う男・・・ 西部劇が似合う役者
  
(3)わが想い出の早射ち   川本三郎 X 逢坂剛  対談 (上と同様です)
 西部劇の拳銃・・・ プログラムを見ながら・・・ もっと脇役を!・・・ 悪役の顔・・・ スターの汚れ役・・・ 西部劇の女たち・・・ 「シェーン」の家が残ってる?・・・ 一対一の決闘・・・ 事実か神話か・・・ 西部劇の同時代に起こったこと・・・ マカロニ以後の西部劇・・・ 西部劇の名監督とは・・・ 名作以外の映画も・・・ テレビ西部劇・・・ B級西部劇・・・ ケヴィン・コスナーとトム・べレンジャー

(4)ひとりぽっちのヒーロー   川本三郎 
 ひとりぽっちのヒーロー・・・ 南軍くずれ・・・ インディアンに同情的な西部劇・・・ 大人の男と若者の物語・・・ 女性たち、銃を取る

(5)おわりに    川本三郎
(6)西部劇映画 戦後日本公開作品リスト・・・・ほぼ完璧と思います。ビデオ、レーザーディスク、DVDで発売されたことのある作品には印がしてあります

これから西部劇に興味を持って見てみたい人達(特に西部劇をあまり見たことがなかった若い人達)にはとても参考になるのではないでしょうか・・・・オススメです
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本 -12- (西部劇 サイレントから70年代まで)

2008年04月25日 | 西部劇の本
 
西部劇 サイレントから70年代まで  G.N.フェニン & W.K.エヴァソン著  高橋千尋 訳  1977(昭和52)年  研究社出版

索引まで入れて540ページ、ハードカバーの立派な本です。  1903(明治36)年のエドウィン.S.ポーターの無声映画 「 大列車強盗( The Great Train Robbery )」 の誕生以来 西部劇はアメリカ映画の一翼を担うジャンルとなった・・・・と書いてあるように 西部劇は映画の歴史そのものでもありました。
翻訳者の高橋千尋さんはそのあとがきで・・・・「 フロンティアの遺産である西部劇は、アメリカの史劇であり、風俗ドラマであり、宗教劇でもあり、単に大衆文化に限らず、アメリカ的なるものを理解する上に欠くことのできない重要な一素材である・・・・本書は西部劇の全体像およびディテイルを知るための手引きとして、もっとも信頼を寄せてよい労作である・・・・フロンティア、エジソンの昔を基点として、近年にいたる延々70有余年にわたるこのキャトル ドライヴの長旅・・・果たして、牛の群れ・・・数々の作品群、カウボーイ スターたち・・・は、やせ細りもせず、また一頭も欠けずにお手元に届いたであろうか? 」
・・・・・と述べておられますが、読んでいくと高橋千尋さんの翻訳自体も労作であることが判ります。西部劇映画好きにとってはまさにバイブルともいえる本で一度は読むべきと思います・・・・・以下に目次だけ挙げておきます

(01)西部の歴史とそのハリウッド的解釈
(02)西部劇の要素とその道徳的影響・・・・ヒーロー対悪人 悪漢 インディアン等
(03)揺籃期の二人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最初の西部劇スターなど
(04)D.W.グリフィスとT.H.インス
(05)ウィリアム.S.ハートとリアリズム
(06)トム.ミックスと芸人精神
(07)ダグラス.フェアバンクスとジョン.フォード
(08)「幌馬車」と「アイアン.ホース」・・・無声映画時代の2大西部劇傑作です
(09)1920年代の西部劇・・・・・・・・・・・・ハリー・ケリーとバック・ジョーンズ  ケン・メイナード等
(10)西部劇のコスチューム
(11)1930年代の西部劇・・・・・・・・・・ジーン・オートリーとロイ・ロジャースなど
(12)連続もの西部劇・・・・・・・・・・・その発生と消滅
(13)1940年代の西部劇・・・・・社会派西部劇ー「オックス・ボウ事件」など
(14)戦後西部劇の傾向・・・・・・・・・セックス  ノイローゼ 人種問題の良識
(15)スタントマンと第二班監督・・・クリフ・ライオンズ   ヤキマ・カヌートなど
(16)B級西部劇の退場と、テレビへの登場・・・消えゆくスターたち等
(17)西部劇の国際的観客と、国際的な西部劇
(18)1960年代に入って
(19)スパゲティ・ウェスタンとメイド・イン・ジャパン西部劇
(20)成熟以後ー未来を目指して・・・アンチ・ヒーローとしてのカウボーイ等

