風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「スカイツリー 東京下町散歩」

2012-09-18 | 読書
東京下町ガイドは
結構いろいろ目を通したけど、
これはまた毛色が違い、新たな視点を持つ。

江戸期からの下町である神田や日本橋、
明治期から発展した上野、浅草は除き、
関東大震災後の下町形成に注目しながら
大正~昭和期の第三の下町、
高度経済成長期の第四の下町を歩く。
キーワードは同潤会。
震災復興住宅としてあちこちに建てられた
同会のアパートや住宅をランドマークとしながら
街の形成を眺める手法は斬新だ。
江戸期ではなく、昭和16年の地図を見ながら
現況を探るというのも面白い。

目からウロコの話やトリビア的話も多い。
当時は職住接近だったんだねぇ。
だから、例えば都電による導線では
これらの街は語れない。

目次は下記の通り。
これだけ見てもそそられる・・・でしょ?(笑)
単なる下町散歩本ではなく
立派な社会学の教科書。

「震災とモダニズム 押上・両国・錦糸町・亀戸」
「田園都市・江戸の面影 向島・曳舟・京島」
「路地と迷宮のある宿場町 北千住」
「生活を支える庶民の町 西新井・梅島・五反野」
「近代を担った工場の町 日暮里・尾久・三ノ輪」
「リカちゃんを生んだ美しい水の郷 堀切・青戸・立石」
「旅人を受け入れる東の果て 小岩・小松川・市川」


「スカイツリー 東京下町散歩」三浦 展:著 朝日新書
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