手荒い台の天板にキッチリ入ったアリの軸。 釘や接着剤は一切使用していません。(天板:銀杏材 軸:栗材)
今日は大工さんです。
朝からポツポッツ雨が降る変な天気。こんな日は大工さんになるボク。自宅裏の材料保管場所へ赴き、浴室の手洗い場の洗面器を置く台の材料の選定。工房の材料置き場でいろいろ迷ったあげく、銀杏の木でつくる事に決定。これは10数年前にバンコにして乾燥しておいた材料です。程良く乾燥しているものの、虫に喰われていたのでそこを外しチェンソーで材料取り。
次は電気鉋で反りを荒削り、そして手鉋で平に製材してここからが本番。
ボクのポリシー!?としては建材モノを使わない主義!!だからこういった無垢材を使用する場合、この材料は生きているので、湿気の呼吸や経年により材は反りが発生します。だから反りが発生しないように力でねじ伏せる必要が有ります。(この反りをこの業界では「あばれ」と言います)
無垢材を使わない集成材や積層材等の建材は数十年は持ちますが、いずれは接着剤で付けているだけ。剥がれるでしょうが、
今日ボクが加工したやり方をすれば、無垢材では反りを防げる他、何十年も持ってくれます。歴史に裏付けられた技術はとても大事なのです。
前置きはさておき(ウザい)今日の工程は次の通り。
銀杏のバンコ!10年も経てば良く乾燥してます。(本来なら、まな板の材料です) 反りは電気鉋でガンガン荒削り!
ガンガン削って行こう。雨ざらし部分の灰色の素地の下からは白い材が出てきた! ルーターを使わず丸鋸に定規をあてアリ溝を刻む。
アリ溝を2条刻んで(手彫り)次は溝に差しこむアリ軸を刻む(もちろん手彫り) そして生鎚で叩きこんで挿入!出来上がり!!
ログハウスの手洗い場も同様の手法で仕上げましたが、あばれの強い欅材であるものの、今もイイ感じです。昔の人は良く考えたなと実感。翻って昨今の住宅に見られる建材モノ使用の過多を見ると残念に思いつつ、
こういった木の特性を駆使して仕上げる匠の技術は何年経っても良いものだなと思いました。