風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

歌詞の意味の深さ、肌感

2021-12-06 | 音楽

↑は作詞:岡本おさみ、作曲:吉田拓郎、歌:猫の
「地下鉄に乗って」1972年の曲だ。
この歌を私が知ったのは翌年、中学1年生だった。
「地下鉄」「赤坂見附」「新宿」という言葉が持つ都会の香り。
フォークというよりボサノバのようなアーバンな曲調。
ようやく小学生という子ども時代を抜け出し
大人の世界を垣間見たくて背伸びしていた13歳には眩しかった。
「赤坂見附」「新宿」を通るのは
丸の内線という地下鉄だと東京の地図を調べてわかった。
それから6年後、大学入学で上京した私が
丸の内線沿線に住んで通学に使ったのもこの曲の影響があった。

でもね、当時は単にカップルが地下鉄に乗っている状況を
多少面白おかしく歌詞にしただけという認識しかなかったんだ。
今聞いてみると・・・深いね。
2人の関係や将来への不安と期待がメタファーになっている。
そういうことが理解できるようになったのも、
歳とともに、私もいろいろ経験してきたからなんだろうね。



ご存知、作詞:喜多條忠、作曲:南こうせつの「神田川」
これは1973年の曲で、中1の私はリアルタイムで聴いていたし
さっそく手にしたばかりのギターで弾いてみたりした。
でもなんか暗くて、貧乏臭くて(笑)好きな歌ってほどじゃなかった。
かぐや姫の曲は、どちらかというと伊勢正三さんが好きで
(この動画にも出てきてるよね)
彼が作った「置手紙」や「なごり雪」「22才の別れ」、
そしてかぐや姫解散後に作ったユニット風をよく聴いていた。
(風は伊勢さんと猫の大久保さんのデュオ)
「神田川」のタイトルから、歌詞の舞台は神田だと思っていたが
実際には早稲田大学に通っていた喜多條さんの思い出だから
早稲田界隈が舞台なのだと後で知った。

それから数年経ち、東京での学生生活で
私はまさに神田川の歌詞のような生活をしていた。
3畳一間が6畳一間になっただけで
あとは自分の生活をそのまま歌われている感覚。
この歳になると、もう戻ってこない思い出の光景が蘇る。
「神田川」と同時期の思い出を歌った「赤ちょうちん」も
そしてその後日談のような、野口五郎さんの「風の駅」もまた
そのまま自分の思い出につながってくる。


猫や風で活躍した大久保さんも
「神田川」や「風の駅」作詞の喜多條さんも、
もうこの世にはいない。
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