工場見学が有料に

　大震災による液化現象で工場が被災したため工場見学を中止していたサッポロビール千葉工場（船橋）。やっと4月2日から工場見学ができるようになった。ところが震災前は無料だったのに再開後は一人500円の有料になった。

　消費者が工場見学をしてくれることは、企業にとってファンを増やすことになるので大歓迎だと思っていた。無料だけではなく製菓会社やしょうゆ会社のように自社製品のお土産を出すところも多い。

　ビール会社の見学が有料とは聞いたことがないのでHPで同業他社を調べて見ると、アサヒの茨城工場、キリンの取手工場、サントリーの武蔵野工場とも無料だった。3工場とも見学したがビール工場は装置産業なので、私たち素人が感心するのはビン詰めと缶の封入ラインだけだ。

　それぞれ違いはあってアサヒは工場ラインが止まっている日曜日でも見学させる（サッポロは日曜日の見学が休み）。試飲があるので団体の場合はそれでも大喜びだ。その試飲は会社によってジョッキ2杯とか3杯とか制限しているところもあるがサッポロは無制限だった。もっとも試飲時間は25分なのでそんなに飲めるものではない。

　今回の有料化でもう一つの変化は試飲が黒ラベルだけで2杯の制限付きになった。今まではエビスビールも提供していた。まさかコストではないと思う。考えられるのは千葉工場でエビスの生産を中止したのではないか。発泡酒や第3のビールが主体なのだろう。

　千葉工場は敷地内に系列会社のビール園を持っている。ジンギスカンの食べ放題と飲み放題が魅力で繁盛していた。工場見学をしてからビール園を利用する客が多いのだろうから、ビール園利用者には工場見学代を差し引くくらいのサービスがあっても良いと思う。金額ではなく気分の問題だから―。

　私はサッポロビール園の思い出が強いのでビールはサッポロを愛飲しているし、ホテルのレストランで希望銘柄を聞かれたら「サッポロ」を指名するファンとして、今回の有料化は寂しい。