風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

大人

2007-12-21 | 風屋日記
これからについて夢を語ると若いと言われる。
守るべきことをきちんと守ろうとすると青いと言われる。
PTA、同窓会、NGOなどの仕事に関係のない活動や
音楽、スポーツなどの趣味・遊びについては元気と言われる。
そしてそんなことが重なると、口の悪い人からはガキと言われる。

「大人」ってのは何だ? と問うと
無駄なことをしないこと。
効率良く(ソツなく)行動すること。
清濁合わせ飲むこと。
そして周囲の空気を読めることなどと言われる。
その上で
「もうイイ歳なんだから大人しくしてればいい」
と有り難い忠告まで受けることがある。
色んな意味があるとは思うが、良く解釈して
「大人」ってのは公私ともに新しいことにチャレンジなどせず、
常に一歩引いていろということらしい。

違うと思うな。
本当の「大人」ってのは
「してはいけないことは理解して守り、
 しなければならないことをきちんとやる人」
だと思うんだ。
「捨てるなんてムダなことをせず、
 多少消費期限を改竄しても売ってしまおう」とか
「選挙なんだから多少は誇張もしますよ。
 あくまで気持ちを言っただけ。わかるでしょ?」
という屁理屈を理解するのが大人なのではなく
自分を律し、社会の構成員としてやるべきことをやる人を大人と言い、
その上で夢を語り、様々な活動に顔を出し、
趣味や遊びにも一生懸命になれるのは大人の魅力なのだと思う。

私も含め、社会全体が幼稚化してきている気がしてならない。
社会という基本的集団のルールすら守れず
やらなければならないことよりやりたいことが優先されている。
加えてTVやインターネットなどの刹那的な情報だけが溢れ、
本を読んでじっくり考えることがなくなっている。
それらは学校でどんなに道徳教育や倫理教育をしようと学べない。
もちろん社会から隔絶された家庭では学べるわけもない。

「してはいけないことを、なぜしてはいけないのか」
「しなければならないことを、なぜしなければならないのか」
これは哲学だ。
道徳も倫理も、そしてルールも土台に哲学があるからこそ意味がある。
・・・と考えると、哲学を持つ人が「大人」ということになるか。
ここまで考えて、私自身はどうだろうと省みてみる。
コメント (7)
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