10月の連休は、鮎っちと、東さん(金沢の)と3人で白山の沢に行ってきました。
昔はよく行った「蛇谷支流」、今回のメインはトークズレ谷の奥壁左岸スラブです。昔・・・この右俣に行ったのですが、ずいぶん前の事で記憶が薄れていて、スーパー林道ゲートから望めるこのスラブに行くとあっては行くっきゃないなと思いました。また、親谷も10数年ぶりの再訪!またあの老婆の白髪みだれ髪を登ってきました。この辺の谷は、ヤッパシ楽しいネ。
10月8日土曜日は、家族サービスというか労役というか皆でさつまイモ掘り!をして山の準備をし、翌朝3時起きで。4時に瀬女の道の駅に集合しS林道に向かい5時発です。徐々に辺りは明るくなりだし「トークズレ谷」に到着。ここでビパークの装備をデポして6時に入渓です。5段の連瀑を擁する「かもしか滝」に取り付きます。最後の3段は左岸の岸壁を登りトラバースして越える。水流に磨かれた側壁はツルツルです。ゴルジュ内に続く滝群は逃げ道が無いので全て登ります。もちろん腰以上に浸かり泳ぐことも。陽が射さない寒いゴルジュ内。ガタガタ身体を震わせ目の前の滝を乗り越えて行きます。こんな山登り!イイ感じです。何だか生きているって感じです。
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トークズレ谷の入り口、かもしか滝!いきなり手強かった!
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この深く冷たい釜を擁する滝をハーケン連打で切り抜けました。
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滝はいっぱい!白山らしい滝群
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応接の暇が有りません。みんなカッコいい滝!
今日は職人沢ヤの鮎っちがいるので気分的に凄く安心・・・。そんなんなってかボクも果敢に攻めの登攀でリードさせてもらいました。やはり歴戦の漢!!見習う事はいっぱい有って、とても良い勉強になりました。
青白く固い岩の連続…。リスは限られるけどハーケンが気持ち良く決まり、心地よいリズムでハーケンの打撃音がゴルジュに響きます。水の流れやそれが穿つ造型!あぁ・・・沢登って楽しいな。
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ゴルジュが続きます。この白い岩質イイ感じ! この時期の泳ぎはこたえます・・・芯から冷えます~♪
逆層のスラブ状の滝があったり、苔で滑りそうな滝が有ったりと気が抜けません。今日は3人なので急いで登ります。
写真を撮ると変なポーズをとってくれる鮎っち!お茶目な人です。
12:15に漸く今日の目的地である奥壁スラブに到着!両岸に迫るこの一枚壁。見る限りボロボロに崩れそうな礫岩。でもここを行くっきゃない!沢靴からクライミング用のフラットソールに履き替えて登ります。ロープに擦れただけでボロボロと崩れ落ちる落石。ビレーする方もビビります。テストしながら安定を確認しますが、場所によってはホールド、スタンス共に安定し且つハーケンの効き、クラック内のカムの効きも良好で快適に登る事が出来ました。徐々に傾斜は緩くなり最後はフリーで草付き灌木の支尾根に出て沢靴に履き替え藪漕ぎ突入!
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広大なスラブ!。ボロボロの壁で落石が・・・直撃しまくり。
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満面の笑みのボク!
稜線に出て、コンパスで方向を確かめ国見山に向け藪漕ぎ!昔々登山道が有ったというのだけど今はその面影まったく無しの激藪です。とりあえず山頂を踏んで(15:30)、南東に延びる谷を懸垂、等交えて下降してS林道に到着(17:00)。ここで親谷へ向け行かなくちゃいけない。薄汚れた服の皺を延ばし、登攀具をザックに片付け、普通の登山者を装い途中、何度も通る車に対し、親指を立てヒッチハイクを敢行!30分くらいして岐阜ナンバーの若い兄ちゃんが「何か有ったの!?」的な心理で停車してくれたのが最後。ダッシュで車のもとに向かい、警官の職務質問的な強引さで事情を説明し半ば強引に乗せてもらう。「何故こんなところに人が居るの!?」的に現状を理解する暇を与えず、こちらのペースで「トランク開けてもらってイイですか!?」と図々しくも沢臭い怪しいオッサンを怪しみながらも乗せて頂き感謝!!。(ニコニコと笑顔をふりまき懇願したボクのNZ仕込のテクニックが功を奏したのかな!?)
