夏休みと言えば「自由研究」
今年も源次郎と一緒にやりました。って言うか、親の関与が無いとまとまりません…。
でも頑張ってやりました。お疲れ様源次郎!
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我が家の栃の木に実った「栃の実」
今年の題材は
「栃の実」
ボクの名字にあるように、名字の由来は「栃の木の巨木」が家ににあったと謂われています。
昔は米があまり採れず、年貢やら飢饉に備えて栃の木は大切に育てられ、その実は大切な炭水化物、タンパク源などの栄養源だったそうです。
でも、剥いていきなり食べられるような甘い栗と違って、形は良く似ているけど、そのまま食べると、とても苦いというか、渋柿を食べた時の様な半日、口の中が麻痺しているかのようなエグ味、苦みを処理、いわゆる「アク抜き」しないと食べられない栃の実。
今では、道の駅などで、栃せんべい、栃餅など「田舎のお土産」的に販売されている。たしかに食べると微妙にほろ苦く、懐かしい味。という訳で皆!?大好きな!?栃の実を使って祖父母や、地区のお年寄りに教えを乞うて、アク抜きして食べられるようにしました。
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昨年9月に家の庭や家の周辺に有る栃の木から実を拾い集めます。 小原林道でもたくさん拾いました。
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殻を割ると大きな栃の実が出てきます。 栃の実って「栗」にとても似ています。味は相当違います。
昨年9月に、我が家の栃の木から拾い集めた栃の実と、小原林道で拾い集めた栃の実を水の張ったバケツに入れ、中に入った虫を殺します。そして2週間くらい天日干し。これで長期保存が可能となり、必要な時にアク抜きして食べる事が出来るようになります。
今年の7月下旬、バケツに水を張り、井戸水の流水に晒し、ふやかします。井戸水は冷たくて気持ちイイ。2日くらいたつとふやけるので、カッターやナイフで硬い皮を切り、剥きます。
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井戸水を流しながら漬けておきます。 ふやけたらカッターなども用い皮を剥きます。ヘロヘロ!
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根気のいる仕事です。頑張れ源次郎!! 剥かれていく様子。美味しそうに見えるけど…。食べるな危険!!
そのまま井戸水に曝し、網に入れて、家の横に流れる川(清流)に3日ほど曝し、井戸水で洗った後、薪ストーブの灰(広葉樹の灰が良いそうです。我が家の昨年の主な燃料は桜だったのでOKとします。)に漬け、お湯を浸し3日間、灰汁に漬けます。これは渋みの成分であるサポニンやタンニンがアルカリ性の灰汁と反応して苦み、エグ味成分が無くなるそうです。
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とっても苦く一口食べただけで、口の中が麻痺しそう…。 網に入れて…
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家の横を流れる清流に浸しておきます。田舎だからこの辺は楽勝! そして井戸水で洗います。
その後は灰を流してキレイに洗って、再び井戸水に4日間曝します。そうすることでキレイでアク抜きされた栃の実ができました。とても根気のいる作業でしたが、食べてみると、以前の超強烈な渋みエグ味が消え、どこか懐かしい昔の茅葺の家に居るような雰囲気に包まれた、ほろ苦い、懐かしい、淡白な味がします。ヤッタネ!アク抜き成功!!
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薪ストーブの中から、そして予め蓄えておいた灰を使います。 発泡スチロールの中に入れて、何段も灰と実を折り重ねます
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熱湯を注ぎ、灰汁に漬けます。3日間漬けます。 で、3日後実を食べると、麻痺しなくなったけど灰汁の味がします。
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井戸水で灰を流すと、何だか食べられそうな雰囲気!! で、次は4日間井戸水に曝しました…。手間がかかるね。
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何度も水を変えても、だし汁様のアクが出てきます。これが無くなるまで延々井戸水です。 そして出来上がり!これで食える。
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生で食っても大丈夫!懐かしい味がします!
その栃の実を使って、カミさん監修の元、クッキーを作ってみました。栃の実:小麦粉(3:1)、卵黄、砂糖、バター、牛乳で作りました。後味が少し、ほろ苦く、大人の味のクッキーに仕上がりました。
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クッキーの材料です。風味が大事なので実際はクッキーミックスは使わず、小麦粉を使用しました。 栃の実をふんだんに使って作りました。
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栃の実を刻んで(食感が楽しめるように) 2/3はすり潰し、小麦粉と混ぜます。
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卵黄や砂糖、溶かしバターを入れて撹拌! 成型してオーブンにGO!!
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180℃で25分ほど焼いて出来上がり。 意外に美味しかったです。お菓子作りって、楽しいなぁと実感!
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次は
栃餅作りです。
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出来上がった栃餅!市販されている物より、栃の実含有率が高い!