各章に小さな文字で付いている「 訳注 」も詳細でこの本をとても読み応えのある本格的なものにしているので、西部劇を見て楽しむだけでなく、深く探求したいという人にはうってつけだと思います。
 

<平成26(2014)年10月時点での感想>
入院中に再読。 
この本は1962(昭和37)年アメリカで出版され、1973(昭和48)年に増補版が出されています。日本発売はこの増補版で、第19章と20章が書き足されているもの。マカロニ ウェスタンもそこにある、内容はともかく日本のことが載っているのは嬉しいところです。 
とにかくこの本は ”西部劇のバイブル本 ” といってよく、熟読してさらに映画を見れば西部劇通にでもなれる血肉になるだけの内容を持っている・・・・と確信できます。今は古本でしか手に入らないものになっていますが興味ある方は探してでも読まれることをお奨め
コメント (3)
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本 -11- (さらば西部劇)

2008年04月25日 | 西部劇の本
季刊  映画宝庫 No.7  「さらば西部劇」 1978(昭和53)年 芳賀書店
このところ昔の西部劇の本について紹介しているのですが、ほとんど1970年代末までに発刊されたものばかりです。1980年代はもう西部劇不毛の時代で、映画も見られない、本も出ない・・・という状況で、たま~に出る映画は名作というようなものとは程遠く、時代は進んでいるのに西部劇は退化していく一方という感じでした・・・・そこにこの「さらば西部劇」が出されたんですね。編集の増淵 健さん(故人)は巻頭に「フロンティアに見果てぬ夢を追う西部劇の時代は去った。あれほど若く、瞳に輝きをのぞかせていたウェインも”ラスト・シューテスト”で彼自身の終曲をうたった。さらば西部劇、去年(こぞ)の雪いまいずこ・・・・昔ながらの西部劇がよみがえることはない・・・といって、西部劇がみられない無念さはなにものにも変え難く・・・・この特集をお贈りする」と書いておられます。以下目次
(A)西部劇のある風景・・・・西部の風景と映画写真集
(B)西部劇のある風景
「なぜ、今、西部劇なのか」・・・・1950年代の西部劇スター ジョージ・モンゴメリーの話を例に、私達日本人がいかに西部劇を見せられていないかを増淵健さんが熱く述べたもの・・・日本で未公開の西部劇が多すぎた・・・と不満を言っておられますよ

「あのころだけの西部劇」・・・・石上三登志さんの少年時代(1950年代)西部劇鑑賞日記みたいな記事で、そんな時代から記録している人なんてめったにいないと思いますね・・・・当時の見た感想とかとても面白い

「~だから私は西部劇が嫌い」・・・・<西部劇の嫌いな部分>や、女性の側から<女、荒野に家なし> とか <西部劇のどこがどうお好き?> などの記事があって色んな見方があるもんだと面白く読みました

「座談会 幻のB級を追って <未知西部劇との遭遇>」・・・・増淵健さん等西部劇のうるさ型6人の男達による和気あいあいの談話で、互いの薀蓄(ウンチク)の深さに読んでいて思わず笑ってしまいそうなところがあって、面白く楽しくなる内容

(C)「荒野の決闘」クライマックス
(D)西部の超B級男・・・・B級西部劇に徹したウイリアム・エリオットのポスター、パンフレット、スチール写真集で,知らなくても見ているだけでもワクワク楽しい
(E)日本人の知らない西部劇B級スター・・・・映画スチール写真集
(F)日本人の知らないB級シリーズ・・・・ウイリアム・ボイド、チャールズ・スターレット、ロイ・ロジャースの映画スチール写真集

「スター名鑑に出ていない西部劇スターたちの名鑑」・・・・畑 暉男さんの大変な労作で、B級西部劇スターの略歴と出演西部劇を日本未公開作品まで全て載せたもので、こんなに詳細な記録の本は現代の本でもないでしょう。カウボーイ&カントリー歌手としても有名だったジーン・オートリー、レックス・アレン、ジミー・ウェイクリー、エディ・ディーンといった人達の作品は日本では全く公開なしなので”Singing Cowboy”といってもピンと来なかったはずですね・・・・今はわずかでもDVDで見ることが出来ますが。

他に 「”シェーン”からの手紙」 「娼婦と拳銃」 「なつかしい10本の戦前西部劇」 「こんにちは、西部コメディ」 「聞書きにっぽんのインディアン」 などの単発記事もあって楽しい。
この本についての私の印象は・・・・まあ書いている人達がそれぞれ西部劇をよく知っていることと、半端でない思い入れのある作品を持っていていつまでも愛着を持っている・・・という姿がありありとわかる、というところです。今の時代にこれ程の熱心さで西部劇に情熱を傾けている人(特に若い人に)はいるでしょうか・・・・私のような団塊の世代でもどんなに背伸びしてもリアルタイムで見たのは1960年代初めの作品群からなので、1950年代の西部劇全盛時代の作品群をリアルタイムで見た人達の熱心さには脱帽・・・・というところです(Smile)
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本 -10- (西部劇紳士録)

2008年04月18日 | 西部劇の本
西部劇紳士録  児玉 数夫 著  明治書院 1975(昭和50)年 
ハードカバー214ページの本です。この本も出来れば復刊を望みたいところですが・・・・以下目次 
1.西部人名鑑(WHO'S WHO IN WILD WEST)
   
  (A)西部群勇伝・・・・アメリカ西部開拓史上に有名な人物を挙げて、その簡単な紹介と、どんな西部劇があってその人物をどんな俳優が演ったのか、についてかなり古い時代(無声映画時代)から1970年代位まで詳しく述べられています。人物として「ダニエル・ブーン」 「ジム・ボウイ」 「キット・カースン」 「”バッファロー・ビル” コデイ」 「デイヴィ・クロケット」 「ジョージ・A・カスター」 「ワイアット・アープ」 「パット・ギャレット」 「ジェロニモ」 「”ワイルド・ビル” ヒコック」 「カラミティ・ジェーン」 「バット・マスターソン」 「アニー・オークレイ」 「シッティング・ブル」・・・・の14人が採りあげられていますがここらが西部劇有名人の基礎ということなんでしょうね。
 
  (B)西部群盗伝・・・・こちらは”西部悪人伝”とでもいえる名うてのワル達篇。「サム・バス」 「ビリー・ザ・キッド」 「ダルトン兄弟」 「フォード兄弟」 「ドク・ホリデイ」 「フランク・ジェイムズ」 「ジェシー・ジェイムズ」 「クワントレル」 「リンゴー・キッド」 「ジャック・スレイド」 「ベル・スタア」 「ヤンガー兄弟」・・・・の12例の有名どころの業績(?)なんですが・・・まあ~悪いこと悪いこと、銀行強盗、駅馬車に列車強盗、殺人、牛泥棒など何でもござれの世界で大半が哀れな末路をたどっているようで、WILD WESTを地で行った人達なんでしょうがこれでも氷山の一角で、もっと沢山のワル達がいたようですよ。 後世の私達から見ると西部劇を面白くしてくれている人達でもありますので・・・変な意味での感謝ですかね(汗!)  

