真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
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駄楽ひまなときブログ
行きつけのお店のブログ、下戸なのに。しかも閉めたんだけどね
ツイッタ
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友松直之監督のブログ、激しくエモーショナル
影への隠遁Blog
山﨑邦紀監督のブログ
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こびりつき映画記
サイボク氏のブログ、ピンク映画に関するエントリー多し
BATTLE BABES HC
SHIN氏のブログ、ピンク映画啓蒙運動も展開中
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そのまんまです
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自己紹介
福岡市在住のピンクス。ピンクスとは、ピンク映画愛好の士、を意味する造語である。
仮名遣ひは正仮名を使用。
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課外授業 暴行/素のDMM戦
さ行
/
2019年02月17日
「
課外授業 暴行
」(1989/製作:国映株式会社/配給:新東宝映画/監督:瀬々敬久/脚本:佐々木宏・瀬々敬久/企画:朝倉大介/撮影:斉藤幸一/照明:加藤博美/編集:酒井正次/助監督:小原忠美/不明:山川明人・松本キヨシ・小泉玲・松岡邦彦/録音:銀座サウンド/現像:東映化学/出演:中島小夜子・松永久仁彦・清野歴史・小川真実・島田由香・伊藤清美・佐野和宏・加藤海彦・山本竜二・下元史朗/友情出演:瀧口裕美・隈井士門・伊藤猛・マブゼ・佐々木宏・丸沢直巳・五代響子)。正確なビリングは、山竜と下元史朗の間にカメオ部を挿む。山川明人以下四名の担当を不明としたのは、瀬々から東化まで“スタッフ”の一括りで一遍に打ちやがるため、ひどい。
「卒業式まで、あと三日だつた」、空港脇、セーラー服でフーセンガムを気怠く膨らませる中島小夜子のモノローグ。カメラが引き、赤い車が中島小夜子を迎へに来る。左端を車が通過する、卒塔婆にしか見えないボラードが林立する船着場にタイトル・イン。三十年の間に失はれたてしまつたにさうゐない、荒涼さが爆裂するロケーションが比類ない。逆に、その間果たして何が生まれたんだらう。
都立鳳工業高校三年の岡山桃か百、愛称・モモ(中島)が、数学教師の矢沢ヒデトシ(下元)とカーセックロス。ところがそれは性質の悪いハニートラップ―良質のハニトラが如何なるものか知らんけど―で、車の外からポラロイドを向けた引野か曳野?ことジョニー(松永)が、豪快に一千万を要求。清野歴史改めレキシ(ヒムセルフ)が待つ、亡父がジョニーに遺した漁船、その名も「ジョニー丸」で出港、矢沢を撒いた三人は、チャカ持ちの見るからキナ臭い佐野が溺れてゐたのを引き上げる。人民服の朝鮮人・リン(島田)、兄貴分(加藤)にマツ(山本)とジョニーが交錯する一方、意識を回復した台湾人でシャブ中のキム・キンギョ(佐野)は、女の不在に暴れるだけ暴れると嵐のやうに捌けて行く。そんな最中、将来に関するモラトリアムな不安を捏ね繰り回しつつ、カップヌードルを食さうとしてゐたジョニーとレキシは、入管の収容所から脱走して来たジャパゆき・ヤン(小川)と出会ふ。
配役残り伊藤猛以外のカメオ部は、超絶の映画的虚構で矢沢がクロスする、サラ金強盗要員、瀧口裕美が矢沢と再会を果たすヨシムラマミか。ガチャガチャする中一人も特定能はないが、頭数は一応合ふ。無闇に飛び込んで来る伊藤猛は、モモを奪はれたまゝジョニー・レキシ、そしてキンギョが踏み入れた歓楽街、三人と藪蛇な悶着を起こす通りすがり。伊藤清美は、ヤンを伴つた台湾帰国の手引きを、キンギョが頼る国籍がやゝこしいブローカー、あるいは同業者。合はせられないピント越しの画面奥には、昭和天皇の新聞記事が霞んで見える。
香ばしい原題が「羽田へ行つてみろ、そこには海賊になつたガキどもが今やと出発を待つてゐる」、
国映大戦
第十戦は瀬々敬久デビュー作。遠く今は亡き伝説のピンクス・極狂遊民カチカチ山さんの16mm上映会で観た思ひでも、この期に及んでは懐かしいのも通り過ぎた。
四海幇まで持ち出したワールドワイドな大風呂敷は、太宰で木に竹を接ぐ瀬々自身の青さ以前に、発声がへべれけな若手俳優部の非力に足を引かれる。翌年、佐藤寿保の「
半裸本番 女子大生暴行篇
」(脚本:夢野史郎)でエターナルに開花する絶対美少女・中島小夜子も、今作時点では未だ甚だ粗削り。高が知れた六十分の尺に、最終的には台湾まで見据ゑ、争奪戦を繰り広げながら羽田と東京を往き来する展開を詰め込むとあつては、本来の主眼である筈の女の裸が、申し訳程度に済まされるのには論を俟つまい。さうはいへ、あるいはそんな中でも。轟くかの如く、佐野が煌めく。サクッとヤサを突き止められた、兄貴とマツに日本はアメ公のオカマだと痛罵するに続き、「も一回原爆でも落として貰つてな、目でも覚ませよ」。悪態つかせた佐野の、疾走感が圧倒的。ゴミ捨て場にて半壊したラジカセで「蘇州夜曲」を鳴らしつつ、拾つたグラサンを戯れにかけてみるショットも超絶カッコいい、トートかTシャツ商品化せんかいな。エンドレスな繰り返しに終始する教師人生を漫然と生きる矢沢に対し、情けなくなると説教を垂れるモモが撃ち抜く、「ちやんと生きてよね」は確かなサムシングを刻み込む。全般的にはある意味素直に纏まりを欠き、裸映画としては落第点にせよ、端々どころでなく方々突き抜けて光る、エッジの効き過ぎた一作。昭和どころかいよいよ平成も終らんとするこのタイミングで、改めて見てみるのも一興。喪失感なり空虚なんて時化たエモーションがテーマたり得ない、豊かな次代が来ればいいのにな、とは思ふものの。政のクソッタレぶりを見やるにつけ、さうなる雰囲気なんて一ッ欠片たりとて見当たらねえ。黙つてないで、また雑言叩いてお呉れよ佐野。
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