銚子・角巳之・三代目

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二艘巻きの水揚げ

2019年11月09日 | 日記・エッセイ・コラム

巻き網船(二艘巻き)の水揚げ見学しておりました。大型の巻き網船団(一艘巻き)が、魚を求めて、
海区内(北部太平洋)を動き回るハンターだとすれば、この巻き網船団は、九十九里沿岸の限られた
海区を耕す、農業者のようなイメージであります。小型・沖合底引き船と同様、地域の海のことを最も
良く知っている方々...。当日はマイワシの水揚げでありましたが、サバ、アジ、ウルメイワシ...、
色々な魚が混ざっておりました。写真を撮り忘れましたが、シュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)
もちらほら...。九十九里沿岸でしか操業しないので、揚がった魚で地域の季節を感じることが出来ましたが
漁師さんたちから、入る魚、季節が今までと違っている...と。温暖化の影響もあるのかもしれません。
寒くなってくると、この2艘巻きのイメージはセグロ(カタクチ)イワシなんですが、そういえばここ
数年、セグロを見ていないような...。冒頭、二艘巻きは農業者のイメージ...と。農業、特にその畑、
田んぼは、ただ食糧を生産する場ということだけでなく、治水、防災、環境保全...実に様々な、多面的
機能を有しております。同じ文脈で言えば、この二艘巻きはじめ、底引き、釣り等の沿岸、近海漁業者にも
多面的機能がある訳であります。実際、揚がった魚で環境の変化を知る...。魚は自らの意思を、自らの
口で喋ることはなく(当たり前ですが)、代わりにその場からいなくなる、死んでしまう...等々によって
意思を示しているのだろうと思います。沿岸、近海の魚の変化はそのまま、その海域の環境変化で、それは
間違いなく内陸部や河川の状態と繋がっている。沿岸、近海漁業者はただ魚を獲るだけでなく、海区を耕す
農業者のようだと思う所以であります。