風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

農民芸術概論綱要

2020-08-27 | 文化
序論

……われらはいっしょにこれから何を論ずるか……

おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい
われらの古い師父たちの中にはさういふ人も応々あった
近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直観の一致に於て論じたい
世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の踏みまた教へた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは
銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である
                   (宮沢賢治)

ここでいう芸術とは、
出来合いの概念やジャンルである美術や
高尚な音楽ではおそらく、ない。
労苦ではない労働に伴う光る汗と笑顔、
太陽の光や風や水の煌めきなど自然を感じる感性、
そして血に刷り込まれた踊りや歌。
やらされることや義務の中に芸術は生まれない。
それは生活の中でにじみ出てくるものだ。
しかめつらで仕事をするのはよそう。
自分の行動の中で新しいものを生み出すために
前を向いて1歩踏み出す。

コメント
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