雷魚界の頂点に君臨するジャイアントスネークヘッド(マレーシア名:トーマン、タイ名:チャドー)。
昨年3月のマレーシア・レイクケニール遠征を皮切りに、その後タイ・釣堀&野池遠征と修行を続けた。
今回、トーマン釣りの仕上げとして、マレーシアのテメンゴール遠征を敢行した。
メンバーは、日本からはOkumuraさん、Kawanaさん、Komaさん、Ichinokawaさん、僕の5人。現地でシンガポール在住のRamさん、マレーシア在住の”先生”と合流。総勢7名で「テメンゴール作戦」は決行された。
テメンゴール湖は1970年代に造られたダム湖で、その湖面(湛水面)は南北80kmに及ぶ巨大湖。
その周囲は熱帯雨林にびっしり囲まれている。
今回我々は、その巨大ダム湖の北端部までハウスボートを進め、そこをを拠点に樹枝状に広がるダム湖の奥地を4艘のボートで攻める計画。
この北部一帯は保護区となっており、厳しく自然が保護されている。我々は事前にこのエリアで釣りをする許可を得てのフィッシングトリップだ。
現地での釣りは四日間。
結果はまずまず。 以下は日記でーす。
11月29日(金)
仕事を終え、21時に羽田集合。
23:55 Air Asia D7 523便は定刻通りマレーシア・クアラルンプールに向かって飛び立った。
今回始めて利用したLCCのエア・アジアは、搭乗料金以外は、機内食から水、ブランケットに至るまで全て有料オプション。きわめて合理的です。
久々の海外脱出のワクワク感を味わいつつ、夜間飛行の眠りについた。
中国の防空識別圏は通らないよね zzz
11月30日(土)
翌朝、クアラルンプールに到着。すぐに国内線に乗り替え、昼前にはペナンに到着した。夜間移動は時間の無駄が無くてgood。
全員の荷物も無事到着した。海外乗り継ぎの場合、荷物が無事に着くかいつも不安がよぎるものだ。
むせ返るような暑さに身構えて来たが、着いてみると現地はどんよりと曇り全然暑くない・・・
空港からは車で約3時間のドライブで、テメンゴール湖畔のジェッティー(桟橋)に到着した。
桟橋には、今回我々が4日間寝泊りするハウスボートが繋がれていた。
ハウスボートの構造は実に単純で、ドラム缶を繋げた様な鋼製のイカダの上に木造2階建てのバラックが乗っかっているだけ。一階部分は台所とサロンスペース。二階には4室の小部屋(ツインベッドルーム)という造り。まあ、充分っちゃあ充分です。
現地人クルーが6、7人乗り込んでいる。
このハウスボートに、釣り用の船外機ボートを4艇括りつけて移動するという感じです。
即乗船し出航。ハウスボートにはディーゼルエンジンが付いていて、2~3ノットのゆっくりした速度で自走する。
2時間ぐらい移動した辺りでハウスボートは泊地に到着。早速初日の釣り開始です。
船外機ボートは7人に対し4艇あるので、二人づつ乗って一艇は一人乗船。じゃんけんで最初の一人乗りは僕となった。海外遠征での一人チャーターとは実に豪勢だ。(笑)
さて、釣り開始です。
空はどんよりと曇り、小雨が降ったり止んだりの状態。少々肌寒いぐらいで、ロンTにレインジャケットでちょうど良いぐらいだ。
僕のボートのキャプテンは一番若い奴で、我々は「なで肩」と呼んだ。
水位がやや低く水面がブッシュラインより下のため、カバー打ちという感じではない。だた、事前情報の通りそこら中に立ち枯れの木が乱立しており、ヒットしても巻かれる率が高そうだ。
トーマンの狙い方は、主にベビーボール打ち、呼吸打ち、ブラインド打ちの3パターン。僕の経験上、釣り易さもこの順のように思う。
逆に、僕が面白いと思うのはブラインド、次が呼吸。ベビーボールはさして面白いとは思えないが、この辺は個人の好みでしょう。
【これがトーマンの呼吸ライズ。ここに間髪入れずルアーを投げ込む。】
僕はブッシュや立ち木の際を狙いたいので、スナッグレス性に優れたスピナベからスタート。
ストラクチャーへキャストしながらも、常に周囲に目をやり、呼吸が出たらそこへ秒速ピンポイントキャストでルアーを撃ち込む。
基本、この繰り返し。
しかし、ケニールに較べ呼吸が極端に少なく、ベビーボールに至っては殆ど無し。
若いキャプテンは「雨が降るとトーマンは水面に出てこないんだ」と、悲しげな顔で僕に言う。
本当かなぁ、、、と思いつつも、確かに水面への反応は出ない。
薄暗くなってきた頃やっと呼吸ライズが出始めた。僕はペンシルベイト(XPOD)にチェンジして水面をドッグウォークさせる。
岸際の倒木とかレイダウンに狙いを絞りペンシルを投げ込んでいると、ドバッと水面が炸裂してトーマンがルアーに襲い掛かった。
残念、フックに触らず。
この日は、このワンバイトのみだったが、やっぱトップはエキサイティングだ。 面白いっす!
