因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

龍馬伝第22回『龍という女』

2010-05-30 | テレビドラマ

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 攘夷派の土佐勤王党に対する山内容堂(近藤正臣)の弾圧がはじまった。勝塾で学ぶ龍馬たちにも、土佐藩から帰国命令が下る。勝塾の仲間たちはからだを張って龍馬はじめ土佐藩士たちを守り、しかし藩の命に背いたということで、彼らは脱藩浪士とみなされることに。いちじは脱藩の罪を赦された龍馬だが、ここで再び脱藩浪士になってしまう。運命はわからない。そしておそろしい。兄の権平(杉本哲太)が迎えにきたとき一緒に土佐に戻っていたら、いまごろは捕えられて吉田東洋(田中泯)暗殺のかどで詮議をうけていたかもしれないのだ。

 龍馬はようやく岡田以蔵に再会するも、新撰組の刃から以蔵を守ることだけで精いっぱい。結局以蔵は土佐藩に捕えられてしまう。友を救えなかった自分を責めて龍馬はむせび泣く。

 タイトルからわかるように、今回はのちに龍馬の妻となるお龍(真木よう子)が初登場したのだが、このくだりについては正直なところあまり強い印象を受けず。

 土佐では岩崎弥太郎(香川照之)の商売がだんだん上向いてきた様子。町で乙女(寺島しのぶ)と出会った弥太郎が武市半平太(大森南朋)について話す。弥太郎はだいたい次のようなことを言ったと記憶する。「容堂は武市さんを嫌っていた。自分の嫌いな者から忠義を尽くされても、うっとうしいだけだ」。武市びいきの乙女が、それを聞いて押し黙る。弥太郎の言うとおりだ。そのことを武市にちゃんと理解納得できるように教えてやれなかったものだろうか。神のごとく崇拝し、忠義を誓う相手が、自分の心をわかってくれないばかりか、尽くされて迷惑だという。非常に気の毒だが、ありうる話である。この点を武市が理解し、その上で自分が何をすればよいかを考える力をもっていれば、そして彼を助ける仲間があれば、これほどまでに多くの人々を巻き込んで犠牲を強いることなく、彼の志を実現することができたのではないか。

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