吉澤兄一のブログ

お江戸のど真ん中、平河町から、市井のトピックスを日記風につづりたいと思います。

科学者たちの高慢と傲慢

2009年11月21日 | Weblog
 このたびの事業仕分けが国民に教えてくれたことは多い。利権や既得権や埋蔵金の発生源を教えてくれた。官僚たちの予算の取り方や理屈づけの方法も公開された。天下りや渡りのなくならない背景や官僚たちのポスト公務員生活づくりの仕組みなども教わった。

 最も驚いたことは、事業仕分けに対する説明や不満を語る官僚や何々理事長や研究所長など、ふだん私たちがインテリ知識人や科学者と尊敬していた人々の高慢や傲慢だ。科学立国や先端科学技術をリードしてくれているノーベル賞科学者や大学研究所の科学者たちが見せた、「科学の科の字も知らないオマエたちに科学や日本や世界の将来がわかるか」という態度だ。幻滅この上ない。

 確かに、将来にかかわる科学や教育の大事さを数字的に示すことは難しい。難しい宇宙や次世代スーパーコンピューターの重要性を私たち国民に優しく解説することは難しいかもしれない。あまり勉強や学問を探求したりして来なかったであろう自分の子供世代的事業仕分け人に、プロジェクトや事業の生産性や予算適正などの追及を受けるのは受容しがたいことなのだろう。

 膨大な国の予算税金を使う特権にいて当然と思って過ごしてきた自分たちに、その合理性や有用性を説明しろと言われても「そんな侮辱を受けたこともない」わたしたちに、いまさら何をいうかということでしょう。宇宙飛行士の日本科学未来館長 毛利衛さんやノーベル賞物理学者の益川さんなどの短絡感想に、少々落胆した庶民の一人だ。

 きょう世界一の何々施設や技術でも明日20番目や30番目になるのは、世界一の高さを競って建設されるビルやタワーと同じなのに、そうすることが科学や技術をリードすることなのだという古い価値観にしばられている科学者や知識者たちのようだ。膨大化する理化学研究所を国立だ国策だと放置させられている文科省や政治家たちに、何故すべての化学や科学を、何故和光や筑波や横浜や神戸などをして、ひとつの膨大な組織にして置かなければならないのか、何時か説明してほしい。

 できるだけ私たちに解るように丁寧に説明してほしい。そうすれば、わたしたちがもっともっと熱意を持って科学立国を支持できるようになるでしょう。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする