馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

馬の外耳、中耳、内耳

2017-02-21 | 馬臨床解剖学

きのうも忙しくて解剖体で勉強できなかったので、今朝は暗いうちから解剖場で外耳から中耳、そして内耳の勉強。

解剖の写真いっぱいなので、見たくない人はパスしてね。

外耳。耳介から耳の穴。

耳の周りには腺組織が取り囲んでいる。外から切り込める箇所ではなさそうだ。

破れてしまったが馬の鼓膜。

側頭骨を割って取り除くと、もう脳室と脳神経が見えている。

とても深く、危ない箇所だ。

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午前中、頭を傾げている2歳馬の角舌骨摘出手術。

鼓膜を切開して、耳管洗浄もしたかったのだが、鼓膜へアプローチできず。

どうやら子牛のマイコプラズマ内耳炎のようにはいかないようだ。

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急患で2歳馬の舌の外傷。

全身麻酔して縫合。

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入院している1歳馬、繁殖雌馬も調子悪い。

別な繁殖雌馬が疝痛で来院。

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午後、2歳馬の喉頭形成・声帯切除。

疝痛の3頭は全部だめだった。

1歳馬が腕節構成骨の骨折による腕節外反で緊急来院。

X線撮影して、フルリムキャストを巻いた。

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朝日が射しはじめた頃、相棒と散歩した。

まだ寒いが、陽射しの長さと力強さが冬とはちがう。

もう充分いそがしいしね。

 

 



4 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2017-02-22 08:01:22
 疝痛のおんまさんは残念なことでした。
 三叉神経麻痺の手術のアプローチはこういうところからなんだろな、とか、おんまさんにも滲出性中耳炎はあるだそうな、とかいろいろ考えながら拝見しました。
 春が近いぞ!という嬉しさの反面、まだまだ寒いぞと、気の引き締まる思いが交錯する季節ですが、おんまさんの体調不良にははやく気が付いてあげたい、回復してげんきになってほしい、と思う気持ちは忙しくお疲れのなかでも同じだろうと思います。


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>はとぽっけさん (hig)
2017-02-22 19:26:00
1日に3頭がダメになりました。こんな日は珍しいです。
側頭骨は微妙な箇所ですね。
2月というのにチョット忙しすぎました。
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Unknown (piebald)
2017-02-22 21:05:05
馬を抑えるのに、耳を掴むというのもあるようですが、こうして見せていただくと、鼻ねじの方が良さそうですね。
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>piebaldさん (hig)
2017-02-23 04:38:45
たしかに。ただ、これだけ馬を観ていても耳がちぎれた馬というのは診たことがありません。
けんかするときは、ちゃんと耳を折りたたんで噛みつきにいきますしね。

耳に水が入るような馬の頭や顔の洗い方は良くないようです。
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