1ヶ月齢の黒毛和種子牛。
臍からの膿が治療しても止まらないとのことで、手術のために来院。
気管挿管して手術台に乗せている。
プロポフォールを点滴している。
デマンドバルブはとても有効。
それも気管挿管しているからの話。
大網が癒着していた。
全国的に、こういう症例はどうやって治療されているのだろう。
手術室で、全身麻酔して、開腹手術して患部を全摘することがそうそう行われているとも思えない。
農場で、キシラジンだけで、てきぱきと病巣の切除が行われているのか、あるいは切開だけで済ましてもたいていの子牛は治るのか・・・・?
炎症像がある場合切除が簡単かといえばそうではないと思います。
膀胱にも連絡して排膿していたり、肝臓内部まで膿瘍が到達している可能性もあるからです。
これを安易に切除しましょうというのは容易ではない。
きる切らない以前にできる限りどこまで膿瘍が到達しているかを把握することが大事だと思いますよ。
とりましょうといって取れなければ悲惨ですから。
牛の麻酔はキシラジンに圧倒的に依存しているにもかかわらず、その他の薬品の作用を過剰または過小に評価しているからいろいろなことが起きるのだと思います。
馬の麻酔より当然未発達ですし、補助呼吸の準備も必要と考える根拠です。
超音波で観ても完全な評価は難しいですよね。
超音波で観ても難しい話ではありますが、臍に排膿がなくても腹腔内に膿瘍があって全く不調という症例が新生子虚弱の中にはあるはずです。
これがどの程度のものか見つけてみたいものです。