2.これが”B”西部劇だ(THE "B" WESTERN)  
   これが"B"西部劇だ・・・・A級とかB、C級とかの作品による格付けとは違うようで、児玉さんによると「西部劇以外には出ない、もしくは西部劇以外では傍役だが独立プロでは主演西部劇スターとして通っている俳優達の西部劇」 を”B”西部劇という・・・・とのことです。さらに、あくまでも添え物映画であり、極端に言えば少年観客を最大の顧客として作られた西部劇ともいえる・・・従って日本で公開されている作品はごく少ない、と書いておられます。  「ジーン・オートリー」「ウィリアム・ボイド」「チャールス・スターレット」「ロイ・ロジャース」「ジョニー・マック・ブラウン」「テックス・リッター」「ケン・メイナード」、ごく初期の頃の「ジョン・ウエイン」等多数の名前を挙げてあり、その西部劇を沢山作った映画会社(Monogram社とかRepublic社、Allied Artists社、Eagle Lion社など)についても説明してある・・・・てな具合です。 「今は昔」の世界で、現代の日本の本ではちょっとお目にかからないくらい詳しく書いてありますので参考になります 

3.ジョン・フォード一家・・・・ジョン・フォード監督の映画に出演したスター、脇役俳優の総ざらえで、古いところから1970年代頃まで写真入りでとても詳しく紹介されています 
4.西部劇のジュニア・スター・・・・西部劇映画のスターや監督などの親子名鑑。例えば、「駅馬車」の賭博師に扮した俳優ジョン・キャラダインの3人の息子達デビッド、ロバート、キースについて・・・とか60例を挙げて説明してあります。詳しいったらありゃしない・・・参った!! というところです。  
ところで、児玉さんはこの本の巻頭で「南北戦争についてはできるだけ知識を博くしておくとよい。ほとんどの西部劇はこの南北戦争に大なり小なり影響されているからである」・・・・・と書いておられます、沢山の作品を見ているとまさにそうだなあ・・・と感じます。それに、アメリカ西部や人物、風物、インディアン、銃など予備知識が豊富なほど何倍も西部劇が楽しめる・・・と実感できますね
 
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本 ー9- (西部劇 その精神と魅力の解剖)

2008年04月13日 | 西部劇の本
西部劇 その精神と魅力の解剖  増淵 健 著  三一書房  1972(昭和47)年

この本は西部劇映画に詳しい増淵 健さん(故人)が書かれたもので代表的な11本の西部劇を挙げてまさに「その精神と魅力の解剖」を述べたものです。  なるほどなぁ~と、僕は面白く読んだものです。  以下目次

(1)「駅馬車」とマンネリズムと時代劇と・・・・・「ヒーローはいつも左肩を負傷する」 「西部劇はマンネリだから面白い」 「西部劇は7年周期で流行する」 「駅馬車」 「駅馬車」贋作篇 「駅馬車」盗作篇 などの項目があって・・・・西部劇と時代劇は様式化され、いくつかのパターンをもち、かなりの数の”約束ごと”で縛られている点で似ている・・・など、かなり薀蓄のある意見が述べられています。特に”贋作”と”盗作”西部劇は面白い

(2)「荒野の決闘」の”史実ばなれ”・・・・・「実説”OK牧場”と映画”荒野の決闘”」 「フォードはアープに会っていた」

(3)「赤い河」と”父親失格”・・・・・牛の大群を運ぶ旅の途中、息子と部下から無能なリーダーとして疎外され置き去りにされる、つまり父親は頼りにならない無能な存在として描かれ・・・と書いてあるんですが、そうかなあ僕は家長ダンスン(ジョン・ウェイン)は立派に役目を果たしていると思うんだけどなあ。 それにアメリカ映画の女性観について、男を「指図」し「成功」させしかも「出しゃばらない」、それはそのままアメリカの母親像につながる・・・と増淵さんはおっしゃっているんですがかつては日本の女性もこうだったんだけどなあ(今は違う・・・なんて云うと総スカンを喰らうので云いませんが・・・汗!)。 でも中々面白い見かたです

(4)「死の谷」と”指図する女”たち・・・・「メロドラマ・ウェスタン」 「Good Bad Girlの魅力」ほか。 ジュネス企画というところからDVD発売され、見ることが出来るようになりましたがもっと安くならないものでしょうかね(苦)

(5)ホームドラマ「黄色いリボン」の結末・・・・「騎兵隊三部作」の描く老年など
(6)「真昼の決闘」に勝った男たち・・・・「真昼の決闘」の類似品 が面白い
(7)「シェーン」というアメリカ讃歌・・・・「シェーン以後の西部劇の性」 「シェーン」の模倣西部劇 など面白い見方が述べてあります
(8)「ヴェラクルス」と”ゲームの規則”・・・・いろいろ
(9) だれが「大いなる西部」を制したか?・・・・「大いなる西部」は大いなる西部劇か・・・疑問その1,その2,その3 等
(10)「昼下りの決闘」の”残忍な目”・・・・「アメリカでの好評と日本での虐待」 「老眼鏡」など

(11)「明日に向って撃て!」と捨てられた自転車・・・・「自転車の意味」 「遅れて来た者たちの”西部”」 「フロンティア消滅後のアメリカ人の性格」など。西部劇には珍しい場面で、バート・バカラックのモダンな「雨にぬれても」の曲をバックに無法者ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)がエッタ・ブレース(キャサリン・ロス)と自転車乗りに興ずるシーンがあるんですがどんな意味があるのか・・・を探った話。
 
(結) 私小説的・西部劇三十年史・・・・「書き得る映画の最後のジャンル」など
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本 -8- (西部劇バッチリ)

2008年04月13日 | 西部劇の本
西部劇バッチリ・・・アメリカの朝を味わう本  田中英一 著  <ムックの本> K.K ロングセラーズ発行 1976(昭和51)年
これからしばらくはかつて日本で発売されていた西部劇に関係のある本について紹介していこうと思います。全て絶版になっているので古本でしか手に入らないんですが、「こんなものが出ていた」という情報が判るだけでもいいかな・・・・と思ったからです。
さて、著者田中英一さんはもうあきれるくらいに西部劇に情熱を持っておられた方で、西部劇愛好者のためのミニコミ誌「西部劇通信」を主宰されていました。1981(昭和56)年に亡くなられて、同誌も54号で廃刊になりましたが、今でも多くの熱心なファンが日本全国に点在しているのでは・・・と思います。

この本は西部劇やアメリカ西部に関することを雑学的に述べた田中さんの単行本で、興味のある人達には肩が凝らずに読むことの出来る楽しい本なんですが、西部劇全盛時代をリアルタイムで体験されているだけに色々な事象の見方や視点の置き方に参考になることが多いです。以下は目次
(1)ガン<銃>バッチリ・・・・「拳銃の抜き射ちは普通ほとんど当たらない」 「コマンチ族との闘いで活躍したコルト大佐発明の連発式拳銃」 「西部を征服した銃ウィンチェスターM73」 「西部の歴史を変えた雷発式のデリンジャー銃」 「ガンベルトに金属製薬きょうが並んでいたら時代は1870年以降」 等 といった細かい項目があって、それについて説明がついている・・・ってな具合

(2)保安官・騎兵隊バッチリ・・・・「西部のお役人にはシェリフとマーシャルがあった」 「西部の悪玉を執念深く追ったピンカートン探偵社」 「西部の総司令官といえばシェリダン中将をさす」など
(3)駅馬車バッチリ・・・・「駅馬車の護衛には一流のガンマンを雇った」  「サンタフェ・トレイルはアメリカ最初の横断道路だった」 など
(4)カウボーイバッチリ・・・・「自分の牛にブランデッド(烙印)をつけるのはカウボーイの大切な仕事」 「カウボーイは拳銃よりも投げ縄の熟練度が大切」   など
(5)無法者バッチリ・・・・「西部最強のガンマンたちが集まった町は?」 「44人の殺人をした早撃ちのアウトロー”ジョン・ウェスリー・ハーディン”」 「一族・ 母・妻を殺されインディアンとして最後の反抗に燃えたジェロニモ」など

(6)西部の女傑・・・・「男装の女傑カラミティ・ジェーン」  「西部No1アウトロー”ベル・スター”」など
(7)西部の戦い・・・・「ジョンソン郡の戦いは大牧場主の横暴が原因」など
(8)開拓の英雄・・・・「全米少年少女の人気者デビー・クロケット」 「実際は名誉欲の塊だったカスター将軍」など
(9)インディアン・・・・「インディアンのスモークサインはヤマヨモギを使った」 等
(10)西部の食事・・・・「西部人がよく食べたぺミカンとビーフジャッキー」 「チリソースは南西部の人々のふるさとの味」など

(11)西部の歌・・・・「クレメンタイン」 「西部劇主題歌第一号はTen Thousand Cattle Stealing」など
(12)西部の宗教・人種・・・「西部の人々はピューリタンが圧倒的に多かった」  「迫害されながら西部を開拓したモルモン教徒」など
(13)アメリカの旗・・・・「星条旗はワシントン家の紋章を基に作られた」など
(14)西部劇ベスト・・・・「西部劇ファンが選んだ西部劇ベスト100」など
(15)西部劇の名匠・・・・「ジョン・フォード」 「ラオール・ウォルシュ」 「ジョン・スタージェス」等多数
(16)西部劇スター・・・・多数               
なんとも愉快な本なので古本屋さんで見つけたら文句なしに買い!・・・・ですよ
   
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本 -7- (娯楽映画の世界 西部劇)

2008年04月06日 | 西部劇の本
娯楽映画の世界 西部劇 児玉 数夫 著  社会思想社 1979(昭和54)年 

日本で発売になった西部劇映画に関する本は沢山ありますが古いものは廃刊になっていて、古本でも高い値段がついていたりして手に入りにくい状況が続いています。ここに挙げた本も廃刊なんですが文庫本なので古本でも比較的安くで手に入る・・・・と思われますので紹介してみました。  僕が買った時はジョン・ウェインが亡くなって間もない頃だったので(本の上に写っている)帯がついていました。
文庫本といっても西部劇映画にとても造詣のある映画評論家 児玉数夫さんの書ですからとても内容の濃いものです。「まえがき」に推理作家の都築道夫さんと児玉さんの対談が載っていて(1979年の時点での話です・・・念のため)

児玉:西部劇が、年間1本なんて初めてですね。でも、西部劇は絶対に滅びません
都築:ぼくはもう西部劇というのは、おしまいのような気がする
児玉:ブームは周期的にやってきますからね
都築:ただ、西部劇のできそうな役者がいませんね
児玉:そうです、西部劇の場合、役者が重要なんです
都築:ロバート・デ・ニーロやアル・パシーノでは撮れないでしょう・・・・・・・
児玉:あまりに裏返しにした写真を作りすぎたので、西部劇が衰退したと思う・・・

なんて話がその頃の時点でも出ているんですね。 さて、以下目次です

1)1930年代・・・・・「略奪者」「ビリー・ザ・キッド」「モヒカン族の最後」「ユタから来た男」など16作品の作品紹介
2)ゲーリー・クーパー・・・・彼の生年(1901年)から1930年代までの紹介

3)1940年代・・・・・「暗黒の命令」「硝煙の新天地」「無宿者」「荒野の決闘」「アパッチ砦」「群盗の宿」「虐殺の河」「カナダ平原」「秘境」など15作品の紹介
4)ジョン・ウェイン・・・・彼の生年(1907年)から1940年代までの紹介

5)1950年代・・・・・「幌馬車」「勇者のみ」「怒りの河」「抜き射ち二挺拳銃」「帰らざる河」「賞金を追う男」「大酋長」「無法の王者」「左ききの拳銃」「ワーロック」「リオ・ブラボー」など23作品の紹介
6)改作西部劇
7)Western On TV・・・・・劇場用に製作されたものの日本では封切りされることなくTVで放映された作品とテレビ西部劇を1960年代、1970年代に分けて載せてある
8)イタリア西部劇のヒーローたち
9)あとがきにかえてージョン・ウェイン追悼ー・・・・・気どりがなくて無口である。G・クーパーに似たところがあるがクーパーより活動的で気が短そうだ・・・・等

となっています。西部劇ファン必携の本だと思います・・・・こうして過去の作品群を見ているとまだまだビデオ、LD(レーザー・デスク)、DVDでも発売されていない作品が多いのに驚きます。同じものが何度も何度も出されている(特にクリント・イーストウッドやジョン・ウェインの西部劇)現状を思うにつけ未発の作品群の発売をぜひ望みたい・・・・と思いますね。
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