さて、いよいよ実践方法について。
私が言うんじゃない。
Cornell大学の獣医内科専門医G.A.Perkins先生が2005年にAAEPで講演した内容だ。
(どういうわけか文字の色分け機能が使えない。それで、講演要旨の記述が下線部、そのあとは私の注釈です)
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1. 高張食塩水2-4ml/kgを投与する。
体重500kgの馬なら1-2リットル。
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高張食塩水が登場してきたとき賛否両論迫出した。
今は牛用に売れている補液剤の3割以上が高張食塩水だとも聞く。
馬は、ルーメンという貯蔵タンクを持たないことや、低クロール血症が起こりにくいことなど、牛とは違う点も数あるが、
循環血液量を増やし、飲水欲を刺激する効果は他のものでは得難い。
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2. 高張食塩水を投与した後、欠乏量を2時間以上かけて電解質液で投与する。
500kgの馬では、5%なら25?、8%なら40?、10%なら50?である。
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エンドトキシン血症があって、末梢血管の透過性が亢進しているようなほとんどの馬では、血漿アルブミンや、輸液した電解質は容易に間質へ漏れ出して浮腫を引き起こす。
この様な症例ではヘタスターチのようなコロイドの投与が推奨されてきた。
ヘタスターチの投与量は5-15ml/kg、500kgの馬なら2.5-7.5?である。
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3. 欠乏量を投与したら患馬を再評価する。外科・集中治療施設への搬送が必要かどうか、それとも牧場で治療できるか判断する。
もしその馬が安定していて、牧場で治療しうるならこれからの喪失量を含めた維持量を投与する。
維持量は60ml/kg/day、すなわち500kgの馬なら30?/dayである。
(中略)
もしその馬が胃液逆流が無く、水を飲めるなら、新鮮な水、電解質液、舐めるための塩を自由給与する。
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カリウムの補給についても書いてあるのだが、それは今回は省略。
喪失量が25-50?と言っても、維持量が1日30?に及ぶのだから、もし患馬が水を飲めない飲まない状態だったり、
下痢や激しい発汗のようにまだ喪失が続くなら、50-80?を超える輸液を初日にしないと患馬の脱水は改善されない。
あるいは、死ぬ。
(つづく)
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(どういうわけか写真が回転できない)
会長に「集合写真は撮らないのですか?」とお聞きしたのですが、時既に遅し。
公獣協の表紙を飾る事はなさそうです。
このブログがきっかけで会員になったので、勝手ながら嬉しいご縁に感謝感激。
今後ともよろしくお願いいたします。
最長不倒参加者記録だったかもしれませんね;笑。表紙には別の集合写真が載るかもしれません。
このブログがきっかけで公獣協会員になられたとのこと、こちらこそよろしくお願いします。
エンドトキシンショックでは腸管吸収もままならないでしょうから牛ではまず行わない継続補液が馬では必要なのでしょうか。
牛では甚急性乳房炎にみられるエンドトキシンショックに先駆けて投与する場合が多いわけですが(ショック段階に入れば使えないでしょう)これで電解質漏出が見られる場合はまずないですね。
継続補液ではむくんできます。
四胃捻転のように血液循環があって漿膜下に水種が発生する様な条件では高張食塩水は猛烈に漏出します。
おそらく腸管手術のような侵襲がある場合でも「傷口に塩を塗る」事態が発生するのではないかと思います。
コロイドは投入するとなかなか排出されないということでしょうから、以降の補液計画が難しくなりそうです。
今回のセミナーはすごいよと、私は後輩に、ぜひ行って、あとで内容を教えてと頼んだのですが、後輩も一身上の都合(二身上?…三身上の^^!)により参加できず、残念でした。
高張食塩水や経口水分投与の効果をこの連載で拝見して、先日、軽い便秘疝後の馬に、回復時期いつも乾草だけやるのですが、餌つけ時かい桶に塩カルを入れて、水桶に飲みやすいよう、その馬が好きというお湯を入れてみましたところ、馬が自分でよく水を飲んで、回復が順調だったように思います、
>もしその馬が胃液逆流が無く、水を飲めるなら、新鮮な水、電解質液、舐めるための塩を自由給与する。
同じだと思いました(嬉!)
ショック状態でも使えると思いますよ。私たちは手術時にこそ使います。血圧をモニターしながらですから、効果を実感しています。
コロイドもふつうに入れる量なら過剰な効果はないと思います。
塩カルとは塩化カルシウムですか?私は使ったことはありませんが・・・塩カルビじゃないですよね;笑。
経口カルシウム剤はアルファルファをやっているといらないのじゃないの?と思いますが、習慣的にやっているところが多いようです。
まあ、チモシーばかりの馬もいますので、区別するのも煩雑なのだろうと思います☆
回復時の馬の管理で、塩ブロックを馬房につけたこともありますが、
飼い付け時にエサ桶に塩を入れるほうが、馬の心理として他の馬につられてつい勢いで舐めるのではないかと、自由になめるよりも塩分摂取を促すかもしれないと、思いました☆
小さいことですが☆
しおカルですか。えさもつくづく難しいですが、だいじなことですよね。