今は一般的な手術では、糸を指で結ぶ馬外科医はいないと思う。
ほとんどの人は把針器に糸を巻きつけて器械結びしている。
その方が速いし、糸が無駄にならないからだろう。
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気になるのは、何でも糸を2回巻いて外科結びする人が多いことだ。
使う糸やテンションのかかり方にもよるが、外科結びは結び目が大きくなり、かえって解け易い。
(左;外科結び、右;男結び)
外科結びとただの男結びと、どちらが解け易いか。
外科結びはいびつで解きやすい、解けやすいはずだ。
(左;外科結び、右;男結び)
1回目の結紮のときに、
摩擦を増やすことで緩みにくいようにするとき以外は、
外科結びをしない方が結紮が緩みにくく解けにくい。
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もうひとつ気になるのは、男結びになっていない人がいることだ。
(右;女結び)
正確に結ぶには、結び目をよく観ながら、自分で結び方をマスターするしかない。
把針器に糸を巻く方向を1回目と2回目で変えて男結びになってないといけない。
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これだと、把針器に糸を巻く方向は1回目と 2回目で変えても、男結びにならない。
これもまた解け易い;右。
切開創の真上に結紮がこないように、あるいは1回目の結紮が緩まないように、わざわざ結節をいびつにする人がいるが、
これも気をつけないと、正しい結紮にならない原因になる。
右の結紮は、ちゃんと1回目と2回目の糸を巻く方向は変えてある。
男結びになるはずなのだが、結び目を正しく作っておかないと、このように糸がすり抜けてしまいやすい結紮になってしまう。
太い絹糸で縫合していた時代と違い、今はモノフィラメントの糸で縫合するので、結び目が創の真上に来ないように気を使う必要はないと思う。
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切り落とす糸が長くなりがちでもったいないだけでなく、
縫合部位から糸の先が離れているので、糸の端をつかみ難いのだ。
(左写真)
これはDr.Richardsonと私では意見が違う。
Richardson先生は、今は整形外科しかやっていないし、
USAでは日本より医療消耗品が安いし、
コストを気にしないでよい立場だし、
教える相手のUSAのレジデントが不器用だからじゃないだろうか。
第一、糸がMOTTAINAI !!
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とにかく、正しい結び目を作らないと、なんど結紮してもほどけ易い結び目しかできない。
「言って聞かせて、やって見せて、やらせて見て・・・・・」
それでも、「アレッ?ほどけちゃった」という人には手術はまかせられない。
助手をしていても、いちいち1つ1つの結紮をチェックできない。
大切な結紮がほどけたら・・・・・馬が死ぬ。
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幕末はよくドラマになるのだが、明治初期の政争はドラマになることは少ない。
しかし、その10年に日本は創られ、そして、機構そのものは大きくは変わっていないのかもしれない。
ほん結びはほどき易い、消防などではこちらを教わりますね。
結ぶ時はしっかり結べて、ほどく時はすっととけるのが利点と言いますね。
もやい結びとか色々教わりますけど、常に使っていないと忘れてしまいます(^^ゞ
外科結び、ほどけやすい、考えさせられますね。
帯を結ぶ時、帯締めの結び方をほん結びか外科結びにしております(*^_^*)
このシリーズ外科実習の復習のようでうれしいです。
やっぱり白衣のボタン付けやホツレなどを裁縫するときには、把針器が必須です。その方が早いし緩みません!!糸も短くても使えるし。なぜ家庭科で教えてくれなかったんだと一時期本気で思ってました。
皮膚縫合の時だけは結紮をハジに寄せます。その方が抜糸が楽なので。
(“燃えよ剣”くらいしか読んでいなく、“竜馬”を数ページで挫折した私がいうのも何なんですけれども^^;)
最近のアラブ等々のニュースを見るとあのころの勝った官軍は偉かったのだろうけれども負けてくれた方も偉かったのではないかと思いはじめたところです。。
以前公獣協の夏期研修でお世話になりましたものです。
学生時代に、幸運にも一糸一糸の大切さや奥深さを学ぶことができ、さらにラット、豚眼でかなり練習しましたので(あえてデリケートな組織で練習することで、組織に無駄なストレスをかけないように縫合する練習、という目的もありました)、
先生の仰ること、とてもわかる気がします。(とはいえまだまだ経験不足でして、本当の意味で理解しているとは思えませんが・・・)
2009年冬の公獣協研修で再手術しましたド○○○キ○○○○(伏字にする必要があるか、定かでないので、伏字にて失礼します。)も、正確な原因は分かりませんが、自分にとってとてもインパクトのある出来事で、縫合の大切さを再認識させていただきました。
把針器の方向、針の通し方、糸を引く方向、結び目の作り方(今にもほどけそうな結び目)など、あまり気にしない術者の多いのに、正直、驚いています。
外科を学ぶなら、先生ように、一糸一糸を大切にする方に学びたいです!!!!!
「切る」と「縫う」を正確にできることが、外科の大前提・基本・本質だと思っています。(違うかもしれません。。間違っていましたら、すみません。)
ロープや糸は材質や太さによっても違いますから、それにあった結び方で良いのだと思います。ただ、小さく締まった結び目の方がほどけにくいのは共通でしょう。帯はほどけないと困ってしまいますが・・・
把針器は裁縫道具としても売れるかもしれませんね。
皮膚縫合の結び目をルーペで確認してみてください;笑。
「翔ぶが如く」一般的には面白くありません;笑。小説としても構想と読後感が破綻していると思います。長大な失敗作でしょう。しかし、それこそが明治初期の混乱を描き出しているように思います。
無私の精神、士道がまだ残っていた。そして、それがゆえに武士が滅びていった姿が描かれているようにも思います。
元気で頑張ってますか?
切開や縫合は、まさに、本を読んでわかっても泳げもしないし自転車にも乗れない。という部分でしょう。ときどき基本に帰りながら指や手に覚えさせるしかありません。
大丈夫。お箸の国の人だもの。
以前、見ました(笑)
以来確信犯です
あっ、いびつにならないようにはしてますよ。
犬や猫がほとんどですし、傷の上だと抜糸の時私も犬も大泣きです。馬も単結紮なら極力傷からずらすよう工夫します。