馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

季節はずれの結腸亜全摘

2020-11-27 | 急性腹症

朝、相棒と散歩中に電話。

4歳繁殖雌馬、疝痛、フルニキシン・鎮静剤無効、胃カテでガスのみ、直腸検査で腸紐の緊張あり、etc.

きちんとするべき検査をして、要領よく状態を伝えてくれる診療依頼はかえって珍しい。

午前中に予定していた手術は延期してもらった。

                 -

来院したら、痛くて立っていられない。

血液検査で、PCVと乳酸値が、47%、3.4mmol/lと高いのを確認して、即開腹。

結腸内容は多くないが、大結腸の絞扼による損傷はかなり。

骨盤曲切開部の粘膜もあまり良くない。

骨盤曲近くには、結腸壁が血腫になって肥厚している部分があった。

結腸動脈も異常に太い部分がある。

骨盤曲を縫合閉鎖して、捻転を完全に整復しても左側結腸の色調は回復しない。

切除・吻合することにした。

切除部分でも粘膜は健常ではなかった。

結腸動脈は、6重に結紮しなければならなかった。

季節はずれの大手術になった。

               ////////////////

あるときから、ムクゲのつぼみが開かなくなった、と思っていたら、

花が落ちた後の種だった;笑

 

 

 



6 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2020-11-27 07:17:04
 多発シーズンとは発症原因は違うものなのでしょか?まだ若いですね。これからの生活に今回のダメージが残らないといいですね。

 ムクゲの実のざらざらした質感を想起しました。
 タニタ君、数日前肉質100点くれたのに、今朝は90点と厳しい。
 スタークソックスの、障害の着地でがっくんとならない推進力に心地よさを覚える。
 そんな朝。
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Unknown (脱サラの牛飼い)
2020-11-27 10:54:49
すみません。脱線します。
スタークソックス、懐かしい。私が行っていた乗馬クラブに灰色の芦毛でいました。
当時、メジロマックイーンの子が何頭かいました。私がよく乗せてもらったのは、バトルクイーンという小柄な牝馬で、名前の通り勝ち気でいい子でした。
内国産馬の障害向けの馬には、多く乗せてもらっていたのですが、スタークソックスには乗せてもらえなかった?(乗り味の記憶がない。けど、存在は鮮明に覚えている)
後にオリンピック選手になったスタッフとピカイチ高校生がある程度仕上げ、その後よその乗馬クラブへ。
あとはずーっと大活躍。
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>はとぽっけさん (hig)
2020-11-27 17:20:03
今週は2頭目の結腸捻転でした。春だと1日2頭も珍しくないのですが、この季節だとどうして?と思ってしまいます。

スタークソックスは障害の有名馬なんですね?
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>脱サラの牛飼いさん (hig)
2020-11-27 17:24:14
障害馬に要求される資質もいろいろなんでしょうね。気性、ジャンプ力、馬格、etc.
大障害で、肢をきゅっと折り曲げたり、横へたたんだりして跳んでいるのを観ると感心します。牧柵突き破って怪我しているサラブレッドを数多く診ますので;笑
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Unknown (zebra)
2020-11-28 08:14:05
前夜からの騒動だったのでしょう。
馬も飼養者も獣医師も持ち堪えて良かったですね。
秋が長った際の草ってどうなのでしょう。
ほんとろくでもないと私は思います。

勝手に障害飛んで遊んでいたりするのが乗馬としての資質なのではないですかね。
彼らの生涯も長いですよね。
興味をなくして怠けるのが大体の家畜なんじゃないかと思います。
馬力大会で負けると家畜車で腹痛いふりするのがいるんですと。
よっぽど折檻されてきたんだな、と所有者は気にもしてませんでしたがそういうところが馬の頭のよさなのかもしれません。
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>zebraさん (hig)
2020-11-28 19:09:14
冷えてきて、霜に当たっていますから、糖質が多いのかもしれません。それが結腸捻転の要因になるかどうかわかりませんし、そうだとしてもその機序もわかりませんが。

馬の筋肉痛は疝痛として捉えられることがあるのかもしれませんよ。
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