競走馬の業界では、浅屈腱炎、いわゆる「えび」は非常に警戒される。
治す方法がない業病だからだろう。
強い調教や競走をしないとまず起こることはないのだが、”あてえび”という俗称も流通している。
ぶつけて”エビ”になった、という意味らしい。
ときどき、浅屈腱炎が起こる部分の超音波検査を依頼される。
ぶつけて腫れているのだけど、腱が何ともないか観て欲しい・・・・・
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ぶつけたくらいで腱繊維が切れることはない、と思っているし、説明している。
よほど何か鋭利なもので切らないと、腱なんてぶつけて切れるもんじゃありません、と言って来た。
だけど・・・・・
この1歳馬は、木の柵を蹴飛ばして腱が切れてしまった。
写真の上の方にわずかに写っているのが外傷部。
屈腱部にギャップがあり、腱が切れているようなので、底側正中を切開したら・・・・
浅屈腱は完全に切れており、なんと深屈腱まで不全断裂していた。
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腱は合成吸収性モノフィラメント PDS1号で縫合した。
ちなみにこの縫合糸は1本で5000円ほどする。
縫合方法は、three loop pulley をアレンジして使った。
腱の縫合の仕方はいくつも考案されている。
実際には、完全に断裂している腱を縫合することは多くはないのだけど・・・・
three loop pulley は悪くない、と思っている。
術後はキャストした。
4週間は固定して腱が癒合するのを待ちたい。
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鼻捻子、じょうずに取れますか?
物を強くつかむには、人差し指より小指の方が大事だからです。
断面の様子や部位の違いで縫合方法を選ぶのでしょか?
腱と骨の接合部が断裂した場合は治せないですか?こないだからときどき考えてるけど、なかなかイメージできないです
鼻捻子、小指の内側に保持すると落としにくいんでしょね。
寒いから、ダウンジャケットしまうのやめた。亀虎も温浴で元気、食欲復活!
私は、馬から見えないように、縄の部分を肘にかけておいて、鼻を掴んでから、縄を鼻にかけて回してました。
指に縄をかけておいた方が、素早くできますね。
腱縫合の方法は、死体の腱での実験がずいぶん行われているのですが、現実には真横にすっぱり切れていることはほとんどないので、アレンジの効く縫合法がありがたいです。
それと切れてから時間が経っていると、ひっぱれる縫合法ですね。
また天気がぐずつくようです。寒い初夏ですね。
far-near-farは複数かけても垂直マットレスですから縦に裂けやすい組織は厳しいかもです。
比べスリーループは水平マットレス的ですから良さそうですが、これは軸方向から見てバイオハザードマークのように内部の縫合糸が櫓組になって、更に捻れないようにと考えて行くとなかなか難しいですね。
糸目が腱内部に入り込む縫合法は腱膜との干渉を避ける目的なのでしょうが、引き寄せる目的では厳しいですね。
個人的にはブンネルの糸目を外に出すやり方が障害部位に一番優しい方法のような気もします。
折れない方が不思議なくらい細い脚で腫れていたら、切れているかどうか判断するだけでも素人は大変ですけどね笑
この馬、腱が切れているのは皮膚の上からくぼみでわかりました。人のアキレス腱断裂もそうらしいです。