1)季節の花々や自然
①1月の詠句 ②2月の詠句
・風さやか令和五年の初日照る ・頭出す 道端土手の一土筆
・初詣神宮の杜静かなり ・里山の雑木林の節分草
・冬晴れや山茶花に一目白かな ・青い空春を知らせて梅一輪
・雨上がり優しき日差し春隣 ・夕陽さす椚林の座禅草
③3月の詠句 ④4月の詠句
・暖かき弥生はじめや梅探し ・花桃の咲きし畑や人の居ぬ
・まだ蕾胴吹き枝にルリタテハ ・桜咲く季節外れの夏日かな
・膨らみし土手川端の柳の芽 ・清々し雨後の青空春の風
・満開の花見お預け五日間 ・春からの贈り物なりチューリップ
⑤5月の詠句 ⑥6月の詠句
・二輪草群れ咲く白花椨林 ・里山の麓の白き蕎麦の花
・山茶花の緑若葉に紋黄蝶 ・観音の 千手超え咲く 九輪草
・藪椿雨天の後のみどり濃き ・花も無き鬼田平子を登る蟻
・花匂ふ泰山木の白き花 ・林床を真っ青にして岩団扇
2)季節の世の中
①1月の詠句 ②2月の詠句
・ニュイヤー駅伝スタート上州路 ・柊もイワシも無しの節分会
・雑炊に 三草を加え七草粥 ・ダウン脱ぎシャツに外着街に出る
・肌燥ぎ喉涸れる日々松の内 ・ウイルスのあとの花粉に白マスク
・世の中もホワイトアウト先見えず ・針供養行く行かないと母娘かな
③3月の詠句 ④4月の詠句
・杉を避け檜林でこごみ採り ・髪乱し街往く人や春嵐
・トリチウム取る取らないで十二年 ・春愁や天地森病み人の病む
・三密とマスクと花粉距離計る ・春愁や朝三暮四の天気かな
・WBC世界一なる322 ・涙目は花粉と別れの印かな
⑤5月の詠句 ⑥6月の詠句
・田作りをそばから壊す田守犬 ・六月の雨の激しさ蛙啼く
・雨上がり天高く舞ふ一揚羽 ・大安を梅雨入りにする気象庁
・枯葦を風避けにする蜻蛉かな ・雨上るコロナ禍の空夏つばめ
・雨まばらマスクの人ら急ぎ足 ・沖縄の慰霊日終い梅雨明ける
3)季節のマイライフ
①1月の詠句 ②2月の詠句
・歯朶もなく机の端の鏡餅 ・自歯も無く炒豆噛めず節分会
・悲しみの昨年流せ初手水 ・きのう二度 今日は十二度春近し
・春探す落葉の歩道音を踏む ・古民家の屋根より雫春隣
・風凄し襟立てマフラー老ひの意地 ・老木の胴吹き桜シジミチョウ
③3月の詠句 ④4月の詠句
・春一番花粉を恐れ家居する ・四月一日馬鹿話するバカ親父
・探梅の時を逃して観梅に ・巨古木の杣道を往く八十路かな
・啓蟄や虫と一緒に蒲団剥ぐ ・葉桜の花見の席の花粉症
・マスクするしない自由に不自由す ・清々し春の清風 青い空
⑤5月の詠句 ⑥6月の詠句
・一ヵ月早い五月雨家居する ・今日も雨梅雨だるの日々テレビかな
・梅雨の雨四六時中の家テレビ ・夏日なる梅雨の晴間の宅急便
・AI に聴く夏場所の明日かな ・コロナ梅雨六十日の家居かな
・里山の杉の杣道こごみ採り ・裏山のナラ枯悲し長い梅雨
( 了 )
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