山ヤのゲンゴロウ

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SKIMO用ビンディング取付け

2022年03月22日 | 山の道具たち
なかなか忙しくアップできていませんでしたが、約1か月前に山スキービンディング取付け依頼が有りました。

 SKIMO用の板にビンディング。物凄く軽くビックリです。

依頼主は「白山北部管理人の泰山さん」です。この方は、同じ同郷の方で、過去にテレマークも含め3セット取付けさせていただいております。ボクの運営!?する「源工房」の取付方法の理念に共感していただき、同じ白山を愛する人間として懇意にして頂いております。
今回は、ディナフィットのSKIMO板とビンディング取付けです。毎回の事ですが、レースに使う板とあって、いつもと同じですが正確に、確実に取付けさせて頂きました。
 
 今は廃盤となった希少なビンディングだそうです。      CARBONIO88という板。春スキーでも使えそうです。167㎝ 1100gといった軽量な板

早速取り掛かる前に、スキーのトップシートに幅50㎜のテープを貼り、長軸方向の中心線、そしてそれに直交するブーツセンターを毛書きます。これが一番大事な作業です。
このブーツセンターに、この板に使用する兼用靴のブーツセンターを合わせ、前後のトゥーピースとヒールピースの位置決めを行います。これも大事な作業です。このビンディングはヒールピースが前後移動できないので、可成り正確な施工が必要です。穴をあけると後戻りできないので何度も確認してから穴開けの作業にかかります。
 
 先ずは、毛書いたビスの中心線にポンチを打ちます       Φ1.5で先行穴を開けます

毛書いた中心線にポンチングして凹ませることにより、ドリルビットがその凹んだ中心線を穿つようにしてやります。そしてΦ1.5で少し掘りますd:3㎜ほど。この時に、トップシート下の素材を確認します。この板はカーボンシート下にメタルが有りました。
 
 ボール盤で直角にビス穴を開けます。専用ドリルで開けます     ネジ孔の冷間圧造後、盛り上がったトップシートを平滑にしてやります。

ボール盤でビス孔を開けるのも、先行穴が有るので、その中心に沿って正確に開けてくれます。(メーカーの穴あけ治具が無くても、この工程でやれば可能です)その後、穴の中を掃除(掃除機をかけて)して、締め入れるビスをカラで打ち込みます(打ち込む際の深さに要注意です。締めすぎると、滑走面を盛り起こす恐れがある)。その後、半日以上放置します。これでスキー板にビスの雌ネジを冷間圧造することが出来ました。
ビスを全部抜き、この後は接着剤を封入し、ビンディングを取付けます。

 トゥーピースのネジ止めの際、実際に兼用靴を付けて、靴のヒールセンターがスキーの中心線に来るように調整しながらビスを締めつけます。

ビス孔の中を綺麗に掃除機をかけた後は、いつもの2液混合性エポキシ接着剤を上端まで封入し(締め付けの際に溢れ出ても構わない→密着性向上)トゥーピースを置いてビス締めです。この作業もとても大事で、いくら正確にビス穿を開けたとしても、ビスはその中心に入っていかない。(メートルネジも同じです。その理由は専門書を読んでください)ので、何度も兼用靴を付けてヒールセンターがトップシートの中心線に来るよう、4個有るビスの締め付け順やトルクを調整しながら、中心線に来た時に本締めです。締め付けトルクは職人の勘です。(トップシート下にメタルの有り無しとでは若干変わります)
※ここで大事なこと:トゥーピースの取付け角度θが僅かでもズレれば、靴のヒールセンターは大幅に左右どちらかに振れるということです。この原理を理解いただき取付けてください。

その後は、ヒールピースを同様の行程で取付け取付け完了です。
 
 トゥーピース取付けで中心線に来るかを確認      ヒールピース取付け完了!凄くカッコイイ!


 取付け、取外し可能なブレーキを取付け完了です。可成りレアな板ですね。


 板の細さを実感。これら軽量化を攻めたビンディングには機能美を感じます。

次は左端のVOLKL BMT109 のビンディング取付けです。これは、カミさんとボクの共用の板と成ります。ビンディングは個人輸入で購入しましたが、欧州の政情不安により遅れています。(1週間前に届きました)
それにしても、ビンディング取付けは、物凄い集中力や繊細さを必要とする作業ですが、自分の山行を共にする大事な道具。自分で取付けるのは楽しいし、そのメーカーの板やビンディングの構造、製造やそのデザインに対する理念が伝わってきます。山スキーの記録も大事だけど、足元の道具も大事だと思ひました。
そして、ビンディング取付け依頼してくれた泰山さんいつも・・・有難うございます!!
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