馬の寄生虫を放っておくと、もっとも被害が大きくなるのは円虫による被害だ。
円虫は仔虫が口から入り、腸管を抜け出て腸管へ血液を送っている動脈の根元まで行き、動脈の内側へ噛み付く。
前腸間膜動脈の根部なのだが、右のように完全に血栓ができて詰まってしまう。
その血栓を切り分けると、左のように糸ミミズのような円虫の仔虫が中に入っている。
腸管へ血液を送る大事な動脈がこのように詰まってしまうと、腸は動きがおかしくなり、ひどければ壊死してしまう。
昔の駆虫薬は、腸の中に居る寄生虫しか殺せなかった。しかし、イベルメクチンは体に吸収されて作用し、腸管の外、すなわち体内移行しているステージの寄生虫も死ぬとされている。
イベルメクチン以前は、解剖する馬のほとんどに、多かれ少なかれ寄生虫性の血栓があった。しかし、イベルメクチン発売以降は寄生虫性の血栓を見ることは少なくなった。
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イベルメクチン発売以来、小腸捻転は減ったのではないかと思っている。これはたぶんきちんと統計をとっても有意差はでない仮説なのだが、円虫により血行がおかしくなった小腸が動きが異常になり、腸捻転を起こすということがかなりあったのではないかと考えている。
人でも「腹の虫がおさまらない」とか「虫の居所が悪い」などと言う慣用句が残っている。これは昔の人が、寄生虫により腹具合が悪くなることを知っていたことを示している。
ただ、すぐれた駆虫薬があってもやらなければ何の意味もない。
私が考えた寄生虫の害を示す3原則。
・寄生虫はいつも馬の能力をおとす。
・寄生虫はしばしば馬に疝痛をおこす。
・寄生虫はときに馬を殺す。
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たぶんカラスの仕業だ。豆作先生ご名答。
信じられますか?原野に住んでいるわけでもないのに、夜、帰ってくると、家の前に鹿が群れて家の周りの苗木を食い散らかしているんです。
山にも樹ぐらいいくらでもあるだろうに、まったく!!
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私が毎年美しいと思うのは、誰が植えたわけでもないだろうに、診療所の向かいの道もない山に咲く桜だ。
いつかそばまで行ってみたいと思いながら、もう20年遠くから眺めている。
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結腸捻転、膀胱破裂、癒着疝、小腸捻転・・・・
花見は、、、できそうにない。
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