風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

結果じゃないよ

2006-02-22 | 風屋日記
オリンピックやW杯などの度に感じることだけど、
いいじゃん、メダル取れなくたってさ。
そりゃ世界でNo.3に入ることだから
メダルが取れれば、それはそれでスゴイことだけど、
それはあくまで結果であって、
選手ひとりひとりの努力や苦労、戦う姿勢は
メダルを取ること以上に貴いことだと思うんだ。

私たちがTVで見る選手の姿はほんの一瞬。
そこに至るまでの汗と涙と痛みと苦しさを私たちは知らない。
それでいて「勝てなくてだらしない」とか「情けない」とか
そんなことを言える立場にはない。
実際私はスピードスケートの及川選手の涙にもらい泣きし、
カーリング女子の必死の戦いに手に汗を握った。
それでいいじゃないか。
メダルを取った喜びと感動はあくまで選手のものだし、
取れなかった選手の悔しさも私たちの比ではないだろう。
スポーツの世界大会は国同士の戦いなのではなく
選手たち個々の戦いなのだから。

週刊誌の見出しなど、各種マスコミの報道では
すでにメダルを取れない責任の押し付けあいが始まっているらしい。
JOCと各競技団体との間の確執は
確実に日本のスポーツの底辺を狭め、モチベーションを下げる。
「メダルを取れない人間には資金を出さない」という中では
どんなに能力のある子どもだって夢は持てない。
第一みっともなくって嫌気がさすだろう。
次代を担う若手は、そりゃメダルは取りたいだろうが、
それよりも強敵やプレッシャーや自分と戦い、
晴れやかな顔をしている選手たちに憧れる気持ちの方が強いはずだ。
半端な重圧じゃないと思うよ。
ジャイアントスラロームでコースアウトした佐々木明選手の
「優勝かコースアウトかという攻める滑りをしたい」
というセリフも、その重圧と戦う術のひとつだと思うね。
そういう中で完璧なSPを終えたフィギュアの村主はスゴイ。

世界大会ばかりじゃない。
例えば高校野球や受験だって同じこと。
結果はあくまで結果でしかない。
完璧にジャストミートした打球が野手の正面に飛ぶこともあれば
当たり損ねがポテンヒットになることもある。
当人が精一杯自分の力を出せて、
満足感を感じることができるならそれでいいじゃないか。
結果について周囲がとやかく言うことじゃない。
ただその努力と姿勢を称えるだけでいい。
コメント (4)
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