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梶哲日記

鉄鋼流通業相談役の日々

介護仕事の近況(その7)

2025年02月15日 05時53分45秒 | Weblog
前回はある利用者が、GHで妻が作る料理を食べず拒否しだしたが代表やナンバーツーに諫められまた食べるようになった、までをお伝えしました。「梶さんは家で奥さんと一緒に居たらかなり幸せだろうな、でも俺はね迷惑掛ける梶の奥さんが嫌いなの」、その最中彼からいわれた言葉です。彼の母親に対する憎悪の歪んだはけ口とは分かっていても、妻は本当に折れました。私も本心としては、憤りを覚えました。

この問題は、様子をみながら時間を掛ける必要はあると思っていたところ、少し考え方を変えなくてはと感じた勉強会がありました。千葉県の市川市と浦安市には、「市川圏域障害者グループホーム等連絡協議会」という組織があり、役所の介護福祉事業の代行機関としての役割を果たしています。その連絡協議会が、GHに従事する職員を対象に、定期的に勉強会を開催しています。今回の問題が発生した直後でしたが、前からの予定でその勉強会に参加しました。

当日のテーマは、「精神疾患を持つ人々の支援の心構え」でした。時間は2時間、参加者は30名を超えていました。内容は、①グループワーク、精神障害の方の支援での困りごと・悩みごとをグループで共有、②グループワークで共有した困りごと・悩みごとについて、講師役の精神科の医師が応える、③精神の方への支援の基本・心構えのまとめ、でした。

①では、参加者を6つのグループに分け(テーブルごと5~6人)、それぞれの困りごと・悩みことを各自発言、グループの代表を決め、まとめを全員の前で発表。②では、各問題に相談にのってもらい医師が応える。③は講師の医師から精神の方の支援の基本・心構えのまとめの話がありました。

①で私は、「母親に実質見捨てられた利用者24歳男性の事例」として
発言させてもらいました。色々許してしまうGHが、むしろ彼の逃げ場になっていないか。精神疾患が深い利用者へ、果たして我われの関与で改善は可能なのか。困りごとや悩みごとは重くのしかかる、と話しました。

我われグループの代表者は、その課題を採り上げてくれ皆の前で発表しました。それを受けた医師の講師は、こう答えました。「障害者であっても、どんな形で離れるかはあるが、親離れも必要でしょうね」。更に、「利用者と支援者の間は常に揺らぎます」と。「障害者は常に不安定から入り、安定に向かうと、自ら不安定にもってっていく傾向があります」と、説明してくれました。つまり今回の問題は、その前に利用者と私の間で安定期があって、それを崩す行動に出たのではないか。食事への抵抗として関係を壊す。そのように私は解釈しました。ですから微視的でなく、巨視的に見ることが必要なのです。

③で医師の今回のテーマのまとめの話がありました。主旨は以下です。
おおくの人は、傷つき体験を持ち、安心できる関係性や時間が乏しい。おおくの人は、孤立していて、話し相手もなく、グループホームにたどり着く。おおくの人は、自分のことを「大丈夫」と思えず、その苦悩を他者から認められる体験が少ない。「精神疾患」を持っているということで、差別される。だから、大切な要素としての「住」なのである。安心できる場、自分のスペー スがある場。GHのHOMEとは緩やかなつながりがある場所である。
支援にあたって大切なポイントは、その人全てが病気ではなく苦悩している「人」なのです。「症状」はその人の経てきた、すさまじい体験への対処行動と考えると、理解しやすくなる。「病気」であったとしても、出来ることは伸ばす、暮らしを楽しむ、自分の希望を見つけることが大事。コミュニケーション(言葉・表情・態度)の力はすごく、生かすも殺すも相手をわかろうとする態度(どのような苦労があるのか)が人を救う。安心して雑談ができる環境「なかま」とともにいるという感覚を持ってもらう。最悪なのは「無視されること」。

勉強会で考えが変わりました。タイムリーにもその勉強会で、今回の私たち夫婦の出来事の解決のヒントがありました。「利用者は変えられないとなれば、我々が変わるしかないのだ」。と、捉えることが出来ました。

勉強会が終わって3日後、当直のためにGHに妻と出所しました。食事を拒否していた利用者が寄って来て、「いつもありがとう!」と言って、ぺこりと頭を下げました。一瞬、耳と目を疑いました。後で妻からの感想は、「素直に、嬉しかった」です。利用者を理解し受容するのは、これからもまだまだ時間が掛かりそうです。   ~次回に続く~


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