土倉鉱山跡地(戦前の鉱山跡地)。朽ちたコンクリートの構造物を草木が覆っていますが、当時の人達の声や機械の音が聞こえてくるような感じでした。
気温も高まり汗ばむ今日この頃。山スキーをするにはちょっと違和感を感じてしまいます。
そんな訳で今日から合羽を着込み滝に打たれながら登る、沢シーズン突入です。ヤッパシ沢登りもとっても楽しい。泥や蜘蛛の巣に塗れつつ滝を登る。山スキーには無い楽しみが此処にはいっぱい有ります。ザックの中身を一新し今日からは夏の山スタイルに変更です。
今日は、湖北の沢登りをしてきました。このエリアはボクにとって未踏。眞ちゃんとの久しぶりの沢です。
山登りって、入る山域によって植生はもちろん、地質ににより水流に磨かれた様々な地形を顕にする谷を見るのも楽しみ。特に今回は過去に銅鉱石が採掘されていたところとあって、過去に先人達がその露頭を発見して採掘の可能性を見出し事業化してきた訳だけど、その片鱗に少しでも触れ、当時の人達に想いを馳せたいと思いました。
眞ちゃん家に集合し、木之本に向かいます。303号線に入り八草峠手前の土倉谷林道に入り、暫く行くと、鉱山の選鉱場跡地を過ぎ二俣の左俣から入渓です。地味な沢で何も無いかなと思いきや、意外に立派な滝が姿を見せ、登る事が出来ました。シャワークライミングが有ったりと、カッパを着て水流の中をハーケンやカムを効かして登りました。この感覚・・・山スキーには無いスリルが有るし、やっぱし沢登りは楽しいです。瀑音で声や笛が聞こえないので無線を使っての登攀。これも楽しかったです。勉強になりました。
暑い夏は沢登りだね。シャワークライミングの滝 ハーケンでA0で登りました。
登りの谷は登攀的要素が有り、ロープ出して登る事が出来ました。久しぶりに打つハーケンの感触が心地よかったです。
その後もたくさん滝が現れ、フリーで気持ち良く登れるところも多く有り、記録が無い谷だけにショボイ谷かなと最初は不安だったけど、詰めるにつれ当たりかなと思いました。そしてこの山に銅鉱が眠っているとは、現代の様な探鉱の先端機器が無かった時代に発見した先人達は凄いなと実感しながら登りました。
雪は無く、水と岩と樹に囲まれ誰もいない山。山スキーよりもちょっと危険な匂いのする沢登り。新緑の時期もイイね。
いつもと違う筋肉使った為か、翌日は筋肉痛でした・・・。 谷を詰めると何だか平和な感じの良いところに。白山系には無い感じです。
徐々に詰めると、平流となり周りはブナや栃の林となります。とても大きな栃の木が迎えてくれました。この山には登山道が無いので、人工的なモノも無く心地よかったです。
栃の大木。ボクの家の栃の木もいずれはこんな大きな木になるといいな。
稜線に出たら、後はコンパス振って、帰りの沢を下りるだけ。滝も無く平凡なガラガラの沢だったけど、最後の本流手前は地形図に窺えるとおり、ゴルジュとなっており、イイ雰囲気でした。
下りの沢は最後に立派なゴルジュが有りました。 ちっちゃな懸垂も一箇所。
本流を下ると、古い石積みが随所に見られ、さらに両岸には古いコンクリートの構造物が草木に覆われています。鉱山の跡地で、朝通り過ぎた所よりも更に古いものでした。しかも、地形図上で気になっていた川が暗渠になっており以前、此処には大きな鉱山、人達がいたという事がその規模で如実に実感出来ました。
当時の資料を読んでみたいなと強く思い、家に帰ってこの「土倉鉱山」をネットで検索して色々見ました。
こんな風に山に入ると、昔住んでいた人達の住居跡の基礎石などが見られますが、そこに住んでいた人はもう死んでいないけど、そこに生活が有ったという事を知る事が出来、その雰囲気を感じる事が出来、とても感動します。
廃墟マニアの心をくすぐる山行となりました。
土倉谷鉱山跡地(戦後、ここに移りました) 坑道へのトンネル。
そして、山に登っている時に今日がカミさんの誕生日である事に気付きました。