暗くなる直前にハウスボートに戻り、その後夕食。これが以外に旨い。
22時には就寝。
12月1日(日)
6時起床。朝食を済ませ7時前には釣り開始。無駄が無くて実に良い。
午前午後で毎回乗船者とキャプテンをシャッフルした。この回、僕はOkumuraさんと組む。キャプテンは「Mr.顎ヒゲ」。
この日もどんより曇り、小雨が降ったり止んだりで相変わらず肌寒い。
全艇、朝一番はドチャ濁りの支流合流点に入る。合流部には流木ゴミが大量に浮いており、その周辺でトーマンの呼吸ボイルが結構見える。いいんじゃないのぉ!
僕は手堅くスピナベを投入。
ややあって、ガツンと強烈なヒット!
キター!!!
フックアップも成功。
トーマン特有の強烈な首振りファイト、、、 が、数秒後・・・ フッと軽くなる。
PE4号のメインラインが途中で切れました・・・
たぶん、大量のゴミの中を引いているうちに、ラインに傷が入っていたのだろう。
ウゥゥ、残念。。。
徐々に呼吸も減少し、その後各所を転戦するもパッとしないまま午前の部終了。
朝一のみが良かった。
ハウスボートに戻ると直ぐに昼食が運ばれてくる。クルーの動きは悪くない。
夜のシャワーは寒いのでこのタイミングで水シャワーを浴び、その後はマッタリと昼寝をむさぼる。 アジアンタイム、快適だ。
15時、午後の部スタート。
この回はKawanaさんと乗船。キャプテンは「Mr.エース」。(ここまでの評価では彼が一番腕が良さそうだった)
今度は立ち木が密生したポイントに全艇集結。ここも呼吸が結構出るが、如何せん立ち木が多くてジャストポイントになかなか投げ込めない。トーマンは呼吸で水面に出た直後に急潜行するため、一瞬の遅れでもヒット率は激減してしまう。
ここら辺りでルアーに見切りを付け、生きエサの泳がせ釣りをするメンバーも出始めた。
泳がせはヒット率は断然高いものの、充分食い込ませるためラインを送り出す。その結果掛けた後の立ち木への巻かれ率も相当高い。
僕はトップの興奮を味わいたくルアー一本やり。同船のKawanaさんもルアーのマシンガンキャストを繰り返してる。
ルアーも泳がせも面白い事には変わりなし。お好み次第でしょう。
結局このポイントでもヒットを取れず、その後各所を転戦。相変わらず呼吸やベビーボールが少ない。
曇りの時間が減り、常に小雨~本降り状態だ。
夕方、ここに居なきゃ何所に居るのって感じのブッシュにペンシルをぶち込む。
一歩間違えれば根掛かり必至の難しいポイントだが、キャスティング好きにはこれもまた楽しい。
で、イイ感じの所にルアーをねじ込んだ瞬間、、、ドバンと出ました!
オゥ! またしても魚はフックに触らず。
フーッ、痺れますね。
でも、かなり満足度の高い一撃でした。
夕食後の反省会では、明日以降の対策を見出すべく、皆かなり熱く語る。
ラムさんや各キャプテンの言うとおり、雨が降るとトーマンは水面に出てこなくなるというのは事実のようだ。
この時点で、メンバーの半数はルアーないしはエサでトーマンをキャッチし始めた。
僕はというと、強烈なバイトなどエキサイティングな釣りを楽しんではいるものの、まだキャッチには至っていない。
夜になっても、相変わらず雨が降り続いている・・・ 後半、大丈夫かオレ?