分娩後の繁殖牝馬の疝痛。
典型的な分娩後の結腸捻転。
結腸を創外へ出して、骨盤曲を切開するが・・・・
粘膜の色は極端には悪くない。
しかし・・・・
結腸基部よりが色調の回復が悪い。
表面、つまり漿膜の色、というより深い部分、筋層が傷んでいる。
結腸切除、亜全摘することにした。
この母馬が生き残っても、どんどん食べて、十分に乳が出るとは思えない。
乳母馬を頼んでもらうことにした。
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なんとその夜、また重症の結腸捻転で結腸切除したそうだ。
今年度は本当に結腸切除する馬が多い。
これらの母馬2頭は2日後、それぞれ退院していった。
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そして今日。
夜中2時にお産が終わり、朝7時から疝痛になった繁殖牝馬。
ひどい疝痛でフルニキシン無効、超音波検査で結腸壁の肥厚が確認できた、との連絡。
午前中の膝OCDはX線検査だけにして手術は別な日にしてもらう。
そのあとの2頭の予定は延期。
そして、来院した疝痛馬は立っているのがやっと。
PCV45%、しかし口粘膜が薄紫で血管が浮いている。
これはただごとじゃない。
開腹したら・・・・・
360+180の捻転。five forty 540° ってやつだ。いやいやスノボの技じゃない。
この馬も結腸切除になった。
切除部位でも粘膜の色は悪い。
今年は本当に結腸切除・吻合しなければいけない症例が多い。
かつてはあきらめていた症例を助けられるかも、というところまできたのだ。
がんばろう。
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薄紫の空が、水色になっていった。
色彩感覚も馬外科医には重要だと思うな。
色彩感覚、経時的な変化や深部の状態の推察には経験も必要かと。救命できるのすごいです。
スノーボードの技、アナウンサーは瞬時によくわかるな、といつも感心します。
獣医さんもスノーボーダーさんもスポーツアナもよい1日を
乳母馬さんも出産馬も子馬も元気に過ごせますように。
360-180ではなくグルングルンなのですか。
よく解っていないから訊ける話ですが、実際いどこからどう戻すか全部が全部ではない、ということにもなりそうでして。
時系列追って朝?
DAWN PURPLEという言葉ユーミンから知りました。
hig先生も潜在意識から出てきているかも知れませんね笑
骨盤曲から引っ張り出せれば、そうします。180°ずつ裏返すのですが、1回2回、それでも捻れていて、もう1回裏返したら540°ですよね。
この写真は朝でした。
可視粘膜や腸管の色調の判断はとても重要なスキルだと思っています。
寒さが早く終わりすぎたのかも。
サラブレッドを乳母に使う技術も進んできているようです。
馬の繁殖頭数、まして代用乳を使う場合を考えると製品化は難しいのかもしれませんね。
牛は代用乳の種類がそこそこあるので、馬用に調整しやすいものを選んで、これに、不足成分を添加するなどすればと安易に考えてしまいます。
子馬も背に腹は代えられないので多少の違いは受け入れてくれると思うのですが。
乳母馬を借りる費用は高いですが、馬用粉ミルクを数ヶ月分買うと同じくらいの費用がかかってしまいます。そして人が哺乳作業の手間と睡眠不足でたいへんです。
脱脂粉乳が在庫過剰になっているようですから、値段を落として、あとは馬用哺乳ロボットを開発すれば良いのかも!
乳母馬の仕組みを垣間見れました。
馬の哺乳は牛のように1日2〜3回では済まないのですね。
なんとなく、乳母馬はたまたま子馬を亡くした馬がなるのかと思っていましたが、よく考えるとそんなタイミングよくは滅多になさそうですね。
乳母馬の本当の子は牛用で育てられる。は更にびっくり。
今年は関西さくらが遅れているので、桜花賞が桜満開の下で行われるかもしれませんね。
これを想像すると、何故か杉本清さんの実況がふわっと聞こえてきました。(笑)
そして、乳母馬として出稼ぎに行くハフリンガーや重種馬が居るのに、サラブレッドはたいてい乳母には成れず、自分のこどもさえ虐待したりする。サラブレッドが特殊な馬なんでしょう。
今年、サクラが遅い、というのも不思議なことです。スキー・スノボも3月が一番良かった、という声も;笑