因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

因幡屋6月のひとこと

2010-06-01 | インポート

 八百屋の店先から苺がなくなり、初物のアメリカンチェリーや西瓜が瑞々しく顔を並べる季節になった。梅雨が始まる前の、爽やかなひとときである。

モナカ興業 『木をめぐる抽象』(1,2,3)
加藤健一事務所 『モリ―先生との火曜日』(1,2,3)
  前回のカトケンから3年ぶり。ずいぶんあいだがあいてしまった。
売込隊ビーム 『トバスアタマ』
 横山拓也の戯曲『エダニク』を読んで以来、実際の舞台をずっとみたいと願っていた。
 こんなに早くそれがかなってうれしい。
庭劇団ペ二ノ 『UNDER GROUND』
     2006年秋の初演は思いがけず楽しんだ。さて今回はいかに?
  本作は劇評サイト wonderland6月のクロスレビューの課題にもなっている。
SENTIVAL!2010より shelf 『紙風船/葉櫻』 (1,2,3)。
 偶然だが、今年岸田國士をみるのはこれが3回めになる(1,2)。
*東京裁判三部作より 『夢の痂』 
鵺的(ぬえてき)第2回公演『不滅』(1)
パラドックス定数 第22項 太宰治作品をモチーフにした演劇第7回
 『元気で行こう絶望するな、では失敬。』 (1,2,3,4,5,6,7) 

 知人から井上ひさしの『子どもにつたえる日本国憲法』(講談社)をお借りした。憲法の大切さを子どもたちに伝えたいと願う井上ひさしが、憲法の前文と第九条を子どもにも読めるように「翻訳」したもの。いわさきちひろの絵がとても温かく優しい彩りで、作者の思いを柔らかく包む。
「もう二度と戦(いくさ)はしない」のタイトルで、第九条が記されている。その後半、「どんなもめごとも 筋道をたどってよく考えて ことばの力をつくせば かならずしずまると信じるからである」。
 自分は憲法や改憲についてこの場で明確な考えを述べないが、「筋道をたどってよく考えて」「ことばの力をつくせば」の箇所は、ことの大小にかかわらず、日々の暮らしのなかで必要な心構えであるだろう。むずかしいことだ。喧嘩をして勝ち負けをはっきりさせるほうが簡単な場合もある。しかし、やはり喧嘩は、戦はしてはならないのだ。頭を働かせ、からだを動かし、何より心を尽くして仕事をし、ささやかながら与えられた志を全うしたい。
 因幡屋6月のひとことは、先月に引き続き井上ひさしさんからいただきました。

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