風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

アルバイト

2018-11-28 | 風屋日記
実は中学生のころ、どうしてもエレキギターが欲しくて
親に黙って新聞配達のアルバイトをしたことがある。
当時野球部だったので「ランニングする」と親には言い、
朝暗いうちから新聞店で束を受け取って配達して回った。
もちろんランニングも合わせて一石二鳥だと思ったのだったが、
2日目にはすぐに見つかり、計画は1日で潰えた。
ちゃんと1日分のアルバイト代はもらったが、
今考えれば新聞店にとっちゃいい迷惑だったよなー(^^;

大学時代、大学そばの商店街のコーヒーショップでアルバイトした。
コーヒーショップを何店舗か経営している方がオーナーで
慣れてくるとその店を全面的に任せてもらい
後輩のアルバイトを2人ばかり使って仕切っていた。
アルバイトくんたちも学生が多かったが
当時流行っていたショットのボマージャンパー着て
カウボーイブーツを履いたりしていた。
それに影響され、私もローンでトニーラマを買ったりしたものだった。
一応コーヒー専門店だったので淹れ方や味にはうるさく、
おかげで今もコーヒー淹れるのだけは得意だ。

そのころから、友人がやっていたビルメンのアルバイトも
誘われるままに時々手伝ってやっていた。
新宿住友ビルの高層階にあった日本IBMの事業所が休みの日曜日
その事務所2フロアにワックスをかける仕事だった。
1チーム4人体制。
モップで洗剤使って水拭きし(時々剥離剤使って隅の方も)
アルバイトを雇う側だったチームトップの人がポリシャーをかける。
その後No.2の人が「かっぱき」と呼ばれるワイパーで
床の洗剤を寄せつつ職人技でちりとりに取っていく。
あとはモップの乾拭きで床を乾かし、今度はワックスをかけていくのだ。
我々アルバイトはもっぱらモップ係。
「おまえモップ使う時の手首の返しが上手いな。天性だな」と
妙な褒められ方をし、「社員にならないか?」と誘われたりした。
濡れ手のモップは手に豆を作ったが、
肉体労働を終えたあとの体の疲れが心地いい。
それを学んだこのアルバイトは、結局卒業するまで不定期で続いた。

大学3年の時、以前アルバイトしていた珈琲店側のカレー屋で
主に皿洗いのアルバイトをした。
賄いつきというのが魅力で、皿洗いだけなら嫌じゃなかったけれど
マスターがせっかちな人で、
混んでくると盛り付けやウエイターもやらされたりした。
盛り付けのやり方やお客様の前への皿の置き方に
慌てふためきながら文句を言われ
数ヶ月でやめてしまったが、カレーは美味しかった。
しかも賄いなのに好きなだけ食べてよく、
若かった私にはそれは魅力だった。

大学3年の冬、大学の同級生に誘われて
新宿の大手デパートのお歳暮梱包&発想のアルバイトをやった。
男は大概防寒服を着せられて、伝票に従って
冷凍室からスモークサーモンやハムなどを出してくる。
包装紙で包む仕事もやったおかげで、これまた今も包装は得意だ。
(ただしプレゼント用の飾りをつけたりするのは苦手)
時々アルバイト集めての飲み会などもやり
某大学の空手部の1年生たちの無謀なアトラクション見たりしたが
結局(当時の私のメンタルが最悪だったこともあり)
担当社員と喧嘩して、途中で辞めてしまった。
今考えてみれば、その社員も
ことあるごとに上から責められてしんどかったんだろうなぁ。

大学4年時には、縁あってテレビ局でADをやった。
アルバイトというより、1年更新の契約社員のような扱いだった。
早朝番組だったので、毎回2人づつ何人かでの交代制だったのだが
早起きが苦じゃない私は途中から志願して毎日入るようになった。
番組に穴を開けないように毎朝車が迎えに来て
時々はその曜日担当の近くに住む女性アナウンサーも同乗。
特に若手はほぼ同年代だったので、会話も楽しかった。
放送後、社食で朝ごはんを食べられることも魅力のひとつで
食費が浮くだけじゃなく、ロケ帰りのディレクターのお土産も嬉しかった。
割とディレクター陣に可愛がってもらった方だと思う。
担当番組ADの通常業務であるスタジオでの生放送のみならず
編集室でのV編集に付き合ったり、たまにロケ同行したりもした。
何を伝えるか、それをどう演出し進行するか、
そんなことを学んだ原体験だったかな。

何を言いたいかというと
どんな仕事でも学べることがあるし、学ぶ人間は重宝されるということ。
そして、どんなことでも無駄なことは何ひとつない、
必ず人生のどこかで役に立つのだということも。
その後ついた仕事からも言えることだけど
寄り道や遠回りの人生は、必ずその分だけ身につくことがある。
学ぶ姿勢さえあれば、人生に無駄なことは何ひとつない。
コメント
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