花巻に海の家を〜カレーだJの挑戦 | まきまき花巻
様々なイベントごとにキッチンカーでカレーを提供しているカレーだJは、岩手県内で有名な存在になりつつある。笑顔を絶やさず、いつも一生懸命なカレーだJのジローくんは、たくさんのヒトから愛される存在だ。 そのジローくんが、何を思ったのか「花巻に海の家を作る」と突然表明し、古い店舗物件を借りて自ら手を入れ、「curry barダイヤモンドヘッド」を開店させたのは9月。海がない花巻になぜ海の家だったのだろう。 高校を卒業した後、4年ほど大工見習いをしていたジローくんが仕事を辞め、沖縄や首都圏に「放浪(本人談)」に出たのは、1冊の本との出会いがきっかけだったという。 「もう休みの日だけが楽しみで、仕事が嫌で嫌でたまらなかったんですよ。そんな時にこの本に出会いました。特にこの帯に書いてある『放浪しちゃえば?』という言葉がガツンときました。『そっか、辞めちゃってもいいんだ』と」 沖縄でコミュニティ施設の建設を同世代の仲間たちと担ったり(大工経験が活きたとのこと)、千葉や東京で飲食店でアルバイトしているうちに出会ったのがスパイス。カレー作りの面白さを知り、オリジナルカレーを作ったりしているうちに、当時勤めていたバーのオーナーから「どうせ昼間は店閉めてるから、その時間帯使って自分のカレー出せば?」と勧められ、店名も「カレーだJ」と名付けてもらったとのこと。当時から作っていたのが今もカレーだJの定番メニューとなっているレモンカレーだったとのこと。 1年ほど東京で腕試ししてから彼は花巻に帰郷する。「もともと、いずれは帰ってくるつもりだったので」と言いつつ、何のツテもない。知人の店でアルバイトしながら金を貯め、キッチンカーを手に入れたのが2014年だった。そこから今に至るカレーだJキッチンカー営業となった。 さて、若い頃の彼の心を動かしたのは本だけではなかった。 「ドラマの『ビーチボーイズ』にめっちゃハマったんですよ。あれ見て『いつか必ず海の家作るぞ』と思い続けてきたんです(笑)」