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カメラを向けるとポーズをとってくれる鮎っち! スラブの大岸壁を登る東さん!外国の山を登っているみたい。
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右岸スラブの様子。こちらの方が登りごたえは有るようです。 国見山からの下りの沢にてポーズする鮎っち!
下車したのち、沢に入りピパークです。ビールや焼酎を飲み、蛇谷に湧く天然温泉のドスの湯に浸かり星空を眺めつつ身体を温め寝袋に入り翌朝を迎えます。嗚呼幸せ!
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夜は酒飲んでちょっとした宴です。最高!!
翌朝、5時起床し準備を整え親谷に入ります。姥ヶ滝は10年ほど前にリードで登ったんだけど、どのラインを登ったか詳細は忘れたけど、その記憶を思い起こしながら登ります。リスが少なく中々良い支点を作れませんが登ります。ダブルロープの抵抗が重くなり、傾斜もハング気味。昔はこのままブッシュ帯に逃げ込んだけど、鮎っちに直登することを命じられる。無理と思い、一旦ピッチを切って鮎っちに登ってもらう事に。ザックを下ろしフラットソールで登る姿に職人的クライミングを見せつけられ、今後の課題を残した。
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10年振りの再会!姥ヶ滝!!
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高度感最高です。今回も沢靴で登りました。
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鮎っちの職人的クライミング!惚れ惚れしてます。
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今回は寒いので釜に浸かれませんでした。
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ナメが美しいのも特徴の親谷!です。 稜線に出て、鮎っちと東さん!!ブナ林がとてもキレイでした。
そうこうして8:50に滝上に到着。この後は連続するナメ、小滝を越えながら楽しく登ったり泳いだりして源頭を目指すのでした。その途中、ボクが小滝を登り終えた後、目の前3m程先に黒い物体と鉢合わせ!熊です。この熊に襲われる・・・とおもいきや、踵を返し大きいお尻をこちらに向け一目散に山の斜面を駆け上って行った。心臓バクバクで危うく殺されるところでした。あれは小熊じゃ無く大人の熊でした。
その後は何事も無く沢を登り詰め中宮道に出ました。(12:30)
本当はしなのき平ヒュッテ北東のスラブを登る予定でしたが、取り付く枝沢が分からず越してしまい今後の課題となりました。
このあとは、超快適な登山道をルンルンと他愛のない会話を楽しみつつ、東さんはブナの実を食べながら、ボクは拾いながら、そして遠方に聳える笈ヶ岳等を楽しみながら下りました。(中宮道登山口15:10着)
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昨日登った国見山方面。笈ヶ岳もバッチリ見えるよ。蛇谷を跨いで登った沢登り!今回もとても楽しい思ひ出が出来ました。みんなアリガト~!!
今回の山行は鮎っちと東さんのお陰で白山の懐にどっぷり浸かり沢を楽しむ事が出来ました。国見山から望む白山はとても大きく見え、白山の周囲には様々な素敵なトコロがいっぱい有るのだなと再確認出来ました。
国見山に向け藪漕ぎをしているとき、頬を伝う汗そして稜線を吹き抜ける風が心地よく、振りかえると藪の切れ間に見えた白山の姿。疲れや煩い藪に辟易してはいるけど、かえってその瞬間がとても癒されました。
幾つになっても山で青春しているなと思ってしまいました。 みんなアリガトー!!
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中宮道のしなのき平小屋で休憩・・・。登山道に出るとホットするね。