*アルベール・カミュ作 岩切正一郎訳 蜷川幸雄演出 公式サイトはこちら シアターコクーン 30日まで そのあと大阪公演もあり
上演前にパンフレットを買うのにこんなに長い行列を体験したのは、おそらく今回が初めてであろう。満席の上に3時間20分にも及ぶ長時間の舞台にも関わらず、立ち見もぎっしりの盛況だ。いま人気沸騰の小栗旬が主演する舞台への熱気は開幕前から凄まじい。
小栗旬をみたのは2003年の『宇宙でいちばん速い時計』が初めてで、その翌月に蜷川演出の『ハムレット』でフォーティンブラスを演じたのをみた。前者は舞台ぜんたいがよく把握できず、後者は藤原竜也のハムレットがあまりに素晴らしく、その終幕に突然現れて物語を締めくくるというフォーティンブラス役は、あのときの小栗旬には荷が重すぎると感じた。この役は難しい。未熟なのはもちろんだが、いかにも「待ってました」的な空気も違うし、登場まで3時間も待ち続けるなど、心身をどう調整すればいいのか、ベテランでも悩むのではないか。その小栗旬が、いま堂々と『カリギュラ』の中心に立っている。あっと言う間に売れっ子の人気俳優になったこと、過密なスケジュールや、人気という移ろいやすい評価から逃れられない俳優業に苦しみながらも難解な戯曲に挑戦していることに、胸が熱くなる思いである。
公演パンフレットによれば、演出の蜷川幸雄は若いときにカミュやサルトルやボーボワールを熱心に読んだ世代であるという。出演俳優の中にも30数年前に読みかじった、わけもわからずに読んでいたというエピソードの披露があり、ある世代にとっては知的好奇心を掻き立て、わかるかどうかは別として、カミュを読んでいるという格好だけでも…という実感、手触りをもつものであったらしい。
話じたいを理解することはできなくても、小栗旬をみられたのなら充分に満たされるといっていいくらいの賑々しい観劇体験であった。彼による『ハムレット』が、自分のなかで俄に現実味を持ち始めた。それがいつになるか、どのような形で実現するのだろうか。
上演前にパンフレットを買うのにこんなに長い行列を体験したのは、おそらく今回が初めてであろう。満席の上に3時間20分にも及ぶ長時間の舞台にも関わらず、立ち見もぎっしりの盛況だ。いま人気沸騰の小栗旬が主演する舞台への熱気は開幕前から凄まじい。
小栗旬をみたのは2003年の『宇宙でいちばん速い時計』が初めてで、その翌月に蜷川演出の『ハムレット』でフォーティンブラスを演じたのをみた。前者は舞台ぜんたいがよく把握できず、後者は藤原竜也のハムレットがあまりに素晴らしく、その終幕に突然現れて物語を締めくくるというフォーティンブラス役は、あのときの小栗旬には荷が重すぎると感じた。この役は難しい。未熟なのはもちろんだが、いかにも「待ってました」的な空気も違うし、登場まで3時間も待ち続けるなど、心身をどう調整すればいいのか、ベテランでも悩むのではないか。その小栗旬が、いま堂々と『カリギュラ』の中心に立っている。あっと言う間に売れっ子の人気俳優になったこと、過密なスケジュールや、人気という移ろいやすい評価から逃れられない俳優業に苦しみながらも難解な戯曲に挑戦していることに、胸が熱くなる思いである。
公演パンフレットによれば、演出の蜷川幸雄は若いときにカミュやサルトルやボーボワールを熱心に読んだ世代であるという。出演俳優の中にも30数年前に読みかじった、わけもわからずに読んでいたというエピソードの披露があり、ある世代にとっては知的好奇心を掻き立て、わかるかどうかは別として、カミュを読んでいるという格好だけでも…という実感、手触りをもつものであったらしい。
話じたいを理解することはできなくても、小栗旬をみられたのなら充分に満たされるといっていいくらいの賑々しい観劇体験であった。彼による『ハムレット』が、自分のなかで俄に現実味を持ち始めた。それがいつになるか、どのような形で実現するのだろうか。
因幡屋さま、改めましてレポートありがとうございました!
これからも楽しみにしております!
わたしも「カリギュラ」見てきました。
観劇後、数日間は舞台を思い出すだけで息苦しくなってました。
小栗旬君の舞台はさんまさんの「JOKER」、「お気に召すまま」に続いて3本目です。
「JOKER」でお風呂に入ってる間に洋服を隠されて、風呂おけで前を隠して出てきた少年が、立派になったなぁと。
「キサラギ」はホントに楽しい作品でしたね。
それでは、また遊びに来させていただきます。