因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

板橋ビューネ2016 テラ・アーツ・ファクトリー『三人姉妹vol.1』

2016-09-30 | 舞台
*岸田理生原作 林英樹構成・演出 板橋ビューネ2016参加 公式サイトはこちら サブテレニアン 10月2日で終了(1) 『三人姉妹』のタイトルを見れば、ほとんどの人が同名のチェーホフ作品を思い起こし、チェーホフをベースにした翻案であると想像するだろう。公演チラシには「まだ先生は続いているの?地方都市に疎開した三人姉妹それぞれの『敗戦』をめぐる心象ドラマ」とあり、岸田理生のオリジナル作品である。ただ . . . 本文を読む
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劇団民藝 『箆棒』(べらぼう)

2016-09-28 | 舞台
*中津留章仁(1,2,3,4,5,6)作・演出 公式サイトはこちら』 紀伊國屋サザンシアター 10月9日まで(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23) ここ数年、ぶっ飛ばすような勢いで活躍中の中津留が、老舗新劇団の民藝に新作を書き下ろし、演出も担った。今回は照明の宮野和夫、音楽の高畠洋、音響の佐藤こうじなど、中津留とと . . . 本文を読む
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板橋ビューネ2016 サイマル演劇団『別の場所』

2016-09-24 | 舞台
*ハロルド・ピンター作 喜志哲雄翻訳 赤井康弘構成・演出 公式サイトはこちら サブテレニアン 25日で終了 ハロルド・ピンターの短編戯曲『家族の声』、『いわばアラスカ』、『ヴィクトリア駅』の3本を同時上演する。サブテレニアンの黒い空間がいっそう濃密に変容する100分の至福を体験した。以下上演順に。  ◆「ヴィクトリア駅」 タクシーの指令係が無線で274号に乗車するドライバーを呼ぶが、「そちらはど . . . 本文を読む
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板橋ビューネ2016 楽園王『授業』

2016-09-08 | 舞台
*ウジューヌ・イヨネスコ作 長堀博士演出 劇団サイトはこちら サブテレニアン 10日で終了 板橋ビューネ2016参加作品 楽園王は今年創立25周年を迎えた。自分は6月に『楽屋』で楽園王デヴューしたばかりの、実に遅れてきた観客である。当日リーフレット掲載の長堀の挨拶文によれば、楽園王の『授業』の上演は2004年にはじまり、富山県利賀村で毎年夏に行われている利賀演出家コンクールにおいて、優秀演出家賞を . . . 本文を読む
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文学座9月アトリエの会 『弁明』

2016-09-08 | 舞台
*アレクシ・ケイ・キャンベル作 広田敦郎翻訳 上村聡史演出 公式サイトはこちら 文学座アトリエ 21日まで 演技スペースを客席が馬蹄形に囲むかたち。主人公クリスティン(山本道子)の家のリビング、キッチンが舞台である。キッチン部分は流しやオーブン、たくさんのグラスがぶら下がった食器棚などもリアルに作り込んであるが、壁は素通し、屋根も骨だけで、抽象的というより、劇作家によって書かれた物語を演出家が舞台 . . . 本文を読む
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