風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

息子たち

2005-03-21 | 風屋日記
昔、君たちとのキャッチボールは
ほんの1mほどの間をころがしあっただけのものだった。
コロコロ転がった玉すら掴み損ねた君たちは、
それでも楽しそうにケラケラ笑っていた。

私の投げたボールを
君たちが初めて直接キャッチできたのはそれぞれいつのことだったろう。
私は君たちの差し出すグローブを狙って軽く投げたのだったが、
掴みとった君たちはその事実が信じられないように
でもその顔はまるで世界を掴み取った英雄だった。

それから私と君たちとのキャッチボールの距離は段々離れ、
君たちが受け取るボールも私からのものだけではなくなってきた。
私が君たちへの気持ちをこめて大きく振りかぶってみても、
いつの間にか私のボールを受け取るべき君たちは
私の前にはいなくなっているのだろう。

そんな日がきたら、
どこかへ無闇にボールは投げず
そっとボールを置こうと思う。
キャッチボールの相手がどんどん増えていく
君たちを遠くから眺めながら。
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2 コメント

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感動しました! (にっち)
2005-03-22 06:50:28
親子のキャッチボールって大切なんですね、

去年は、子供の事で相談に乗ってもらい、ありがとうございました。あれから長男は、ボクシングに夢中になったかと思えば、今年になってから、野球に興味を持つようになり、勝手に見学に行ったりして、やきゅう!やきゅう!とうるさくなり、とうとう野球を始める事になりました。
返信する
>にっちさん (風屋)
2005-03-22 17:54:25
お~、いらっしゃいませ~(^o^)/



息子との距離というか関係を、キャッチボールに例えてみました。

別にキャッチボールばかりではなく、釣りでもサッカーのパスでも、

あるいは相撲やプロレスでもいいんですけどね。



野球の追っ掛けも楽しいものですよ。
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