風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

ズーズー弁

2007-12-05 | 風屋日記
日本テレビ系列で放送されている
「秘密のケンミンSHOW」を割と楽しみにしている。
特に先週は東北地方がクローズアップされていたから
余計に身近で大笑いして見た。
「一番分からん言葉は青森」と他の5県のゲスト達が言ってたけど、
申し訳ないけど確かにそうなんだよなー(笑)

この場合の「青森」とは津軽のことだ。
実は東北地方の言葉や文化は県単位では括れない。
同じ青森でも旧津軽藩と旧南部藩では言葉も文化も違う。
旧南部藩である八戸、三戸、十和田周辺の方々は
岩手を身近に感じ、言葉も文化も近いし、
地元の大学を選ぶ時も県内の弘前大より岩手大が多いらしい。
津軽と南部の境目の地域では、お互いの交流も薄いと聞く。
同じように岩手県内でも北上から北は旧南部、南は旧伊達藩で
青森県内ほどではないにせよ多少言葉や文化が違う。
(盛岡市内の年輩者は県南出身者を時々「伊達衆」と区別する)
例えば「休んでいって下さい」という言い方は
盛岡辺りでは「ねまってってなはん」だが、
水沢辺りでは「ねまってってけらいん」となる。

県境は明治政府が決めたもの。
決して文化圏や歴史を元にして決めたものではなかろう。
現代においては殊更お互いに何だかんだ言い合うことはないが
かつて私も「伊達衆は油断ならねぇ」「津軽は裏切り者」と
お年寄り達が言うのを聞いたことがある。
前者は南部と伊達の藩境を決めた時の伝説が元だし
後者については、確かに戦国時代、津軽は南部の家臣であった。
でもまぁ南部の年貢の締め付けも相当なものだったらしいし
(一揆の中でも大掛かりで名高い三閉伊一揆は南部で起きた)
その辺はお互い様だと思うけどね。

話を言葉に戻そう。
岩手と秋田はイントネーションや単語は似ているが
何しろ秋田の方が訛りが強い。発音も違う(笑)
津軽は単語そのものがまったく違うので、これは理解できない。
宮城~山形は、どっちかいうとイントネーションの違いかな?
仙台弁ネイティブも相当おもしろい言葉を話すよ(^-^)
そして福島はまた独特のイントネーション&抑揚と、あとは語尾。
「YES」を「そうだべした」なんて、語尾の方が長い(笑)
「ものぐさ、なまけもの」のことを岩手では「せっこぎ」と言うが
かつて郡山出身のヤツに「お前ぇはクサシだっぺ」と言われた。
かなり単語そのものも違うという例。
ちなみに北東北では「だべ」、南東北~北関東では「だっぺ」となる。
このあたりの言い方にも地域による違いがある。

先週の放送でスタジオでは
「東北地方のズーズー弁」が話題になっていた。
山形出身のタレントさんが「やまがだ弁はフランス語に似でんだよ」
と言っていたけど、これは東北地方全般に言えること。
盛岡出身の長岡輝子さんが戦前、劇壇のフランス語劇の前に
発音を慣れさせるために俳優全員に南部弁を教えたのは有名な話。
そのズーズー弁も地域によって全然違うのだということを
実はここで言いたかったのだ(笑)
コメント (6)
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