因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

2017年因幡屋演劇賞

2017-12-25 | 舞台
 感謝と喜びを以て次の舞台に。リンクは観劇時のブログ記事です。*九十九ジャンクション 土屋理敬作 後藤彩乃演出『赤い金魚と鈴木さん~そして飯島くんはいなくなった~』伝説の名作の続編が描く人々の終わらない苦悩と、その先の希望。 *劇団東京芸術座アトリエ公演 内藤裕子作・演出『おんやりょう』町の消防署の人々の仕事と暮らしを生き生きと描いた内藤裕子初の外部書下ろしと演出。硬質な芸風の劇団ならではの緻密で . . . 本文を読む
コメント

劇団青年座スタジオ公演№124『眞田風雲録』

2017-12-20 | 舞台
*福田善之作 磯村純演出 公式サイトはこちら 青年座劇場 24日で終了 開場するや、客席が見る間に埋まってゆく。初日の今夜は通常料金4000円よりぐっとお値打ちな2500円の有料公開稽古のせいもあろうが、観客からはこれから始まる舞台への強い期待、作り手からはまさに走りはじめようとする緊張と心意気で、小さなスタジオは熱気が溢れんばかりだ。これまで青年座のスタジオは文学座アトリエや民藝の稽古場、いまは . . . 本文を読む
コメント

ハイリンドvol.18『あたま山心中 散ル散ル、満チル 』

2017-12-19 | 舞台
*竹内銃一郎作 西沢栄治演出 公式サイトはこちら 下北沢・小劇場「楽園」24日まで(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17) さくらんぼの種を食べて、頭に桜の木が生えてしまった男の悲喜劇を描いた古典落語の『あたま山』と、幸福のしるしを探すチルチルとミチル兄妹の物語、メーテルリンクの『青い鳥』が交錯する80分、伊原農、はざまみゆきによる「夫婦漫才」ならぬ「 . . . 本文を読む
コメント

文学座12月アトリエの会『鳩に水をやる』

2017-12-14 | 舞台
*ノゾエ征爾作 生田みゆき演出 公式サイトはこちら 信濃町・文学座アトリエ 21日まで  ちょうど1年前、文学座有志による自主企画公演、久保田万太郎作『霙ふる』において、演出の生田みゆきは大胆な切り口と細やかな情感のこもった舞台を構築した。夏目漱石の『夢十夜』に想を得てノゾエ征爾が書き下ろした作品と、どのような交わりを見せるのか。  客席が左右から演技エリアを挟む対面式だ。舞台にはみごとなまでに . . . 本文を読む
コメント

仙台シアターラボ三都市ツアー『特別な芸術』

2017-12-09 | 舞台
*野々下孝構成・演出・選曲 芥川龍之介原作 劇団サイトはこちら 板橋・サブテレニアン 10日で終了 芥川龍之介の『歯車』を中心に、いくつかの短編をコラージュしつつ、古典の現代劇風上演ではなく、今を生きている人間の日常に潜む違う顔、言葉にならない言葉、自分でも気づかずにいる心の奥底をあぶりだし、曝け出すかのような80分である。じゅうぶんな理解や把握ができたか、まことに心もとないのだが、見る者を引き込 . . . 本文を読む
コメント