風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

カント

2007-12-26 | 風屋日記

「永遠平和のために」
        イマヌエル・カント:著 池内紀:訳
            綜合社:発行 集英社:発売

高校時代、二ーチェやサルトルなどとともに
乱読の本の山にカント「純粋理性批判」もあったが
この本の存在は知らなかった。
カント71歳の時に出版されたものだという。
原典も薄っぺらい小冊子らしいけど
有名写真家のイメージ写真とともに編集されたこの本は
とても読みやすく、言葉がじんわり沁みてくる。
「この小さな本から国連や憲法9条の理念が生まれた」
というのが帯のコピー。
世界中の政治家や各界のリーダー達はもちろんのこと、
できるだけたくさんの若い人達にこそ読んで欲しいと思う。

“平和というのは、
 すべての敵意が終わった状態をさしている”

“戦争状態とは、
 武力によって正義を主張するという
 悲しむべき非常手段にすぎない”

“国家は所有物でも財産でもない。
 国家はひとつの人間社会であって、
 みずからで支配し、
 みずからで運営する。
 みずからが幹であり、
 みずからが根をもっている”

“殺したり、殺されたりするための用に
 人をあてるのは、人間を単なる
 機械あるいは道具として他人(国家)の
 手にゆだねることであって、
 人格にもとづく
 人間性の権利と一致しない”

           (以上、同書より)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする