風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

CDの魅力、書籍の魅力

2022-01-12 | 音楽
ネット時代ということもあろうが、
コスパや効率ばかりを求める時代ということも恐らくあって
音楽は配信、本は電子ブックという風潮が当たり前になってきた。
でもさ、ホントにそれでいいのかな?
音楽だけあればいい?本の内容さえ読めればいい?

(古いのかもしれないが)ワタシ個人的には
ジャケットデザインがあって、ライナーノーツがあって
ケースから外したメディアをそっとプレーヤーにかける瞬間もまた
音楽の楽しみなのではなかろうかと思うんだ。
かつては買ったばかりのアナログレコードに慎重に針を落とす
そんな行為もまたワクワク感が堪らなかった。
新しいレコードの匂いもいいよね。

例えばEric Claptonの「Lyla」。
例え音楽そのものを知らなくても、ジャケ買いしたくなるデザイン。


レコードジャケットだった頃は
中を開くとレコーディング中のメンバーの楽しそうな写真が
これでもかというほど散らばっていた。
音楽聴く前でも、その写真見てるだけで楽しさが伝わってきた。
「音楽って、みんなで楽しむものだな」と感じたのは
もしかしたらこのジャケットを見てからだったかも知れない。



これは、ワタシが持っている本の中で一番気に入っている装幀。
安西水丸さんのファンで、ほとんどの本を持っていたから
もしこの装幀じゃなくても買っていたかも知れないが
実際には、この本は、中身半分、装幀半分の魅力で買ったもの。

本作りが仕事なので、余計にそう思うのかも知れないが
装幀やページレイアウト、紙、書体、帯、スピンに至るまで
細部にわたって神経を使いながら本は作られていく。
中身も併せ、それら全てでその本の魅力は構成されている。
「装幀買い」というのもまた編集者にとっては嬉しい言葉だ。
それだけのこだわりがあって初めて本。
電子ブックによるコンテンツだけというのは魅力半減だ。

音楽も本も、その手触りがあってこそ。
だから現代の風潮には少々がっかりしている。
コメント
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