風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

度量の違い

2008-04-03 | 風屋日記
何かと話題の映画「靖国」の上映中止が相次いでいる。
話題になるにつれて街宣車が来たりしたことにより、
上映館側が「周囲に迷惑がかかる」と中止を決めたようだ。
さすがの日経新聞も1面のコラムで
「映画館の矜持を見せろ」と批判していた。

中止を決めた映画館の弱腰もさることながら
そういう事態を招いたのは
クレームをつけ、試写会を強要した国会議員たちだ。
上映中止が決まった後で
「考え方は違うが、なかなかいい映画だった。
 上映が中止となったのは遺憾」
なーんてコメントを発表していたけれど
自分達の言動がどんな影響を及ぼすか知らない筈はなかろう。
あのコメントが本気ならとんだマヌケだと思うし、
まぁ「我が意を得たり」ながら
NHK番組の検閲行為が問題になったこともあったために
とりあえず「遺憾」とフォローしたつもりなのだろう。
態のいい言論弾圧。
うまくやったつもりだろうが小賢しさを感じる。

もちろん私はこの映画を見ていないが
聞くところによると定点観察のドキュメンタリーとのこと。
たったそれだけでも上映に圧力がかかる国と
ハデに大統領批判を徹頭徹尾表現した
マイケル・ムーアの「華氏911」が評判になったアメリカ。
懐の深さ、度量の違いだけではない文化の違いを感じる。
まぁ経済面だけで言えば
共産主義に続いて、アメリカ主導の自由経済、市場主義も
どうやら崩壊の危機に瀕しているようだけどね。
「儲けたヤツが勝ち」「利益のためには何でもアリ」という
インモラルな価値観ばかりが原因じゃないと思うよ。

経済や外交、防衛面など表面的な部分ばかり
尻尾を振ったり、追随したりしないで、
(犯罪を起こされても「思いやり予算」を支出する日本)
もっと深いアメリカの文化の度量の違いの方を
日本も見習って欲しいと思うんだけどなぁ。
コメント
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