材料は栃の実545g、餅米300gとします。市販の栃餅は、栃の実の含有率が少ないので、もっと本格的に昔のように栃の実は餅米の約2倍の量にしてみます。
栃の実は蒸し、ほぐれる様にします。次いで餅米も蒸して、ほぐした栃の実の中に投入します。栃の実をミキサーで細かく砕けば良いのかもしれませんが、折角だから人力で潰します。
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栃餅の材料は、餅米と栃の実(アク抜き済み) まず餅米を研ぎます。この後一晩水に漬けておきます。
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栃の実を蒸し器で蒸します。 熱々の栃の実を食べると意外に美味しい!(ほんのり苦いけど)
その中に蒸した餅米を投入するのですが、あまりにも餅米が少なく、これで餅が出来るのかなと不安になります。
でも源次郎がガンガン搗いてくれるので次第に粘り気が出てきて、微妙に茶色くなり、いかにも栃餅のような物体ができてきます。
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次は餅米を蒸します。 蒸している間、栃の実を麺棒で潰します。パサパサとした粉になります
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潰した栃の実の中に餅米を投入し搗きます。 段々と餅らしく粘りや伸びが出てきます。
(本来なら年末の風物詩の杵と臼で搗きたいところだけど、毎年10臼くらい搗くのに比べ、こんなちょっぴりではそこまで大がかりにやるのは無駄なので、ボウルにいれて搗きました)
搗きおわった餅は、もろぶたにそして、手に片栗粉をまぶして源次郎に捏ねて成型してもらいました。
手に付着した餅を食べてみると、意外に餅っぽく伸びてビックリ!餅米の含有率少なくてもこんなに伸びるんだと感動。先人の知恵は凄いと実感。そして味は…なんとも懐かしい味で、道の駅等の物産店で販売されている物より美味しく感じました。
素人でも簡単に作れるのだと実感。
今度は焼いたり煮たりで食ってみよう!
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年末の餅搗きと同様に捏ねます。片栗粉で真っ白!! 歪な形になりましたが成型終了!栃餅の出来上がり!!
今回、栃餅を作ってみて驚いたのは、あんな苦くエグイ木の実からアク抜きしてデンプン質をつくり、そこに重さが半分の餅米を入れて搗いても、粉っぽくなり、粘りや伸びが出ないだろうと思っていたが、栃の実のデンプン質と餅米のデンプン質が結合!?して、モチモチした触感の餅になった事。そして懐かしい渋味も加わり美味しい餅が出来た。
今回は、意外な美味しい結果に感動を覚えつつ、ボク達祖先の食べ物に対する欲求と、執念を実感しました。
源次郎の「夏休みの自由研究」のテーマとして「栃の実」を題材にしたわけだけど、昨年の砂金採りに引き続き良い研究!?になりました。
このように、昔の人々は苦労を重ね、アク抜きして何とか飢えを凌ごうとした努力に敬服しました。今では食べ物は豊富に手に入れる事が出来るこのご時世、食べ物の有難みを感じつつ、先人の食べ物に対する執念を感じました。源次郎はもとよりボクもとても良い経験となりました。
今年、我が家の栃の木はウラ年なのか、収穫は少なくなりそうです。
高度経済成長期に食糧事情は大きく改善され、このような手間のかかる食べ物をもたらしてくれる木々は見捨てられ、用材として価値の上がると思われた杉や檜を植えられることにより、もともと我らの家の周りに本来有った様々な木々、例えば燃料(木炭)として楢などが有った雑木林は刈り払われると共に、救荒作物として大事にされてきた栃などは一気に姿を消した。今では食料はありふれ、何も困らなくなった(今後、分からないが)。その反面、スギ花粉など新たな問題が発生しつつある。今になって何やってんだか…と思うだろうが、これが時代の流れ。
ボクに出来る事は、こういった事を後世に伝え、もともと有った自然の恵み、これらを生かして生きて行った先人の知恵を伝えて行く事が大事なんじゃないかなぁと今更ながら実感している。
今日は「お盆」
先祖が帰って来る日だ。遊ぶ事も大事だけど、ボク達の両親はもちろん、小さい頃祖父母、曾祖父の言っていた言葉を思い返し、又は耳を傾け、祖先の知恵を再考すべきなんじゃないかなと改めて思った。
食えたもんじゃない…あんなに「マズイ」ものが食べ物になった事…。源次郎も身に沁みて感じていたようで、嬉しくなりました。こういった経験は夏休みじゃなきゃ出来ないね。(親も大変)
そして今日は終戦(敗戦)の日。大東亜戦争で、戦死したボクの先祖をはじめ、かの地で斃れた我が大日本帝国軍の軍人軍属の方々、そして戦禍を被り亡くなられた先人の霊をしのんで、黙祷するとともに感謝の気持ちを祈りませう。
なお、
詳細は源次郎の「夏休みの自由研究」を見てね!