ふるさと加東の歴史再発見

少し気をつけて周囲を見回してみると、身近なところにふるさとの歴史を伝えるものがある。

大深山東福寺で弁財天祭り

2017年12月04日 06時14分57秒 | Weblog
 3日(日)、加東市松沢の大深山東福寺で弁財天祭りが行われました。小春日和で風もなく、深い谷の細い道を行くと、黄色くなった山の木々が明るく光っていました。11時前に参拝すると、地元松沢地区の皆さんが祭りの準備をしておられる最中でした。また、本堂の前では山伏の皆さんが午後の護摩焚きの準備、打合せをしておられました。
 東福寺は大深山(おふかさん)と呼ばれ昔から有名なお寺で、松沢地区の西の大深谷にあります。境内には山門、本堂のほか、福寿堂などがあります。福寿堂内には西国三十三番の霊場巡りができるようになっていましたが、元は山門から一列に並んでいたということでした。本堂の山側は岩壁が高く切り立っていて、細い滝が落ちており、その下に不動明王のお姿を刻んだ像が立っています。かつては多くの塔頭寺院がある大きな寺であったようで、今の寺はその一つであったということです。開基は法道仙人とも行基菩薩とも伝わっています。本堂は古くは室町時代に建立されたことが判っていますが、現在のものは嘉永年間(19世紀半ば)に再建されたものだそうです。
 御本尊の十一面観音は行基菩薩一刀三礼の作と伝えられ、60年に一度御開帳されます。本堂正面脇には解説板が立てられています。
 本堂の脇に拵えられた席で、ぜんざいと関東煮をいただきました。区長さんといろいろお話をすることもできました。谷が深いために日が当たり始めるのが昼頃になってしまうとのことでした。
 山伏さんによれば、この地方で護摩焚きと火渡りまでやっている寺院は少なく、加東市ではこの東福寺と神咒寺(東古瀬)、そして東光寺(上久米)の3ヶ所だそうで、一番古くから火渡りをやているのが東福寺だそうです。
 谷筋を通る一本の道は山へ上がれば嬉野へ、谷を下れば、東条川へと通じています。嬉野や山国には「大深山」刻まれた道標を見かけます。きっと多くの人がこの東福寺に参拝をしていたのでしょう。
 今年は護摩焚きの時刻に別の大会があり、残念ながら火渡りをすることができませんでした。来年を楽しみに嬉野への道を上がりました。
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